作品一覧

  • 星を掬う
    NEW
    4.2
    1巻836円 (税込)
    手に掬い取れるものが、星のようにうつくしく輝きを放つものであればいい。 そのひとつに、わたしとの記憶もあったら、嬉しいな。 千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、かつて自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、家事を完璧に担う彩子と、聖子を理想の「母」と呼び慕う恵真。 「普通」の家族関係を築けなかった者たちの奇妙な共同生活は、途中、うまくいきかけたものの、聖子の病で終わりを告げ――。 すれ違う母と娘の感動長篇。 〈解説〉夏目浩光
  • わたしの知る花
    4.4
    1巻1,870円 (税込)
    「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」 犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。 部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。 生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。 淡く、薄く、醜くも、尊い。 様々な花から蘇る記憶――。 これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー
    3.5
    1巻836円 (税込)
    人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂/ありふれた特別=寺地はるな/二人という旅=雪舟えま/漂泊の道=嶋津輝/祀りの生きもの=高山羽根子/六年目の弔い=町田そのこ
  • 夜明けのはざま
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞!3年連続、本屋大賞ノミネート!! 自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。 死を見つめることで、〝自分らしさ″と〝生″への葛藤と希望を力強く描き出した、著者渾身の感動作。
  • コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex)
    4.3
    1~3巻605~737円 (税込)
    九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから……。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
  • ぎょらん(新潮文庫)
    4.4
    1巻935円 (税込)
    人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)
  • 52ヘルツのクジラたち【特典付き】
    4.6
    1巻814円 (税込)
    2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。 【文庫化特典 スペシャルストーリー】 町田そのこさんの書き下ろし小説付き 52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ のためこの世で一番孤独だと言われている。 自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。 〈解説〉内田剛
  • あなたはここにいなくとも
    4.1
    1巻1,705円 (税込)
    恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。
  • あなたはここにいなくとも 無料お試し版
    無料あり
    3.8
    1巻0円 (税込)
    どれだけ辛くても、わたしひとりの苦しみではない。この苦しみを慈しんでくれるひとが、遠くに待ってくれている。 恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまっているけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐし、本当の自分を取り戻すための全五篇。 2021年に本屋大賞第一位となり、常に新刊を心待ちにされる著者による2023年2月刊行の短篇集のなかから、「おつやのよる」を特別無料配信します。 *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。 町田そのこ(まちだ・そのこ) 1980年生まれ、福岡県在住。2016年「カメルーンの青い魚」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。17年、同作を含む短編集『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞。他の著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家』『星を掬う』『宙(そら)ごはん』「コンビニ兄弟」シリーズがある。

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  • 宙ごはん
    4.7
    1巻1,584円 (税込)
    この物語は、あなたの人生を支えてくれる。 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。 宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。 全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
  • うつくしが丘の不幸の家
    4.3
    1巻760円 (税込)
    海を見下ろす住宅地『うつくしが丘』に建つ、築 21 年の三階建て一軒家を購入した美保理と譲。一階を念願の美容室に改装したその家で、夫婦の新しい日々が始まるはずだった。だが開店二日前、偶然通りがかった住民から「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われてしまい……。わたしが不幸かどうかを決めるのは、家でも他人でもない。わたしたち、この家で暮らして本当によかった──。「不幸の家」で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族の物語。本屋大賞受賞作家による、心温まる傑作小説。/【目次】第一章 おわりの家――美容室開業に選んだ家を「不幸の家」と言われた女性。/第二章 ままごとの家――不仲の夫、家でした娘、反抗的な息子、迷える妻。/第三章 さなぎの家――男に騙された女性と、幼い娘を抱えたシングルマザー。/第四章 夢喰いの家――不妊治療がうまくいかず、離婚届を書いた年の差夫婦。/第五章 しあわせの家――恋人が置いていった子供と、かつて父に捨てられた私。/エピローグ/解説=瀧井朝世
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)
    4.3
    1巻693円 (税込)
    思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
  • ぎょらん(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     町田その子さんの本は「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」に次いで二冊目。この本は「ぎょらん」(魚の卵)。読んでないけれど、「52ヘルツのクジラたち」というのもあるから、町田その子さんは、海や水や魚からインスピレーションを得ているのかな?
     だけど「夜空を泳ぐチョコレートグラミー」は全部の短編が「青」のイメージで統一されていたのに対し、この「ぎょらん」は「赤」だ。
     亡くなった人が残すという魚の卵(イクラ)のような赤い玉。その「ぎょらん」と呼ばれる赤い玉を口にすると亡くなった人の最後の思いが分かるという。
     主人公の朱鷺は大学生の時に自殺した親友の「ぎょらん」を口にしてしまい、親友の最後の恨みや

    0
    2024年09月30日
  • 宙ごはん

    Posted by ブクログ

    「本っていいなぁ〜!!!」って久々に思った。
    各章の「ごはん」の書かれ方に毎回感動してしまう。さらに最終章では「愛とやさしさ」について考えた。そんで「人生って悪くないな」って思える。いや〜良かった。オススメです!


    心撃ち抜かれた花野の言葉
    ・「旦那さんは、そんなにあなたにやさしくしてくれたの?」「やさしいって、例えばどういうことですか。仕事はしてくれますし、生活費もきちんと毎月くれました。普段はにこやかで、時々はヒロムと遊んでくれたりしますけど。」
    「そうじゃなくてね、『ごめんなさい』、『ありがとう』を伝えてくれるか。そして、『君は大丈夫?』って訊いてくれるかってことだよ」

    →当たり前の

    0
    2024年09月29日
  • 夜明けのはざま

    Posted by ブクログ

    町田そのこさんの作品が読みたいと思い手に取った1冊。

    『夜明け』ではなく『夜明けのはざま』。

    まだ明るくはない、しかしあともう少ししたら空が白んできて明るくなる。が私の夜明けのはざまのイメージ。

    そんな夜と朝の、いや、夜と夜明けのはざまを人に落とし込んで描かれた作品だなと感じました。

    人は明日に任せすぎている。

    私自身にも当てはまるなと感じました。

    いつかではなく、今と向き合う。

    改めてそう考えさせられた作品でした。

    0
    2024年09月28日
  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人の生き方を、魚に比喩した表現が自分の心な中でとてもしっくりと言葉として刺さり、人生というのは、大海原みたいなものだなと改めて思わされた。

    0
    2024年09月28日
  • 星を掬う

    Posted by ブクログ

    52ヘルツなどと同じように、弱者を描き寄り添う話。今作は、他の作品以上にとても辛い。描かれる登場人物の人生がまず相当に辛いが、作中でも更に辛くなり続けていくし、傷つけ合う描写もとても読むに耐えないものが多く、いつ良くなっていくのか不安になりながらひたすら読み進めるしかなかった。若干都合が良いかなと思う箇所もなくはないが、ふとポロッと出てくる表現に泣いてしまうのは、描写、展開がとても自然で上手いんだと思う。最後まで読んで落ち着きました。

    0
    2024年09月28日

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