【感想・ネタバレ】52ヘルツのクジラたち【特典付き】のレビュー

あらすじ

2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。

【文庫化特典 スペシャルストーリー】
町田そのこさんの書き下ろし小説付き

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
〈解説〉内田剛

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Posted by ブクログ

ネタバレ

3年前にも読んでいたが、映画を見て再読
映画の印象を頭に抱きながら、読めた
虐待されていた主人公が、取り戻せない失敗を犯して田舎に、そこでまた虐待されている男の子と出会う
仲間には聞こえない周波数52ヘルツで歌う鯨の声を心の安定剤として、皆に聞こえなくても自分は聞いているよ、聞こえているよというアンさん(キナコを虐待生活から救う)

キナコの虐待の回想シーンは本当にかなしい
でもあってもおかしくないような描写、
キナコの親友(みはる)もとてもやさしい。悲しい人も多いけど、やさしく救われる人も多い
色々な感情が入り混じって一気に(2回目だけど)読めた

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

色々な形の愛を知れた物語だった。重たくて苦しかったけどすごく暖かく優しい気持ちになれた。
人は人に助けられてその貰った優しさや強さでまた他の人を助ける。そんなふうにして世界は巡っているんだなと思った。私も誰かの52ヘルツの声に耳を澄まし受け止めることができる人間でありたいと思った。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

物語に出てくる「52ヘルツのクジラ達」が羨ましい。お互いを深い所で分かり合えているような。
そんな関係性が羨ましい。

自分自身、昔から多面的に恵まれた環境だったと思う。恵まれてて不満が無いから、自然に周波数の高い声を発せられるクジラで居られた気がする。
周波数で言えば「102ヘルツ」くらいを出し続ける「お気楽クジラ」。
( ・ _______ ・ )…ホゲ‐♪♪♪

「お気楽クジラ」は物語のキャラ的には美晴のような立ち位置な気がする。
彼女は偉い。明るくて、どんな声も聴き漏らさない上に、困っている「仲間クジラ」を助けてて。
彼女のような「ハツラツ・耳デカ・お助けクジラ」になれるように泳ぎたい。

声を全身で受けるって感覚は、想像しただけで感動する。

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

たくさんの愛に溢れた物語だった。
現実ではないのにどこか現実のようで、やっぱり人間は誰しも愛が必要だと感じさせてくれた。
どうかこの物語に出てくるみんなが、穏やかで幸せな日々を過ごせますように。

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

孤独であっても人は一人では生きられない。寄り添い、助け合うことで生きられる。
助けるつもりが逆に生きる糧、希望をもらうこともある。他人を知ること、理解することが自分自身を知る気付きとなる。

人と人が互いを知ることからすべてが始まる。

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本当に良かった。
様々な社会問題を知れたし、自分が幸せな環境で育ったと感謝の気持ちが芽生えた。

あんさん、切なすぎる、、、

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2026年02月03日

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いろんな意味で衝撃を受けた作品だった。
まず、初めの方から出てくるとてもあたたかな人、アンさんの存在。そしてそのアンさんがなぜかもう近くにいないこと。
いい意味で何度も想像した展開から裏切られる。
でも人は皆、与えられるだけじゃなく、大人になるにつれて与える人にならないといけない、という文が刺さった
誰かを助けてあげられるって、誰かのために生きるってとても尊いと思ったし、私もそう生きたいなと思った。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

町田その子こさん初読みです。最初はやっぱり本屋大賞かな、と。

お手本のような毒親と、お手本のようなモラハラ男に顔が顰めっ面になるけど、感動させて頂きました。

今もどこかで52ヘルツの助けを求める声がきっとしてるんでしょうね。他人事じゃなくて、その声が聞こえる人間になりたい、助けになってあげたい。
様々な景色を見せてくれる物語です。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

「たすけてと言ったぼくのこえ、キナコはきいてくれたよ」
通常10Hz~39Hzで鳴くクジラたちの中で、ただ一頭52Hzという周波数で鳴くために「仲間に声が届かない、世界でもっとも孤独なクジラ」と呼ばれる正体不明の個体になぞらえて物語が進む。実母と義父から虐待を受け、義父が病に倒れた際にはひとりで介護を強いられた過去をもつ主人公・貴湖(キナコ)が、現在進行形で実母から「ムシ(虫)」と呼ばれ、声を発することができなくなった少年・52と出会い、互いに寄り添い、支えあう決意をする。
キナコは岡田安吾(アンさん)という男性との出会いを通じて、辛い"第一の人生"から"第二の人生"へと歩みを進めることができた。しかし、アンさんもまた、周囲の偏見や差別に苦しみ、「誰にも届かない声」を抱える一人だった。
以前参加した東京プライド2025の中でも「誰にも声が届かない」「パレードやI&Dの取り組みで声を聴いてくれる場所や企業があることが嬉しかった」という声を聴いていたこともあり、「他者に届きにくい心の叫び」や「気づかれにくいSOS」をテーマにした本作は、他社の苦しみに寄り添いたいと考える人にはぜひ読んでほしい一冊。
胸に残る温かさと、他者に対する共感のあり方について考えるよいきっかけになると思う。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

「名作を読もう!キャンペーン」⑨
ずっと積んでいた文庫本。いい本なのは知っていましたが、意外と重い内容だと聞いてから手が伸びず。町田さんも長編を読んだことがなく( T_T)

やっぱり本屋大賞は読みやすい名作の宝庫です!
あー 寝かすなんてもったいなかった、
はよ読むべき作品だった、が感想です。

凪良ゆうさんや一穂ミチさんを読んだ時に近い、
人の弱さと儚さ、そして美しさ。
町田さんの読みやすい言葉選びが没入感半端なかったです。
親のネグレクトが子供につらい未来を強いますが、奇跡的に素敵な大人たちと出会えるストーリーが救いでした。声にならない声、伝えたくても伝えられない声、52ヘルツの音。
確かにあるのかもしれません。
気づかないだけで、気づけないだけで。

また主人公の現代パートはライトな明るい文体だったのと、村中くんの明るさ!良かった!読み続けるのに必須なキャラでした!

カバーの裏面にスペシャルショートストーリー
『ケンタの憂い』も嬉しいo(≧▽≦)o .

これは必読な本かもしれません。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

本を読んで涙を流すなんて、久しぶりだった。この本に出会えてよかった、と心の底から想った。誰かの52ヘルツの叫びに気づいて、守れるような人でありたい。

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2026年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「内容が重たくて長い」と聞いて、ずっと先延ばしにしていたけれど、映画を観てしまったら、読みたい気持ちが強くなり読み始めた

とても良い本だった もっと早く読めばよかった
昌子さんと修治さん素敵すぎる!美晴ちゃんも!こんな大人が居たのに、声が届かないだけで出逢えない
52ヘルツのクジラは、どこにでも居るんじゃないかな

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

途中まで読んでて心がずっと苦しかった
ただ警察に通報するだとか、親戚の家に連れて行くでは解決できなかった愛の心の傷
本当に苦しんでる人は周りに助けを求めることができない
けど、それをちゃんと聞こうとして、愛のために最善を尽くそうと行動したキナコ
キナコも周りの心温かい人たちのおかげで少しずつ心の傷が癒やされていってるのが伝わって嬉しかった

今後もいろんな壁にぶつかるだろうけど、全員幸せに暮らせますように

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

虐待やDVの描写がリアルすぎてつらくなってしまった。アンさんの話も。
贖罪のつもりが生きがいになって。とてもすてきだと思った。
愛、美晴、キナコみんな幸せでありますように

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

文章がかなり読みやすく最後まであっという間でした。
映画の予告と大分雰囲気が違ったのでそこにも驚きつつ、登場人物の成長がみれる良い作品だなと思います。
キナコちゃんには絶対幸せになって欲しい。

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2026年01月27日

購入済み

星99

まじでいい話 以上

#切ない #深い

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2025年10月30日

購入済み

遠い土地のとても近い話

物語はとても遠くの、主人公を誰も知らない土地というような印象で始まります。それなのに話の中では読者のどこか心の近くをくすぐっていくような、、高さと遠さを同時に感じる作品です。

#泣ける #感動する #ドキドキハラハラ

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2025年05月08日

QM

購入済み

最高

どうしようもなく悲しくなる部分もあったけど、最後はほっこり温かくなるお話だった。誰にも聞こえないような声で助けを求めているときに手を差し伸べてくれる人がいたらどれほど救われるだろう。なにが自分をどん底から引き揚げてくれるきっかけになるか分からない。自分もどこかの「クジラ」に気づけるような人になりたい

#泣ける #感動する #ドキドキハラハラ

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2024年05月24日

購入済み

生きることについて

生きることについて考えさせられた。
精神的にくる描写もあったがそれぞれがヒントになっていて
最終的には話が繋がる感じがとても良かった。

#深い

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2024年05月06日

ネタバレ 購入済み

魂が涙した

本屋大賞受賞時に読もうと思ったのに、このタイミングになってしまった作品。
こんなに痛くて切ない内容だったとは…
人を助ける、人の役に立つってなんて大変なことなのかに気づかされ、自分の甘さを思い知る。
「魂の番」に私は逢えているのだろうか…

#泣ける #共感する

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2024年04月25日

ネタバレ 購入済み

何度も読み返したい

いつまでも幸せでいて欲しい。寂しくなったときには私を思い出して、思いを叫んで欲しい。
与えられる人から与える人への変遷。誰かから守られることを、何かを与えられることを欲してきた結果、悲しい過去を経験した主人公はある1人の子供と出会うことで、少しずつ気持ちに変化が。
最後の場面で、守っていくのだと思っていた人から守られる場面は、人と人が支え合うその姿を表しているものかと。
何度も読み返したい、名作。

#泣ける

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2024年03月16日

購入済み

善心&カネとコネどちらも大事

●児童虐待といった深刻な問題を、暗く沈むことなく軽やかに描きなら、淀みなく大団円に突き進む。心穏やかに読み耽った。●さて、誰かが助けを求めて声を上げた時、誰かに優しく受け止めて貰えるのか。個人的体験では、職場のパワハラも介護のトラブルも、声を上げたところで、かえって傷つくことばかり多かった気がするのだが。●大方の見方は、自分を救うにも、他人を救うにも、カネとコネが不可欠というものではないか。おとぎ話に触れて心を豊かにし善心を高めることも大事だが、カネとコネの獲得に向けた日々の辛い努力も重要だ。要自戒。

#エモい

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2024年03月13日

匿名

購入済み

最初は普通の恋愛小説なのかな?と読んでいたけれど
すごーく深い話しだった。
立ち直れないようなどん底で生きていた女性
だけど優しく手を差し伸べてくれる人がいる。
後悔しないように優しい人達を大事にしたい、キナコとみはるのように優しい人にもなりたい。

#泣ける #切ない #タメになる

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2023年09月04日

誰かの声を拾える人になりたい

世界でたった一頭だけ52ヘルツの高い声で歌うクジラがいる

たとえ群れが近くにあっても他のクジラたちには聞こえない

でもどこかに自分の声が届いているはずだと信じて歌い続ける

この作品の登場人物たちだけでない

私たちもみなどこかの誰かに届いているはずと信じて自分だけの周波数で日々歌っているのだ

そして人生で数回だけの貴重な出会い
魂のつがいに出会う瞬間があるのだろう

私は身近な人たちが出しているシグナルをどれほど見逃しているだろうか

52ヘルツのクジラ
他でもない、自分のことだった

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2023年09月03日

購入済み

優しいお話

すごーく良いです。
友達にも勧めまくってます。
なんで、こんなに優しいの?
辛いことにあった人ほど 優しくなれるって ほんとにそうだと思う。
私も時々 52Hzの思いを奏でています。
みんな、そうだよね。
そんな52Hz仲間に読んで欲しい本です。

#泣ける #切ない

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2023年08月31日

購入済み

現代社会問題を反映

現代社会問題を反映した物語です。次次の展開がハラハラさせられます。また現実と空想のつながりのとても面白い表現に惹きつけられます。

#感動する #深い

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2023年07月08日

匿名

購入済み

2人が出会えて良かった

久しぶりにこんなに泣いた。2人が出会えて本当に良かった。私も過去に聴けなかった声を聴いてあげられる人になりたいし、見つけてもらえなかった声を聴いてくれる人に出会いたい。

#泣ける #感動する

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

冒頭から惹き込まれた。読みやすい文体でスラスラ入ってくる上に、中盤内容が比較的重めで精神にくる。オチも現実的で希望のあるラストで良かった。アンさんの所、余りにもしんどくて呼吸止めて一気読みするレベル。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

強烈な導入部からは考えられないほどの話の展開。少年を52と呼ぶのはちょっと面白かった。

救いの手をちゃんと掴む強さを持ち、また他人を救うことで自分を救う連鎖が続いていくことに、安堵した。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

『コンビニ兄弟』以外の町田その子さんの作品を読んでみようと思い、手に取りました。
動物が好きなので「クジラ」がタイトルに入っているこの作品を選びましたが、52ヘルツのクジラのことは初めて知りました。

序盤はなかなか物語に入り込めませんでしたが、キナコさんの過去のお話が始まってからすごく興味深くなり、先の展開が気になっていきました。
しかし内容が想像以上に重く、読む時間があっても一気に読むことが出来ず、少し読み進めては休んでおりました。
これは以前、スーパーマーケットでフランス産のトリュフチョコレートがたくさん入ったものを購入して食べた時、最初に一粒食べるとすごく美味しかったのですが、それを二粒、三粒、四粒、五粒……と続けて食べると、口の中が甘すぎてお茶が欲しくなる、あの現象と似ています(*´༥`*)モグモグ

ちなみにずっと気になっていたのですが、「52」の名前の読み方は「ごじゅうに」と読むのでしょうか、それとも「フィフティーツー」と読むのでしょうか?
美晴さんが囚人ぽいと言っておりましたが、後者だとカッコよすぎるので、やはり「ごじゅうに」のほうなんですかね( ー̀ωー́ ).。oஇウーム

このお話はフィクションですが、おそらく実の子どもを自分の所有物のように扱う親は、表になかなか出ないだけで世の中には実際に存在していると思うんです。
アンさんのように声を掛けて救い出すことはなかなかできないかもしれませんが、知識として知っているだけでも違います。
内容が重たいので万人受けするかどうかは分かりませんが、わたしはより多くの方に読んでほしい作品だと思いました。

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2026年02月09日

Posted by ブクログ

何度も涙が。多分主人公より感情が動き回った気がするw
そしてここにもクズがw
短い文では表せないけど、とにかく苦しくて辛いのに文章は凄く綺麗で、周りの温かい人のおかげで未来に希望も持てる作品だった。星のごとく同様、一気読み必至っ!

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

オーディブルで。虐待、ヤングケアラー、トランスジェンダー等に苦しみ葛藤する人々を52ヘルツのクジラたちと重ねた物語。マイノリティの声なき声は聴いてもらえない、声を聴いて欲しいというメッセージのように私は捉えた。主人公きこを救ってくれたあんさんが亡くなってしまうところが物語の1番の山場であり、後半の40分程は間延びしたように感じてしまった。

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

人は儚く、脆く、醜く、美しい、矛盾だらけの生き物。それでも頑張って、もがいて、生きていかなければならない。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

本屋大賞と言えば「カフネ」「アルプス席の母」「少年と犬」などを読んだ。

とつとつと語られる主人公の人生。もしこの小説が映画化されたらこんな感じの画像になるか?というような絵コンテも目に浮かぶ。

導入部で主人公は、九州の海沿いの街にやってくる。すこしずつ明らかになる主人公の半生。どうしょうもない出来事に流されるままの人生にさらに難題がかぶさり…

本屋大賞らしい、と言っていいのか、ひどい状況に置かれた主人公に最後救いがもたらされるストーリー。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

田舎の街で、孤独な街で、一人暮らしをする女性
孤独な男の子と出会う
その親は、まだまだアダルトチルドレンで自分をいい女だと、子供なんて何でもいいと思って虐待していた
そして初期の認知症のお父さんと育てていた
そんな状況で男の子は話せなくなっており、女とも話さない
しかし、虐待が分かったおんなは男の子を助けたいと思う
紆余曲折あり、真っ当な人と出会い、男の子を救う話
そして男の子を救うことで、女も救われるはなし

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

小説を読んでいてはじめてなんだか苦しくてリタイアしそうになった作品。

自分が同じ境遇なわけではありませんが、世の中には主人公や少年のような思いをしている子どもたちがいるのがと想いを馳せざるをえなくなりました。

全員におすすめできる作品とはいいにくいけれど、物語を通して少しでも多くの人に届いてほしいと思いました。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まず強く印象に残ったのはDVというテーマである。

主人公の貴瑚は、幼少期から母親にDVを受けて育ち、大人になってから付き合った彼氏からも同様の暴力を受けている。
その姿を通して、DV被害者が置かれる過酷な状況について深く考えさせられた。
特に印象的だったのは、DV被害者が自ら助けを求める発信をしない、あるいはできないという点である。
声を上げられない苦しさは、外からは見えにくく、気づかれにくい。

作中で象徴的に描かれる「52ヘルツのクジラ」は、その状況を見事に表している。
一部のクジラは鳴き声が低すぎて周囲に届かず、また周囲のクジラもその声を聞き取ることができない。
その孤独な鳴き声が52ヘルツだという設定と、貴瑚が誰にも助けを求められず孤立していく姿が重なり合い、胸に強く響いた。
この小説は、声を上げても届かない、あるいはそもそも声を出せない人間の孤独を丁寧に描いていると感じた。

一方で、貴瑚の行動や選択には理解しがたい部分も多く、読んでいて苛立ちを覚える場面が少なくなかった。
アンさんと良好な関係を築いていたにもかかわらず、主税とアンさんを引き合わせようとする行動は、通常では考えられない。
また、自ら妾になるという感覚も、私にはどうしても受け入れがたかった。
貴瑚は常に、一般的な常識とは異なる選択をし、その結果として不幸な方向へ進んでしまう。
その姿に「なぜそんな選択をするのか」と思いながら、イライラしつつ読み進めていた。

しかし後半になると、物語の雰囲気は大きく変わる。
貴瑚の置かれていた悪い環境が、周囲の人々の助けによって少しずつ改善されていく。
その過程を読むうちに、読書中の気分も次第に明るくなっていった。
前半の不幸な状況から徐々に抜け出し、人並みの小さな幸福を感じられるようになる描写がとても良く、心を打たれた。
苦しさが長く描かれていたからこそ、その小さな救いが強く胸に残り、「この小説を読んで良かった」と素直に思えた。

この作品を通して、私は「52ヘルツの声」に気づける人間でありたいと感じた。
周囲にいる、声を上げられず苦しんでいる人の微かなサインを感じ取れる存在になれたらと思う。(ちょっと言い過ぎかな)
また同時に、自分自身が辛いときには、勇気を持って発信し、行動できる人間になりたい。
この小説は、他者への想像力と、自分を救うための一歩の大切さを静かに教えてくれる一冊だった。

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

ボロボロ泣きながら読んでしまった‪( ;ᯅ; )‬
私は自分の子どもにどこかでこんな思いをさせてはいないだろうか。。朝起きないからって引きずり起こしたり車に無理やり連れ込む私は、琴美とどこが違うのか。否違うな。生まれてこなければなんて思った事は一度もないもん

母に自分のセクシュアリティを話せないでいる杏吾も苦しかったね。命に代えてもきなこを守ろうとしたその想いは、愛を守りたいという声に変わってきなこに届いたよ。
自分の世界のどこかには自分の声を聞いてくれる存在がいるはず。いつか出会えるはず。幸い私には辛い過去は何もないのだけど、誰かの52ヘルツが聞こえるように自分の領域を広げておけたらと思う作品。

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2026年01月31日

ネタバレ 購入済み

しんどすぎる。。。でも

主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。

#癒やされる #泣ける #ドロドロ

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2025年03月22日

購入済み

良書

魂の番とクジラの声
一貫した作品の骨はとても良かった。
ただ結末に向かって走りすぎた感は否めず、それだけに予定調和を感じる結果になってしまった。
その部分で星一つ減らしたが、現代社会の問題をうつした力作であることは間違いないと思う。

#切ない #感動する #深い

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

2026.02.07
期待値を上げすぎたワタシが悪いだろうか。読後感はそれに尽きる。仕事で児童虐待に携わっている身としては、子どもを「監護」する立場にない人が、意思表示ができるような、できないような子の心を「自分だけは理解して」連れまわして「うんぬん」するってやはり身勝手がすぎる。
今のご時世で子どもの決定権を尊重しすぎているかもしれないが、それでも、児童虐待に関わる人々は疲弊しながら、「公の」視点から、子どものことを考えている。
この作品では、フィクションだからしかたないにしても、自分の暴走と子どものことを自分が理解しているという前提が危うい。
そんなひねくれた読後感を覚えるワタシ自身に対しての自己嫌悪もある。だから、ワタシはすっきりも、心温まりもしなかった。ごめんなさい。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画からの原作。
映画は時間の関係か、かなり登場人物絞られてる感じです。

映画だけだと、ただ琴美が悪者みたいな印象受けるけど、そうなった背景がちゃんとあるし、実は52ヘルツのクジラを教えてくれたのは他の人だったりと、仕方ないけど、印象が変わってしまう感あります。

終わり方は、断然原作の方が現実的で良かったと思います。

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2026年02月05日

Posted by ブクログ

読み終え、こんなつらいこと、本当にあるのか。
と思った。
だが、今日もテレビを見れば、親が子供を殺した。交際相手から刺された。リアルなニュースが流れる。
好きだったはずの人が憎い相手になってしまうのは何故なのか。愛情の方向がどこで間違ってしまったのか。
読みながら、やるせない気持ちになり、自分には想像もつかない世界を知る。
だが会えてよかったと思える人にきっと出会えると希望も持ちたいとも思う。

そして裏表紙のショートストーリーに少しホッとする。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

後半は物語のテンポ感が上がって読みやすかった。
登場人物の辛い過去が多くてちょっと暗い気持ちになってしまったけど、どんな状況でも生きる希望はきっと見つかる、そんな気持ちになれる一冊。

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2026年02月01日

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