あらすじ
2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。
【文庫化特典 スペシャルストーリー】
町田そのこさんの書き下ろし小説付き
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
〈解説〉内田剛
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
主人公の苦しみにすぐ気づいてくれて、自分の苦しみは人に共有することなく、それで人が悩んだり苦しんだりすることがないようにする優しい心を持ったアンさんが終始報われなくて苦しかった。
アンさんの優しさを受けて、主人公がアンさんにしてもらったのと同じようにムシに接するところが素敵でした。
Posted by ブクログ
300ページも無いのに読後は倍くらいのページ数の本を読んだ気分がした。テーマも内容も重かった。自分は物語り系の小説もあまり普段は好みではない上につい粗探しをする性質なので読み終えれるか不安だった。
村中という人物の名前は主人公が狭い村に住んでいるので村の中と脳が読み取ってその名前が人物名だと読んでいて認識するまで苦労した。
愛(いとし)も「あい」だと脳が思ってしまって読みにくかったが作者の意図か?
普段の自分の好みとは違う作風だったが面白く読んだ。
心に感じるものもあった。
読んでよかった。
Posted by ブクログ
キナコ同様泣きながら目を覚ましたことがある自分には、中盤くらいまでずっと読むのが辛かった。
心がえぐられる瞬間もあった。
この傷は塞がることがないんだと思う。
こういう作品に触れるたびに、容赦なくかさぶたが剥がされる。
でも、読み終えたときには、
以前より小さくなったかさぶたで塞がってるはずだと、作者を信じて頑張って読んだ。
最後まで読んでよかった。
終盤、52がキナコとミハルの名前を呼んで、みんなでバーベキューしてるシーン。
なんて幸せな光景なんだろうと思った。
最後の一文には主人公の、
作者の優しさが感じられた。
タイトルはまさに「声なき声」なんだね。
いろんな意味で弱い立場の人が虐げられる社会。
傷の大小に関わらず、傷ついてる人はいっぱいいる。
弱い立場にいることと、その人自身の強さは関係ないとも感じた。
人はちゃんと強くなれるし、選び取っていける。
辛い経験はしないに越したことはない。
でも、それはハンディキャップじゃなくて、
力にできると信じてる。
友達のミハルや何かと味方になってくれた村中はもちろん、
閉鎖的なコミュニティ辟易してたキナコが、
最終的にそのコミュニティの象徴のような人に助けられるという展開も良かった。
関わってみないとわからない、一面でしかわからない人間というものの複雑さ。
一方では「良かれと思って」を押し付け、
でもその一方では「しょうがないな」と理解してくれる。
きっと、キナコも52もこの先しんどくなることがあると思う。
それでもきっと大丈夫と思えるのは、
このコミュニティの存在が大きいんじゃないかと思う。
人との繋がりがそのまま未来へ繋がる糸の耐久力になる。
物語が終わったそのとき限りじゃない、未来にもしっかり希望が感じられるいいラストだった。
どうか、傷ついた人が声を出す勇気を出せますように。
声なき声を上げてる人の声を聞き届けてくれる人が少しでも増えますように。
Posted by ブクログ
自分の無機質な部屋の中で読んでいるのに、気づけば、夜の深い青色の海の中で読んでいる感覚になった。静かだけど、大きな波を感じた。『誰とも関わり合いたくない。そう願ってそれを叶えたのに、温もりを求めている。寂しいと思ってしまう。』いくつか、私と重なる部分があって、最初から最後まで号泣でした。
Posted by ブクログ
私は私の声を聴いてくれた人の声を聴けなかった。そのせいでその人を死なせてしまった。そのことがずっと辛くて自分を許せなかった。私があんたにしようとしたことは、そのことに対する、出来もしない贖罪だった
Posted by ブクログ
いいことばかりではなく重い現実も描かれるが、その分深く考えさせられる内容だった。それでも物語は希望のある形で収束し、読後には前向きな気持ちになれる、温かさと強さを感じる一冊だった。
Posted by ブクログ
すごく良かった。
誰かに届けたい声、誰かが発してる声、よく見てよく聞いて、優しく、真っ直ぐに生きることの大切さ
この本から学ぶことがたくさんありました。
Posted by ブクログ
先が気になる、緊張感のあるシーンをつなぎながら生活や人間関係も丁寧に描き、だんだん主人公の過去がほどかれていく構成が見事だった。「包丁で男を刺した」「安さんを喪った」など情報を小出しにしながら物語を牽引するのもいい。助けられる側だった主人公が初めて助ける側に回ることで救われるというテーマもよかった。あと主人公が恋人とのセックスで催眠にかかって恩人への愛も忘れてしまうのリアルな嫌さあった。安さんのキャラがよかったなぁ。自殺にすごく説得力があった。
Posted by ブクログ
読み始める前は、ハートフル系心温まる小説だと思っていた。けれど、読後にこの作品にジャンルをつけるなら、ノワールだと感じた。
この作品はフィクションだと理解しつつ、ネグレクトの中で育った友人、妾の子として生きてきた友人を作品に重ねてしまい、彼女たちにも、魂の番のような存在がいますようにと願う。
読み進めながら展開を予想するものの、その少し上をいく残酷さで裏切られ、途中で読むのが苦しくなる場面もあった。
アンさんの手紙では、涙が止まらなかった。52ヘルツの声で鳴いている人を助けるには、心身ともに満たされている人が向いているのかもしれない。けれど、その声に気づけるのは、きっと同じように52ヘルツで鳴いたことがある人なのだと思う。だからこそアンさんには、自分を不完全だと思わず、せめてありのままの姿で、、と思わずにはいられない。
最後に、私は52ヘルツの声を聴けるのか考えた。気づけるかもな。でも聴かせてもらえないだろうな。自分を信じていない人は、他人からも信じてもらえない。心を許してもらうのは難しい。いつか聴かせてもいいなと思ってもらえるようなひとになりたい。
Posted by ブクログ
私が苦しんでいた時に助けてくれた人の手を苦しみから抜け出した時に手放してしまったことがあります。後悔してもしきれない貴瑚の気持ちが痛いほど分りました。
後悔しても遅いですがこの本を読んで、せめてこれからの人生ではその人がしてくれたように苦しんでいる人を救い、差し伸べてくれた人に手は離さずに生きていきたいと思えました。
そうして私も「魂の番」に出会えるような人生を歩んでいきたいと思いました。
Posted by ブクログ
すごい。
さすが本屋大賞。
私が夢中で読んでいたら、いつの間にか小5の息子も手に取って読んでいました。こんなの読めるの?!と思ったけど、「面白い」らしい。
確かに小説の醍醐味を味わえるストーリーです。
読んでるときはムカムカするような登場人物の印象が強くて、それこそ深海のような暗い印象でしたが、読み終えてしばらくすると、温かい気持ちだけが残っており、また読みたいな、何度も読み返したいなと思うようになりました。
町田その子さんの作品では、今のところ宙ごはんとこちらが大好きになりました。
Posted by ブクログ
★4.8
何度も胸を締め付けられて、心揺さぶられた。
途中からはまさにページをめくる手が止まらない
といった感じで、文字で読んでいたけど
ずっと頭には映像が浮かび続け、映画を観ている
ような感覚で、止まらず夢中で読破した。
悲しさや、辛い思いの経験があるからこそ
人の悲しみや辛さに気付けるし、
人の優しさを受け取った分だけ
人に優しくいたいと思えるのだと、改めて思った。
この本は今後また何度も読むと思う。
大切にしたい本になった。
Posted by ブクログ
なんだかお風呂で読みたくなる本
優しい話のはずなのに、読み終わった後もどうしてかずっとショックのままだ。
ずっとこの本のことを考えてしまう。
当書は親に虐待されていた女性が、かつて聴き逃してしまった声に対する贖罪としてかつての自分と同じような境遇にある少年に手を差し伸べる話である。
この「かつて聴き逃してしまった声」にあたる部分の話が見ていて辛くずっと胸に刺さっているのだ。
最初はただ自死してしまった懇意にしていた異性のことをずっと思っているだけだと思っていた。
いざ蓋を開けてみたら、自死の理由が(ほぼ)自分で、懇意にしていた「異性」ではなく「同性」で、亡くなってなお、本人がなりたかった男性という扱いはされなくて
という受け止めきれないほどのことが判明したのだ。
これをどうして主人公は受け入れて、静かに暮らすなんてできるんだろう。
自分が同じ状況に置かれたら自死を選んでしまうと思う。
でも彼女はそうしなかった。強くなったんだと思う。アンさんからもらったもののおかげで。
ただショックな内容の本も心に傷として残るのだけど、この本はただショックを与えるために書かれたのではない。だから何度でもこの本のことを考え、思い、読み直している。
遠い土地のとても近い話
物語はとても遠くの、主人公を誰も知らない土地というような印象で始まります。それなのに話の中では読者のどこか心の近くをくすぐっていくような、、高さと遠さを同時に感じる作品です。
最高
どうしようもなく悲しくなる部分もあったけど、最後はほっこり温かくなるお話だった。誰にも聞こえないような声で助けを求めているときに手を差し伸べてくれる人がいたらどれほど救われるだろう。なにが自分をどん底から引き揚げてくれるきっかけになるか分からない。自分もどこかの「クジラ」に気づけるような人になりたい。
生きることについて
生きることについて考えさせられた。
精神的にくる描写もあったがそれぞれがヒントになっていて
最終的には話が繋がる感じがとても良かった。
魂が涙した
本屋大賞受賞時に読もうと思ったのに、このタイミングになってしまった作品。
こんなに痛くて切ない内容だったとは…
人を助ける、人の役に立つってなんて大変なことなのかに気づかされ、自分の甘さを思い知る。
「魂の番」に私は逢えているのだろうか…
何度も読み返したい
いつまでも幸せでいて欲しい。寂しくなったときには私を思い出して、思いを叫んで欲しい。
与えられる人から与える人への変遷。誰かから守られることを、何かを与えられることを欲してきた結果、悲しい過去を経験した主人公はある1人の子供と出会うことで、少しずつ気持ちに変化が。
最後の場面で、守っていくのだと思っていた人から守られる場面は、人と人が支え合うその姿を表しているものかと。
何度も読み返したい、名作。
善心&カネとコネどちらも大事
●児童虐待といった深刻な問題を、暗く沈むことなく軽やかに描きなら、淀みなく大団円に突き進む。心穏やかに読み耽った。●さて、誰かが助けを求めて声を上げた時、誰かに優しく受け止めて貰えるのか。個人的体験では、職場のパワハラも介護のトラブルも、声を上げたところで、かえって傷つくことばかり多かった気がするのだが。●大方の見方は、自分を救うにも、他人を救うにも、カネとコネが不可欠というものではないか。おとぎ話に触れて心を豊かにし善心を高めることも大事だが、カネとコネの獲得に向けた日々の辛い努力も重要だ。要自戒。
匿名
最初は普通の恋愛小説なのかな?と読んでいたけれど
すごーく深い話しだった。
立ち直れないようなどん底で生きていた女性
だけど優しく手を差し伸べてくれる人がいる。
後悔しないように優しい人達を大事にしたい、キナコとみはるのように優しい人にもなりたい。
誰かの声を拾える人になりたい
世界でたった一頭だけ52ヘルツの高い声で歌うクジラがいる
たとえ群れが近くにあっても他のクジラたちには聞こえない
でもどこかに自分の声が届いているはずだと信じて歌い続ける
この作品の登場人物たちだけでない
私たちもみなどこかの誰かに届いているはずと信じて自分だけの周波数で日々歌っているのだ
そして人生で数回だけの貴重な出会い
魂のつがいに出会う瞬間があるのだろう
私は身近な人たちが出しているシグナルをどれほど見逃しているだろうか
52ヘルツのクジラ
他でもない、自分のことだった
優しいお話
すごーく良いです。
友達にも勧めまくってます。
なんで、こんなに優しいの?
辛いことにあった人ほど 優しくなれるって ほんとにそうだと思う。
私も時々 52Hzの思いを奏でています。
みんな、そうだよね。
そんな52Hz仲間に読んで欲しい本です。
現代社会問題を反映
現代社会問題を反映した物語です。次次の展開がハラハラさせられます。また現実と空想のつながりのとても面白い表現に惹きつけられます。
匿名
2人が出会えて良かった
久しぶりにこんなに泣いた。2人が出会えて本当に良かった。私も過去に聴けなかった声を聴いてあげられる人になりたいし、見つけてもらえなかった声を聴いてくれる人に出会いたい。
Posted by ブクログ
最近お気楽なエッセイしか読んでなかったから、心にずしんときてしまった。読みながら、やるせないニュースを見た時の気分になった。
それぞれの人ががむしゃらに生きて、かけちがったボタンのまま終わっていって、でも現実って物語みたいに綺麗に思うように進むわけではないから、やるせない状況の人々がいるのも仕方がないのかもしれない。最終的には前向きな終わり方で安心した。
読み終わった後、昔職場の先輩に言われた、自分が受けた恩は後輩や他の人に繋いでいってと言われた言葉を思い出したけど、他人の目に見えて重いものを拾って繋いでいく勇気は私にはないかもしれない、これが弱さなのかもな
Posted by ブクログ
夜中に読んで感情移入して号泣しました( ; ; )
壮絶な辛い過去をもつキコが、同じ境遇の愛(いとし)と出会って過去の自分と向き合いながら愛を救っていく姿にすごく感動しました。
アンさん、、、1番辛い 。
何よりも美晴、良い人すぎるな (´•̥ω•̥`)
私も誰かの痛みや苦しみに耳を傾けられる人になれるよう、強くなりたいなと思った。
Posted by ブクログ
これまで「ヘルプ」を出せば誰かが手を差し伸べてくれる環境であったことをありがたく、大切に思えた本だった。辛い過去を背負いながら人に愛を差し出せる貴子は本当に強い。ムシもこれけらたくさん愛に溢れて誰かに還す、そんな人になるんだろうなと思った
Posted by ブクログ
人それぞれ多少なりとも孤独はあるけど、誰かと関わったり支え合うことで、孤独は全くなくなるわけではないけどマシにはなる。
人との関わりを断絶したら本当の孤独になってしまう。
目の前にいる大切な人をもっと大切にしたいと思いました。
Posted by ブクログ
なるほどタイトルがクジラ「たち」なのはそういうことかと、読み終えてからわかった。
貴瑚の親縁や愛の親縁を辿ったとき、どうしてもいろんなところにある塞がらない穴、蓋のない栓、どうしようもなさが次の人に絶望を与えてしまい繰り返すという悪夢…。
この手のものはちゃんと読めば読むほど「誰が悪いんだろう」「みんな被害者だ」と思ってしまう要素が出てくるけれど、だからこそアンさん(は少し異色だけれど)、美晴や村中のように、ちゃんと愛されて誰かに愛を注ぐことの大切さを身をもって知っている人が関わりその愛を共有してくれることの奇跡的さを感じずにはいられなかった。
Posted by ブクログ
昨今の小学生男児が義父に殺されて山中に遺棄された事件ととても重なって感じた。自分にとってリアリティのないことでも社会規模で見たら該当者は意外と多いのかもしれないと思った。読みやすいながら洗練された文章でテイストは結構好み。ただぶっ飛んだ設定なところも数箇所あって、後半一気に畳み掛ける感じもなんとなくあって、個人的にこの手の小説にミステリ要素は要らなかったかなと思う。
Posted by ブクログ
虐待の暴力シーンは読んでいてつらかった。
アンさんの母親がアンさんを理解できないことも、ある種の暴力になりうる。
ラストがよかった。
もし、キナコと愛が寄り添って暮らすのだったら、薄っぺらないい話で終わっていたかも。
軽やかな文章だから、重いテーマでも読めた。
Posted by ブクログ
この本はただ苦しいだけではなく、届かない声を聞いて救ってもらった主人公が次は救う側になる、人と人とのつながりを感じられ、強く生きる様が描かれていた。
この世から虐待がなくなって、届かないSOSがそもそも無くなれば良いのに。悲しいニュースは今もなくならない。
子は親を選べないのに。
そう思っても自分がSOSに気づいて助けられたことはないし、綺麗事を言っているだけだと思う。
アンさんのように人のSOSに気づける人間になりたい。
Posted by ブクログ
ありかに続いてまたもや毒親持ち主人公
うーんこいつも男を見る目がないのか...しかも壊滅的だ
まぁなんだかんだ言って示談後もキコとやり直すつもりがあったみたいだからDV男なだけで愛情がないわけではないのかなぁ
結構物語に関わってくるのかなと思ってた村中の影が薄いなぁ...と思ってた頃に(最後の最後で)ご活躍でした
てか52ってあだ名、ミハルも言ってたけどまじでセンス無さすぎる
気持ちがこもってたらいいとか言う問題ではないだろう...
ちまちま感想を書いていたが読破
読みやすい文章だったし読んでいて引き込まれる物語だった
Posted by ブクログ
audibleにて。
面白かったけど、女性の作家さんってどうしてこう毒親(特に母)が出てくるのだろう…最後はハッピーエンドでよかったが。凪良ゆうの作風に似ている。本屋大賞一位取るほどかな?
しんどすぎる。。。でも
主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。
良書
魂の番とクジラの声
一貫した作品の骨はとても良かった。
ただ結末に向かって走りすぎた感は否めず、それだけに予定調和を感じる結果になってしまった。
その部分で星一つ減らしたが、現代社会の問題をうつした力作であることは間違いないと思う。
Posted by ブクログ
人間の善悪、そして環境が人の心を歪めてしまう不条理。
物語を通じて絶望に触れるたび、この世に生きる価値など本当にあるのだろうかと自問自答してしまう。
しかし、届かない声を上げるクジラがいる限り、その周波数に耳を澄ます存在が必要なのだろう。
誰かの52ヘルツを受け止めることができるよう強くありたいと切に思った。
Posted by ブクログ
途中辛い描写もあったが最後はやさしい気持ちで読み終えることができた。
アンさんの亡くなる時の手紙で泣いてしまった。自分の性別に対してどれだけ葛藤し、社会の無理解に苦しんだのだろう。
52の母方の祖母、昌子さんの言葉、「彼女が自分の重さで潰れる時も、その彼女の背中に乗ったままでいるのかしら?」が印象的だった。
自分には誰かを救うなんてこと出来る器はないけど、それができる人は尊敬する。
Posted by ブクログ
小気味よい文体で、素直な言葉選び。
物語が整頓されすぎている印象もありリアリティには欠けたが、他人を深く傷つけてしまう人にも、それなりの理由や背景があるのだと思わされた。
その意味では、語り手の毒親や、支配欲の強い元カレの境遇にも、もう少し触れてほしかった。
彼らの悪行を肯定するつもりはないけれど、そうなってしまった背景には、きっと憐れむべき過去があったのではないかと思う。
子供が安心して本音で話せるような、そんな大人になりたい。
Posted by ブクログ
かなりの期待感を持って読んでみたが、
期待が大きすぎたかなというのが正直な感想。
52ヘルツのクジラとは、
他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。
何も届かない。何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、
母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、魂の物語が生まれる。
まぁとにかくしんどい。
貴瑚の半生が壮絶すぎて、読んでいてしんどすぎた。
全体的にトーンは重め。
虐待を受けていた少年、通称52と出会ってから風向きは変わるのだが、
間で要所要所明らかになっていくアンさんとのことだったり、
貴瑚が魂の番と思い込んだ出会いだったり、貴瑚のお腹の傷の秘密だったり
次々と明らかになる過去が描かれる度に胸が締め付けられた。
唯一の救いが貴瑚の親友である美晴の存在。
読んでいるこちらからしても神と呼ぶべき存在で、
美晴がいなかったら、と思うとゾッとしてしまった。
読み終え、グッとくるものは確かにあったし
その面白さは確かなものだったからあっという間に読み終えたのだが、
いわゆる今話題の社会問題全部乗せみたいな展開には
いくらなんでもこちらもお腹いっぱいですよというのが正直な思い。
でも多分、この作品に一番乗れなかった理由としては
最後まで貴瑚を許せなかったからなんだなとも思ってしまった。