あらすじ
2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。
【文庫化特典 スペシャルストーリー】
町田そのこさんの書き下ろし小説付き
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
〈解説〉内田剛
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大好きな人には大好きだと伝えなきゃ。転調も沢山あって、心穏やかに読める時間は少ないですが、とても大切な作品になりました。過去の呪いが消えなくても、同じくらい大きな味方に出会えたり、その存在が側にいなくても勇気をくれたり、そうした人に出会えるまで生きること、それに尽きるのかもしれません。過去の経験は何も無駄じゃないと、その痛みが誰かを救う力になるのかも、そう思えました。
Posted by ブクログ
親から愛されなかった女性と子供の交流。親身な友人や「アンさん」なる男性も彼女を支えてくれたが、実は…。女性に降ってかかる、これでもかこれでもか、といった不幸に顔をしかめてしまう。仲間とうまく接することができない52ヘルツの歌声のクジラに我が身を重ねる彼ら彼女ら。将来幸せになってほしい。
Posted by ブクログ
いつもなら原作から映画なのですが、本作品は映画から原作をみました。
原作を見てないのに、杉咲花さんが個人的に物凄くはまっていたなと感じたのと、映画の編集でこっちのほうがいいかなとも思うシーンがあり、この見方もありだなと感じました。
52ヘルツが聞ける人というのは、ただ優しいからではなく、自分も52ヘルツの声をあげているからこそ聞けるのかもしれませんね。優しさの裏側には実は苦しみがあるのかもと思いました。
Posted by ブクログ
単行本からの再読。
カバー裏にスピンオフが隠されているのが素敵な仕掛け。
初読みの時にえげつないほど号泣したため、しばらくは再読を躊躇していたが、
もう一度あの感動を味わいたくて手に取った。
凄惨な子ども時代を過ごした貴瑚が出会った愛(いとし)。愛もまた虐待を受け、心に深い傷を負い、言葉を失っている。
誰にも届かない52ヘルツの声を発するクジラのように、寂しくて暗い孤独の中をもがいている描写には胸が張り裂けそうだった。
愛にとっての貴瑚。
貴瑚にとってのアイさん。
そして、貴瑚にとっての愛。
周りの温かい声に包まれながら、少しずつ少しずつ自分の存在価値を見つけていく姿には、やっぱり号泣。
私には、誰かの52ヘルツの声を聞いてあげることはできるだろうか。
自分の「助けて」の声を誰かに届けることはできるだろうか。
Posted by ブクログ
主人公への共感どころは多分にあったけど、実際に自分には起こらない、起こらない可能性が低いので、どこか俯瞰してた
誰かと一緒に再生していくことや、人と人が支え合うこととか、地方にある独特の空気感、カラッとしているけども心を預けられる親友の存在。それは、パートナーとは違う存在感。いろんな登場人物がいろんな言葉で、人を感動させたり、傷つけたり、幸せにしたり、救ったり、自分の言葉をしっかり紡いでいくことが大切な気がした
Posted by ブクログ
彼女の心は何回死んでしまうのだろうと思うほどに、今も過去もひどく苦しい思いをしているキナコの視点で最初から最後までストーリーが進み、彼女の心境の変化を感じやすい物語だった。
52ヘルツのクジラのような声もきっと誰かが聞いていて、受け止めてくれる。そう信じられたら素敵だと思った。
『愛を注ぎ注がれるような、たったひとりの魂の番のようなひとときっと出会える』と期待し諦めながら誰にも聞こえない声で歌う52ヘルツのクジラ達の物語に涙し、最後には温かい余韻に心包まれました。
Posted by ブクログ
だいぶ重いテーマなのだが現在と過去に切り替わりながらストーリーが展開していくため、しんどいパートが長過ぎなくていい。
52ヘルツで歌うクジラの個体は一体しかいないということを初めて知った。
キナコは全ての縁を切って祖母が昔住んでいた田舎の家に移住する。田舎でも好奇の目にさらされる彼女は時折アンさんという恩人のことを思い出す。キナコは小さい頃から虐待を受けて育ち、社会人になっても自分を殴る義父の介護をしていたが、母親から1ミリも愛されていないことを実感し死を覚悟した時にアンさんとかつての友人、美晴と出会う。
二人のおかげで一人の人間としての人生を歩み出すキナコだが、なぜか一人で、お腹に差し傷を作って田舎に移り住んでいる。彼女はそこでしゃべることができない少年と出会い、彼にとってのアンさんになろうとする。
最初は結構ご都合展開のように感じた。無理やり子供を家に上げて雨に濡れていたからといっても風呂に連れ込むのはどうなのかとも思ったし、血縁者でもないのに育てられるわけないだろうとも思った。
でもなんだか終盤に、お互い足りないところを補い合おうとしている関係性に、何とも言えない感情が出てきた。アンさんの声は聞こえなかったけどアンさんと出会えたことで少年の声を聞くことができて、アンさんのことは救えなかったけど少年に手を差し伸べる度にアンさんのことを思い出す。切ないけど前向きな小説だった、一気読み不可避。
Posted by ブクログ
「不器用な若者の物語」という予感を抱いて読み始めた本作は、いい意味でその期待を裏切るものでした。描かれていたのは、あまりに苦しく、切実な痛み。文体そのものは柔らかく読みやすいのに、そこに含まれる言葉一つひとつが、鋭い刃物のように心に突き刺さってきました。
物語の序盤から中盤にかけては、まるで重苦しい曇り空の下をただ一人で歩き続けているような感覚だった。しかし、物語が後半へ向かうにつれ、その空は一気に晴れ渡り、鮮やかな青空が広がる。この劇的な転換に、私は強く心を掴まれました。
タイトルにある「52ヘルツのクジラ」とは、誰にも届かない声を上げ続ける孤独な魂の比喩なんですね。作中の人物たちが抱える「叫んでも誰にも聞き取ってもらえない」という孤は孤独は、私たちの日常のすぐ隣にも存在するのかもしれない。
読み終えたとき、胸にはじんわりとした悲しみが広がっていました。しかし不思議なことに、その悲しみはどこかへ消えていく。町田そのこさんの文章には、傷ついた心をそっと掬い上げ、溶かしてくれるような優しい力があるのだと思いました。
Posted by ブクログ
涙
読みやすくて出会えてよかった作品
大事な人たちの52ヘルツのクジラの声を聞き取れる人間になりたい
そして聞き取ってもらえる自分にもなりたい
Posted by ブクログ
暗いと聞いていて、ずっと読めなかった。
しかし読んでみると確かにテーマは重いけど、人の感情が鮮明に描かれており、主人公はどこまでも前を向いて頑張って生きようとしていた。降ってくる困難にも、明るい友達や周りの人の協力とともに乗り越え、最適解を探す主人公にすごく背中を押された気分。
また全部を読み返したい。映画では大幅にはカットされている場面が多かったため、本で読んで全貌をもう一度見る方がいいと思った。
Posted by ブクログ
この本で初めて52ヘルツのクジラが存在していることを知りました。
結果は虐待されてた愛(いとし)は虐待してた母の母(叔母)の家に預けられた。主人公の女の子はその田舎に住み続けることが決まった。
アンさんは自殺した。アンさんはトランジェンダーだったけど、主人公のためを思って、主人公を愛人にした社長の息子に別れてくれと。しつこく言っていた。
Posted by ブクログ
「母親だって言うのなら、もうこの子を解放してやれ」。
そう。何度も何度も愛されることを願って、その度に絶望の底へと叩きつけられた私たちは、最後の最後は解放しか望まなくなるのだ。
貴瑚が52を救おうとしたのは、そのことで少しは自分が救われるかもしれないと思ったからなんじゃないかな。
「いい話」と思ったら本屋大賞受賞作。どうりで。
何度も読み返そうと思います。
その回数を重ねた分だけ、私の欠けた部分が満たされる気がするから。
Posted by ブクログ
貴瑚と愛のこれまでに心を傷めたけど、
声なき声を拾ってくれるアンさんや美晴がいて本当によかった。現実の世界でも近しい境遇の子達が、52ヘルツのクジラの鳴き声を聴いてくれる人に出会ってほしいと心から思う。
暗く哀しい題材だけど、それ以上に前向きな気持ちにさせてくれる終わり方がいい。
そして1ページ目で印象最悪だった村中が、ページを進めるごとにいい男だとわかるのも面白い。笑
貴瑚ちゃん、村中結構いいと思うよ?♡
遠い土地のとても近い話
物語はとても遠くの、主人公を誰も知らない土地というような印象で始まります。それなのに話の中では読者のどこか心の近くをくすぐっていくような、、高さと遠さを同時に感じる作品です。
最高
どうしようもなく悲しくなる部分もあったけど、最後はほっこり温かくなるお話だった。誰にも聞こえないような声で助けを求めているときに手を差し伸べてくれる人がいたらどれほど救われるだろう。なにが自分をどん底から引き揚げてくれるきっかけになるか分からない。自分もどこかの「クジラ」に気づけるような人になりたい。
生きることについて
生きることについて考えさせられた。
精神的にくる描写もあったがそれぞれがヒントになっていて
最終的には話が繋がる感じがとても良かった。
魂が涙した
本屋大賞受賞時に読もうと思ったのに、このタイミングになってしまった作品。
こんなに痛くて切ない内容だったとは…
人を助ける、人の役に立つってなんて大変なことなのかに気づかされ、自分の甘さを思い知る。
「魂の番」に私は逢えているのだろうか…
何度も読み返したい
いつまでも幸せでいて欲しい。寂しくなったときには私を思い出して、思いを叫んで欲しい。
与えられる人から与える人への変遷。誰かから守られることを、何かを与えられることを欲してきた結果、悲しい過去を経験した主人公はある1人の子供と出会うことで、少しずつ気持ちに変化が。
最後の場面で、守っていくのだと思っていた人から守られる場面は、人と人が支え合うその姿を表しているものかと。
何度も読み返したい、名作。
善心&カネとコネどちらも大事
●児童虐待といった深刻な問題を、暗く沈むことなく軽やかに描きなら、淀みなく大団円に突き進む。心穏やかに読み耽った。●さて、誰かが助けを求めて声を上げた時、誰かに優しく受け止めて貰えるのか。個人的体験では、職場のパワハラも介護のトラブルも、声を上げたところで、かえって傷つくことばかり多かった気がするのだが。●大方の見方は、自分を救うにも、他人を救うにも、カネとコネが不可欠というものではないか。おとぎ話に触れて心を豊かにし善心を高めることも大事だが、カネとコネの獲得に向けた日々の辛い努力も重要だ。要自戒。
匿名
最初は普通の恋愛小説なのかな?と読んでいたけれど
すごーく深い話しだった。
立ち直れないようなどん底で生きていた女性
だけど優しく手を差し伸べてくれる人がいる。
後悔しないように優しい人達を大事にしたい、キナコとみはるのように優しい人にもなりたい。
誰かの声を拾える人になりたい
世界でたった一頭だけ52ヘルツの高い声で歌うクジラがいる
たとえ群れが近くにあっても他のクジラたちには聞こえない
でもどこかに自分の声が届いているはずだと信じて歌い続ける
この作品の登場人物たちだけでない
私たちもみなどこかの誰かに届いているはずと信じて自分だけの周波数で日々歌っているのだ
そして人生で数回だけの貴重な出会い
魂のつがいに出会う瞬間があるのだろう
私は身近な人たちが出しているシグナルをどれほど見逃しているだろうか
52ヘルツのクジラ
他でもない、自分のことだった
優しいお話
すごーく良いです。
友達にも勧めまくってます。
なんで、こんなに優しいの?
辛いことにあった人ほど 優しくなれるって ほんとにそうだと思う。
私も時々 52Hzの思いを奏でています。
みんな、そうだよね。
そんな52Hz仲間に読んで欲しい本です。
現代社会問題を反映
現代社会問題を反映した物語です。次次の展開がハラハラさせられます。また現実と空想のつながりのとても面白い表現に惹きつけられます。
匿名
2人が出会えて良かった
久しぶりにこんなに泣いた。2人が出会えて本当に良かった。私も過去に聴けなかった声を聴いてあげられる人になりたいし、見つけてもらえなかった声を聴いてくれる人に出会いたい。
Posted by ブクログ
クジラは通常40ヘルツ未満の周波数で鳴き交わし、仲間とコミュニケーションをとるという。しかし、この世には52ヘルツという孤独な周波数でしか歌えないクジラが存在し、その声は誰にも届かず、傍を通っても気づかれることはない。そんな切ない逸話になぞらえて、本作では人々の抱える様々な形の孤独が繊細に描かれている。
誰からも愛されず、信じていた人からも引き離され、諦めの中に沈む孤独。愛する者からの否定に苦しみながらも、存在を認めてほしくて心を殺す孤独。あるいは、愛は確かに存在しているのに、ありのままの自分を受け入れてもらえない孤独。形や大きさこそ違えど、どの孤独も、私たちが一度は抱いたことのある痛みではないかと思う。
この物語は、「どんな人にも魂の番となる人が現れる」という希望を教えてくれる。しかし、真っ暗な孤独の淵にいる人にとって、その希望を信じることは容易ではないと思う。やはり孤独から脱出するためには、自分という周波数を受け止めてくれる良き理解者との巡り合いが必要なのだと痛感する。
周波数の違う誰かに声を届けることの難しさと、それが叶った時に訪れる奇跡的な喜び。それらを深く考えさせられる作品だった。
主人公の前に現れる仲間たちは、心から助けになってくれる、頼もしく素敵なキャラクターたちばかりだ。だが、これはあくまで物語の世界で、現実世界ではこんなに都合よく素敵なヒーローが現れてくれることは滅多に無いなと達観してしまう気持ちも湧いてくる。だからこそ、もし目の前に孤独で苦しむ人が現れた時のために、自分が届けられる周波数は出来るだけ広げたい、そうすることで救われる人が1人でも増えて欲しい。そんな余韻が残る作品だった。
Posted by ブクログ
最初は、余りにも辛い内容で読むのを断念しそうになりました。でもアンさんが出てきてから展開が早くなり、ハラハラしながら最後まで一気に読みました。内容が濃いお話。
Posted by ブクログ
聞き取れる周波数で伝えられるものだけを、聞くことができる。
聞こうとすれば良いのか、クジラのように生まれた時からそれしか聞こえないのか、わからない。
ひとつだけ分かるのは、伝えなければ伝わらないということ。
わたしはひとりが好きで、ひとりでどう生きるかばっかり考えてしまうけれど、人はひとりでは生きられない。
だからこそ、伝えることを怠ってはならない。
この情報に溢れる社会でも、誰かの伝えたいことを受け止めたいと思えたなら、受け止めていきたい。
貴瑚ちゃんの半生は決して平坦な道のりではなかったし、彼女の未熟さゆえに招いたこともあったかもしれないけれど、それでも「大好きなひとを恐ろしいひとに変えてしまった」と言う貴瑚ちゃんに、その温かさと強さを感じた。
Posted by ブクログ
おもしろかったですね。
両親に虐げられ心に深い傷を負った貴瑚(キナコ、愛称、でもないけど、ネタバレ、あえてね)が大分県のどっか海沿いの家に住んでいる描写から始まります。
田舎特有の情報リテラシーのなさに戸惑う貴瑚、そんな中である少年と出逢います。
この2人には非常に悲しい部分で、共通点がありました。
田舎で余生を静かに過ごそうとしていたキナコが、この少年と出会ったことで徐々に救われ、成長していく、優しい物語です。
最初は貴瑚にかなりイラついてたんですが、徐々に明かされる理不尽な過去を知ると同情せずにはいられませんでした。
やはり僕は子供が大好きみたいです。尊いと思っている、という表現のが正しいかもね。
胸糞パートが本当に胸糞すぎて眠れない夜もありましたが、その中でも希望があるということを訴えるような物語でしたね。
ちょっと泣けたね。
人生辛いことばかりだよな、みんな頑張ろうぜ。
追伸、全く読まなくていいです。
舞台が大分県。
出身が北九州の僕は情景が浮かぶ浮かぶ。
ああ今君たちが行っているゆめタウンはあそこにあるゆめタウンね。お、北九州行くの?観覧車?絶対チャチャだろそれ、、ほらぁ!
こんな楽しみ方もできました。
不思議な縁に、乾杯。
追伸の追伸、なおさら読む必要がない。
後から知ったが、作者が福岡県出身だそうで、納得。
Posted by ブクログ
嘘っぽい、でも、他の人に薦めたい
そんな不思議な作品
なので自分の中で評価は難しく4点
詰め込んでるわりに、最後には綺麗にまとまってく、そこが嘘っぽいのか。
世の中そんなうまくいかんし、逆に人間そんなに弱くない。
作ろうと思って作った感じがしてならない。
そういうちょっとした気持ち悪さがある。
でも、読んで色々考えさせるし、途中ぐいぐい物語に引き込まれていく瞬間もあり。
そういう意味で読む価値あり。
Posted by ブクログ
寄り添い系の優しい物語で良かったです。
阿部暁子先生の「カフネ」を思い出しました。
単視点描写なのでとても読みやすく、オススメしやすい本だなとも思いました。
Posted by ブクログ
虐待されていた子供の話
辛いだけの話ではなく、前向きな物語に感動した
虐待する大人は胸糞やけどな
魂の番に出会える人生になるのかな
私も52ヘルツのクジラのように、誰かが発するSOSを受け取れる人間になりたい
アンさんの手紙には感動しました
Posted by ブクログ
作者の優しさと温もりをひたすらに感じた。
救うことを美化もせず貶すこともない優しさを感じた。
私も自己犠牲の塊なのですが、主人公同様に救ってるように見えてその人の声や温もりで救われていたのかもしれません。
Posted by ブクログ
世界で一番孤独だと言われているクジラ
「52ヘルツのクジラ」
死にかけの貴瑚を見つけ、あっという間に息の詰まる実家から連れ出したアンさんや美晴の行動力や勇気が素晴らしい。誰かに対して考えるよりもまず体が動いたり、大事に思ってるからこそ必要以上のことを言わなかったり、特にアンさんの貴瑚に対するそういう想いが、純粋に真っ直ぐで羨ましいと思った。
アンさんや美晴に救われた貴瑚が、今度は別の誰かを救う番になったのは感動した。
私にも魂の番がいつか現れるのかなーー
あと主税が本当に嫌い。貴瑚の見る目が無さすぎる
しんどすぎる。。。でも
主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。
良書
魂の番とクジラの声
一貫した作品の骨はとても良かった。
ただ結末に向かって走りすぎた感は否めず、それだけに予定調和を感じる結果になってしまった。
その部分で星一つ減らしたが、現代社会の問題をうつした力作であることは間違いないと思う。
Posted by ブクログ
ずっと暗い話が続き、読んでるとだんだん辛くなって読むのをやめてしまいたくなりました。
ただ、読みやすく、文章も上手なので頭には入ってきやすいお話でした。
最後は主人公も52も前向きに進んでいったので良かったです。
Posted by ブクログ
めーっちゃ内容重いです。
虐待の話が出てくるのですが、感情移入しすぎる私にとっては非常に辛いお話でした。しかもかなり気分が沈むターンが長いので、なかなか読む気になれず、。かなり時間をかけて読みました。
しかし、読後は読んでよかったと思えました。何不自由なく、生きられるていることの幸せを感じられます。また、誰かの声を聞こうとする傾聴の姿勢も養えるかも。
Posted by ブクログ
良いと言えば良い。中学生くらいの子に勧めたい一冊だと思う。
以下ネタバレありの雑記。
◯「魂の番」という考えに疑問がある。琴美の父である品城先生などは、読者の視点からは魂の番に出会えているとは到底思えない。しかし本人の中では、少なくとも琴美から見放されるまでは、そういう絆を感じていたのではないだろうか?もっと遡れば、元妻の晶子にだって、絆を感じていたはずだ。キコと主税のエピソードからもわかるように、「魂の番」とは、絶対的なものであるにも関わらず、あとから容易に覆るものであることがわかる。※絶対的に覆らないものが「魂の番」であり、主税との間のものは偽物だと言うだろうが、それは結果をみるまでわからないはずだ。
アンさんが、母親と決別したキコを慰める意味で「魂の番」という話をしたのはとても理解できるし、そのキコが、愛に対して、かつてアンさんにしてもらったのと同じように「魂の番」の話をするのは、感動的に思う。ただこの言葉は、キコ、主税、アンさんの間で起こった不幸の、きっかけの一つであるのではないだろうか。キコにとってこの言葉は呪いのようになったいるようにも見ることもできる。キコと愛の間で、呪いや不幸の再生産が起こらないよう祈るばかりだ。
◯トランスについて、作者の理解(キコの理解)がどの程度あるのか不明で、評価が難しいと感じた。「心が男性」という台詞は、トランスに理解がある人の使う言葉なのか疑問がある。※キコの台詞としては、自然な気もするので、なんとも言えない。
そもそも、故人とはいえ、同意なしに美晴にその話をしたことにも引っかかってしまう。故人の尊厳とは。
また、トランスであることが、ミステリー的なびっくり要素、種明かし的仕掛けになったいることについて、なんか嫌だなという気持ちになる。これは個人の感想ではあるが。
◯サチえさんの琴美への評価の言葉の中で「人は貰う側から与える側にならないといけない」という言葉があり、そうだろうなと思うし、納得もするけれど、少し思うところもある。成長の機会や環境というのは誰しもに平等に巡ってくるわけではない。そういう意味で、琴美は可哀想と評されていたし、それはそうだと思うが、物語の外側に行ってしまった琴美の幸せについて、どうしても、考えてしまう。彼女は物語の役割上、成長の機会を与えられなかったのだから。
◯物語というキーワードで、見ると、二つの視点で気になったことがある。一つ目は、キコたち登場人物が、自分の人生を物語として捉えすぎではないかということ。なぜそう感じたかは、上述の「魂の番」などから。また、「人を救うことが自分を救うことにもつながる」というのは素敵なメッセージだと思うし、良い考えだと思うが、人生の出来事に意味を付与しすぎることには、危うさが伴うと思う。それは、一歩間違えれば、キコの母親や、品城などの持つ不健康さ、悪辣さと隣り合わせなのではないだろうか。(キコの母親は、自分が愛人との間にキコをもうけたことを、血という物語に回収していたが、こういう不健康さが、人生の物語化にはあると思う)
また余談だが、「人を救うことが自分を救うことにもつながる」ということをキコがモノローグで全部説明していて、少し冷める。
二つ目は、キャラクターの心情と世界がリンクしすぎていること。代表的なものは鯨だが、嫌でもこれが小説であり物語であることを思い出させてしまい、没入感が削がれてしまう。主人公たちのための世界すぎる。その結果、琴美や品城など、物語の敵として登場し、成長の機会が与えられないまま、物語から排除されてしまったキャラクターのことが気になってしまう。
色々書いたが、全体的には良い小説だったんじゃないかと思う。
Posted by ブクログ
文体が私には合わなかった。登場人物の言葉やキャラクター設定がどこか現実離れしていて、感情移入できなかった。アニメっぽいというか。町田そのこさんの作品は私には合わないのかもしれない。
Posted by ブクログ
映画版でキナコを演じた杉咲花さんが話していた「人のことを思ってもみない形で傷つけたり、傷つけられたりしてしまうことは恐いし、他者との関わりは煩わしいものでもあると思う。
でもその寂しさを紛らわてくれるのも人の存在。だから人の痛みがわかることはできなくとも隣にいて、想像力をもって関わろうとしていきたい。」
この言葉がとても印象に残っている。
人に裏切られ傷つけられるが、また癒してくれるのも人なのかと思う。
孤独に感じる時も傍には誰かいて、助けられている。こんな自分の声を聴いてくれる人を大切にしたい。そして自分も、他人の声を聴ける人になりたい。
最後の一文とても良かった。
Posted by ブクログ
終始柔らかい雰囲気を感じるストーリーだった
私の中では。内容は重いけど。
素敵な人と出会える人生を歩めてよかった
アンさんみたいな人に会いたいなあ