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Posted by ブクログ
主人公、キナコの現在から話が始まるが、この第一章で出会う得体のしれない52(愛)を「中学生くらいの女の子と推察される」との表現や、アンさん、アンさんって言ってるけど何者だよ?と想像させる記述が後に布線としてきいてくる。
キナコの幼いころ受けた虐待や家庭環境の話が進むにつれて、現在の話と過去の話が入り乱れながら、核心に迫っていくストーリーが読んでいて、次の章も早く読みたい!と思わせる素晴らしい本であった。
親友の美晴の職場先の同僚アンさんがキナコと出会いキナコを救い出し、最果ての地で出会う村中を巻き込みながら、ジェンダー問題や幼児虐待問題をテーマに第一章を裏切るストーリーが展開する。
テレビドラマをみているかのような、次週が気になる〜って思わせる、一気に読み進められる本当に面白い本でした。
Posted by ブクログ
AIが私に合う本と紹介してくれたので、久しぶりに紙の本を買って読んだ。最初から終わりまでスムーズに読めた。愛着問題を抱えている人にはわかりやすい描写が多い。
「魂の番」なんて大それた物はない。裏切られた経験がある人なら幻想は持たない。期待しない。
自分も「ソールメイト」なんて言われて信じてたら他の人にも似たようなことを言われていた。言葉が気持ちよりも軽い人はリアルに多い。傷を抱えてる人間は何度でも同じ傷を抉られる。「あ〜またか」そんな感覚を何度も繰り返してきた人に読んで欲しい。
大袈裟ではなくて、、自分の努力では人生は好転しないと諦めている人、孤独で眠れない夜を過ごしてる人、誰にも理解してもらえないと愛情に枯渇してる人、「あ〜本だけは私の友達だ」と思える。
この本は買って所有することを勧める。
大丈夫、誰もいなくなっても「キナコ」が心の中に居るから。今日から「キナコ」をイマジナリーフレンドにしよう!
Posted by ブクログ
虐待とか育児放棄の物語で、正直めちゃくちゃ辛かったです。あまりに酷くて、何度も目を背けたくなりました。それなのに、ページをめくる手がどうしても止まらなくて、一気に読んでしまいました。
世界で一番孤独だと言われる「52ヘルツのクジラ」。誰にも届かない声で鳴き続けるその姿は、キナコやムシが抱える孤独そのもの。届かない「助けて」という声、そしてそれに耳を澄まして「聴く」声。真っ暗な絶望のなかにいる彼らも、アンさんや美晴といった大切な人たちと出会うことで、凍りついた心が少しずつ溶けていきます。
支えている側も、実は相手に支えられているんだな。誰かを助けたい、守りたいっていう必死な気持ちが結果的に自分自身を強くして、自立させていく。人間って一人じゃ生きられないし、お互いを必要とし合っている姿に、ぎゅっと胸を掴まれました。人との出会いによって、何度でも変われるし、強くなれる。
読み終わったあと、広大な海を泳ぐ美しいクジラの姿が思い浮かびます。それは寂しい姿じゃなくて、これからはじまる希望の姿にみえました。痛みの先に優しい光を感じられるような、余韻が残る美しい名作です。
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