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お嬢さんたちの若い命が、新世界を担うのです。 どうぞ、健やかに過ごしてくださいね……。 喧嘩別れした親友が高校を退学した。 突然、山に施設を作った新興宗教・NI求会に入会したのだ。 親友を取り戻そうとする凜音。 東京から《特別》になるために来た初花。 大人が《楽園》と定めた場所に閉じ込められた子供たちは、 その聖地で、禍々しいものと対峙する。 町田そのこの新境地。 女子高生たちの、青春×スリラー開幕!
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Posted by ブクログ
めっちゃおもしろかった。今まで読んだ町田そのことテイストがかなり違って、ドキドキハラハラする話だった。 宗教はどの国にもあり、ある程度は必要なものかもしれない。人々は、信仰する対象があるだけで安心するし、その信仰心から決心がついて事がいい方向に進むこともあると思う。日本は無宗教の人が多く、その感覚...続きを読むはあまりないかもしれないけど、助けを求めている人は意外とたくさんいるし、助かるためなら周りが見えなくなってもおかしくない。 古の時代から、友情はきっと大切なものだったし、素敵なものだった。その友情を、歪んだ形でも守り抜きたいと思うほどの思いの強さと、それを今の時代までつなげていくホラー感で、最後まで駆け抜ける様に読めた。映画を一本見た様な感覚! じわっと泣ける様な場面もあり、町田そのこだなあと思った。
町田その子さんが『月とアマリリス』や『蛍たちの祈り』でミステリーへ、さらには今回ホラーへと新境地を開拓! ピンクの可愛らしい表紙や楽しそうなタイトルからまさかのホラーとは想像しにくい。 内容はおぞましいヘビーな物語。 九州のとある田舎町の山の中腹に、NI求会という新興宗教の施設が建設された。 楽園...続きを読むと称されたその敷地には、移住してきた信者たちが住んでおり、選ばれた3人の若者による儀式が行われていた。 時を同じくしてその街では、若者が両目の眼球を取られて奇怪な死を遂げるという事件が勃発していた。 普段ホラー小説を読むことがないため、どうしてもどこかで読んだ漫画のような話に感じてしまう。 祠、儀式、生贄、怨念、グロテスク…とくると、忘れていた高階良子さんのホラー漫画を思い出した(年代がバレてしまう…) それにしても、読む手を止めさせない町田その子さんの筆力はさすがである。 限られた5日間という期間での展開のスピード感もすごい。 身の毛もよだつ恐ろしい山の景色、カラスの鳴き声、『目をくださりませ…』と不気味な声、映像から音までがリアルに頭の中に飛び込んでくる。 そしてラストは凛音、美央、初花の三人の、自分を犠牲にしてまでも友だちを助けたいという勇気とまっすぐな心に感動で胸が熱くなる。 ホラー小説を読まないので、ホラー小説としてどうなのかよくわからないが、ちょっと話が古い気もする。 が、一気読みするほど面白かったのは確かなので星5で。
オカルト系はあんまり好きじゃないんだけどなぁ〜と思いながら読みすすめていたら最後は自然に涙が流れて、やっぱり町田そのこ先生の本だぁ〜と思いました 読んでよかったです
友達に恥じない自分でいたいって思うのはすごく共感した。 話は怖い部分もあるけど、10代の真っ直ぐでパワフルな印象が強くて良かった。 友達っていいなぁと改めて思ったし、大人になって疎遠になる人が増えていく一方で今も仲良くしてくれる人を大事にしたいと思った。
町田そのこが大好きなのですぐ読んだ。 確かに、この人の作品にホラーはなかったから、「とかなんとかいって、人間の話?」と思いながら読み進めたけど、ホラーだった。 でも、ラストに向かうに従って映像が立ち上がるようでとっても面白かったです。 町田そのこさん、読んだあとホッとするのがいいです。 もちろん、ホ...続きを読むッとしますよ、これも。
あなたは、仲の良かった友達が『新興宗教団体』に入ってしまったとしたらどうするでしょうか? 『新興宗教』という言葉にはきな臭さが付き纏います。思い返せば、あの団体、この団体とここ数十年でも『新興宗教団体』が巻き起こした出来事は枚挙にいとまがありません。『施設内の居住区で暮らす決まり』がある、『未成年...続きを読む者は施設の外に出られない』、そのような独自の決まり事の先に友達が突然いなくなってしまう、そのような出来事が身近に起こったとしたらあなたはどのようにその現実と向き合っていくでしょうか? さてここに、『宮殿みたいな施設』が突如建設され、仲の良かった友達が家族そろってそんな施設に入ってしまったという事実を知った一人の女子高生が主人公となる物語があります。終始漂う不気味な雰囲気感に息が詰まりそうになるこの作品。まさかの”ホラー世界”がそこに顔を出すこの作品。そしてそれは、”あなたは、あたしたちが救い出す”と『新興宗教施設』に隠された真実と向き合っていく一人の少女のひたむきな思いを見る物語です。 『スピババアがいなくなった。思えばそれが、前兆だった』と思うのは主人公の神原凛音(かんばら りんね)。『九州の片隅にある我が南半里町の真ん中に位置する姫塚山の麓にある小さな和菓子屋「つかもり」の、店主』だったという『年齢も名前も不詳』の『スピババア』は、『スピリチュアルなことばかり言う』ためにそのように呼ばれていました。『つかもりの「まめもち」が大好物』だった『じいちゃんの祥月命日である八月十日』に『仏壇にお供えしようと』『つかもり』『に向かった凛音は、『閉店を知らせる紙が貼られ』いるのを見て、『スピババア』が『店を畳んで町からいなくなった』ことを知ります。やむなく『先月できたばかりの菓子店』へと赴いた凛音は、『長ったらしい行列』に並ぶ中、『夏休みに入る少し前に、友達の荻野美央(おぎの みお)と大喧嘩をした』ことを振り返ります。『高校の入学式で出会ったのをきっかけに親しくなってから一度も喧嘩をしたことがなかったのに、初めて衝突した』という二人。『美央との友情を失いたくない。あたしは美央が好きだし、美央と過ごす時間が好き』と思う凛音は、『つかもりの方角 ー つまりは姫塚山』に目をやると、その『中腹の辺りに白い建物の一部が見えることに気付』きます。『今年の春ごろから建設された』『何とかっていう新興宗教の本部施設だと聞いてい』た凛音は、『うつくしい自然の中からぬっと顔を出した無機質なそれは何だか、ゲームのバグのようだ』と思います。 場面は変わり、『二学期の始業式』が行われたその日、『なあ、神原。今日、二組の荻野って休みだろ?』と『津久見裕に小さな声で訊かれ』た凛音は、『美央?知らねえよ』と答えつつも『ほんとうは、来ていないことを知ってい』ました。『いまも仲直りできていないから、あたしはどうして美央が休んでいるのか分からない』という凛音に、『あいつの家ってあそこに入会したらしいじゃん』、『NI求会』と『声を潜め』る津久見。『何だそれ』と訊き返すと『新興宗教団体の、NI求会だよ。姫塚山に、宮殿みたいな施設ができただろ。こないだ、完成したんだ』と説明する津久見に『姫塚山のバグはそういう名前だった』と思う凛音は『美央の家がその……エヌアイキュウカイ?とかに入会したとかって話をどうして津久見が知ってんだよ?』と訊き返します。『学校に来てないから。NI求会に入った家は、施設内の居住区で暮らす決まりなんだって』と言う津久見は『退学するって噂』と顔を寄せます。『四組の小菅もいないし、一年はひとり、三年はふたり…』と学内の状況を説明する津久見は、母親が役場で働いていることもあって、『噂がどんどん入ってくる』と話します。『学校を辞めるなんて、そんな大事なことを教えてくれないはずがない。でももう一ヶ月以上連絡を取っていない』と思う凛音の不安は、『放課後、美央の家を訪ねたことで急激に広が』ります。『門扉に「売り物件」と大きな看板が立って』いて『中に入ろうにも、門扉に鍵がかかっていて動』きません。『美央、どこに行ったの?』と、『短いメッセージを、少しだけ悩んで送信した』凛音ですが、『既読はつ』かないという中、『NI求会に入ったひとたちは施設内で生活する』、『未成年者は、施設から出られない』という津久見の話を思い出す凛音は、『それがほんとうなら、あたしは美央ともう会えないってこと?』と思います。そんな時、『その家のひとは、もう引っ越してったよ』と『自転車に乗ったハタチくらいのお姉さん』に声をかけられます。『友達の家なんすよ。連絡がつかなくて、困ってて』と言う凛音に、お姉さんは『姫塚山の方を指』します。『やっぱり、NI求会ってやつなんだ。あのー、あそこに行ったら、会えるんすかね?』と訊く凛音に『やめときなー。あそこ、なんかヤバそうじゃん』、『やくざよりタチが悪いぜえ』と言うお姉さんは、自転車に乗ると去って行きます。そんな『お姉さんの先に、着物を着た女の子が立って』いるのを見る凛音。『うっわ、着物めっちゃかわいーじゃーん』と声をかけるお姉さんに『知り合いなのかもしれない』と思う凛音は、『荻野家に視線を戻』し、『美央…』と彼女のことを思いますが『考えなしに近づくべきじゃない』と『NI求会』のことを思います。 再度場面は変わり、家で『NI求会』について調べはじめた凛音は、『クラスのグループチャット』が盛り上がっていることに気づきます。『町内の胎内という地区で、若い女性の遺体が発見されたらしい』という話題の中に上げられた動画を見た凛音は、それが『今日訪ねたばかりの荻野家の近く』であることを知ります。『やばい、がちで殺人ぽい!しかも、猟奇的殺人の可能性大!』というコメントに驚く凛音。やがて『ビデオ通話』が始まり『ハロー、メンバー!中津寛太、ただいま現場到着でっす!』と『すぐ調子に乗るところがウザい中津の顔が、アップで映』ります。『亡くなったのはハタチの女らしい…血だまりの中に女は顔から倒れ込んでいて、母親がびっくりして抱きかかえると何と……、両目がない』と続ける中津の説明。 三度場面は変わり、『事件の翌日』学校が休校になったことでワイドショーを見る凛音は、『うそだろ!』と声を出します。『テレビ画面に映し出された権田桂里奈さんは』昨日、凛音が話をしたお姉さんであり『死亡推定時刻は、あたしと別れたあとのこと』でした。『彼女は、殺されたのだ』と思う凛音は、『NI求会に行こうとしたあたしを止めたから、と考えるのは短絡的なのか?』と考えます。『あのとき彼女は小声で話したけど、どこかで誰かが耳を澄ませていたかもしれない。誰かが聞いていて、それで…』と思いを巡らせる凛音。そんな凛音が『NI求会』に囚われの身となっている美央を救出すべく奔走する先に、驚愕な真実が明らかになるまさかの”ホラー”な物語が始まりました。 “喧嘩別れした親友が高校を退学した。突然、山に施設を作った新興宗教・NI求会に入会したのだ。親友を取り戻そうとする凜音。東京から《特別》になるために来た初花。大人が《楽園》と定めた場所に閉じ込められた子供たちは、その聖地で、禍々しいものと対峙する。町田そのこの新境地”と内容紹介にうたわれるこの作品。本の帯に記された”女子高生たちの青春×ホラー開幕!”というフレーズに町田そのこさんが”ホラー”?と興味がそそられます。 そんなこの作品は読めば読み進めるほどに今までの町田そのこさんとは一味違う新鮮さに満ち溢れています。まずは、物語に大きな比重をもって登場する『新興宗教団体の、NI求会』について見ていきましょう。 ● 『NI求会』って何? ・『正式名称は『ネイチャーインテリジェンス求道会』。自然が本来持っている力を信じ、もっと広めていこうという考えの下、自然保護活動を積極的に行っている』。 ・『創設は十五年前。主な活動は、登山客が汚した山の清掃活動』 ・『ホームページ』には『文明に依存した生活スタイルを見直し、自然と生きる生活を心がけようということが、さまざまな言い回しで書かれている』 ・『今年に入って急に』『九州の片隅にある』『南半里町の真ん中に位置する姫塚山』『に拠点を構えると決めた。山を切り開き、でかい施設を建て、そして会員をひとところに集め出した』 ・『NI求会に入った家は、施設内の居住区で暮らす決まり』、『未成年者は施設の外に出られない。施設に独自の教育機関があって、そこで勉強する』 もう怪しさ満点ですね。これはヤバいです。某宗教団体を想起させもします。このような『新興宗教』を取り上げた作品としては今村夏子さん「星の子」が思い浮かびますが、どちらもとにかく不気味で読んでいて嫌悪感が湧き上がります。物語は、この『NI求会』の不気味さを煽るように描いていきますが、一方でそこに立て続けに事件が発生します。 ● 『立て続けにひとが亡くなってる事件』とは? ・『これまでに四人で、ひとりは生きているけど意識不明のまま』 ・『権田さんは事件性がないとのことで自死と判断され、ふたり目の男性は事故、三人目の女性は自殺未遂となった』 『立て続けにひとが亡くなって』いるのは事実としてもこれだけだと取り立てて問題視することでもないような気もします。しかし、これらの事件には不気味な共通点があるのです。 『全員、目を損傷してる。いまだに眼球が見つかってないひともいる』。 えっ!という声が聞こえました。そうです。この作品では、『目』という人のからだの大切な部位が重要な意味をもってくるのです。そして、問題なのはその描写の仕方です。このレビューを読んでくださっていらっしゃるみなさんのお好きなジャンルはさまざまだと思いますが、この作品では『目』に関してグロテスクな描写が登場するのです。これには驚きました。まさか町田さんの作品でこのような表現を目にするとは思わなかったのが実際のところです。グロテスクな表現なんて絶対嫌!とおっしゃる方もいらっしゃると思いますのでここではその詳細に触れることは避けたいと思いますが、この点ひと言お伝えできればと思いました。一方で、この作品のもう一つのポイントが、次の一文の先に展開する物語なのです。 『そのひとたちが亡くなる寸前、着物姿の女の子が目撃されてる』。 ネタバレになるのでこれ以上触れることは避けたいと思いますが、町田さんが描くまさかの”ホラー劇”がこの作品最大のポイントであり、物語では、上記した『NI求会』、『立て続けにひとが亡くなってる事件』という不気味な演出の上に鮮やかに展開していきます。私は町田さんの作品をコンプリートしていますが、こんな町田さんは初めてです。不気味な物語ではありますが、町田さんのこの新境地には思わず読む手が止められなくなります。やはり町田さん!さすがの町田さん!”ホラー”でも間違いなく読ませてくださる作家さんです。 一方で明るい話題を一点お伝えしたいと思います。この作品の舞台は上記した通り、『九州の片隅にある』『南半里町』です。作者の町田さんは九州出身、今も九州を本拠に活動されており、物語の舞台を九州に設定した作品もあります。ここでご紹介したいのはこの作品にこんな記述が登場することです。 『テンダネスってまだ、九州限定コンビニなんだよな。いい加減本州に進出してくんないかな』。 お分かりいただけるでしょうか?町田さんがシリーズものとして取り組まれていらっしゃる「コンビニ兄弟」の舞台となる『テンダネス』の話題が登場するのです。全体に暗い雰囲気感に包まれたこの作品ですが、この5文字がオアシスのように感じてもしまいます。思わずニンマリという形で幾度か登場しますのでこれから読まれる方には是非楽しみにされてください。 さて、そんなこの作品は〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた四つの章から構成されています。物語は神原凛音という女子高生が主人公を務めます。上記したダイジェストの通り、物語では『友達の荻野美央と大喧嘩をした』先に彼女が『NI求会』に囚われの身であることを知った凛音の姿が描かれていきます。 『美央との友情を失いたくない。あたしは美央が好きだし、美央と過ごす時間が好きだ』。 そんな凛音は『何かから見られているような気持ち悪さを感じる。誰かがこっちをじいっと見ている。でも、何もいない』という不気味な感覚の中、『花に囲まれた、白いお城』のような『NI求会』の建物へと単身訪れます。しかし、当然のことながら一人の女子高生の力ではできることが限られます。そんなところに『ドーナッツ屋』の森美美憂(もりび びう)という『二十代半ばくらい』の男性がやはり『NI求会』から知り合いを取り戻すべく訪れ、二人は知り合います。物語では、この二人がタッグを組んでいく様が描かれていきます。 『あそこで何かが起きている。そしてその姫塚山に、美央はいる』 そんな思いの先に美央を救うべく大胆に行動を起こしていく凛音。物語は、第二章でもう一人の女性に視点を移動させます。それは、『NI求会』に連れ込まれた田原初花という女子高生です。複雑な思いの中に『NI求会』にやってきた初花の存在は物語世界を広げていきます。一方で、『めぇ、ちょうだい』、『ねえ、おねがい。めぇ、ちょうだい』という不気味な言葉が物語のそこかしこに顔を出すようになる物語は一気に”ホラー”な色彩を強めてもいきます。そして、そんな物語が至る結末、そこには物語冒頭からは全く予想だにできなかった、それでいて物語のそこかしこに埋め込まれていた伏線が丁寧に回収されていく町田さんらしい圧巻の物語が描かれていました。 『この日が、すべての始まりだった。振り返れば、だけれど』 そんな風に過去を振り返る主人公の神原凛音。そんな凛音が『NI求会』という怪しげな組織に囚われの身となった友達の美央を救出するために危険を冒しつつも『NI求会』の背景に隠された真実を追い求める姿が描かれていました。『新興宗教』の怪しげな存在が物語を薄暗くしていくこの作品。そんな『新興宗教』の裏側に驚愕の真実が隠されてもいるこの作品。 グロテスクな表現と、まさかの”ホラー”な物語世界に、町田さんの新境地を見るインパクトある作品でした。
喧嘩別れした親友の美央が高校を退学した。 何も告げずに家族で、姫塚山に突然にできた宗教施設「NI求会」に入会したらしい。 家に行くと門扉に売り物件の看板が立っていて、自転車に乗ったお姉さんにその家の人は、引っ越して行ったと言う。 そのお姉さんは着物の少女に話かけていて… 翌日には猟奇的殺人事件の被...続きを読む害者になっていた。 それから、目を奪われて殺される被害が続出するのだが、凛音は美央をはじめとする、NI求会に入会した5名が全員退学したことも気になり、その施設に赴くのだが門前払いにあっているところにドーナッツ屋のお兄さんも友人と連絡が取れないとやってくる。 施設から逃げ出してきた初花とドーナッツ屋と凛音たちは、NI求会がやっていることと「目」を奪っていく事件との関連を探る。 今までの町田そのこさんの書いてきたものとは趣きの異なる感じに戸惑ったが、呪術というホラーものに謎解きをする女子高生とドーナッツやのお兄さんという…また違った意味でわくわくした。 ホラー色強めというわけでもなく、純粋に友情を大切にする話でもあったと思う。 守ろうとする誰かがいれば、きっと繋がれていく。 何も、失われない。 だからきっとまた、あなたに会える。
女子高生、凛音の住む九州の田舎町の山奥に、NI求会という新興宗教の施設ができ、多くの信者がそこに住み始めた。凛音の親友、美央の両親も熱心な信者で、凛音と喧嘩別れをしたばかりの美央はある日突然高校を退学し、その施設に住み始めたとの噂が…。そのことと並行して、町では不審な死を遂げる人が何人も出てくる。 ...続きを読む 今までの町田さんは、大人の女性に向けて地方に続く男女差別、貧困、虐待が出てくる作品が多かった。 でも、今作はどちらかというと女子中高生が好みそうな作品で、賛否両論があり、ブグログでの評価も低い。けど、私は嫌いではなく、どちらかと言うと町田さんはこういった作品も書くのかと感心した。 まさに、町田さんの新境地。 連続不審死や怨念などが出てくるけど、軽く安っぽい文章にはならず、町田さんの繊細な心理描写は健在。 細田監督あたりがアニメ映画化したら、面白いかも。 伊坂幸太郎さんの『楽園の楽園』がキーパーソンならぬキーブック。今年出たばかりの本なのにあれをよくまぁ、核にもってきたなぁと。書き下ろしということだけど、この小説、書いてすぐに出版したのかな。 いろいろ感心させられた。
新たな町田そのこと出会えたと思う ホラー要素が強めでゾクゾクしながらページを巡った 怖かったけど、手が止まらなくてあっという間に読み終わってしまった 読み終わった後つい目がちゃんとついているか確認してしまった
これは評価が二分するのかもしれない。 町田その子の作風を好み手に取った人には斜め上すぎる異世界感かも。 いろんな作者の作品を読むタイプの私のようなタイプの人からすると、シンプルにストーリーが面白かった。 もちろんホラー要素もあり、あぁ、町田さん、こーゆー感じもイケるんですねと。 繋がれていくものには...続きを読む理由と意味があるんです。 そしてそこにあるのは切なく悲しい過去も。 創作物として面白い。
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