【感想・ネタバレ】52ヘルツのクジラたち【特典付き】のレビュー

あらすじ

2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。

【文庫化特典 スペシャルストーリー】
町田そのこさんの書き下ろし小説付き

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ
のためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
〈解説〉内田剛

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・虐待を題材にしたちょっと重めな話
・主税とアンさんのところ強烈な印象
・ジェンダー セクシャルマイノリティに触れてる
 →今っぽい感じが考えさせる
・きなこが愛を救うシーンがアンさんと重なってさらに良かった
・呼び方も52→愛に変化するのも良い

タイトルでなぜクジラ?となったが
読み終わって想いが届くととても嬉しいと感じた

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サチゑさんの「ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん」という言葉は胸に留めておきたい。自分がどれだけ沢山のものを貰っているか、自分は何を誰に与えられるか。貰っていること自体に罪悪感を抱く必要は無いし、必ずしもくれた人にそれを返す必要もなくて、どこかの誰かに自分ができることをすること。
アンさんはキナコに、キナコは愛に、匠は美晴に。もちろん一つの矢印ではないけれど、この物語でも必ずしも2人の世界で閉じた両矢印ではないんだよなぁ。

親子愛については、作中のほとんどの家族で当事者たちにはしんどい関係だった。お互いに愛したいし愛されたいのに。普通から逸れてほしくない、自分と同じ過ちを繰り返してほしくない…これは、子ども想いが行き過ぎたのではなく、自他の境界線を引けていないからとも感じる。自分たちから産まれた生命で、お世話をしないと死んでしまう存在である期間が長いからこそ、その境界線を掻き消す力が強いのだろう。自分はその力に抗って、ちゃんと線を引いて、個人として見て愛せる親になりたい。

ちなみに、最初にサチゑさんに会った時には「村中のおばあさん」という表現だったのに、最後のバーベキューをしているときには「サチゑさん」という表現になっていた。これは、キナコがこの人たちを見ようとしている表れなんだろうなと思ってその点でも心が温かくなる読後感だった。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人は誰でも、52ヘルツの声で鳴いていると思う。人に話せていないことや後ろめたい気持ちがあること、身体は仲間たちといるのに、心はひとりぼっちだったり…思ったことを口に出せなかったり、関わりたくないのに関わってしまう経験は誰にでもある。
自分の中に線を引き続けて、いつのまにか線に囲まれて抜け出せなくなってしまったとき、救い出してくれた人たち。そんな人たちに救われてきたし、救いたいと思う。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃいい。。。解説もショートストーリーも全部含めて愛に溢れている。泣ける。

都会で凄惨な生活、修羅場を潜ってきた貴瑚(キナコ)は大分にある田舎に1人で引っ越してくる。
そこで出会うムシと呼ばれる男の子との出会いから始まる愛の物語。
52ヘルツのクジラというのは同じクジラの仲間にも聞こえない周波数で鳴くクジラのことで、その声は届かない。そんな境遇に重なるキナコと愛の話。

キナコは愛と出会うまでに、本当に壮絶な人生を送ってきた。虐待、介護、呪いと言ってもいい生活を強いられていたところにアンさんが現れる。美晴(キナコの高校の同級生)の職場の同僚であったアンさんは、キナコの聞こえない悲鳴を聞き、その世界から救い出してくれた恩人だ。
しかしキナコは、その恩人の声を聞けず、また悲劇が起きてしまう。その贖罪のごとく愛を救うために動いていくが、キナコもキナコで愛との出会いにより変えられ、生かされていた。52ヘルツのクジラ同士が魂の番として出会い、短い期間で愛を育んだ。

まず、情景描写がとても豊かだ。田舎の喧騒や海、定規で線を描いたような堤防など、読みながらも映像が浮かんでくる。孤独の匂いなど、目に見えないものを文章にする力にも脱帽だ。

また、登場人物もストーリーがとても重厚だ。キナコはもちろん、美晴はキナコを想う親友でありながらもそこに甘えず、言うべきことはしっかり言うし作中のスピード感を作った張本人でもある。
キナコの声を聴いてくれたアンさんのストーリーは作中でもクライマックスに近いだろう。大分の村中もいいやつだ。

ひとというのは最初こそもらう側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも貰ってばかりじゃいかんのよ。

号泣を超えて鼻血が出ました。(編集者の方のフレーズより)

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2026年03月19日

ネタバレ 購入済み

魂が涙した

本屋大賞受賞時に読もうと思ったのに、このタイミングになってしまった作品。
こんなに痛くて切ない内容だったとは…
人を助ける、人の役に立つってなんて大変なことなのかに気づかされ、自分の甘さを思い知る。
「魂の番」に私は逢えているのだろうか…

#泣ける #共感する

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2024年04月25日

ネタバレ 購入済み

何度も読み返したい

いつまでも幸せでいて欲しい。寂しくなったときには私を思い出して、思いを叫んで欲しい。
与えられる人から与える人への変遷。誰かから守られることを、何かを与えられることを欲してきた結果、悲しい過去を経験した主人公はある1人の子供と出会うことで、少しずつ気持ちに変化が。
最後の場面で、守っていくのだと思っていた人から守られる場面は、人と人が支え合うその姿を表しているものかと。
何度も読み返したい、名作。

#泣ける

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄まじい環境下であげる52ヘルツの声たち。
児童虐待や介護、トランスジェンダーといったサブテーマと共に書き上げられている。
構成も、昔⇒今⇒昔のように、見出しごとに交互になっている為、読みやすい本だった。
声をあげるクジラたちは、結局その環境から自力で抜け出し自力で立たなければならないが、周りを信じることも大切だと当たり前ながらに思った。もちろんそんな環境下に居て、周りの人を信頼しろなど難しいことであることは承知だが、魂の番に出会えたらと思う。
この本を読む前に、「星を掬う」の表紙に惹かれ購入していたが、筆者が一緒であることに気づき驚いた。
早速こちらも読んでみようと思う。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重い内容だけど読みやすくてすらすら読めた。
自分の声を聞いてくれる存在がいるだけで救われる。
村中と恋仲になるという最後じゃなくて良かった笑

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2026年03月17日

ネタバレ 購入済み

しんどすぎる。。。でも

主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。

#癒やされる #泣ける #ドロドロ

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は、孤独とそれを乗り越える絆を描いた物語。血縁を必要としない家族愛をテーマとしていて、昨今の他の本屋大賞受賞作にもよく見られる構成だった。

物語のスケールは小さめで、人間のミクロな心理描写を中心に展開される。心に傷を負った主人公の貴瑚が田舎に隠居する場面から始まる。過去の孤独や失敗と向き合いながら、新天地で出会った同じように傷を負った少年との関わりを通じて、これからの人生の進め方を模索していく。

貴瑚や恩人のアンさんのように、自分の孤独を埋めるために他者を助けたいという感情には強く共感できる。そしてアンさんによって貴瑚が救われ、変わっていく過程には、強い期待感を持って読み進められる。しかしさらなる欲を追ってしまい、本当に大切なものを失って初めてその価値に気づく描写からは、人間の普遍的な弱さと真理を突きつけられる。人間の弱さが多角的に描かれていて、それをどう受け止めるか、どう弱いまま前に進むのかを考えさせられる作品として、とても印象に残った。

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2026年03月21日

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