Elizabeth.Tさんのレビュー一覧
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購入済み
しんどい描写もあるのだけれど。
とても滑らかな文体で、また表現される心の細かな描写に引き込まれる。こんなふうに表現できたら、この気持ちの表現を知っていたら、もっと相手に優しくなれたかもしれない。自分にも。言葉で人を傷つけることは少なくなるのかもしれない。。。そう思った。心配して声をかけることも、無神経にしないかもしれない。事実と真実は違う。私を取り巻くニュースや出来事をそのまま受け取ることを躊躇してしまいそうだ。でもそういう人が増えたら、心無い振る舞いや発言、言葉ははもっと減るかもしれない。読んでいてしんどい描写もあるのだけれど、読み終わって少し優しい気持ちになれた気がする。
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ネタバレ 購入済み
しんどすぎる。。。でも
主人公の虐待シーンや、どん底に堕ちていくが読んでいて本当に辛く、「そっちはだめだー!」と叫び出しそうになってしまった。胸が圧迫されて息ができない、そんな感じに似ている。
救いの手は差し伸べられているのに、沼の深くまではまっている人はその手に捕まることを躊躇する、振り払う。その手に捕まること、幸せになることは簡単なのに、その権利がないのではと思ってしまう。読んでいてとても辛かった。
でも不幸な呪縛から段階的に解放されていく主人公に、読後いつのまにか自分も不幸から解放されていたことに気づいた。 -
購入済み
女の戦争
初めて読んだ戦争小説がこの作品だった。戦争を深く知ることが怖く、また戦時中の女性を取り巻く環境などに疑問と嫌悪感があったからだ。この作品を読んでいて、もちろんそれがなかったわけではないが、私の中のこれまで抱いてきた感情が少し軽くなった気がした。女だって戦っていた。子どもだって戦っていた。その時代を生きていないから遠いようにも感じていたけれど、主人公セラフィマが照準を合わせたことで、敵を撃ったことで私の中の視界が少し開けたように感じた。もう少し戦争について知ってみようと勇気が出た。少し前に話題になっていて、この本の中でも参考資料としてあった『戦争は女の顔をしていない』岩波現代文庫も気になったので
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