【感想・ネタバレ】カフネのレビュー

あらすじ

☆2025年本屋大賞受賞作☆

【第8回未来屋小説大賞】
【第1回あの本、読みました?大賞】

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。

最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。

食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。

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Posted by ブクログ

持ち運ぶのが不便、という理由で自分は昔からハードカバーというものが苦手で。去年の末頃に買ったけど読んでは寝かせ、読んでは寝かせを繰り返している間に外出先でも読める文庫本を3冊ほど読み終えてしまったんですが、その内の2冊である「どこよりも遠い場所にいる君へ」と「また君と出会う未来のために」と同じ作者さんだったことに遅れながら気付きました。買った時は全く意識してなかったので、妙な偶然もあるもんだ…と一人で驚いてましたという前置き。
「どこよりも遠い場所にいる君へ」を読んで偉そうに上から目線のレビューを書いた自分が恥ずかしい。文章に込められた優しさや、物語を通じて生きることに苦しさを感じている人たちに対して温もりを届けようとしている姿勢のようなものがしっかりと伝わってきて、ちゃんと泣きました。同時に、作者の阿部暁子さんの書き手としての成長のようなものをまざまざと見せつけられて、負けてたまるかい!みたいな熱を分けてもらったこともちゃんとここに記しておきます。ありがとうございました。

1
2026年05月23日

Posted by ブクログ

不妊治療、流産、旦那に離婚を切り出される上、世界で1番大切な弟に先に逝かれ、ボロボロになる薫子と、薫子を取り巻く環境。

弟の元恋人だといわれるせつな。
この作品を通してせつなに対する印象が180度変わった。
最初は礼儀がなくて、冷たくて、自分勝手な嫌なやつという印象。でも、彼女が作る料理にはその人に対するメッセージが込められていて、自分の芯がしっかりある。伝えるって言葉だけじゃない。むしろ、言葉よりも簡単に伝えられないものがある。

せつな自身も本当は思いっきり泣いたり、誰かを頼りたいと思ってる。
それがわかった瞬間、とてつもなく愛おしく感じる。

自分に子供ができた時にまた読みたい

0
2026年06月01日

Posted by ブクログ

穏やかな気持ちになる。
基本的に悪い人がいない。
インザメガチャーチを読んだ後に読んだのは若干ノイズだった。

0
2026年05月31日

Posted by ブクログ

せつなと薫子。出会いから激しい。なんか色々考えさせられる。ジェンダー、人とは何なのだろう。優しい、優しいってなんだ?
カフネの意味もすごくいい。

0
2026年05月31日

Posted by ブクログ

前々から読んでみたいと思ってようやく読みました。
見た目だけじゃどんな人かはわからない、自分が見えてる他人が本当の他人とは限らないという場面が多く、何回も感情を動かされた。
本の構成としても読みやすいので、万人にお勧めです。

0
2026年05月31日

Posted by ブクログ

うーん、良く書けていますね。

粗筋とかを書くのは私の趣味でないけど、一気に読んでしまいました。

最後にちょっと涙ぐんでしまいました。

私の基準では泣ける映画と本は良い作品です。

0
2026年05月29日

Posted by ブクログ

人はちゃんと生きているようで見えないところで悩みや葛藤を抱えている生き物。でも寄り添いながら生きていくことで救われる。そんなストーリー。薫子とせつなの会話がたまに面白くて笑う場面があり。
きっと数年後にまた読んだら感じ方が違うので定期的に読み返したい1冊。
いろんな料理が出てきて美味しそうなので結構飯テロ。個人的には卵味噌が食べたい。

0
2026年05月28日

Posted by ブクログ

心がイライラで荒んでる時にお友達に勧められた。
見えないけどみんな心に秘密や傷を抱えてて、
それでもいつでも優しくて
支えてあげてるようで支えてもらえてて
私もほんの僅かでも誰かの支えになれるといいな
誰かの優しさに敏感になって感謝しながら生きていきたい。

0
2026年05月28日

Posted by ブクログ

小野寺せつなの無愛想ながらも真の通ったキャラが痛快で魅力的で、でも実際は優しいのだろうなと予測しながら読んでいた。でも物語の後半で、その無愛想は、たった1人の家族の自死、優しくしてくれた叔母の死、自身の重病、やっとできた親友もいなくなった経験から、人と深く関わること、世界を信じること、人生が楽しいものだと感じることを拒絶し、自分を守るための武装なのだろうと気付かされる。

一方野宮薫子は、当初はヒステリックで押し付けがましく魅力的に感じないキャラだった。でも小野寺せつなとの交流やチケットでの活動を通じて自信を取り戻し、本来の努力家で真面目でパワフルで楽しんで人のために何かをできる人柄が描かれるにつれ、共感し、感情移入し、自身の痛みを共なう過去ですらサラリと語れる強さや自負ある有能さが圧倒的にカッコよかった。

野宮晴彦もまた、すこぶる魅力的なキャラだった。同時に危うく、考えさせられるキャラでもあった。
明るく人を幸せにする笑顔、素直さ。たくさんの人に求められ続け、それに応じ続けることの繰り返し。そしてそのせいで自分で自分の好きなものしたいことがわからなくなってしまう。親が愛だと思い晴彦に向けていたものは、晴彦を幸せにしたのだろうか。いい子だった晴彦。それは親にとって都合のいい子の側面も必ずある。そういう子は愛しやすい子でもある。でも愛とはなんなのか。自分があげたいものは相手が欲しいものとは限らない。そこに優しさはない。でも優しい子は相手があげたがっているから欲しくなくても受け取ってあげつづける。そういう構図はどの家庭でも起こりうる。
もちろん晴彦の両親はお仕着せの愛ばかりでもなかった(薫子は両親から愛されてなったと感じていたが、最後に両親からもらったものを思い出していた)のだろう。そして自身のやりたいことを見つけて歩み出そうとしてもいた。そこに救いがあるような気がするし、実際そこでハッピーエンドで終わることもできる。

でもそれを知らされたせつなの言う
「でも晴彦がもういないのは変わらない」
に、私は打ちのめされた。

物語だったらハッピーエンドで終わるが、実際の人生は、残された人たちの人生は続いていくのだ。
大切な人のいなくなった世界は続く。

そんな世界で薫子は、無理に希望を持つ必要もない、いなくならない約束もできないししなくてもいい、と自身も背伸びすることなく、せつなにも何も求めず、今、目の前の大切な人を大切にするためにできることをする、という選択をするのがカフネのラスト。

大変に気持ちを揺さぶられ、考えさせられた良書でした。


最後にいいなと思ったせつなのことば

善意って油みたいなもので、使い方と
量を間違えると
相手を逆にめいらせてしまうから

0
2026年05月28日

Posted by ブクログ

薫子とせつなの軽快なやり取りが心地よく、読み進めるほどに二人のことを好きになっていく本だった。

この物語には、明確な悪者が出てこない。薫子の両親を含め、登場する人たちはみんな不器用ではあるけれど、悪意がなく、愛情深い。


近くにいる人のことでも、私たちは意外と理解しきれていない。だからこそ、気持ちを言葉にして伝えることは、とんでもなく大切なのだと教えてくれる。

そして、人との別れは、いつ訪れるかわからない。だから日々の中で、伝えたいことはちゃんと伝えきっておきたい。そう静かに思わせてくれた。

この本はきっと、これからの人生で何度も思い出す一冊だと思う。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

基本的にめんどくさい人ばかり出てきて、めんどくさい話が重なっていくようなストーリーだけど、実際はそんなもんなんだろうなと思う。死以外は全て弟の手のひらの上だった訳だけど、こんな出会いが今後あれば良いなと思う。諦めの奥の優しさを感じた。

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2026年05月26日

Posted by ブクログ

みんなそれぞれ抱えてるものがある。
それは外側からはわからないし、その人のことを知っているつもりでも全部を知ることはできない。

周りの人に勧めたい本!

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2026年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『カフネ』というタイトルのやわらかさとは裏腹に、喪失や孤独、人との距離感が丁寧に描かれた作品だった。第8回未来屋小説大賞受賞作ということで手に取ったが、「食べることは生きること」というテーマが強く心に残った。

主人公の野宮薫子は、急死した弟の遺言によって、弟の元恋人・小野寺せつなと出会う。遺産の受け取りをせつなはあっさり断り、最初はどこか他人を寄せつけない雰囲気を感じさせる。しかし、家事代行の仕事を共にする中で、薫子は少しずつせつなの優しさや不器用さに触れ、二人の距離もゆっくりと変化していく。特に、食事を通して相手を支える場面が印象的で、温かな料理が人の心を回復させていく様子が丁寧に描かれていた。

終盤では、二人の関係が制度的なつながりへ向かうのかと思わせながらも、明確な結論は示されない。ただ、その“余白”がかえって心地よく、それぞれのこれからを読者に想像させる作品だった。派手な展開ではないが、人と人とが支え合って生きることの尊さを静かに感じさせる一冊だった。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

本屋大賞作品で阿部暁子さんの作品を初めて読んだが、さらさらと読みやすくテンポも良いので一気読みした。

仕事や生活をシャキシャキとこなしていた主人公薫子が、不妊治療や離婚そして弟の突然死によって生活も心も崩れ始めていたところに、家事代行サービスを仕事にしている弟の元カノのせつなと出会う。
弟の死について、そして家事代行サービスで出会う様々な問題を抱えた家族など、重めのテーマになりそうなところを、美味しそうな料理がたくさん出てくるからか著者の言葉選びなのか、繊細でいて軽やかに話は進む。

現代社会にもきっとこの物語に出てくるような生活がいっぱいいっぱいな人たちってきっと少なくない。ボランティア「チケット」を通して、二時間の間にしばしの休憩をして呼吸を整えて、掃除をしてもらったスッキリとした家と作ってもらった数日分の美味しいご飯のお陰でまた明日からの日々に踏み出す。その小さくても確かなリセットのおかげで、人はまた新たな気持ちで希望を持って生活をスタートできるのかもしれない。新生児を抱えて頑張っているお母さん、仕事家事育児をワンオペでこなすお母さんやお父さん、障がいのある子供を抱える家族、親の自宅介護をする家族。そんな人たちにそっと手を差し伸べられるこのボランティアは素晴らしい制度だと感心した。
また読み返したいし、阿部さんの他の本も読んでみたい。





「お腹がすいていることと、寝起きする場所でくつろげないことは、だめです。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても。」

「家事は待ったなしです。いくら掃除機をかけてもまた床に埃が溜まるように、決して終わりはない。生きている限り付きまとうものです。嫌になったからといってやめられるものではないし、それなのに何らかの理由で手が回らなくなってしまうこともある。そして手が回らなくなって放置すると、もう、ひとりではどうにもできない状況に陥ってしまうこともある」

0
2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

食べたくなる描写ランキング

第3位 スーパーで買った菓子パン


p132
サクサクのデニッシュ生地にこれでもかと盛られた生クリームはミルクの匂いがして、
チョコレートと一緒に舌の上で溶ける。
チョコレートの上にまぶされたクランチのザクザクした食感も快感だ。
だが何よりも甘い。
脳がぐずぐずになるくらい甘くふて、快楽物質がものすごい勢いで脳内に分泌されていく。
「これ悪魔の食べ物ね」


第2位 せつながアレンジした苺パフェ

p66
グラスの底にはスライスされた赤い苺、次に真っ白なクリームと、サイコロ状にカットされた淡い黄色のスポンジケーキが交互に重ねられている。
その上層には、翡翠色と乳白色、二色のアイスクリームが美しい色の対比を見せながら盛られ、その上をまたスポンジケーキとクリームが覆う。
クライマックスであるパフェの頂点には真っ赤な苺が女王のように飾られ、その脇には、小さな薄紅色の薔薇が三つ咲いていた。(略)
てっぺんの苺は最後の楽しみに取っておいて、白いクリームとスポンジケーキが作るなだらかな丘にそうっとスプーンを入れる。
水脈を掘り当てたように艶やかなチョコレートソースがあふれ出してきて、胸がときめいた。
そう、このパフェを見た瞬間から、ずっとときめいているのだ。

↑女王のように飾られがよかった。



第1位 海賊が食べそうな骨付きチキン


p134
飴色にローストした骨付きチキンを、骨の端が牛肉の両側から飛び出るように二つずつ配置して、太巻き寿司を作るように巻き込んで成形していく。(略)
巨大な肉の両側に突き出した骨を両手でつかむなり、歯で肉をむしり取るように齧ってみせた。
こんなに野蛮に肉を齧る女を見たのは生まれて初めてで、薫子は呼吸もまばたきも忘れて見入った。
せつながソースと脂に濡れた唇を薬指の先でぬぐい、それを舐めとるのを見た時、どきりと心臓が跳ねた。
衝撃は体のもっと奥まったところまで響き、じんと下腹部が熱くなる。


↑これを読んだあと、真似はできなかったので、代わりにチキンの照り焼きを実際に食べた笑


異論は認める!めちゃくちゃ迷った!


事前の情報などから、「食べ物系のほんわか小説だろ」と高を括っていたけど、いやー、すごかった。
参った。
しかも食べ物だけではなかった。

泣いた。
小説で泣いたのは60冊振りくらい。
最近は書き手のことを考えながら少しメタな読み方をするので、「すごい」とか「上手い」とかの感想を抱くことはあるけど、
泣いちゃうまではさすがになかったので、
すごい読書体験だった。
阿部先生本当にありがとう。

なんで泣いてしまったんだろう
と疑問を抱いたときに、
やっぱり、それまでの流れで感情移入していたから、没入感が高かったからだろうという答えになり、じゃあなんで他の作品より没入感あったのかと改めて考えてみたので、
「ここで泣いた」
を書く前に、感情移入のきっかけや、また、一方で、没入感があった故に、ここが残念だったというところを先に書いてみる。



□冒頭

p3
死んだ弟の元恋人は、すでに十九分遅刻している。

↑情報が詰まったキャッチーな冒頭。
「死体を先に出せ」というミステリの定石をならったものかと思った。
女の人と待ち合わせているのかなと推測できるし、「すでに十九分遅刻」で、視点の人物が時間にルーズではなく厳しすぎないことも分かる気がする。リズム感も好き。


□キャラクター

感情移入のきっかけは、やっぱり薫子とせつなのキャラクター要素は大きいかなと思った。
「成瀬」と似ているという感想を持っている方もいて、せつなのキャラ立ちと似ているかも、特徴的なキャラクターという部分が共通点ではないかと予想。
強くキャラ立ちさせていて賛否分かれるところだけど、私的にはそれがよかった。

薫子: よく泣く
   情緒が下腹部にあらわれる
   パンプスの踵を鳴らす
   努力家で真面目
   他たくさん

せつな:さばけている
   印象的な目もとをしている
   遅刻グセがある
   料理うまい
   毎回同じ服装
   他たくさん

印象的だったのは薫子の、情緒が下腹部にあらわれるっていうのがすごかった。
女性あるあるなんだろうけど他では見かけない新しい感じがした。
上述の骨付きチキンを食べる描写とか、男性作家にこの描写は不可能だろっていうエッジの効いた文章がバンバン出てくるのが印象的だった。

p52
女としての寿命を前借りしてすっかり干からびてしまったような心地がするのに、自分の卵巣にはまだ卵が残っていて、周期に沿って排出されては、命を宿すことなく寿命を迎え、胎児のベッドになるはずだった子宮内膜と一緒に流れ出てくる。
薫子はため息をつき、トイレに行くために腰を上げた。
お腹がすいた。でも何も食べたくない。
お酒が飲みたい。

↑前半の説明で後半のお腹がすいた。でも何も食べたくないが共感性を持って鋭く伝わってくるし、お酒が飲みたいがかわいい。


□文体

口語と文語を絶妙な配合でまぜており、
それが独特の文体になっている気がする。
心の声をそのまま文字に起こしたような感じ。
ブログやエッセイを読んでるようで親近感が
湧いた。
実際にいそうな人物として感情移入が高まった。

p57
カロリーがなんだ、糖質がどうした、トランス脂肪酸がなんぼのものだ。こっちは誕生日なんだから最強だ。夫に捨てられて子どもを産む予定のない女はこの世に怖いものはない。

↑誕生日だからといって最強ではないぞ笑


p59
あっと声を漏らしてしゃがみ込むと、床に叩きつけられたケーキは透明パックの中で横倒しになっていた。涙がこみ上げた。だけど唇を噛みしめながらすぐに立ち上がる。泣いちゃだめ、大人だもの。

↑喜んだり、泣きそうになったり情緒が波のように表現されてて、一緒になって酔っ払いそうなくらい楽しめた。


p100
無心で箱をつぶして一定数溜まったら髪紐で縛る、という作業をくり返すうちに畳のスペースが増えてきた。いい。努力が人生を切り開いているこの感覚、すごくいい。


↑いい。がめっちゃいい。二文字で一文なのがいい。


私的には薫子のキャラに一番感情移入した。
いいところと人間くさいところが併存していて、どこにでもいそうなのに新しい感じもあってよかった。



□ユーモア、諧謔、笑った

(宅配便のお兄さんが晴彦の誕生日プレゼントを持ってくるシーン)

p60
『え、はい…すみません、俺あまり漢字が得意じゃないんですけど、ユーミンの春よ、来いの春に、スラムダンクの井上雄彦先生と同じ彦です』

↑言い換えも不得意か笑

のちに鈴夏におにぎりの調理をレクチャーするときに「左手は添えるだけ――」という
スラムダンク好きにしかわからない隠れミッキーみたいな描写がある。


p133
(お酒を流しに捨てられたあとの会話)

「そんなことをする人間がいるんですか?びっくりですね」
「あら、よろしかったら洗面所へお行きになって?すぐに会えましてよ」


p290
「常盤さんに昨日から仕事復帰したと聞いたけど、また具合が悪くなってしまうなんて心配ね。病名は何かしら、仮病?」

↑ウィットに富んだ会話シリーズもよかった。


□余談

読書をするときに、イメージしやすくするために画像検索をかけることがあって、薫子が勤めている八王子法務局って実際にあるのかなあと思ってグーグルマップで位置検索したら実際にあった。
所在地の写真にカフネの本が飾ってあって笑った。公認されてる笑




□残念だった点

没入感が高かった分、その落差があった箇所があった。
他の方の感想も読んでみて多かったのは

①終盤に色々詰めすぎていた
という点と
②ラストの薫子の公的パートナーの申し込みが性急すぎたという点

①に関しては私も同じ感想を持っていて、具体的に言うと、

私自身の感情の流れとしては、
晴彦が港と恋人関係だったと分かるころ。第三章の4の部分。
のちに、ゲイというより性格が起因してるっぽいことがわかるんだけど、読んでる最中は想像していた晴彦像と大きくずれていて、うわーそっちできたかーってなって
突拍子のない印象を受けた。
何かワンクッション伏線となるエピソードが入っていた方がよかった。
幼い頃に男の子に好かれる過去があったとか。
ただ、この部分に関してはのちに一定理解できたので、たいした事はなかった。

ほんで次が晴彦が子どもの頃から味覚障害だったというところ。さすがに10年以上味覚障害で誰も気づかないは無理くね?ってなったし、もし周りがまったく気づかない程、自然な生活だったらすぐに気づいたせつなも都合がよくなる。
ただ納得できなかったのは「子どもの頃から」という部分で「味覚障害」自体については丁寧に伏線が張られていたので気持ちよかった。
序盤の激辛料理と激甘料理の描写は読んでる最中は晴彦との仲を干渉してくる薫子に対してせつながいけずな対応を取ったと解釈したので、理由がわかったときに二度楽しめた。第四章については他の方が色々と書いているのでここでは割愛。


「いやー、阿部先生、LGBTQとか病気とか、毒親とかヤングケアラーとか物語の中になんとかねじ込んでくれませんかねー。そうしないと売れないんですよねー」
みたいな、大人の事情みたいな神様の声みたいなのがチラチラ見える気がした。
色んな読者が楽しめるようにしたんだろう。

②の公的パートナーの申し込みが性急すぎる点に関しては、他の方の感想を読んで、確かに鋭い指摘と思った。
読んでる最中は気にならなかった。

通常だと上記の点でうーんてなるんだけど、前述したとおり没入感がそれを上回った。



□ここで泣いた!

感情移入の一番大きな部分はやっぱり「食べ物×ドラマ」だったのは大きかったと思う。

読者を惹きつける鉄板要素のようなものがあるとすれば(殺人などの犯罪や科学などの知的好奇心をくすぐるもの、恋愛、家族、愛憎、官能とか)

「食べる、食べ物」という要素も他のと肩を並べるくらい面白いというのを確信させてくれた作品だった。
なんとなくぼんやり思っていたけど言語化できなかったのは、食べる描写がここまで上手い作家があまりいなかったせいだろう。

薫子という情緒豊かな女性の、感情のジェットコースターみたいなものに一緒に乗りこんだら、泣けるところまで連れていってくれる。
読み手を置いてけぼりにしないために共感性の高い「食べる」をトリガーに随所に結びつけてくれてると感じた。
あと、世話焼きなのも、とてもよかった。薫子のそれが目立っていたけど、せつなも前半の薫子の家に押しかけるシーンとか、
なんだかんだで世話焼きで、ごちゃごちゃ言わず黙って食えみたいな、食えば分かるみたいな、世話を焼いてくる文章が作品全体を通して伝わってきてたからだと思う。


p164
(西川拓斗君とののかちゃんの家事代行サービスのシーン)

どうか覚えていて。何かに困った時、あなたには相談できる人間がいる。これは社交辞令じゃない。これから何日、何ヶ月、何年経っても、今ここに名前の出ている三人の大人は、一ミリも変わらずにあなたの力になりたいと思っているから



↑泣きポイントは色々あると思うが、私の場合一発目はここだった。
読書するときにそばにコーヒーとかメモ帳は置いているけどティッシュはない。
まさか席を立って取りに行かされるとは。



p260
(前半と立場が逆転して薫子が療養中のせつなの家に押しかけるシーン)


丁寧にラップを剥がし、三角形のおにぎりのてっぺんを齧る。つられたようにせつなもおにぎりを取り、のろのろとラップを剥がして、三角形のてっぺんを小さく齧った。ひと口、ふた口。ご飯を咀嚼して、もう一口頬張った時、彼女の瞳がゆれた。(略)

「ありがとう。晴彦の分まで、ありがとうってあなたに伝えたかったの。そのために私、ここに来たのよ」


↑二発目がここ。正確に言うと三発だけど。最初の部分でうるっと来て薫子のセリフで止まらなくなった。追い涙的な。
この時点ではもうひれ伏している。
今書いていてまた泣きそうになってきた。
これから阿部作品を読むときはそばに置くアイテムをひとつ増やさないといけない。


p267
じょじょに腕の中でせつなは静かな呼吸を取り戻し、寝入ったようだった。かすかな息づかいに耳を澄ましていると、愛しさを痛みに近づくまで煮詰めたような、何かがこの子を害するならきっと自分は牙を剝いて戦うだろうなと思うような、激しく切ないものが子宮の底から突き上げてきた。



↑私の中で今作品一番のやられたフレーズがこれ。
愛しさを痛みに近づくまで煮詰めたような
ってやばくない? 
すごい表現力。

煮詰めるという表現が、調理の煮詰めると、「議論が煮詰まる」のような、「まとまりそう」「結論が出そう」という意味をなんとなく連想して、この描写では愛しさから「痛み」に繋がっていくというのが、共感と新しさを含んでいてすごさを感じた。
睾丸が縮まった。
百年考えてもこんなフレーズ思いつかない。





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2026年05月26日

匿名

購入済み

濃くて深い話が沢山詰まっている。これでもかというほどの人の感情や思いが伝わってくる。色んな生き方があり、自由も人それぞれだと思い知りました。彼女達みたいに自分らしくいたい。

#切ない #感動する #タメになる

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

夫に家を出て行かれ、子どもも授かれず、ひと回り年下の弟春彦に先立たれ、人生に疲れていた41歳の女性薫子と、弟と同い年で弟の元カノという女性せつなが、弟の遺言書に元カノにも財産を分けて欲しいと書いてあったことから薫子がせつなを呼び出したところから物語が始まる。

人間関係とは、愛するとは、一言で言い表すのは難しいが、いくら家族や恋人、友人であってもその人のことを知ることは難しい。むしろ立ち入ってはならないと自分からシャッターを下ろしてしまう。薫子、春彦、せつな、他人間関係を見ていると人間の奥深さを感じた。

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2026年05月24日

匿名

購入済み

さすが本屋大賞

読んでよかったな、読了してから感じたのはまずその言葉でした。本作では料理を通じて愛が語られていくストーリーになっています。誰かのためを思って料理をすること、普段何気なく行っていること、やってもらっていることが実は1番の愛の表現ということなのだなと改めて感じさせるものでした。普段は自分の分だけ料理をする私ですが、たまには自分自身を喜ばせるためにも、少し豪華な食材を使ってなにか作ってみようかなと思いました。

#泣ける #深い

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2025年06月12日

ネタバレ 購入済み

想いで満たされる

美味しい食事の話かと思っていました。
満たされることの幸せ、が描かれているのかと。

確かに美味しそうなレシピは出てきます。
でも、それをつくる人の想いや食べる人の環境や想いがたくさん詰まっていて、読んでいて胸がいっぱいになりました。
そして、こんなにも自分は人を想ったことがあるだろうかと、少し心がさみしくなりました。

読み終わるのがもったいなくなった1冊です。

#泣ける #切ない #共感する

0
2025年06月07日

購入済み

さすが本屋大賞

とても心に残る共感できる話で涙が止まらない。自分の境遇にも似てて、展開も面白い。
ドラマになれば人気でるんじゃないかな。

0
2025年10月30日

購入済み

大変良かったです

亡くなった弟の死因に迫るミステリーと思いきや
現代社会の暗い現実と、それを補いながら進んでいく
周囲の人たちのお話で物語の中心、著者さんの伝えたい所はもっと違う所かな?

何だか泣きそうになる場面多数、流石本屋さん大賞
またディグりたい著者さんに出会えました。

#エモい

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2025年05月15日

QM

購入済み

泣いた。
読み進めていくうちに、つっけんどんな態度だったせつなの隠された事情や春彦をめぐる姉すら知らなかった事実など、読んでいて胸が張り裂けそうなくらい辛いものが多かった。

人前ではあんなだけど本当はすごく愛があって相手のことを見てよく考えているせつな、人間味がとってもあって好き。
中学生の男の子と妹に対して本気で心配しはたから見たら若干暴走気味になってたところも胸を打たれた。
本当に、周りをよく見る子でこれから過去の分までいっぱい愛を注がれて受け止められるようになっていけたらいいと思う。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

星を3つにしようか4つにしようか悩んで4にした。3.5がちょうど良いかなという感想。
感動したし涙も出たけど、終章に『どんな感情?』と疑問だった。
愛しいけどそこまでする?と。
でも自分では感じない感情を擬似体験させてもらった。こういう想いもあるんだと教えてもらった。
やっぱり読書は楽しい!

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

大筋はヒューマンドラマなのだろうけど、構造的にミステリの要素もあって面白い。中長編小説って映画的になりがちだけど、この作品は不思議と連ドラのような感覚で読んでいた。Netflix限定配信のドラマとかにありそう。普段本読まない人にもオススメ出来る。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

第一章
主人公・薫のツンツンっぷりと、せつなとのやり取りのギスギスに早速疲れる。コレほんとに面白いの?

第二章
薫の状況がわかってきて少し共感。それと同時にせつなとの掛け合いがだんだんクセになってきた。

第三章
家事代行のボランティアに参加して、いろいろな家庭の姿を目の当たりにする薫。
苦しくなる場面も多いけど、薫の心境の変化も目まぐるしい。そして胃袋を刺激してくるせつなの料理が、字面だけでも幸せ。

第四章からは、薫、せつなの内面の吐露や、薫の弟・春彦の死の真相に迫っていくターン。
すべてを物語っているようなせつなの冷蔵庫の場面では、薫と同じくらい衝撃を受けたし、
誰からも好かれいつも笑顔の春彦の心が辛い。それを亡くなってから知る姉の気持ちよ。

薫は真っすぐ真面目で融通が利かなくて、きちんとするしかないタイプ。周りから息苦しいと思われながら、それを感じながら諦めながら、大人として踏ん張っていたけど、実は自分で拗らせてたところもあったのかな。

素直に話してたら意外とすんなり収まった事も、それで誰かを傷つけたら…と飲み込む。出てくる人がそんなタイプが多くて辛い。
でも、薫が異様に張り切りだしたり、素直にテンション上げてるのがほほえましかった。歯に衣着せないせつなの返しが容赦ないのも救い。

四角四面な薫とツンデレせつな。この2人の掛け合いがずっと続いてほしいと思いましたが、ただちょっと、いろいろ盛り盛りすぎ!とは思いました。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

死んだ弟の元恋人との待ち合わせ、というたっぷり興味を惹かれる場面から物語は始まる。
個性的なキャラクターたちの会話が面白く、話の筋もしっかりしている。好みによるのだろうが、料理の詳細な描写は私には余計に感じてしまった。
出てくる登場人物すべてが、表からはわからない悩みや葛藤を抱えている。まあ人生ってそうよねぇと思いながら、自分の周りにいる人たちに思いを馳せた。
読んで終わりではなく、読んだ人に少しでも影響を与えてくれるような本は、とても良作だと思う。

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2026年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが本屋大賞 面白かった

すぐに怒る人、ずっと無愛想な人、何考えているか分からない人が身近にいると、困った人認定してしまうことが多いけど、その人にもその人のバックボーンがあるんだろう
そういう人から個人的な事情を話してもらうのは難しいんだけど、子供が生まれた時に、電車の中で不機嫌そうにしている人を見かけても「あぁ、この人も赤ちゃんだった時があるんだよな」と思ってた時のことを思い出した

12歳上の姉を名前にさん付けで呼ぶようになったのはどんな経緯なんだろう?
そう呼ぶようになったエピソードが語られると思って読んでたけど、なかった

料理のことも法律のこともちゃんと調べてあるんだろうなぁ
料理を手際よくできるようになりたい

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

ヤングケアラー、LGBTQ、家事代行など現代の様々なテーマが入り組んでいる

主軸は薫子とセツナと弟春彦


好きなキャラクターは春彦
とにかく明るく、年の離れた姉想い
気づかいのできる好青年だが、真相に迫るとみえてくる人計り知れないほどの他人や家族への気遣い
もうこの世にはいないことが淋しくて、せつない

せつなの作る料理がどれも美味しそうで、
そうめん、プリン、チャーハン、、

家事代行サービスに興味がわいた

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2026年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不妊治療を諦め、街で赤ちゃんと出会うとその子をどうさらうか考えてしまうほど追い詰められた薫子と、弟の婚約者と名乗るせつなとの人間模様を描いているところが素敵。
カフネという由来もポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ」を意味する言葉と知り美しい言葉だなと思った。
家事代行サービスを手伝う中で様々な境遇の家庭に寄り添い、掃除や料理など重たいエピソードもあるが、すらすら読める。卵味噌は食べてみたくなった。
最後になるにつれて、急にバタバタと展開する感じに少し自分は追いついていけなかった。

薫子が法務局の供託課職員と知り、同業としてはとても親近感が湧いた。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

出てくる料理が全部美味しそうだった。唐揚げはすぐに作ったし、プリンも自分で作りたくなった!
しかし最終盤は驚きの畳み掛けでちょっと引いた。そこまであれもこれも盛り込まなくてよかったんじゃないかな。。。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みんな不幸な過去を背負ってる。
でもそれぞれしっかり生きてる。人によって孤高だったり無表情だったり優しかったり、色んな個性があるけど。
そんな人達が寄り添いあうとき、読者も温かい気持ちになり、視界が水で覆われる。
重いテーマではあるが、会話が軽妙なのでスイスイ読める。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

家事代行サービスでの仕事を通して、様々な背景を持つ家族やペアのせつなの姿を見て、人生を形作る薫子さんに圧倒された。

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2026年05月23日

購入済み

家事代行カフネをご利用ください

どうしようもなく疲れて食事や掃除、片付けが疎かになり、立ち上がれなくなることは誰にでもある。大切な人を失ったり、仕事や子育て、介護に追われて別人のように疲れ果ててしまう。誰にも助けを求められず、落ちていくしかないんだなと。頑張る人ほど助けを求めるのが下手クソで。でも知ってる?不器用だけど、助けてくれる人は、あなたの力になりたいと思っている人はこんなにもたくさんいるんですよ。そう教えてくれる、優しい物語。ペイフォワード。

#カッコいい #憧れる #共感する

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

2025年 本屋大賞受賞の本
今頃になって読んだ

タイトルの「カフネ」ってなんだろうと思いながら読み進めた
・物語中の家事代行サービス会社の名前であること
・ポルトガル語で「愛する人の髪にそっと指を通す仕草」を表すということ

なんか素敵だなぁ〜って思った

けれど ラストの1ページがそこに行き着いたのが残念だった
それは物語の本文ではなく 読者が読後、想像の中でおぼろげに浮かび上がる余韻でありたいものだった
だから 星は3つ

以下引用

◯『お腹がすいていることと、寝起きする場所でくつろげないことはだめ。子供も大人も関係なく、どんな人にとっても。』

〜これは もっともだよねと思う
マズローの5段階欲求というのがあるけれど まさに基本中の基本の必要な安心感!
おいしいごはんを 会話を楽しみながら食べたいと思う
寝室をもうちょっと整えて リラックス感を出したいとも思った


◯『「わからないよ。家族だって、恋人だって、友達だって、同じ家に住んでたって、セックスしたって、人間は自分以外の人間のことは何ひとつわかるわけないんだよ。わかったような気がしてもそれはただの思い込みだ」』


〜真をついていると思う
だからこそ この言葉は重い
でも 生きてるうちには
「わかるよ」って言ってもらって嬉しいこともいっぱいあったし
「わかるよ」って応えたこともいっぱいあった
これが全部思い込みだとするなら 思い込みも時には
必要な優しさなんじゃないかな


◯『「誰だって好きで生まれてくるわけじゃない。勝手に生まれさせられて、どこでどう育つかも、どんな目に遭うかも選べない。だったら死に方は自分で選んでもいいと私は思う。命も人生もその人だけのものなんだから、それくらいはゆるされていい」』


〜こう言われると どう思って生きていいかわからなくなる
そして 子どもを「生まれさせた」自分も果たしてどうだったんだろう‥とも思い詰める
でも そう思う自分も この言葉を発した物語の中のせつなさんも 「生まれさせられた」からここにいる

「だったら死に方は自分で選んでもいい」という流れになったとしてもどうだろう‥

死に方を選べる人もいるけれど 死にたくなかったけれど 病気や事故で亡くなってしまい 生きることを選べなかった人もいる

せつなさんの言葉により 生死について深く考えさせられた
考えてどうこうなるものでもないが 考えることが人間の軸を太くしていくこともあろうかと思う

物語冒頭から亡くなっている設定の春彦は
死に方を自分で選んだのだろうか
それとも 選ばざるを得なかったのだろうか


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2026年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなくもやる本。
前半のテーマは良い。「生きることは食べること」、「ひとを助けることで、自分が救われる」

夫と離婚し、同時期に、仲の良かった弟と死別。
「これからはひとりで生きていく。それは、少しずつだが受け入れられている。ありがたいことに安定した職もあり、希望する限りは住み続けられる家もあり、きっと、何とか生きていけると思う。

でも、どうしようもなく、さびしいのだ。」

なんで離婚、なんで29歳の弟が突然死、その弟が別れた恋人に(両親よりも多額の)大金の遺産贈与?不自然に過ぎる。

ひとは、他人に言えない秘密を抱えているものだけど、近しい人に、ここまで大事なことを黙っているケースの羅列は、現実離れしているように思う。とくに離婚。離婚という結論を出す前に、その理由を問いただそうとしないのか、納得できない。

最終章で、薫子がせつなに提案する法的な関係も、唐突に感じる。それは、もっと時間をかけて、ふたりの関係を温めてから提案するものじゃないのかな。

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2026年05月25日

Posted by ブクログ

食べることが好きな人なんだろうなぁという感じ。穏やかだけど強く生きないといけない、とメッセージ性が強かった。最後の2人の関係性はちょっと理解が及ばなかった

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

期待の本屋大賞受賞作、オーディオブックで。料理をテーマに人と人の絆が生まれる暖かな作品と想像してた。間違ってはなかろうがなんか期待と違った。LGBTとか出てくると途端に共感できなくなる。

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2026年05月23日

匿名

ネタバレ

がっかり

本屋大賞を受賞しているから期待して読んだけど、期待外れだった。こんなに全肯定で好評ばかりで信じられない。料理のレシピがいちいちくどく描写されてるのが、いかにも中年の主婦が書いた感じ。子供への執念が醜い。女性の性格はキツく、優しい弟。男が好きな男が出て来て、腐だと納得。

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2025年07月16日

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