町田そのこのレビュー一覧
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「でも、どんなに辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり憂うことはないの。だって、きっといつか、何もかもを穏やかに眺められる日が来る。ありのままを受け止めて、自分なりに頑張ったんだからいいじゃないって言える自分が、遠い未来にきっといる」(「先を生くひと」)
少し先を生きている、あるいは生きていた女性たちから受け継がれた、心の中で芽吹きの時を待つ、優しく強い種の五つの物語。
町田そのこさん、初期の頃の、生々しく血の出るような描写ではなくても、やり切れない心の辛さの描写の鮮明さは変わらず。
年齢を重ねていくということは、いつか誰かに渡せる、こんな種を自分の中に育むことであればいい -
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たくさん読みたい本がある中で、ようやく次はこれにしよう!と手に取ったコンビニ兄弟。
6話の連作短編集です。テンダネス門司港こがね村店のやたら色気がある店長(現実にいるならマジみてみたい)と、そんな店長を密かに漫画にしているパートの光莉、なんでも野郎の髭もじゃの男など出てくる人たちとみな個性豊か。
ストーリーはじんわりくる話が多かったです。ミツ店長のお客様への接客は確かにあらぬ誤解を与えてしまうかも…ですが、この店に来てくれてありがとうという気持ちは私も普段接客しながら思っているので共感はできました。6話目で美少女の妹も登場して、ますます賑やかなコンビニになりそうですね。 -
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喧嘩した友達の美央が親の信仰する新興宗教の施設に入れられ学校を辞めた。美央に会って話したい一心で凛音はその宗教施設を訪ねていくのだったが警備員に阻止されて中に入れなかった。その頃町では十代二十代の若い男女が次々と変死する怪事件が起きていた。その不可思議な事件には両目が失われるという共通点があった。
この事件と美央の入れられた宗教団体NI求会にはどうやら関連があるらしい。その謎を追うホラーミステリー。凛音は無事美央を救い出せるのか?気になって夢中になって読んでしまいました。強欲な権力者のために若い命が弄ばれる構図は、まさに現実世界にあるあるではないか…!と、このごろの世相を振り返りつつ思ってしま -
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ネタバレ町田そのこさんの作品は、いつもページを読み進める手が止まらなくなるほど中毒感がある。
今回は宗教が題材となっていることにも惹かれ読んでみました。
きっとやばい面白さがある、楽しめる本だと思いました。
自分たちの私利私欲を満たすためにまわりくどい嘘をついて入会させる幹部たちに、世の中の宗教もこんな感じなのかな...と不気味さを感じた。
町で恐れられている得体の知れないバケモノの正体は、実は孤独で純真な少女だった
その少女もまた幹部たちに利用されていた
目が見えず、においを頼りに、ただ姉を助けたい一心で動いていただけなのに誤解されてしまってたんだな
いくつかこれはどうしてだろうと言った疑問点があ -
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ネタバレ「コンビニ兄弟5」が今までの作品の中で1番好き♪志波店長や志波ファミリーの過去から現在を知ることができて、さらにこのシリーズが好きになった!!
第一話、第二話は志波店長の若かりし頃や初恋にも触れられていた。初恋相手との大冒険。その初恋があまりにも素敵な初恋…なのに悲しい結末を迎えてしまって、、読んでいてショックだった。
色んなことがあったけれど、今も初恋相手を思う志波の姿は純粋だなぁーと心にしみたなぁ〜。告白の返事がまだだから、いつかまた現れるかもしれない…その一心で門司港でテンダネスで頑張っているんだろうなぁ。
そしてそんな志波を心配するツギの気持ちもわかる気がする。家族なら気になってしま -
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これぐらいの距離感がちょうどいいのかもしれない。
読み終え、そんなことを思った。
宙は小学校に上がるのを機に育ての母・風海(ママ)のもとを離れ、
産みの母・花野(お母さん)と暮らし始める。
家事をせず、イラストレーターの仕事を最優先にする花野との生活を
支えてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯と家政婦の田本だった。
花野への不満を募らせて家を飛び出した宙に、
佐伯はパンケーキを作ってくれた。
その日から、宙は佐伯から料理を教わり、レシピをノートに書き続けていく。
もう宙がいい子すぎるかつ達観しすぎていて、
だからこそ前半は宙に降りかかる苦難が辛すぎて読むのがしんどかった。
町田作品特有 -
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キナコ同様泣きながら目を覚ましたことがある自分には、中盤くらいまでずっと読むのが辛かった。
心がえぐられる瞬間もあった。
この傷は塞がることがないんだと思う。
こういう作品に触れるたびに、容赦なくかさぶたが剥がされる。
でも、読み終えたときには、
以前より小さくなったかさぶたで塞がってるはずだと、作者を信じて頑張って読んだ。
最後まで読んでよかった。
終盤、52がキナコとミハルの名前を呼んで、みんなでバーベキューしてるシーン。
なんて幸せな光景なんだろうと思った。
最後の一文には主人公の、
作者の優しさが感じられた。
タイトルはまさに「声なき声」なんだね。
いろんな意味で弱い立場の人