町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ興味を惹かれる印象的なタイトルと、本屋大賞受賞作だったという記憶から手に取った一冊。読み進めていくと、町田そのこさんらしい柔らかく読みやすい文体で物語が展開され、大分県の田舎に一人でやってきたきこと、傷を抱えた「52」を中心に物語が進んでいく。
中盤からは、なぜきこが孤独を抱えてこの地へ来たのか、そしてなぜ52があざだらけなのか、その背景が少しずつ明らかになっていく。重い現実が描かれているにもかかわらず、ページをめくる手が止まらなかった。
そして読み終えたとき、なぜこの作品が『52ヘルツのクジラたち』というタイトルなのか、その意味が胸にすっと落ちた。たとえ自分が一人だと感じていても、どこか -
Posted by ブクログ
救われない運命と絶望の渦中におかれ、深く傷つき、希望や幸せを諦めていたはずの登場人物(クジラ)達が、過去に向き合い、争い、助け合いながらもがき苦しみながら今もこれからを生きようとする姿に深く心打たれ、何度も涙が流れた。
しかし辛い運命に翻弄されながらも支えてくれる仲間や親友と共に明るく楽しく真剣に向き合う主人公の姿も同時に描かれていて感情移入しながら夢中で読み切った。
最後の最後まで、彼らの過去と未来の人生がきちんと描かれ、世の中捨てたもんじゃ無いよ、元気だそうよって言いたくなる、そんな大満足の作品でした。
みなさんぜひ読んでみて。オススメです。 -
Posted by ブクログ
繁栄を極める王国ハヤディールを舞台に、攫われた巫女とそれを追う騎士団長との許されぬ恋の行方を描く王宮ロマンス後編。
上巻では、ミステリーとロマンスが交互に描かれていましたが、下巻では、王国の闇の歴史が徐々に明らかにされるという展開で、怖いもの見たさで次々とページをめくる自分がいました。
そこには、ただの王道ファンタジーの世界観だけでなく、作者の真骨頂である重いテーマが隠されており、私の勝手なイメージから横溝正史の小説を彷彿とさせらるようでした。
特に、サブタイトルの「神々の食前酒」の事実が判明した時は、かなり衝撃的でした。
また、その他にも王位継承の人間模様、恋や友情、騎士道 -
Posted by ブクログ
タイトルからはわからない、想像以上にホラー要素が強い作品だった。
驚いたのが、参考文献が伊坂幸太郎さんの『楽園の楽園』であったことだ。本文中に出てくる楽園の説明が似てるなぁと思いながら読んでいたが、まさかだった。
本作は、喧嘩別れになったままの親友がNI求会に家族で入会したことで、離れ離れになってしまう。NI求会に入会するとそこに住むこととなり、学校など世間から隔離される生活を送ることになり、親友は学校を辞めてしまう。
その親友と仲直りするために会いに行く主人公の凛音。一方、街では連続殺人事件が勃発。全てに共通するのは”目”。一見関係のなさそな2つの出来事がだんだんと繋がり、物語は思わぬ展開 -
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これは子供用に買ったもので、そう、わたしは自分の読むものと子供へ与えるものを完全にわけていますが、渡す前に一応検閲というか査読というか、試しに読んでみるかぁと開いたわけです。泣いちゃいました。天才。天才の所業。これがデビュー作?ふざけんでください。
連作短編集ということですが、あり得ないことに全部良い。この世に絶対ってないんですよ。常に己にも言い聞かせてきました。でも、ここに見つけました。見つけちゃった。あるじゃないですか、絶対。
読んだ途端、一枚二枚と何かが剥がれ落ちていきました。強くいるために集めてきた鱗のようなものでした。鱗がないと俺は脆い。弱くなる、これ読むと。セラピーですか?本当の場 -
Posted by ブクログ
本作を読んで感じたのは、やはり私は町田そのこさんの著作が好きだ - ということでした。
まだ3作目ですが、傷ついた人物の生き様や再生の描き方などは凪良ゆうさんと、どこか共通する部分を感じます。どちらもとても好みです。
個人的に強烈に印象に残ったのは、3つ目の話の女性3人が登場する『波間に浮かぶイエロー』でした。
"おんこ"を自称する店主の芙美さんのキャラクターが、どうしても同じくそのこさん著の〈星を掬う〉の作中人物である、千鶴の母聖子とキャラクターが被るようなところがあったからです。
あのなんとも言えないが言葉にするならば、がたいが良くて、エネルギッシュで、逞しい女性で、歯