町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ切ない、苦しい、醜い、儚い、それなのに終始一貫して物語に美しさまで感じてしまう。1冊の物語でここまで彩り豊かな感情が芽生えるのは『わたしの知る花』しかないのでは?と思うくらい、大好きな1冊。久しぶりに読みたくなって約1年ぶりに読んだ!
杏珠と出会ったばかりの平さんが、奏斗との仲に断絶の危機に立たされている杏珠にかける平さんの言葉ひとつひとつがどれも凄く沁みた。。どれも平さん自身が己の人生で経験してきた後悔から出た言葉であって、平さん自身に言い聞かせていたのかもしれないなあなんて考えたり。あまりにも壮絶な過去の出来事の数々に、自分だったら息をして生きることすら放棄してしまいそうなほど…。
エピロ -
Posted by ブクログ
読書でこんなにも泣いたのは初めてでした。
読み返すと、そんな想いで話していたのかと、また涙が流れてきます。
人は生を受けてから、出会いと別れを繰り返しながら年を重ねていきます。
大好きだったあの人
一緒に未来を語ったあの人
お別れを言えなかったあの人
心の支えになってくれたあの人
人との縁にはタイミングがあり、二人がどんなに惹かれ合っていても、タイミングが合わなければ運命が別れを選んでしまうこともあります。
あの人と別れたまま時間は流れ、自分は変わっていくのに、あの人はあの時のまま記憶の中で生き続けます。
あの時に戻れないと分かっているのに、記憶を反芻し、「たられば」を思い描いてしま -
Posted by ブクログ
自分の痛みや苦しみを認めるのは自分自身。
誰がなんと言おうと自分だけはちゃんと認める。
自分に嘘をついてないものにしてはいけない。
大人が子供を孤独にして、孤独のまま大人にしてはいけない。
育ててくれた人と血が繋がっていなくても
家族の形は人それぞれで
そこから愛情、希望、生きる意味が生まれることもある。
隆之の葬儀での覚悟を決めた正道の
「おとうさん」
と呼んだ小さな声に思わず涙が溢れた。
きっと隆之が正道を引き取って大切にしてもらえたことを、幸恵も喜んでいるだろうなと自分のことのように嬉しかった。
「世界には沢山の綺麗な景色がある、でも自分のすぐそばにも世界中に誇れるほどの綺麗 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小さな田舎町で暮らす人々の短編連作集。
「逃亡の夜」
生まれ育った田舎町で、妊娠8ヶ月目。
両親は他界し、親戚もいない女「幸恵」。
ある晩、男が夜逃げ同然で家を出て行こうとする。
慌てた「幸恵」はおどけた感じで止めようとしたが、
逆上した男は暴力を振るい無理矢理出て行く。
貯金も持っていかれ、自暴自棄になる「幸恵」。
お腹の中の子供と自殺を図ろうと
子供時代に訪れた思い出の地、
野生の蛍の群生地を目指す。
そこに現れたのはかつての旧友「隆之」だった。
「少年の目」
認知症を患っていた老人「篠崎」が死んだ。死因は他殺。
犯人も行方が知れず、時間だけが過ぎていく。
小学校教諭「弓削真一」は下校