町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
月並みな感想かもしれないけれど、町田そのこさんの作品は読んでいて目が離せなくなる時がある。この作品がそう。休憩を挟んだり、内容を頭の中で咀嚼し自分の中に取り込む時間も惜しいくらい、食い付いて、むさぼり食う、みたいな読み方をしてしまう。登場人物たちの何気ないセリフの中に自分を代弁してもらっている感覚に落ち入る時がある。だからかなー。
女子高生の安珠(あんじゅ)が、偶然か必然か分からないが、絵を描く高齢男性平さんと出会う。親友奏斗(かなと)との繊細な関係や元カレ貴博とのやりとり、おばあちゃんと平さんとの謎の関係。
平さんが関わった母娘、若い頃の平さんを知っている老男性、いくつかエピソードがあるん -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回も素敵なお話だった。
52ヘルツのくじらたちのように、全てスムーズに事が進む感じではないんだろうなとは思ってたけどやっぱり弥一が乗り込んでくるとは……しかも岡崎まで……つくづく美保の身勝手さが嫌になったけど、まあこれから色々学んで行って欲しいなって思った。
でも、千鶴も周りの人達に助けてもらうだけじゃなくて自分で自分を変えようと努力して、実際に変わって弥一にも言い返してやったところがすごくスカッとしたし、最初の千鶴と本当に別人に成長していてかっこよかった。
ほんと人とは恐ろしい生き物だと思った、本能のままに生きる人、他人を傷つけて平気な人、それから守る人、努力する人…みんな人間かあ
星を -
Posted by ブクログ
共に生きる人の大切にしているものを、共に守れなくてどうする。
あーそれです。
思い当たるところありすぎて抜け出せない。
大切な人との別れは誰にでも絶対くるし、いましんどくても向き合わないといけない。
いなくなってからじゃ遅いし後悔しないように。
この作品の良いところは、対になる相手をずっと悪役にせず相手にも理由や葛藤があってこそのすれ違いなのだというストーリーも書いてくれるから好き。例えばほら、あの鬼滅みたいな。(?)
身近に死を経験した人、他人を妬み恨む人、理解し合えず苦しむ人、親孝行したい人、子がいる人。
たくさんの人に読んで欲しい。とても刺さる物語です。