町田そのこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
どの章も惹き込まれるストーリーだった。
登場人物は特に晴子と芙美が好きだったな。
晴子はおばあちゃんが自分の元にいなくなっても自立していこうという姿勢が感じられて応援したくなった。自分をいじめてきた奴に馬乗りになって殴るなんてかっこよすぎる!
そして魚のチョコレートグラミーに例えるなんて、なんてロマンチックなんだろう。
芙美は口が悪い時はあれど、あんなに優しい嘘をつけるなんて。誰にでも出来ることではない。あの人柄はおおらかを超越していた。
連作短編小説、いいなぁ。
章と章が少しずつ、ゆるやかに繋がってる。
個人的に晴子のその後がちょっとだけでも知れて満足!
町田そのこさんの作品、もっともっと -
Posted by ブクログ
他の方のレビューを見てこの本が「新潮文庫の100冊」50周年記念作品だったと知った。
「プレゼント」と言うタイトルでプレゼントがテーマかと思ったら、それも違っており「夏」がテーマだったらしい…。
面白そうな作家さんが揃っているので手に取った一冊だ。
ウッドペッカー荘:未来にはこんな事も…いやいや、既に停電になったら私たちは情報から取り残され行動できない状況なんだな。
二つの宇宙:江國香織は同い年くらいだと思うのだけど、おばあちゃんをそんなにおばあちゃんに書くんだ…もう既に私たちはおばあちゃん世代なんだけどな。
真実のトランク:ダンディな紳士とトランク。一晩の真夏の夜の夢。ミゾハタさんの一言が -
Posted by ブクログ
『星を掬う』を読んで、親と子の関係について改めて考えさせられた。
親から見えている世界と、子どもから見えている世界はきっと違う。同じ出来事を経験していても、そのときに何を感じ、どんな意味を持つのかはそれぞれ違うのだと思う。
親の不器用な愛情と、それを素直に受け取ることのできない子ども。育ってきた環境や親との関係が、その後の子どもの性格や生き方にまで影響していくこと。そして、親子だからこそ近すぎて分かり合えないこともあるのだと感じた。それでもやはり、母という存在は大きい。母は偉大だと改めて思った。
そして、若年性認知症という病気の恐ろしさも強く心に残った。
大切な人の中から、自分との思い -
Posted by ブクログ
ブク友さんのレビューを読み、読書欲を刺激されました♪♪
実は短編って、そんなに得意ではなく、普段はまず手にすることはないのだけれど、7人の作家さんの名前を見たら読みたくてたまりませんでした✨((* ॑꒳ ॑* ))
初めましての梨木さんと米澤さん✨
お馴染みの伊坂さん、恩田さん、江國さん✨
十数年前、作品コンプする勢いでドハマリしていた宮部みゆきさん✨
そして、今現在ハマっている作家さんの一人、町田そのこさん✨
読んで良かったーー✨ (*˙˘˙)✨
どの作品も夏をテーマに描かれているのに、読後に残る余韻がそれぞれ違っていて、短編集ならではの楽しさを味わえました♪♪
どの作品も楽しく読 -
Posted by ブクログ
チェンバロとかリュートとか 昔の楽器って生で聴くとものすごく音が小っちゃい。だから、身を乗り出して 文字通り「耳をかたむけて」聴く感じになる。現代よりも騒音がなく静かだった時代、一方 防音設備は整っていないから 雨の音風の音 小鳥のさえずり 人々のありふれた生活音が漏れ聞こえてくる中で、ささやくように奏でられる音楽に聴き入っていたのだろう。聴く人が 聴く努力をして成り立っていたのがルネサンスやバロックの音楽だ。
聴く努力 、は とても人間的で 優しさと品格にあふれていると僕は思う。外国に行くと 僕の下手くそな英語を 一所懸命に聴いてくれる人に出会う。僕の英語の拙さは、何の利害関係も生じない僕 -
Posted by ブクログ
ネタバレ町田その子の初サスペンスらしい。どこからどこまでがサスペンスなのかはさておき、殺人事件を追う雑誌記者、事件自体と記者自身の緊張感をしっかりと描きつつ、登場人物の内面や人間ドラマもしっかり含有させていて、きちんと「町田その子」小説だったのが良かった。
とんでもないクズ男が1名出てきて、そいつのせいで人生狂わされる人々が不憫で仕方なかった。現実世界でもこういうヤツがまぁまぁの数潜んでいるんだろうな、繁華街の人混みの中に数十人はいたりするんだろうなと考えると、自分のことはともかくも、家族や知っている子供たちが全く知らない間にクズの毒牙にかかることまで連想して心が苦しくなる。「人は人で歪む」
序盤 -
Posted by ブクログ
誰にも届かない声を上げ続ける「52ヘルツのクジラ」。その存在が、傷を抱えながら生きる登場人物たちと重なっていく。
助けを求める声は、必ずしも「助けて」という言葉になるわけではない。言葉にできないこともあるし、そもそも声を上げる方法さえ知らないこともある。それでも、その小さなサインに誰かが気づくことで、人は救われることがあるのだと思った。
一方で、この物語は単純に「誰かが誰かを救う」話ではない。傷ついた人が別の誰かの声に気づき、手を差し伸べることで、自分自身も少しずつ救われていく。人と人とのつながりは、一方向ではないのだと感じた。
読んでいて苦しくなる場面も多い。それでも、誰にも届かないと -
Posted by ブクログ
『環境』という名の『水槽』の中で、上手く泳げなかったり、迷子になったりと生きづらさを抱えた女性達を描いた連作短編集。
趣向を凝らした最初の一行。
登場人物を魚になぞらえたり、差し歯がとれた、フルーツガム、孵化した、椅子に座っていられないなど印象的な言い回しにガッチリと心を掴まれる。
各話の主役は異なるが、前話の登場人物との意外な繋がりが判明したりと、設定がサプライズ的に明かされる仕組みには思わずにやり。
どんでん返し的な演出も、アンニュイな世界観に華を添えている。
迷える主人公達の側にいる数少ない理解者達。
彼らとの交流の中で一縷の希望が生まれる流れが大変美しく、特に前述のどんでん返しを