【感想・ネタバレ】月とアマリリスのレビュー

あらすじ

本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編!

声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!

北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

北九州市の店や名所がたくさん出てくるので読んでいて楽しくなりました。
揚子江の豚まん、居酒屋武蔵、今浪うどん、A級小倉と少しずつ名前を変えてわかる人にはわかるに書き方でした。
事件の内容もスリリングで最後まで推理小説のように読める作品です。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

久しぶりにしっかりした文章量の本だった。
左右の空白ばちょっとしかなく改行も下までギリギリ文字があって見開きが黒々としていた。
内容も素晴らしかった。トランスジェンダー、男尊女卑、ネグレクト、詐欺にDV、殺人、イジメと盛り沢山。
イジメの被害者だと思っていた自分が実はその前に加害者を傷付けていた。誰でも傷付ける側になる可能性があると。このシーンに感銘を受けた。
美散が祖父に、わしが殺してやったのにと言われたところが泣けて仕方なかった。
井口のキャラが良かった

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2026年02月23日

匿名

購入済み

酷く残酷な事件で胸が苦しくなりました。事件によって人の心に及ぼす苦しみが伝わってきました。悪によって人の心を摂取する人間にはなりたくない。人の心は弱いから、そこにつけ込んでくる人間て常にどこかにいるんだと思う。そんな人に巻き込まれそうな人を助けれる人達が増えるのが少しでも救いになるのを祈ってます。絶望の中にも光を与えてくれる。そんな作品でした。

#切ない #深い #怖い

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2025年10月25日

購入済み

町田そのこ先生の初のサスペンスということで刊行を楽しみにしていました。北九州を舞台に繰り広げられる死体遺棄事件を追う女性ライターの物語です。
イタリアンレストランでのみちると同級生との会話が非常に印象に残っています。相手を羨んで嫉妬したり、実は自分も加害者だった気づいたり、何か気付かされることが多いシーンでした。
読後前向きな気持ちになれる素敵な作品です。

#切ない #感動する #ドキドキハラハラ

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

女性記者が謎を負っていく物語。少しずつしかし確実に物語が進んでいくため飽きることなく読み進められました。
この方の小説は52ヘルツのクジラたちに続いて読むのは2作目ですが変わらず上質な感動を与えられました。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ミステリーとして純粋に面白い!!関係者の繋がりも不思議で、どんどん興味が出てきて主人公と一緒に事件を追うことができました。

繊細で優しくて、人を救おうとしてくれる、そんな町田そのこさんらしさもちゃんと感じて温かかったです。

この本を読んだ後に、私は正しく生きたいと強く思いました。日常に腐らず僻まず、できることを精一杯がんばろうって、素直に思えました。

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

町田そのこ先生が描くミステリ。
どんな描き方をするのか気になって、読んでみました。

「いじめ」「DV」といった重たいテーマは、読んでいてやはり辛くなります。
とくに「いじめ」に関しては、いじめている当事者だけでなく、マスコミもまた加害者になり得るのだと、重く受け止めました。

証拠がすべて。
『失われた貌』に「必要なのは仮説ではない。物証だ。」というフレーズが出てきますが、裁く側も報道する側も、結局は証拠がすべてなんですよね。
仮説の段階で世に出してしまうことが、どれほど危険なのか。
報道されていることがすべてではない。
世の中に出ている情報はあくまで一部なのだと念頭に置いておけば、情報に踊らされずに過ごせるのかもしれない。そんなことを思いました。

そして本題の、山中で見つかった死体から事件を紐解いていく展開。
この物語では、人間関係が大きな肝になっています。

家原というサイコパス的な男を中心に、本来ならまったくつながりのないはずの女性たちがつながっていき、事件が起きる。
文中には「北九州連続殺人事件」と出てくるので、「北九州連続監禁殺人事件」が頭をよぎりましたが、読んでみるとまったく別物でした。

それにしても、家原のようなDV男を見ていると、自分ならどうしたらこういう人物と関わらずに済むのか、もし関わってしまったらどうやって逃げるのか、そんなことを考えてしまいます。
そして、自分の中でひとつ基準ができました。

「手を出す」
「お金を要求する」

この二つのうち、どちらか一つでも出たら赤信号。
愛とか恋とか、そういう話以前の問題で、この二つが出た時点で人格的に問題がある。
即座にブロックするべし。
そう思いました。

家原や、彼に利用されてきた女性たちを見ていると、美散のセリフが突き刺さります。

「……(省略)。ひとはひとで歪むんよ。その歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力。私は無力でばかやった。いつも歪みを受け入れることが愛やと思ってたし、そうすることで愛されようとしてたんよ」

歪んだ環境で育つと、その環境が“普通”になってしまう。
家原のような人間も、それを受け入れてきた美散も、歪んだ世界を当たり前のものとして生きてきたんですよね。

これは価値観の問題でもあるから、自分ではなかなか気づけないし、直そうと思ってすぐ直るものでもない。
まして、他人が注意しづらい領域でもあるので、とても厄介な問題だと思います。
気づいたときには、痛い目を見たあとで、取り返しのつかないところまで来てしまっていることもある。
考えれば考えるほど、難しい問題です。

それにしても、町田そのこ先生は、人とのつながりを描かせたらピカ一ですね。
血のつながりとか、肩書とか、そういう表面的なものではなく、もっと深いところでの人と人とのつながりを描く。
そこをテーマにした作品は、やはり読みごたえがあります。

先生の作品を読むと、親や家族、そして今ある人間関係すべてに、感謝の気持ちが芽生えます。

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

迷いながら自分の信じた道を探して迷って戦い続ける姿が胸を打つ。町田そのこの本は心に届きすぎるので、どうしても二回読むことができない。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

こんなにも愛に恵まれずに求め続ける姿に、後半は涙が止まらなかった。サスペンスに留まらず、心が揺さぶられる話はやはり町田その子さんだなと。素晴らしかった。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

「52ヘルツのクジラたち」は、本屋大賞ぽいなーという感想だったので、そこまで期待せずに読んだけど、これは深く刺さる作品でした。誰もが生きづらさを感じながら、それは自分のことだけと思って無意識に人を傷つけてしまっているのかも。ストーリーの面白さとともに、そんな気づきをそっと与えてくれました。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

記者として駆け出した頃にあった事件について悔恨の念を抱く。そこから時を経てとある事件に首を突っ込むことになる主人公。事件の解決と共に内面の変化も見られ成長していく。
人の良い面も悪い面も内包した一冊となってます。面白かったです。

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2026年04月01日

Posted by ブクログ

サスペンスって言うし、懐かしい北九州が舞台の話と聞いて手に取った。
町田その子さんの本は、社会問題てんこ盛りでアワアワする。読み終えないと気持ち悪い、読み終えたらちょっと気が重い。本では生きている人は希望を持った感じで終わってるけど、実際には埋もれるんだろうし…

あの懐かしい小倉周辺で、仕事で悩んだり性自認に悩んだり愛着障害を抱えたりとんでもない男につかまったりしんどい思いをしながら生きていたり殺されたりしている

重い重すぎる…
なのに途中でやめられない



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2026年03月31日

Posted by ブクログ

いじめ、DV、独居老人への詐欺など、ハードな題材なので、中盤まではなかなか読み進めるのが大変だった。
後半は、トラウマの克服、友情、家族愛など、自分のよわよわな涙腺にくるものがあった。
また、無意識に人を傷つける言動がないか、自分も気を付けないと。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは本当にサスペンスなのだろうか?
私が知っているサスペンスの何十倍も優しかった。
殺人事件は起こるし、凄惨なことはあったが、それでも。

遺体発見から、主人公が少しずつ取材をしていくことで見えてくる真実。
サブストーリーとして筆者自身の過去の話もクロスオーバーしながら進んでいく。

人間、簡単に改心したり変わることは難しいのでは?という部分があったため、★は4つ。
でも、後半部の主人公をはじめとした関わった人たちの変化は意外性のあるものも。
亡くなった人間が忘れられずに、確実に彼女・彼らの中で生き続けていることが感じられた。

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

サスペンスとは知らずに読み始めた。
死体を埋めるところから始まり、いつもと違う感じに期待したが、やっぱりあの感じは最後に。
女であったり、行きづらい人たちがもがき苦しむなか、何か救う方法が無かったのかと考えてしまう。
人の弱みにつけ込む、人たらしのような人間って本当に怖い。
物ごとの捉え方も人によっては大きく違うということも印象に残った。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

連続死体遺棄事件を追っていく記者の話。
町田その子らしく、
途中読むのがしんどくなるタームに入るけど、
ミステリーだから読みたくなる。
家原はマジで胸グソ悪いぐらい嫌なやつ。
でもちゃんと教育しないと、
そーゆー人間になってしまう。
気をつけよう。

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

凄惨な事件とその後が描かれおり、人生そのものを考える内容でした。
事件解決以降の展開については、想定外でもあり、本書の特徴でもあります。
人の欲望、表と裏、後悔などなど、登場人物もそれぞれが抱える背景がやや多過ぎて、ちょいついていけない所もありました。が、後悔は次のステップであり、失敗は取り返せると希望を感じさせる内容でした。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

罪を犯すことそれ自体はきちんと裁かれるべきだとは思うが、加害者側にもそれに至る背景がある。そしてそうなる前になにか手を差し伸べることはできるのではないか、というメッセージ性のある作品だった。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

とても引き込まれる物語だった。
記者である主人公を通して、色々な人との関わりやその人の背景が見えた。
自分が絶対に正しいと思い込まず、他者とのラリーを通して相互理解していく大切さを改めて感じた。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

町田そのこさん初のサスペンスという事ですが、続きが気になって一気に読みました!

自分も不必要に人を傷つけないように、自分のものさしは必ずしも正しいと思わないように、相手とラリーをしていかないと…
あと井口さんみたいな人が近くにいたらいいなぁと思いました!

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2026年03月06日

Posted by ブクログ

東京で週刊誌などの記者をしていたが、故郷の北九州へ帰ってきてタウン誌のライターをしている飯塚みちる。
いじめられた過去の経験があるみちるが、学校でいじめ撲滅運動をしている女性記者の講演を聞い自分も同じような道を歩む事を決心し、夢を叶える。しかし、自分が書いた記事で少年が傷ついたことを知りる。そのことで挫折してしまい、北九州へ戻る。
しかし、そんなみちるのもとに、元同僚から北九州で起きた事件の取材依頼がくる。そこからまたみちるの挑戦が始まる。
みちるが調べ始める事件の悲惨さに目が離せなくなる。社会の底辺、華やかさの裏側で生きている人々が事件を起こす。誰かが掬い取らなければ只の悲惨な事件として終わってしまうものをみちるは丁寧に記事にしていく。
しかし、みちるは自分の言動にあまりにも無頓着で、無責任な部分を私は感じる。そして独りよがりなところも。
みちるにはあまり共感できなかったが、みちるの取材に協力した井口が気になった。自分の性に悩む井口、みちるはどこまで理解しているのだろうということも気になった。今後の彼のことも気になる。
著者の作品に登場するのは社会からは目立たない位置で生きている人々が多い。今作も悩み藻掻いている人々が救われることを願いながら読んだ。

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

東京で記者として奮闘するもある事件の記事を書いたことがきっかけで立ち直れず地元に帰った女性が再び縁あってとある事件に関わり、記者として再起を図る話。

緻密なヒューマンドラマ、少し前に世間をにぎわした「さす九」、認知のすれ違い、追い詰められた人間の末路…それらが主人公の目を通して鮮やかに書き出されていました。
事件に関してはしっかり解決、主人公と同じ名の女性の数奇な運命を通して償い、堕落、隠ぺい、崩壊といった人間の暗い心情を覗きみることができた。

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2026年02月28日

購入済み

月はどこに

「52ヘルツのクジラたち」もそうでしたが、人の痛みの輪郭をくっきりと見せて、そこに寄り添って進む物語に今回も引きごまれました。

読みながら幼い頃の楽しかっこと、罪悪感…色々と思いだしました。

間違ってもやり直せる。
心から願うことで誰かと繋がることができる。
そんな勇気をもらいました。

#泣ける #切ない #ドロドロ

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2025年08月30日

購入済み

一気に読めました

どう話が繋がっていくのか、続きが気になって1日で読んでしまいました。
面白かったです!
どんどん謎がとけてきて、内容重いですが、あっそういうことなんだ!と爽快感もありました。

#ドキドキハラハラ #怖い

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

社会派サスペンスみたいな感じ。
九州の方言に慣れてなくて、私にはちょっと読みにくかった。でもやっぱり町田そのこさん。

孤独が生む社会の深い闇から、誰もが強く美しくなれるヒントまで…

人は誰でも歪むもの。歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力。その力の糧になるのが、アマリリス=おしゃべり、愛、対話、輪。

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2026年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィクションだから、せめて命ある者たちは希望を繋げて、よかったね〜!の気持ちと、フィクションだから、本来はこういう物語があったはずの人達は、現実ではたくさん闇に葬られているんだよね……の気持ち、半々。

それはそれとして、たとえ無意識で誰かを傷つけていたとしても、それは相手から傷つけられる理由にも正しさにもならないと思うので、そこは切り分けて考えないと駄目ですよ。憎しみも怒りも物語になんか乗せないでいいんです、私たちって。

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

現代の社会問題がぎゅっと詰まった、ミステリー&人間ドラマ。読みごたえはあるけれど、登場人物がみんな重い背景を抱えているのは少し気になった。偶然追いかけた事件に過去の知り合いが絡んでくる展開は、やや出来すぎな印象もあるけれど、物語としては引き込まれて最後まで飽きずに楽しめた。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

まさかのサスペンスはじまりだったけど、中身は町田その子で安心して読めた。
ちょっとしたほころびが、だんだん大きく、複雑にからまって、がんじがらめになって抜け出せなくなる、誰にでもありうる恐ろしさがリアルだった。
放置子やイジメ、独居高齢者、洗脳に共依存…問題が多くてげんなりするけど、1つの問題をたどるといろんな課題が芋づる式に出てくるのも、リアルだと思う。
毎日スゴイ量と勢いで流れていくニュース、一つ一つの当事者のその後とか、加害者家族の生活とか、立ち止まって覗いてしまうと、前に進めなくなる。
そんな1つのニュースを深掘りして、負の連鎖を断ち切るには?…と考えさせられた。
アマリリス会やスミさんちで女3人で寝た時みたいに、繋がりがあれば、誰かと繋がってる安心感があれば、違っていたのかもしれないなぁ。

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2026年03月21日

Posted by ブクログ

洗脳による連続詐欺殺人事件の裏側のお話。

顔が良くて口が達者て人の心を持ち合わせていない場合人をどこまで洗脳できるのか。
実際の事件を参考にされた作品だろうと思う内容。

その後まで書ききれてる。
また、洗脳された人の理解は何の位なのかまで詳しくあるところは楽しめた。

登場人物ほぼ全員が前向きに乗り越えようとしてます風にまとめすぎてる感じが強くて読んでて辛くなった。

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2026年03月21日

Posted by ブクログ

都合よく進んでるなぁ…… という感じが最後まで拭えず。
テーマを絞ってもらった方がわかりやすかった。

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2026年03月19日

Posted by ブクログ

読書備忘録973号。
★★★。

備忘録メモが忘却の彼方に。
短期記憶はきれいさっぱり消え去って・・・。

冒頭。
男と女、あと乃愛とかいう女子の3人で高齢女性を山中に埋めている。
これは犯罪か?
それとも埋葬か?笑

シーンは変わって、なんか北九州のタウン誌のフリーライターをやっているっぽい女性が登場。飯塚みちるさん。どうやら主人公ですね。
そこに、元カレの出版社雑誌編集者の男から連絡が。
北九州の高蔵山で遺体が発見された。その事件を追ってくれないかと。
秒で断るみちる。

どうやらみちるはもといた在京出版社の雑誌記事でやらかして、事件記者をやめて北九州の実家に逃げ戻ってきた模様。
やらかしたのは中学校のいじめ自殺事件で、加害者のひとりの少年にスポットを当てた記事。彼は加害者でありながら被害者でもあった。みちるの書いた記事で彼の心を完全に殺してしまった。

事件記事は嫌だ!ほっといて!逃げて来たのに追ってこないで!ってなっていたみちるだけど、そんなこんなで高蔵山の事件を引き受けることになる訳ですね。笑
じゃないと、そのこさん王道の再起の物語が始まらない。

調査を開始すると、早速若い女性の死体がおんぼろアパートから発見される!はい2人目の死体。高蔵山の遺体、若い女性の死体!
みちるのお隣さんのお兄ちゃんと、所轄の若い兄ちゃん刑事と連携しながら調査が進む!これはこれで面白い!
そして肝心なのは、事件調査と並行するみちるの再起、再出発のものがたり!

そのこさんの王道を行く、ぼろぼろにされた主人公がどうにかこうにか再起していく!そのために、周囲の良いヤツらは気持ち悪いくらいに寄り添う!というメルヘンストーリーと思いました!わたしは!
そして今回殺人事件というミステリー要素もあるので楽しめました!わたしは!

あとそのこさんらしいメッセージのセリフ。

「うまく、言えないんだけど。心配とか応援とかって言葉を使えば、誰であってもひとの人生に踏み込んでいいのかな。すごく、モヤモヤしちゃうんだよ。でも、善意の気持ちを拒否していいのか不安にもなる。自分の心が狭いのか、って」

響きますね。人間関係って難しい!

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

すっかりコンビニ兄弟のイメージでみていた町田そのこさんのハズだったのですが、プロローグからいきなり死体を埋めるシーンって、いったい何が始まるのか緊張してしまいました。自身初のサスペンス小説。
事件の聞き込みに回る雑誌記者。犯人とまさかのオナちゅう同級生とかw 出てくるワードは共依存とか同一障害とか、認知症に結婚詐欺。
新鮮だったのは子供時代にカブトムシ獲るのに拒否られた近所のお兄ちゃんと再会してストリップショー観に行くところ。
加害者家族って世間からつまはじきされて可哀想。育て方が悪かったとかで世間の批判に堪えられなくなり、引越しや離婚するとか、ここんところの副産物は週刊誌ネタに事欠かずストレス溜まりました。
過去は変えられないので批判しても前進めないのに、見守ることできないのがNGな気ガスる。
それにしても記者のミチルは小学校時代のことほとんど覚えてないとか、無自覚に人傷つけてたとか良い子ぶりで自己中丸出しでしたけど、本質的には変わってないですね。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

ミステリー要素よりは社会問題をぎゅっと詰め込んだヒューマンドラマの側面が大きいお話。

機能不全家族や愛着障害、共依存、性的搾取、同性愛者、特性のある子、そしてそのお世話係。生きづらさを、まるで記号を割り振られるように登場人物が配置されているように感じられて正直ひっかかる部分もあった。他者にラベルを貼ることでわかった気になってしまう危うさや、「配慮すべき人」として分類されていくような感覚に襲われたからだ。
しかし、それでも読み進められたのは、プロローグの語り手が一体何を思い考え道を踏み外すに至ったのかが気になったからだ。
そしてページを捲るごとに記者という職を選んだ主人公を通して、伝えることが持つ可能性だけでなく、その限界や、それに伴う責任の重さを自覚し、恐れを克服するまでの揺れ動きが丁寧に描かれていたからだと思う。

ニュースで流れる事件の数々は、自分の住む地域で起きたことでなければ、どこか遠い場所の出来事として処理してしまう。「可哀想」「酷い」と思う気持ちは生まれるが、それ以上でも以下でもなく、日常のノイズにもならないまま流れていく。いちいち立ち止まって思いを馳せていたら、こちらがすり減ってしまうから無理もない。それでも、この物語をきっかけに、そこに足を止める人がいることは、誰かを癒すのかもしれないとも思った。

なぜその事件は起きたのか。なぜその人は、その選択をしたのかあるいは流されたのか。過程に目を向けるとそれは決して特異な悲劇などではなく、誰にでも起こりうる葛藤の行き着いた先の一つにすぎないのだと気づかされる。事件の登場人物である加害者と被害者、そしてそれを外から眺める第三者は、同じ線上に立っていて、明日は我が身くらいの距離感で捉えてもいいはずのものなのだ。

ふたりのミチルは、それぞれ置かれた状況・境遇も辿った結果もまるで違うけれど、重要な局面における選択の構造は驚くほど似通っている。どちらも自分を信じきれず、相対的に物事をよく理解しているように見えた、立場の強い相手に判断を委ねてしまったという点において。
強さに守られて自己決定から降りれば、間違えても正しくても自分は傷つかない。しかしその代わりに、自分の心との乖離に気づけなくなったり、もう戻れないと思い込んだりする。選んだ瞬間は正解に見えた決断も、うまくいかなくなった時「これは自分が選んだ」と言い切れず、途端に背負った重さを支えきれなくなる。引き起こした結果や程度の差は天と地ほどあれど、あらゆるものを削ぎ落として残る根幹には同じ形の過ちがある。ただ、明け渡した相手が違っただけだ。

揃いも揃って自罰的思考に陥り視野が狭くなっているが、直接的な被害者に対する罪悪感そのものよりも、自分の選択だと言い切れない中途半端なやるせなさや不甲斐なさこそが、人を深く苦しめるのだと思った。それは、向き合うのを恐れていた自分の弱さが引き起こした結果でもあるから。人を頼ることは美徳だけれど、責任から逃れることと混同してはいけないのだと、この作品は突きつけてくる。

それからなんといっても『月とアマリリス』というタイトルが綺麗だと感じた。

スミの遺体を三人で埋めた現場で美散が見上げた月。どんな時も、ただ何も言わず月はこちらを見下ろしている。いつも通り美しいままそこにあるのみで、万人に平等に冷たく頭上に降っきてはくれない。月は美散の、もう戻れない孤独と影を感じさせる象徴だ。
そして、「アマリリス会」。
小学生時代、放課後にお菓子を持ち寄って交わされる、他愛もない少女たちの会話の場。
孤独な月の下にいる人を、緩やかな輪につなぎ止めるおしゃべり。静謐さを感じるがまるで向こう岸に橋をかけるような印象を受けるやさしいタイトルだ。

アマリリス会では、些細な出来事に混ざって、少しだけ本音が漏れる。特定のトピックがむやみに重大に扱われることもなく、ただ平等に、同じ温度で聞いてもらえる場所。誰も救おうとせず、評価も結論も出さない。でも、思いが消えずに置いておける程よい距離。語り口の軽さと、想いの軽さは比例しないということを、自然に思い出させてくれる、ちょうどいい温度の場だ。誰かの事情を特別扱いせず、「そうなんだ」と置いておける場所があること。それが、誰もが持ち合わせた生きづらさを、日常に溶かしていく。

言葉にして誰かに聞いてもらうだけで、少し肩が軽くなり、目いっぱい息を吸い込めることがある。
誰かに打ち明けたいと思ったとき、それはそれ以上でも以下でもない欲求であり、求めているのは「正しい言葉を返してもらうこと」ではない。言葉が外に出ていく経路が確保されていること、その回路が閉ざされていないこと自体に、安らぎを覚えるのだと思う。自身を語ることを許される場があること、自分の弱さを思うまま語ってもいいとされるコミュニティの存在が、人生を左右したとしてもおかしくないと、この作品は伝えているように感じた。

生い立ちが重たい人物ばかりが登場し、人の弱さばかりが見えてくる物語ではあるけれど、決して読後感は悪くない。

ただ、家原に関しての言及が少なかった点は惜しい。結局みちるは、美散が過去の同級生であり、過去の為人や顔を知っているからこそ、何か事情があるなら知りたいと、献身に近い形で「美散の真実」を記事にしたのだろう。一方で、家原の事情にはほとんど関心を向けていない。同一事件を取り扱う記事は数多く溢れているのだから、その中に一つくらい、誰か一人くらいは、みちると同じくらいの熱量で書かれた、家原の事情にフォーカスした記事があってもいいと願う。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

色々設定がてんこ盛りで、イマイチ読後の印象もぼやけ気味に。
人間って大なり小なりはあるにせよ、誰しもイヤなところを持った生き物だよなぁ。
一線を越えるか越えないか、人との出会いにより抑制されるか、加速されるか。
舞台も含めて北九州監禁殺人事件をモチーフにしてるのかな、だったらもっと筆者なりの解釈で犯人像を描いて欲しかった。

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2026年02月23日

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