【感想・ネタバレ】月とアマリリスのレビュー

あらすじ

本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編!

声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!

北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

町田そのこさんらしい、とても奥深い作品だった。
日々のニュースでは事件の概要と加害者、被害者くらいがざっと紹介されるだけでそれに何か思ったこともない。
ただ、今回読んでみてフィクションとはいえ一つの事件には様々な要素が関わってくる事を改めて思い知らされた。
加害者にも被害者にもそしてそれを取材する記者にもそれぞれの人生がある、心がある
テレビやSNSで事件が流れ、誰かを悪者にして批判しがちだけど、事件に関係ない者がそれをするのはどうなのだろう、と考えさせられる内容だった。
そして自分も気づかないところで人を傷つけていることがある、自分には何気ない一言がその人の人生を変えてしまう事もある事を肝に銘じながら生きていこうと思う

0
2026年01月08日

Posted by ブクログ

町田その子さんの初ミステリー。どんなミステリーなのか、とても楽しみに読んだ。

ある山で白骨死体が発見され、その事件に関わっているであろう「みちる」という同名の記者が主人公。
次から次へ新事実が出てきて、ページをめくる手が止まらなくなる。
事件の真相がわかってくるたび、主犯格は本当に人間のクズとして描きつつも、親子の「愛着」が原因の社会不適合者となってしまった背景があり、事実が明らかになるにつれて読むのが苦しくなってくる。
でも、その主犯格に利用されてしまった人たちの重すぎる描写は、物語ではなく、現実社会の片隅に存在していると思わせて、目に浮かぶようだった。
一言で言うと「濃い」と思いながら読んでいたので、事件の全容が解明されたあとの八章は、色々な感情が整理されて、クールダウンしているようだった。

0
2026年01月05日

Posted by ブクログ

町田そのこさん初のサスペンス。サスペンスらしいドキドキ感のあるストーリー展開も面白いけど、やっぱり人間ドラマや感情の表現に最も心惹かれました。

0
2026年01月04日

Posted by ブクログ

記者としての主人公とともに先が(謎が?)知りたくて、ページをめくる手が止まらなかった。ただ主人公と自分は少し性格が違ったので共感できないところもあったが全体の話としては興味深く考えさせられた。

0
2026年01月01日

Posted by ブクログ

ミステリーでこんなに涙が止まらなかった話は初めてでした。読みながら苦しくなったけど、それ以上に続きが気になりどんどん読み進められました。
加害者側でも、被害者であったノアやミチル。
『ただ、誰かに愛して欲しかっただけ』それが動機の話は今まで聞いた事はあったけど、これほど加害者側の心情が描かれている話は初めてだった。

ノアとミチルとスミの3人が子守唄を歌い合って眠る情景に涙が止まらなかった。こんな温かな関係が家族ではなく他人同士で築ける。2人が欲しがった愛がこんな形で叶えられるなんて…切なすぎる。でも、3人で確かに満たされる時があったことは唯一の救いだと思った。
自分はノアとミチルの背景が描かれるごとに「さっさと別れればいい」とか「なんで別れないの」と思ってしまうけど、『相手に寄り添うことは大切だけど、自分の物差しで相手の苦しみを測ってしまう危険性がある』という言葉にハッとした。
気をつけていこう。

2025年の最後に自分に響く本に出会えて幸せです

0
2025年12月31日

Posted by ブクログ

LGBT、ネグレクト、発達障害、共依存、詐欺等最近良く出てくる社会的な要素をふんだんに詰め込んで、一度失敗したと感じている記者の目を通して、発散させずに綺麗に収束させている読み易い作品。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

ミステリー小説なのだけど、事件そのものよりも人間の内面を見つめる視点が興味深い小説だった。
月とアマリリスというタイトルは後で調べたら、影と光みたいな相反するものの象徴の意味があるらしい。
小説の登場人物は皆、簡単にこういう人と言い切れる人間ではない。
月とアマリリスの両面を持っているし、さらに複雑だ。
自分以外の人間と関わっていくのは面倒くさいけど、だから面白いとも思わせてくれた。

0
2025年12月27日

Posted by ブクログ

山中で見つかった死体。埋めた加害者は被害者でもあり…。雑誌記者の飯塚みちるは事件を追ううち、自身の学生時代のつながりに気づいていく。
加害者と被害者の境界が曖昧になるというか、被害者に同情の余地があるというべきか。犯罪を犯す経緯心情について考えさせられる話になっている。感情移入しやすく、読みやすいと思う。

0
2025年12月17日

Posted by ブクログ

アマリリスはおしゃべり
月は冒頭で美散がみた満月か?
井口が性同一性障害って設定は必要だった?
読んで、あぁ、町田そのこだって感じ。
映画化しそう。
自分の書いたいじめの犯人記事で犯人のひとり(被害者でもあった)を自殺未遂においこんてしまった。そこから記者をやめた。
しかし、もう一度、他の事件について記事をかく。今度は犯人に真摯に記事を書いていく。犯人のひとりが小中の同級生だった。

ネタバレ
ばーさんを埋めるシーンからはじまる。3人で。その1人“私(美散みちる)”が満月をみる。

主人公、飯塚みちる。福岡県北九州市を中心としたタウン誌のフリー取材ライター。実家。
元彼、堂本宗次郎から電話があり、仕事を依頼される。冒頭の事件を追ってほしい。二日前、高蔵山で遺体が発見された。遺体のスウェットのズボンのポケットに『ありがとう、ごめんね。みちる』と書いてあったから。
ゴミ出しで、近所の男性井口に会う。井口は認知症の母を施設に入れて一人暮らし。
飯塚は十カ月前までは『鶴翼社』の週刊ツバサに所属する記者として働いていた。
小学生高学年のころ、いじめにあっていた。
飯塚は神奈川県平塚市の私立中学校で2年女生徒、吉高真希が首つり自殺した、事件を追う。遺書があり、いじめがあったことが発覚。それはSNSに裸の写真を投稿されるもの。取材で犯人5人を、つきとめ記事にする。しかし、そのうちひとり“西”は記事が出た4日後、4階自宅ベランダから飛び降り自殺する。命はたすかったが、両親が遺書を公開。西も裸の写真をとられ脅されていじめに参加していたのだった。飯塚は自分の記事が西を追い詰めてしまったことで、記事が書けなくなって北九州の実家に帰った。宗次郎とは恋人でもあったがわかれた。

宗次郎の大学時代の友人、丸山佑が警察官で協力してくれる。
遺体とともに花が埋まっていから、葬儀のお金がない貧困家庭の人間が埋めたという見解だった。
ばさあんのポケットに入っていたメモは和菓子屋の包装紙だったから、そこから手がかりを探していく。
途中、詐欺のじいさんに騙される。情報あるといって食事をおごらされる。そういう人が集まってきてしまう。
そんな中、ストリップショーをみて感動する。井口に見られていて協力してくれることになる。井口は10歳くらい年上。
40歳くらいの女性から情報提供もらう。ばあさんの名前が“スミさん”だとわかる。スミさんの住んでたアパートがわかり、大家の“長野かるた”にたどり着く。スミの部屋には若い女性の遺体があった。絞殺体。“菅野茂美”
飯塚は親に仕事を反対される。
井口が自分はトランスジェンダーだと告白。認知症の母が施設に入所する日「今までごめん、好きなように生きてくれって言えんでごめんね」といわれた。
親はきっといつか、子どものことを理解してくれる。という励まし。
結局、兄・潮が親を説得してくれる。まだまだ、女は嫁になるのが幸せ、という土地。
丸山から高蔵山の遺体が吉屋スミと確定。スミの部屋では4人が生活していたこと。事件が連続殺人遺棄事件になった。
茂美は風俗店で働いていた。
家族を取材にいく。遺体の発見者として兄嫁・知依ちえが話をしてくれる。茂美の兄・保志やすし。
茂美は恋愛依存だった。高校も中退。18で出てった。たぶん頭もわるい。
知依が茂美にお金を貸したと両親には内緒で教えてくれた。中絶費用。たいては“タカハラ”と名乗った。
風俗店に聞き取りにいく。源氏名は乃愛。10月4日から無断欠勤していた。その日は高蔵山で遺体が発見された日。
飯塚は街で偶然、同級生の吉永に声をかけられる。自分をいじめてたやつ。
小学生同級生の話になり、学年一可愛かった伊東の名前を出すと、彼女もみちるという名前だったとしる。美散。気になって美散の行方をさがす。
茂美の同級生・宇部真麻に取材。最近、こわい夢ばかりみる。助けて。と7月10日にメッセージをもらっていた。
真麻は茂美のお世話係をさせられていた。
吉永から住所を聞いて美散の実家を訪ねる。何年も音信不通だった。美散の実母は3歳で事故死。後妻の子供は5歳で小児がんになり、8歳で死亡。
近所の大平鶴代というおばさあさんは美散が家族から外されていることを見ていた。美散の逃げ場だった。白いダイフクという猫を飼っていた。美散が拾ってきた。
美散の働いていた飲み屋がわかり、取材に。寿退社したという。相手は高校の同級生タカハラ。
吉永に卒アルみせてもらってタカハラをさがす。家原崇のあだ名がタカハラだった。タカハラは家原崇。

小学生のとき、飯塚は無意識に言葉で吉永を傷つけていた。だからいじめられた。

丸山に家原崇のことを報告すると、今朝、腹を刺されて自分で救急車を呼んだという。女に刺された。刺したのは美散。家原は“邑地和彦むらじかすひこ”という偽名で、独居老人を狙った詐欺事件を複数起こしていた。スミもその被害者。
美散は逃げている。逃げるならどこだ?と考え、実母の実家、ようは祖父母の家を思いつき、そこにいく。もうじいさんだけだったけど、美散はいた。

吉永が小学生のときにやったアマリリス会の話をする。女子会のようなもの。お菓子を持ち寄っておしゃべりした。大人になってもそういうの必要。美散と話したい。美散にアマリリス会しよ。ってつつたえて。

美散の祖父の家がわかったのは鶴代が年賀状さがしてくれたから。

飯塚は友人として、美散の心を開かせることに成功。手記を書く。
その記事が本編にそのまま出てくる。

美散の店に、偶然を装って家原が現れた。すぐ交際に。腹に根性焼きでたかしと名前をいれられる。家原も自分の父親に入れ墨で父親の名前を入れられていた。
家原に詐欺事件の捜査の手が伸びていて、スミの家に2人で引っ越す。美散は便利屋のようなもの。老人を助けている。と誤魔化すが、美散はなにかおかしいと思うがすでに共依存になってて、抜けだせない。そこに家原が恋人として、茂美を連れて帰ってきた。美散は“姉”と紹介された。家原は茂美はただのATMだと言う。
スミが老衰だか病気で死ぬ。スミは、外出させてもらえなかった。女2人を妹と思っていた。
遺体を埋めにいく。
美散は茂美に「逃げたら?」というが、茂美は家原に「逃げたら実家に火をつける。兄ちゃんの奥さんを風俗におとす」と脅されていた。のちに、茂美家族が記事でそのことを知り、少しは救われる。10月4日、高蔵山で遺体が発見されると茂美は警察に行くと言い出した。家原に首を絞められ殺される。死ぬ間際、美散と目が合い「助けて」ではなく「逃げて」と言った。だから逃げれなくなった。茂美を家の中で埋めようとするがうまくいかず、放置してつぎの老人の家に。
通報や出頭しなかったのはこれまでのつらかった時間や2人の命が無駄になってしまうから。スミの息子の遺骨を遺族に返したかった。ケガをさせておけば簡単に追いかけてこないと思って家原を刺して逃げた。

美散は懲役6年。
飯塚は美散の記事を書ききり、記者をやめて犯罪加害者家族の支援施設で働く決心をしていた。しかし、『義父から性的暴行を受け続けたという告発の遺書を残して小六女児自殺』のニュース報道を見て、まだ真実を書き続けるしかないと鶴翼社に戻る。

美散の記事はWEB連載だったが、書籍として出版された。

井口は長野とともに、コミニティカフェを運営する計画を立てていた。地域の高齢者やこども、ひとり親とか、一人暮らしの若者とこいろんな人が気軽に集まれる場所をつくりたい。

ひととひとを繋いで、孤独なひとを生まないようにする。辛さを引き出せる場所をつくる。

0
2025年12月17日

Posted by ブクログ

私にとっては、町田そのこさんの2冊目の本。

登場人物など、よくあるような状況だなって、読み始めはおもったけど、全然そんなことなかった。
描き方のレベルが違った。
登場人物それぞれの気持ちが読みながら迫ってきて、何度も涙を流しながら読んでいた。

元々は歴史小説が好きだったのだが、これまで読んだことのなかった小説家の本を今年になってからずっと読んでいた。
サスペンス小説を読むのは、そろそろ飽きたなと思っていたところに、この本を読み、町田そのこさんの本をもうちょっと読んでみようと思った。

0
2025年12月09日

匿名

購入済み

酷く残酷な事件で胸が苦しくなりました。事件によって人の心に及ぼす苦しみが伝わってきました。悪によって人の心を摂取する人間にはなりたくない。人の心は弱いから、そこにつけ込んでくる人間て常にどこかにいるんだと思う。そんな人に巻き込まれそうな人を助けれる人達が増えるのが少しでも救いになるのを祈ってます。絶望の中にも光を与えてくれる。そんな作品でした。

#切ない #深い #怖い

0
2025年10月25日

購入済み

町田そのこ先生の初のサスペンスということで刊行を楽しみにしていました。北九州を舞台に繰り広げられる死体遺棄事件を追う女性ライターの物語です。
イタリアンレストランでのみちると同級生との会話が非常に印象に残っています。相手を羨んで嫉妬したり、実は自分も加害者だった気づいたり、何か気付かされることが多いシーンでした。
読後前向きな気持ちになれる素敵な作品です。

#切ない #感動する #ドキドキハラハラ

0
2025年03月22日

Posted by ブクログ

町田さんの初ミステリーとのことで興味深く読んだ。
最初に事件が起こり犯人輪郭は分かる。
山中で白骨死体が見つかった。以前書いた記事で人を傷つけてしまい、仕事を辞めて実家に逃げ帰ったみちるが探っていくなかで被害者、加害者の事件までの経緯が分かってくる。
これだけ見るとミステリーだけど、町田さんらしい人それぞれの闇の部分が明らかになっていき、私はミステリーというより成長の物語のような気がする。

0
2026年01月11日

Posted by ブクログ

ゆっくりと自分の書いた過去の記事と向き合っていくみちると、少しずつ全容がはっきりしてくる美散の事件と…
その2本が同時にゆっくりと進んでいくのが深く、とても面白かった。

美散の境遇はつらすぎるものがあるけれど、そんな中でスミさんとの時間が温かいのが切なくて…
本当に色んな気持ちを感じさせてくれる本でした。

0
2026年01月11日

Posted by ブクログ

お?なんかいつもと感じが違う、と思ったら町田その子さん初のサスペンスだったのかな?
テンポよく進み、グッと引き込まれていったけど、やっぱり最後はここに落ち着くのか、となった。いつもの感じ。
恵まれない環境で育った子が犠牲者として描かれる。いまだ無くならない男尊女卑など。
重いけど、他者との関わりをもって生きていく大切さは共感できた。

0
2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】

声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!

北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。


『あのひとたち(両親)を傷つけるくらいなら、自分の痛みに鈍感でいればいいと、諦めた』

『加害者にとって、誰かを傷つけた過去なんて長く覚えているものではない。傷つけたという自覚すらないなら、なおさら。』

『賢いから、聡いから、という理由だけでクラスメイトやきょうだいのサポートをさせられる子どもについて取り上げた。自分のやりたいことを我慢し、誰かのために時間を使う『いい子』を大人たちから強要される子がいる。』

『私は私の命が惜しかった。もうどうでもいいや、死んでも構わない、なんて思ってたくせに、いざとなると手放せなかった。』


【個人的な感想】
町田その子さん初のサスペンス、町田さん節がきいていて面白かった。
個人的に何か物足りない感じがしたけど、全体的にはまとまりがあった。

0
2026年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事件の犯人に繋がる情報が出てきたあたりから、一気に面白くなってきた。
被害者家族や愛着障害など、理解があるようでなかったところをえぐられた。

ただ、主人公が最後に記者を選んだのは少し不満。加害者家族に寄り添う施設で働きながら、書きたくなったら原稿を書いて持ち込むとか、ネットに投稿とかそんなんじゃ中途半端でダメってことなのかなぁ。

0
2025年12月31日

Posted by ブクログ

北九州によく行くので、知った地名や舞台のお店がたくさん出てきて面白かった。
内容自体も良かった。家原に出会って利用された茂美とみちるが余りにも不憫でならない。彼女たちが家原に出会う前に本当に愛してくれる誰かと出会っていれば、こんな結末にはならなかったのになと感情移入してしまった。

0
2025年12月31日

Posted by ブクログ

町田そのこさんのサスペンス、ただのサスペンスではなく、人の心中に入っていろいろと考えさせられる話でした。
登場人物が多いので途中少し迷子になりながらも。笑

加害者と被害者。
圧倒的に強弱に分かれていると思っていたけど、
加害者の中でも過去に何らかで傷つき、本当は被害者だった。
被害者でも本当は知らないうちに人を傷つけて加害者にもなっている。
ニュースでは、犯人が捕まったらそれで終わりだけど、その後の贖罪や更生、まだまだ人生は続いていくのだ。

作中にある、『人生の幕が下りるときに、こんな風に祝福の拍手があるといいな。そういう生き方がしたいね』と井口が語っている。
まさに自分も、最後振り返る時に胸を張った生き方をしたいと思った。

0
2025年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

被害者に寄り添う記者に憧れて、逆に自分の記事で加害者側であり、被害者でもある少年を傷つけた。そこから這い上がるストーリー。自分が気づかないだけで人を傷つけていたこととか、身につまされる。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

52ヘルツのクジラたちで有名な町田そのこさん。
初のサスペンス。

52ヘルツに通ずるものがあった。
痛みを「痛い」苦しみを「苦しい」『たすけて』って言えないひとたち。
その苦しみを当人ではなく、記者として触れていく物語。

山奥で見つかった老婆の死体。
埋められていた穴には毛布が敷かれ、一緒に花も埋められていたことから、葬儀代が出せず埋葬されたのではないかと思われていた事件は思いもよらない方向に向かう。
記事を担当したのは、小学生の頃から記者になるのが夢だったが、自分の正義感で書いた記事で人を自殺に追い込んでしまい、仕事から逃げた「飯塚みちる」
逃げてきたはずの上司(元カレ)から連絡があり老婆の事件を追うことになる…

共依存。愛着障害。
わたし的に関わりのない分野だった。むしろ理解不能分野。
特定の人に依存してお金つぎ込んだり、なんでも言うことを聞いたり。信じられない。自分じゃない誰かの心なんて、自分のものにはならないし、逆だって嫌だ。自分の心は自分のものなのよ。誰かに支配されるなんて嫌なのよ。なんで自分の人生をコントロールされて幸せと思えるのか…わからん。
と、ずっと思っていたし、そんなのバカだからわからないんだ。見下してた。
でもこの本を読んで、そうだよな。そういうこともあるよな。って思えた。理解できた。

恋愛だけじゃないしね。
元総理が銃殺された事件もそうだよね。
家族が苦しんでいるのに宗教にのめり込んでいるのに本人は理解してない。

わたしだって、大事な推しグループのメンバーが逮捕されたよ…
そんでグループ脱退したよ。やっとやっとデビューできたのに…まだ2年目なのに…でも怒りより許しちゃうんだよ…辞めたのに戻ってきて。って思ってしまう…これだってきっと依存の一種なんだろうな。気づいてないだけでさ…


人は一人でも生きていけるかもしれないけど、一人では成り立たない。
どこかで読んだか…もしかしたら、この小説の一文か…
人と人との関わりは大事、大事だからこそ、こんな事件が起こるんだろうな…


そんでさぁー
読みはじめから気になったんだけどさ…
「ひと」ってひらがななのよ。
ふーーーん。なんでひらがななんだろ。って、まぁそこまで深く考えずに読んだんだけどさ…

犯人の証言を元にした、みちるが書いた記事は「人」ってなってるのよ(途中で気づいたから、記事だけではないかもしれない)
なんで…( ー̀ωー́ ).。oஇ
いや…絶対に意味があると思うのよ…気になって気になって…ググってもでてこない…

えーーー気になるー…ある意味サスペンスでありミステリーが残ったよねぇ…わかる人おらんかねぇ…

0
2025年12月22日

Posted by ブクログ

突然殺人事件が勃発して驚いた
町田そのこはその手の作家では無いと勝手に思っていたので
ミステリーなのかと思いきや、やはりヒューマンドラマだった
人は誰しも傷を持って生きている、それが些細なことでも、人生に関わる大きなことでも
答えはないかもしれないが、向き合って生きていく術を、詳らかに書き連ねているような印象を持ちました
読みやすいかと言うと、人による…心が痛すぎる人は無理かも
相変わらずのクズ登場
どうやったらこんなクズを描けるのか、やはりある意味天才なんだと思います(笑)

0
2025年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

町田その子さん、好きだから読めてよかった。
結構辛い描写も多いけど、でも自分が今こうして生きていられる奇跡を痛感させられた。
世の中、変な人も多いけど、それもひっくるめて人類であって、私の役割はなんだろうなと今だに見出せずにいる。みちるちゃんもみんなも頑張れ!続編希望〜

0
2025年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重い内容だったけれど、最後まで一気読み。同級生が事件に巻き込まれたり、卓球のラリーのくだりといい偶然重なり過ぎじゃないとツッコミたくなるけれどそれも含めて丁寧に纏まっている。加害者と被害者のどちらにもスポットが当たり、それは紙一重なのかもと思ってしまった。美散を抱きしめるおじいちゃんのところが最高に泣けた。このあとの邂逅も読み応えあったし、ラストもとてもよかった。

0
2025年12月18日

Posted by ブクログ

どこかで本の装丁を見た時に、何だか惹かれて読んでみました。

町田そのこさんの作品は今回が初めましてでした。
初めましてにしては、なかなか重めの作品だったかなと個人的に感じました。

ただ、内容はよく読むと重めなんだけど
文章はスッと入る文章で
ミステリー要素もあってで
続きが気になり、中盤から一気に読み終わりました。

あらすじは...
北九州の山中である日、老婆の白骨が発見される。
同じ北九州でグルメ情報紙の仕事をしていた、元事件記者のみちるはこの事件を追うことになる...


あらすじだけ読むと、普通の事件かなと思うけれども
途中から歪んだ「愛情」や「愛情」不足から起きた事件だということが分かっていて...そこが個人的には重めでした。
そして最後の加害者にして被害者のみちるのことを書いている部分はなんか心にくるものがあって、みちるみたいな人って決して小説の中だけの人物じゃないよな...っと。

最後の方はざーーっと読んでいったからかもしれないけれども、タイトルの「月」はなんで「月」なんだろう?とまだ謎のままです・笑

0
2025年12月11日

購入済み

月はどこに

「52ヘルツのクジラたち」もそうでしたが、人の痛みの輪郭をくっきりと見せて、そこに寄り添って進む物語に今回も引きごまれました。

読みながら幼い頃の楽しかっこと、罪悪感…色々と思いだしました。

間違ってもやり直せる。
心から願うことで誰かと繋がることができる。
そんな勇気をもらいました。

#泣ける #切ない #ドロドロ

0
2025年08月30日

購入済み

一気に読めました

どう話が繋がっていくのか、続きが気になって1日で読んでしまいました。
面白かったです!
どんどん謎がとけてきて、内容重いですが、あっそういうことなんだ!と爽快感もありました。

#ドキドキハラハラ #怖い

0
2025年05月15日

Posted by ブクログ

救済物語 読んでいる間ずっと、言葉にできないような哀しさや孤独が、ほんの少しの温もりとともに胸にじんわりと広がっていきます。特別な出来事が描かれているわけではないのに、登場人物の「日常」の中に潜む感情の揺れがとてもリアルで、その些細な変化に共感し、時には胸が締めつけられます。

辻村作品に共通する“誰かを想う強さ”や、“言葉にしない選択”が、ここでは静けさの中でより際立っていて、読後はどこか祈るような気持ちになります。派手さはないけれど、だからこそ心に残る、そんな小説でした。

0
2025年12月23日

Posted by ブクログ

町田そのこさんの初サスペンス。
苦手な分野だけどそのこさんだいすきすぎて、絶対に読むと決めていた本。

サスペンス要素もありながら、どっぷり登場人物の心の叫びを掬えるのがそのこさんらしくて涙。

登場人物が多くて頭の中で整理しながら読まないといけないので育児の合間にはおすすめしない。笑
子供が寝静まった後にどっぷり浸かるのがおすすめです

0
2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆる毒親やトランスジェンダー、いじめ、自殺、DV、共依存、男尊女卑、学習障害などをこれでもかというほど詰め込んだ作品。
主人公の記者には全く共感できなかった。
記者の仕事ってそんな崇高な理想を掲げてするもの?
他人の不幸を嗅ぎつけて聞き込みしまくってるのに、取材した人と仲良くなる?
など主人公にとって都合良すぎの展開についていけなかった。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 話としては悪くないです。被害者と加害者の両方にスポットを当てて、殺人事件の裏を追うライターの話です。町田さんは一貫してマイノリティの人たちの気持ちを汲みながら展開していらっしゃることに、敬意を払います。
 でも、あえて言わせてもらうなら、ルポでしかない。ライターの過去の過ちからの脱却物語でもあるのですが、そこに文学性を感じることはできません。じゃあ、文学とは何かといわれると感覚としか言えない自分が情けないのですが、読んだときにどれだけ心に染み入るのかが、表層をなぞるだけの文章との違いだと思っています。
 もう少し深く潜ってほしい。そう願います。

0
2025年12月16日

Posted by ブクログ

読みやすいし内容も興味深い。
印象に残ったフレーズもある。

〜《強さ》に甘えて依存する心があった。
信じるといううつくしい言葉の陰に、思考を委ねる弱さがあった。

相手の《強さ》を信じ過ぎてしまうと、自分で考えて行動することをしなくなってしまう。あの人がそう言うならという《正しさ》とよく似た危険な逃避と自己責任。誰もが経験あるだろう。

〜前向きに呪おう。 
いいね!私もやってみよ。


〜人は人で歪むんよ。
あの人がなぜ??なにがあったの???私が知ってるあの人はそんな人じゃなかった。
そんな思いを持つ人は少なくないだろう。良くも悪くも。

愛着障害。共依存。
一歩間違えれば取り返しがつかなくなるのに当事者は異常な状態だと気づかない。内容はDVや虐待なのに。

主人公は(嫌なやつでも悪いやつでもないんだけど)都合よく記憶を曖昧だったり自分自身が無意識に相手を傷つけてきたことを(それなりの年齢になっているのに)無自覚だったりそれでいて被害者意識が強くて、現実にいたら自分はカチンとくるタイプ。
そんな彼女が自分自身と向き合うことができたのは井口さんのおかげ。

被害者でもある加害者。
人の心を忘れなかったのが救い。

同級生だった吉永さんがよかった。

やっぱ人次第だね。

人生はどんな人と関わったかで決まる。

0
2025年12月13日

Posted by ブクログ

 町田そのこさんの本を読むと、いつも人の心の奥深さを感じる。
 自分は大切に人を理解したいし寄り添いたいけれども、きっと私は表面しか見れていないし鈍い人間なんだろうなと思う。

0
2025年12月10日

Posted by ブクログ

罪を犯した人をただ糾弾するのではなくて、なぜその罪を犯すに至ったのか、事件の背景には何があったのか。記者はそれを明らかにし、世間に考えさせることができる職業だが、その分大きな責任と痛みが伴うのだろうと思った。
「自分の多分で描くのは、ほんとうを見失ってしまう。何回も試して、ほんとうのかたちを探す」というしみちるの姪っ子の言葉が印象深い。
ほんのちょっと何か支えになるものがあれば、力になれる人がいれば、こんなことにならなかったのに…ということは世界中たくさんあるんだろう。自分なりに過去の過ちを悔い、そんな人たちを救う道をみつけた主人公を力強く感じて希望が持てる結末だった。

0
2025年12月09日

「小説」ランキング