【感想・ネタバレ】月とアマリリスのレビュー

あらすじ

本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編!

声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!

北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人生で取り返しのつかない間違いをした時にもそこから目を背けることなく、苦しいが背負いながら生きていくことを教えられた。それよりあとは自分が他者や自分の理念を傷つけることがないように、信じて守って、生きていくことが重要なのだ。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ものすごく良かった!悲しいんだけど、最後は前向きな気持ちになれる話で私は好きだった!
最後の方のミチルが話したすみ、ノア、ミチルの3人で眠ったところら辺で号泣した。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ



記者である主人公・みちるが、過去に自分が犯した過ちへの贖罪を胸に抱きながら、死体遺棄事件の真相を追う物語。

とりわけ第7章で、みちるが書いたルポタージュが圧巻だった。美散に過度に感情移入することなく、事実を正確に伝えながらも、その心にそっと寄り添うような文章に強く心を動かされた。

事件そのものは、目を覆い耳をふさぎたくなるほど残酷だ。愛情に飢えていた美散と茂美。そして事件発覚後、多くの人々が「助けてあげられなかった」と後悔し、自らの無力さを悔いる。一方で、美散への変わらぬ愛情を持ち続ける人もおり、そこにわずかな救いも感じられた。

家族の愛情、男女差別、いじめなど、扱われるテーマは多岐にわたる。そのためやや盛り込みすぎに感じる部分もあったが、それぞれを丁寧に描き切る筆者の力量はさすがだと思う。

重いテーマを扱いながらも、最後まで一気に読ませる力のある作品だった。

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男尊女卑、家庭環境、いじめ、DVなど嫌になりそうなほどこの世界にはいろんな暴力が飛び交ってるんだなと改めて考えさせられた。
ひとはひとで歪む。その歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力。
というのが心に残ってる。

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今の社会問題の盛り合わせやないかーいと突っ込みたくなるほどコテコテのお話しだったが、読んでいくうちに引き込まれた。人の弱さは人の弱さを生み出していく。

佐世保のおじいさんが美散を抱きしめ、代わりに笠原を殺すと言ったシーンは涙なしには読めなかった。これがきっと愛なんだと思ったし、私もきっと子供を産んだらそう思う日が来るんだろうと思えた。

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代的な問題を詰め込んだ作品だったが、綺麗にまとまっていた。それぞれが何かしらの問題を抱えていて、そのどれもが解決するのが難しいと感じた。
作品を通して1番救われないと感じたのは茂美の友人。幼い頃からヤングケアラーとして、やらなくても良いことをやらされ、成長した後もそのことについて誹謗中傷を受けて、挙句の果てに罪の意識に苛まれて自殺未遂まで起こすなんて救われなさすぎるだろうと思った。この人のこともピックアップきて記事にしてと思った。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作を読み始めて真っ先に思い付いた単語は「さす九」だった。北九州市文化大使でもある町田そのこがこれを話題にしてしまうと一見地元をディスって晒しているようにも思われるが、本質は性差によって生まれる問題を九州に限らず全国的に、かつ具体的なケースを元に深刻に捉えている、と私は考えた。

最初はフィクションとして「なんだかどデカい事件の話だな〜」と俯瞰的に読んでいた。しかし読み進めて真相が明らかになるにつれ、とても他人事とは思えない気持ちになった。明るい感じで終わっていたにも関わらず、読後にちゃんと不快感が残る。
いじめ、男に殴られる、根性焼きの実体験のある私にとって、本作はかなりトラウマ本となった。そして、似たような、或いはもっと酷いことをされた女は案外多いのではなかろうか。程度は違えど自分も同じようなことになり得たと思う。だから後半は震えながらページを捲った。

ヤングケアラー、発達障害、愛着障害、DV、インターネットの誹謗中傷、ジェンダーなど現代が抱える多くの問題が生々しく描かれていた。本当に少しだが、亡母憧憬を思わせるシーンがあり良かった。

『踊りつかれて』と連続で読んだのは良かったかもしれない。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛されずに育った人たちが共依存しているところが痛々しかった。
認知症のスミを騙して居候しているのに、美散と茂美がスミの温かさに救われているところもなんとも切なかった。
そして1番ぐっときたのは、美散の祖父が孫がつけられた根性焼きをみて怒り狂ったところ。
もっと早く美散が自分を大切に思ってくれる人がいることを知っていればよかったのにな。

ミステリーとしては、背の曲がったお婆さんという情報で人探しができるのは無理があると思ったけど、埋められたお婆さんから3人の若者の背景にまで話が広がったのは面白かった。

みちるの同級生の吉永がいじめをしていた原因がみちるの心ない発言からだったのはとても印象的。だからと言っていじめはダメだけど、そういうことって実際ありそうだなと思った。

町田そのこさんの小説は性的マイノリティーが登場するけど、今回は特に井口のそれは物語の筋に関係ないし、蛇足に感じた。毎回その要素を入れるのは無理やりな感じがしてあまり好きではない。

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2026年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

都合で一気読みできなかったのが悔しい…。
町田そのこさんの作品は3作目。今回も当たりだった。推し作家の仲間入りだ。

過去に自分の記事で対象者を苦しめてしまったことへの罪悪感を抱えた主人公が、連続死体遺棄事件を追う。
容疑者として浮かび上がった憧れの同級生。被害者、加害者たちはなぜこんな事件に巻き込まれてしまったのか。

読者の大半は思うだろう。自分だったらこうするのに、こうはならないと。なぜああしなかったんだと。
正直私にも理解しがたい。でもニュースを見れば、自分をどんどん苦しめる方向に進んで抜け出せない人がどれだけいることか。そう思うと、自分も一歩道が違えば同じような状況や感情になってしまうのかも、と考えながら読んだ。

「ひとはひとで歪むんよ。その歪みをどこまで拒めるかが、自分自身の力。」
周りに悪い人がいたら、脳や体の疾患、繰り返し受けた傷などで拒む力が人より弱かったら、歪みを止めるのは難しいかもしれない。
今の自分の幸せを当たり前と思わずに、ひとを歪ませる側にならず歪みに手を添えられる人間であれたらいなと思った。

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2026年05月20日

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