あらすじ
きみを守ることが罪なのか――。攫われた巫女エスタの捜索を、従者リルとともに続ける騎士団長レルファン。その間も、王宮では王位継承者を狙った毒殺事件が相次ぎ、レルファンはその対応にも追われていた。掴んでは消える解決への糸口。やがて二つの事件が交錯し、王国の歴史と神話に秘められた暗部が明らかになっていく。大いなる陰謀に巻き込まれた、レルファンとエスタの運命は……。深い余韻を残す王宮ロマンス、万感の終幕。文庫書き下ろし。
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Posted by ブクログ
不穏な終わり方をしていた上巻の更に上をいく漆黒シリアス展開であり、終盤までエスタの行方が知れず……というミステリー色が強めのストーリーだった。
ミステリーの観点から言うと、サブタイトル「神々の食前酒」の真実がエスタ誘拐に関わるものであり、終盤でようやく明らかになるエスタの決意が悲壮で涙なしには読めない。
個人的な推しである男装女子リルが最後まで活躍してくれて嬉しかった!
レルファンに対して抱く気持ちの変化が尊すぎる。
上巻では恋心として描かれていた気持ちが、下巻のエスタ救出作戦前ではかなり昇華されて「好いた人の幸せのために戦えるのが自分の幸せ」と思っている。その手前の市場に出かけるシーンでも、途中でエスタに繋がる手がかりを見つけてせっかくのお出かけが台無しになっても文句一つ言わず従者としての責を果たしてくれている。
上巻での健気で献身的なキャラクターに磨きがかかっており、恋愛感情を抱きながらも覚悟を決めて行動で忠誠を示してくれる聖人っぷり。読者が好きにならない訳がない。
エスタが死の直前にレルファンと言葉を交わし、愛を認め合いつつ息を引き取るシーンが泣ける。
ラストはレルファンとリルで世界を巡る旅に出たのだと思うが、想像が膨らむラストで印象深かった。
世間にはレルファンとエスタの恋愛話が囁かれている一方で、レルファンとリルは単なる主従関係を超えた信頼関係で結ばれている。レルファンはリルに対して約束した「人としての幸せ」を与えつつも、エスタの忘れ形見として何らかの情を持つようになってもおかしくはないと感じた(読者によっては、エスタへの愛を生涯貫いたとみる人もいるだろうけど)。
Posted by ブクログ
様々な事件がひとつになっていく様は見事だった。物語はどんどん盛り上がり、一体どうなってしまうんだとずっと肝を冷やしていた。2人には幸せになってほしかったし、この終わり方がベストだとは思わない。けどそれ以上何があるのかとも思ってしまう。
切なくて悲しくて恋しい話だった。
Posted by ブクログ
ファンタジーだーいすき!そして大好きな町田その子さん!好き×好き!でもやっぱり、人間リアルに書くのがうますぎて、そこはファンタジーのご都合主義で何とかしようよ...そんなリアリティなくてもいいよ。切ないよ、となった。ただ構想10年と言ってただけあって、町田さんの中では完璧にあの世界が完成されていて書くまでもないことがたくさんあったんだろうなと感じた。もうちょっと補完されてもいい部分がたくさんあったから、スピンオフを永遠に続けて欲しい。悲しかったなー
Posted by ブクログ
町田その子は女性をとことん悲惨にさせる天才だと思う。何もそこまでせんでも、、、、な描写がたまに耐えきれなくなりそうになる。が、読む。
ルイーダ王妃とシャーリーン王妃の確執が実は結構面白かった。ザイード王子が可愛かっただけに、政争に巻き込まれたのは哀れ、哀れ。
裁判にかけられたり、島流しになる罪状はリアルで今どきのネット小説とは一線を画す描写っぷり。商業作家はさすがである。
ラストのラストまでエスタがどうなるかわからず、分かった後もリルのその後に思いを馳せたり、色々と余韻を残す作品だった。面白かったし、後半のスピード感はなかなか。
Posted by ブクログ
王族毒殺ミステリは宮廷内闘争も含めて面白かった。王位継承権のない王女が何故狙われたのか。これまで毒殺された王族は何故いなかったのか。その辺りで物語に引き込まれた。
正直それまでは時間軸が入り乱れるのが気になって物語に入り込み辛いと感じていた。差し込まれる過去の恋愛パートもローティーンの頃に読んだ少女小説を思い出すようで最初は良かったのだが、あまりにぶつ切り過ぎる上に並行して進む現在パートとリンクする要素もなく、冒頭の酒場パートには戻って来る気配がないし、何でこんな構成にしたのかなと疑問がよぎった。だが王族毒殺が起きて下巻パートに突入すると時間軸も統一されて読みやすくなった。
恋愛パートについては何とも言い難い。まずずっとリルが不憫だった。実はヒロインの妹でした、なんてキツい真実だなと。ヒロインを無事救い出せたとしても、その後立場の差に苦しめられるんじゃないかとリルの幸せな未来を思い描けなかった。出生の真実もハードだったし、本人が健気な分、不憫さが募った。一方で主人公のレルファンは魅力的な要素も大いにあるのだけれど、ちょいちょい一方的で無粋なところがあり微妙に引っ掛かりを覚える。ヒロインと一線を越えていたという事実も何なら腹立たしく思ってしまった。プラトニックだったのなら諦めたのも受け入れられたのだが、神妃と分かってて手を出したのに、逃げるかどうかの選択をヒロインに一任したのかよと。お腹の子はおそらく毒の耐性が無かったのだろう。血が止まらず衰弱したのも流産、ひいては妊娠のせいと考えると遣る瀬ない。妊娠の偶然を責めるのはさすがに行き過ぎかも知れないが、レルファンは遊び人だっただけに妊娠するリスクを弁えていても良い筈だと思うとやっぱり少々許せない気持ちが湧いてくる。そんな感じでレルファンの株がじりじり下がって行ったのが残念だった。
悲恋で終わった事に関しては特に不満はない。むしろ余韻となって、ハッピーエンドより物語としては強く印象に残る形になったと思う。
また作者の作品の「月とアマリリス」では本筋とは関係なく女性に関する作者の主張をねじ込むように語られていた事にあまり良い印象を受けなかった。本筋は面白いのにそういう作者さんなのか…と身構えていた分、本作ではそう言う事がなかったのが良かった。
Posted by ブクログ
ただのハッピーエンドにはならないとは思ってはいたけど。
下巻になってからはエスタ救出に統一したのでサクサク読めた。ドロドロした王室や幼い死が容赦なく入ってくるのでやっぱり王道なファンタジーではない。
悪玉の最期もアッサリしてて、レルファンも何かいいトコなし。
楽しんで読めたんだけど、不完全燃焼感で終わっちゃったかな。
でもその後が数百年後ってのは儚い。
正に戀記、伝説になってしまってる。
Posted by ブクログ
町田その子さんってこんな話も書くんだ!という驚きの元楽しく読みました。
エスタの誘拐犯を捜索するうちに、旧カストナ王家の類稀な血とそれを欲するクルムトの存在に気づく。
エスタは果たしてクルムトの屋敷にいるのか?ついに、二人が再会しようとした時、目の前に立ちはだかるのは不死身の旧カストナ王子。レルファンは酷い怪我をしながら、エスタを見つけるが、エスタもまた病で瀕死状態だった。
神々の食前酒と言われるその所以はあまりにおぞましい…
Posted by ブクログ
勝手にハッピーな結末を予想しながら下巻を読み始めた。終盤にやっとのことでエスタにたどりついたのだが…。
悲しいことがたくさん起こったが、エスタとレルファンが再開出来て心を通わせられたのが救いだった。
Posted by ブクログ
後半になるにつれて、一気読み!
大好きな要素が散りばめられてる内容だっただけに、私はハッピーエンドを望んでいたけど…。
ラストが…。切なすぎて泣いてしまった。
Posted by ブクログ
悲しい結末だった。最後は怒涛の展開で、これはもしかしたら幸せな結末が待っているのかもしれない!と期待したけど、やっぱり悲しい結末だった。悲しい結末の方が終わりやすいのかも知れないと思うくらいだった。
毒では死ねない身体、外傷で死ねない身体が存在することで人生を狂わされた人間達の悲しいお話だった。誰も救いがないお話は、読んでいて面白いけど、後味は悪いなと感じた。
この物語でただただリルの立ち位置が可哀想で仕方なかった。ありきたりのパターンでもあるが、人生過酷モードすぎると思った。こんなまだ若輩者にこんな辛い役回りをさせないであげてほしいと感じてしまった。リルが幸せに暮らしましたとさというその後の物語を書いてほしい。
Posted by ブクログ
町田さんがファンタジー?と思ったけれど、やはり上手い方は何を書いても面白い
甘々かと思いきや、色々とエグ味の有る展開と甘くないラストが、この人らしい
悲しさ故に心に残る...。
ハヤディール戀記、読了しました。
悲しい結末ではありましたが、魅力的な登場人物、国、信仰等、様々な要素が絡み合い、とても読み応えがありました。
文末で本作の舞台が、既に歴史の彼方に消え去っていることが、得も知れぬ余韻となっています...。
友人から勧められて、初めて町田その子先生の作品に触れました。
折を見て、他の作品を読んでみたいです。
Posted by ブクログ
(上巻より)
それと、ファンタジーにも許容範囲というものがある。
人によるとは思うが、
人間の姿から麒麟や三本足の烏となる、
指輪をはめると姿が見えなくなる、
写した文字が魔法の力を持つは、受け入れられる。
(ちなみに、衣装箪笥の奥が異世界につながってるのはどうかと思っている)
だが、切り落とした腕が生える、
首を切り落とされた胴体から頭部が生えるは、
許与範囲を超えていた。
そして、騎士団長と巫女、そして、巫女の妹、
国王の従兄弟と第二妃と誰の戀愛も悲しい終わりを迎えているところが、
何より受け入れることができなかったのだと思う。
Posted by ブクログ
だんだんミステリーっぽくなってきて、めっちゃ面白かった。主人公レルフの記憶力と名推理はコナンかと思うくらい。
上巻の前半に出てきた街での話が、クライマックスに繋がっててやっと回収されてすっきりした。
売る
以下ネタバレ
最後はハッピーエンドとは言えなかったけど、レルフとリルが一緒に居れる結末でそれはそれでよかった。エスタとレルフは、来世とかでまた会えたらいいなと思った。
Posted by ブクログ
上巻に引き続き、息をつかせない展開が続く。
しかしエスタ捜索の長丁場に渡る盛り上がりに反するように、本誘拐劇の目的はなんとも矮小に感じてしまった。
少々期待度が大きすぎたかも知れない。
そして結末。
なるほど、戀記……
これはこれでひとつの結末だけれども、願わくば、もっと違った形の結末を見てみたかった。
そういう意味では、どこか消化不良感が残った。
それでも上下巻通して、手に汗握る推理展開は十分に楽しめた。
Posted by ブクログ
残りのページ数で、解決するのか…?と思う程、最後の最後まで読めない展開。上巻のあのシーンを、ここまで引っ張ったか!思ってたラストと違ったけど、逆に、そうでない想定されがちなラストだったら、あの子にとってはアンハッピーエンドだったのかな…。時代や国の歴史など、矛盾しない納得できる構成ですがすがしく読めた。
星5つにできないのは、なんでだろう…。時系が行ったり来たりだったから、没頭しきれなかったのかな。私も年かな…。
Posted by ブクログ
次々事件が起こるのでテンポよく楽しく読めた。面白かったけど、終わり方含め若干モヤモヤしてしまった部分があったかなあ。設定自体が素敵なので、もう少し補足というか、続きが読みたい。これもまた余韻として味わえなくはないですが……!
Posted by ブクログ
上下巻と一気読み。町田そのこさんの他の小説とは、だいぶ違った印象。上巻はわくわくして読んでいたけれど、下巻はあれよあれよと盛りだくさんで、ばたばた終結した感じ。アニメ化とかしそうだな〜と思いながら読みました。
Posted by ブクログ
うーん、普通のファンタジー。後半になるほどレルファンがなんだかな〜ってのが増えてくる。
著者さんはクジラしか読んだことないけど、その雰囲気がちょっとでもあればよかったのにと思いました。
Posted by ブクログ
恋愛とミステリーのどっちつかずの作品になってしまっているのではと思ったな…操作が長引きすぎだし、幕引きが意外でもなくうんそうだよねというあたりだし、すっきり終わるわけでもない。悲恋なのは何となく予想してたけど、悲恋なら悲恋なりにすっきり終わらせて欲しかったなぁ。おおっとなる場面が少なかったのが、読んでいて勿体無いと感じた。
Posted by ブクログ
上巻の伏線を回収して次々と読み進めれた。
もっと長編にして後半からエスタ側からの話やキースの話も掘り下げてほしいなぁ。上巻の丁寧な世界観があればルイーダ妃やシャーリーン妃の世界も魅力的で興味があるし。想像してみると、かなりの大作になってしまう。
Posted by ブクログ
町田その子さんのいつもの小説を期待してしまうと、肩透かしを喰らってしまう。が、ファンタジー物を読むことがほとんどない自分にとっては満足できた。(賛否両論あるようだが)
ただ、やや駆け足気味であり、読んでいて「なぜそうなる?」と感じることも多々あったのも事実。
もしあるならば、次回のファンタジーやミステリー作品に期待したい。
Posted by ブクログ
町田そのこさんが書いたファンタジーに興味をひかれて読んでみた。面白かった!面白かったけど…ラノベ風味が強くて、好みの作品ではなかった。
レルファンのリルへの態度も…うーん…。
あと、キースとの対決シーンは完全にホラー!!
Posted by ブクログ
甘いだけじゃないファンタジーだった。ラノベっぽくもあり、でもそれだけじゃない深みも垣間見得た。終わり方に好みが分かれそうではあるけど、個人的にはビターな終わり方は余韻も感じられてよかったと思う。ハッピーエンドだとここまで印象には残らない気がして。余韻ついでにその後を外伝的な感じで読めると嬉しいな~。2367-46
Posted by ブクログ
町田そのこさんのファンタジー!!!!
ある巫女と王国の騎士団長の報われない愛。
巫女エスタが何者かに攫われてしまい、その行方を捜索する騎士団長・レルファンのお話です。
下巻からどんどん真相が表に出始めるのですが、
なかなかに酷い真実がありました。惨い。
上巻があまりにも好きだったのと、私にとってはレルファンとエスタが絶対!!!!だったのでレルファンの従者・リルの存在が……何度もぐぬぬとなりました…。
従者として…そばに居るだけで幸せです…言うて実際は姉に嫉妬する女を出してくるのよな(レルファンの前ではあくまで従者としてって言い切るのも)。
レルフもレルフで、エスタを救ったあとの未来の話、リルもついて来いという言葉にはドン引きでした笑
終わり方も「な〜るほど?」という感じで、心が揺れるものはなかったなー。
途中まではロマンス×ミステリ要素と自分の好きなジャンルでもあり、ハヤディール国と旧カストナ国の歴史とかも気になる要素たっぷりだったので、下巻の失速が残念だった。
もう少し重厚感のある王国ファンタジーを読みたくなった〜〜〜!