町田そのこのレビュー一覧
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正道という男の子が生まれ、育っていく物語。
親子の形がテーマと言ってもいいのかな。いろんな親子が出てくる。まぁ、ほとんどひどい親ばっかりだけど。
罪の話でもあるかな。殺人とか詐欺とか、いっぱい出てくる。小さな村で、事件多すぎだなぁ。
辛い話が多かったけれど、隆之の優しさに救われて、正道がものすごく真っ当に、温かい人間に成長していく姿は嬉しい。
あと、幼い頃からいろんなことがあったけれど、短い間でも、心から家族と思える人たちと幸せに暮らすことができたことは、ほっとした。
正道の同級生の可憐のその後が、ちらっとしか書かれていなかったので、少し気になる。安心して暮らせているといいな。親に振り回されてまともに生きられないのは、本当にやりきれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ宙が実母と暮らし始めてざっくり高校卒業するまでのお話
ごはんを通じて、家族の身勝手な事情に振り回されて傷ついた人たちが立ち直っていくエピソードが5本ほどある。
どうしてこんなにもと思わされるような自己中心的な人間が毎回出てきてそのたびに心がざわつかされた。
家庭トラブルは人それぞれで傍から見たら実にくだらなく感じるけど当事者にとってはまさに人生を左右する問題であって逃げ場がなかなか作れない。宙の人生の要所要所で自分だったりそんな境遇の人たちに出会っていくが、そういう場面を見るたびに家族というもっとも小さな社会単位の大きさに圧倒された。
そんな事情を持った人たちに料理とともに寄り添うことで立ち直るきっかけを与える過程に希望があり、毎話毎話良い読後感を感じながら読み進めてた。
各話の間の出来事がどれも少し重くて救いがないなと思うけどその分、宙や母の花野の成長が際立ってたと思う。
各エピソードで感情の上がり下がりを感じたジェットコースターのような作品だった。 -
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ネタバレ職場の人にオススメされた本。
読んでみたいリストに入ってたことも忘れてた。
家族だからって何をしたっていいわけではないけれど、家族だからこそ踏み込みたい時もある。
夜中のトイレ掃除のシーンでは、
おじいちゃんの葬式で叔父さんが、少し安心してしまった、と泣きながら話していたのを思い出した。
介護をする苦労もあるし、逆にされる側の尊厳も考えなければならない。家族だからこそ、見られたくないものがある。その折り合いをどうつけるのか、それぞれに思いがあるからこそ難しいと思った。
大丈夫。あんたは、できる子だから。
この言葉は、きっと、精一杯の母の愛情。
誰かの言うとおりにしなくても、あんたは自分の人生を生きていけるという後押しなのではないだろうか。
わたしの人生は、わたしのものだ
「わたし」として自由に暮らすには家族の存在はおもりになってしまう。近くにいたい人、近くにいてほしくない人、誰の気持ちを尊重するか、小さいときは大人が勝手に決めてしまい、大人になるとぶつかり合う。
さざめきハイツで暮らしていた4人、それぞれの過去やトラウマ、考え方があり、その違いですれ違い、言葉がとめどなく溢れて言い過ぎてしまうこともあるけれど、それを解消するにはやはり会話をするしかなくて。
最後、私が掬う思い出がキレイなものであるように。
後悔のないように人と関わりたい。 -
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ネタバレな、なんだよ、これ……。結局誰も幸せになってないじゃないか……。なんでこんなものを私に読ませるんだよ。やめてくれ、これ以上は泣いてしまいます。
ミステリー要素はあるものの本格的なミステリーってわけじゃないからイヤミスとは言えないし、実際そこまで後味が悪い結末ということでもないんだよなぁ。もちろん報われなかった感は強いんだけど、嫌悪感はそこまで抱かないというか。結局、全部手遅れだったというのが虚しさを助長させてるのかもしれんね。
ベタベタした恋愛モノはあんまり好きではないんだけど、この作品にはそういった描写がそんなになかったのが良かったね。二人の馴れ初めは上巻にあったけど、静かに歩み寄ってる感じで言葉では多く語らずに心と心の交流をト書きで表現されているのが良きでした。
激情的で表面にいろいろ出すぎるのは甘ったるくて全身が痒くなってくるのよ。
下巻では上巻で起こった数々の事件の謎について、その真相が明かされるんだけど、さらに事件が発生し、新たな謎が加わる中で、それらが収束し始めるのはかなりの後半。本当にこれはキレイなかたちで物語を畳めるのだろうかと不安になるくらいの残りのページ数。ハラハラドキドキ。さてどうなることやら……。
……そんなのってないよ、こんなの絶対おかしいよ!
どこかでヒロインが言っていた「神は我らに手を差し伸べはしない」この言葉にこの作品のすべてが集約されていると言っても過言ではないだろう。
みなさん、読む際はお覚悟を。でも間違いなくおもしろいよ。 -
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涙が溢れて溢れて泣きまくった。
私はこれまで生きてきて、お葬式やお通夜といったものには一度しか出たことがなく、幸か不幸か、死と向き合ったことがほとんどない。
身近な大切な人を亡くした方々は、どう立ち直っているのか、故人への後悔やこれからの未来とどう向き合っているのか、この物語を自分ごとに置き換えることで、少しだけ理解できたと思う。
大切な友人や家族が亡くなってしまった時、あの時こうしていれば良かったと後悔の念に押し潰されないよう、笑顔の思い出をたくさん思い返せるよう、大切に生きていきたいと思った。
コロナ禍当時の、感染して入院先で亡くなった方々のお見送りについては初めて知った。感染のリスクがあるとはいえ、遺族は最期のお別れもお見送りもできず、次に故人と会う時は火葬を終えたお骨だけだなんて…想像を絶する。
不慮の事故か、事件か、急な発病か、闘病の末か、人はいつ死ぬか分からない。大切な人が明日も変わらず元気に生きている保証はどこにも無いのだからこそ、感謝は伝えられる時にすぐに伝えたい。カッとなって酷いことを言ってしまったら、すぐに謝りたい。
後悔のない生き方をしよう。そう思えた。 -
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冒頭な「朱鷺が暴れてた」とあったので、鳥を飼ってるのかと思っていたが、人の名前だとわかったあとは、なんだか朱鷺に夢中になった。
朱鷺がどんどん成長していく様も、時間がかかっても気持ちさえあれば前を向ける感じがして良かった。
芝子さんの話と、最後の話はボロボロ泣いた。
葬儀屋の話が出てくるので、どうしても自分や周りの「死」について考えさせられるが、父が亡くなってすぐの時は、この作品内の人達みたいにしっかりした思考回路にならなかったことを思い出した。
父親が亡くなる前後の時は、こういう本すら読めなかったが、自分の中でも何かしらの気持ちが落ち着いたんだなと思った。