町田そのこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーにより、"できない"ことが増えていくまだ50代の母親。
できていたことができなくなっていくのは、本人がきっと一番苦しい。身内の手は借りずに、プロに任せたいという母親の思いにも頷けた。
幼少期の環境って子どもにはどうしようもないことだらけで、大人になっても「あのとき〇〇してもらえなかった」とかそういう気持ちに引っ張られてしまうことがある。
それでも人生は自分のもので、その責任は今の自分にあって、過去のだれかを恨み続けることでは、一時的に気持ちが楽になったとしても好転することはない。
過去に背負ってきた苦労は人それぞれだし、苦労の少なかった人間から&quo -
Posted by ブクログ
納得の高評価
最初はカノさんの未熟さに宙が可哀想でイライラしたけど、人ってそんなに強くないないよなって思った。どんどん助けてもらう温かさに、別れの寂しさに、惹き込まれて、涙しながら読みました。
親子ではなく家族の形、そして周りに支えてもらいながら生きること。幼少期の描写も解像度が高くてずっと苦しくて、でもとても優しい気持ちになりました。
温かいものを食べて、自分を満たすこと。自分を満たして、周りに手を差し伸べること。
これって、当たり前感すごいのに見落としがちで、やっぱり非常に大切なことだと思うんです。
人として大切な成長ができた気持ちです。本当に出会えてよかった。 -
Posted by ブクログ
葬儀屋で働く主人公や周囲の人々にまつわる差別や価値観の押し付けに向き合っていく話。
いつもながらの町田そのこだなあと思いつつ読みましたが、各章ごとに話の区切りがあり、それぞれに理不尽なことへの憤りと、そこからの気づき、一つの解のようなものが提示されてゆく、それらがなんというかよい着地で、ざわざわしながらも少しホッとさせてくれるのでした(3章だけはちょっと違く感じたけど)。
この方のほかの作品もそうですが、差別や抑圧に不満や辛さを持ちながら、いつか自身も内面に差別を抱えていることを自覚させられてゆく、という合わせ鏡のような構造をわかりやすく見せるために、登場人物の内心の描写がとてもシンプルか