あらすじ
本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化!
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづける。
──きっと、この物語はあなたの人生を支えてくれる。
文庫化にあたり、単行本の初版カバーに掲載した掌編に加え、書き下ろし掌編を収録。
解説は、作家の寺地はるなさん。
※この作品は過去に単行本として配信されていた『宙ごはん』の文庫版となります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
育つ環境によって形成される人格が決まるのは本当にそうだなと思った、子どもも大人も同じように苦しむけど、苦しみの形も違って、普通に生きるって難しいんだなぁ、、と。子どもは親を選べないし、選べなかったが故にそのまま大人になるの繰り返し。
生きるって難しいよねえ、と大人になればなるほど考えてしまう作品だった。
Posted by ブクログ
こんなにも1冊の本に泣かされるとは…!!!
宙の成長だけでなく、カノさんをはじめとした周りの大人たちの成長もうまく描かれていて、とても気持ちいい読後感だった!
そして料理の描写✨️
あたかも今自分の目の前にその料理が出てきて、熱々でよい香りをさせているような感覚にさせてくれるのは、本当に魔法のよう!!
パンケーキもボロネーゼも炒飯も、それはそれはとても美味しそう!!
最初幼い宙が出てきたので、ずっとそのまま進むのかと思ったら、章立てでどんどん大きくなっていくから、考え方や関係性が少しずつ変わる感じも面白かった!
Posted by ブクログ
愛情深いと思っていたママが束縛と感情の起伏の激しい女性であった、とか冷淡だと思っていたお母さんが宙のことを愛そうとしていたりとか、宙の同級生の子が、相手が思い通りの人でなかったらショックだと言っていたり、人にはいろんな面があるのにそのときの自分にとって都合のいいバイアスで相手を判断してしまうことに注意を促しているように感じた。
家族なのに(家族だから?)みんな不器用で言葉が足らなくて、でもそれぞれに愛情だったりはあって、すごくリアルだなと感じた。
ママとお母さんか登場するけどどちらの母親も何かがあって何かが足りない。普通のお母さんがよかった、というセリフが何度か登場する。母親になる人物も1人の人間で完璧ではないことはわかっているはずなのに、母親という存在自体に完璧さを押し付けてしまう自分のイメージに愕然とした。絶対に自分自身完璧な母親になんてなれるはずないのに。自分が母親になる時が来たら読み返したいなと思った。
・罪を犯した人が赦しを乞うのは暴力、大切なのは覚えていること
・とにかく生きるが最優先、笑って生きるができたら上等、寿命が尽きるまでにできたらいい
Posted by ブクログ
主人公の宙を中心に家族の在り方をテーマに展開されるストーリー。
自分とは全くちがう境遇の登場人物たちなのに、とても共感できるところが多く、引き込まれる。
・いかに私たちは他者に対して表面的な情報だけで偏った見方をしがちか
・謝罪や贖罪は自分が許されるための行為で相手にとっては暴力になりうる
・美味しいものは人の心を癒すことができる
・何歳になっても人は変われる
そんなことが印象に残った。
重い話題のパートもあるけれど、するすると読めてしまって章の終わりにはほっこりできる、なのに次の章に移ると状況が変わっていてびっくり…という展開で最後まで飽きることなく展開される。
全章通して、皆の成長と変化が感じられるのも勇気をもらえた。
Posted by ブクログ
読みながら母親目線で宙ちゃんがこれ以上傷つかない様にと思いながら、あぁこれは昔の私だと思いながら読みました。
母親に愛されたい、こういう事をしてほしい、こういう言葉をかけてほしいと思う主人公と最後にはしっかりと向き合おうとする母親。
心から「良かったね。」という気持ちになりました。
Posted by ブクログ
小学校に上がるまで叔母をママと認識して育てられた娘が、小学校からは産んだ母の元で暮らし始めるお話
小学一年生、六年生、中学から高校へと成長していく各時期が描かれている
町田そのこは私からどれだけの涙を搾り取ろうとしているのか
一話毎に泣けるシーンがある
その涙を促した感情は悲しさだけではなく、救い、赦し、癒やしの要素を含む
母と娘の関係を描くという意味では過去の本屋大賞ノミネート作と同じテーマではあるけど、今作は寄り添ってくれる人の存在に特に救われる
世の中には、育ててくれている「ママ」と、産んでくれた「お母さん」という二人の母がいるものと思っていた宙
厳しいところもあったが愛情込めて育ててくれた風海と、イラストレーターとして注目され自由な振る舞いが魅力的なお母さんの花野
二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だったが、宙が小学校に上がる時、風海の一家がシンガポールに転勤の話が持ち上がる
そこで、宙はどちらの親の下で暮らすか選択を迫られ、花野の方を選ぶ
今までは偶にしか会っていなかったために魅力的に見えた花野であったが、共同生活を送り始めると、宙の世話をすることもなく、ご飯の準備は人任せ、授業参観には来ないのに恋人とのデートには宙を連れていく
さらに、宙の内心を気遣う様子も見られないようだった
そんな宙を優しく支えてくれたのは、ご飯を作りに来てくれている、商店街でビストロを営む佐伯恭弘
恭弘は花野の後輩で、花野に恩があると思っている
花野への不満を溜め込んで家を飛び出した宙に、恭弘はとっておきのパンケーキを一緒に作ってくれ、レシピまで教えてくれた
その日から宙はレシピをノートに書き留めるようになる
・主な登場人物
宙
花野:宙の産みの親
風海:宙の叔母
恭弘:宙を気にかけてくれるビストロの店長(やっちゃん)
柘植:花野のマネージャー兼恋人
マリー:宙の同級生
鉄太:宙の恋人
遠宮廻:父親の刃傷沙汰起で高校を辞めた同級生
ヒロム:父親の起こした交通事故の許しを請う少年
智美:ビストロ サエキの従業員。恭弘の……
直子:恭弘の母
今作のテーマは「毒親」というものに注目されているように感じる
一般的ではない親が多数登場し、それが多段構造にもなっている
宙の母としての花野
花野と風海の母、そして祖母
風海も最初は理想的な母親に見えるが、実はそうではないことが伺い知れる
読み始めは風海が理想的な母親で、花野は母親として不適なように思えるけれども
年月が過ぎる事でその印象が変わっていく
宙を引き取ったことを後悔するような言動、花野と風海の父が違う事情、花野が実は料理ができるけどご飯を作らない理由
そんな花野も料理をするようになる
花野が母親になっていくというのもあるけど、宙と二人で親子になっていっているようにも思える
その二人の間を繋ぐ恭弘もいたけど……
また、マリーの母も一般的ではない
自らの望みを子供に託し、強要する母
マリーが、母性や親子の情を「かろうじて香る、プールに垂らした香水」と評しているのが悲しい
子供なんて、親がどう望もうと思ったようには育たないって
親だからではなく、どうしようもなく不器用な大人たちだと思う
花野、恭弘、マリーの母、鉄太の姉と父、智美、風海の父、5話の大人達なんて皆そう
あと、毒親や不器用な大人に伴って様々な問題が描かれている
不倫、育児放棄、モラハラ、ヤングケアラー、いじめ、贖罪、赦しの強要
大人だからといって何でもできるわけでもなく
子供も同じくできない事も多い
それでも、救われる人が多い社会であって欲しいとは思う
そんな様々な経験をしている宙の育ち方が気になる
鉄太と付き合い始めた理由が、「別れを経験してみたかった」というのは、この歳にしてはかなり歪んでいるなぁ
酷い理由ではあるけど、それでも受け入れる鉄太は良い奴なのか、それとも自分の当面の利益のみを追ってるだけなのか判断がつかない
まぁしかし、そのしっぺ返しが後にやってくるのだけどね
遠宮廻との関係が「耳をすませば」と似たシチュエーションではあるのだけど
二人が物語に求めるものの方向性の違いがなぁ
宙は適切に書かれてある答えを探し求めていて、遠宮は現実にはありえないハッピーエンドを受け取っている
遠宮にとって、それは救いにならないと思うのだけど……
どの話も重いけど、最終話が特に重い
過ちを犯した側が被害者に謝罪し、赦しを乞うのは暴力
そりゃぁ赦されてはいけない事はある
でも、それが過ちを犯した本人ではなく家族ならどうだろう?
ある意味で被害者でもあるけど、加害者側でもあるわけで、何より辛いかもね
この辺は「手紙」(東野圭吾)を読んだときにも思ったな
物語全体を通して、登場人物の印象が変わっていく
花野の印象が変わっていくのは当然として
風海も一旦は毒親だったのかという落胆もするけど、最終的には花野との関係性も新たに構築したり、家族としての再生が成されている
何より、恭弘の重要性がどんどん増していった
最初は、花野への一方的な想いを寄せているけど、物語の定番としては報われなそうという、可哀想な人物と思っていて
鉄太の家族を料理で癒やしたり、一時期は花野と付き合って再び幸せという山の景色を見せたり、智美を救い、寄り添ったり
何より、花野や宙の思考に影響を与えるまでの存在になるとはね
最終話では「ヒンメルならそうする」とばかりに「恭弘ならそうする」という想いからの行動だからなぁ
恭弘の存在が尊い
確かに、恭弘ならヒロムを放っては置かないだろうなぁと思える
町田そのこという作家は、家族という呪いを解く人なのだろうな
既存の常識や世間一般の理想とされる家族像とは違うけれども幸せな風景の方向へと向かっている家族を描いているように思える
本屋大賞で言うなら、「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ)も同じように一般的ではない形態だけれども幸せな家族が描かれていた
やはり、本屋大賞はこんなヒューマンドラマが私の好みなのだと自覚した
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この物語は、あなたの人生を支えてくれる
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。
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Posted by ブクログ
料理か出てくるストーリーが好きで、寺地はるなさんの作品からたまたま巡り会った一冊。
タイトルからほのぼのとした日常の話かと思いきや、、、母娘の変わった関係性から始まり、様々な出来事を経て家族や親子の在り方、愛する愛されるとはどの様なことか、を考えさせてくれる。出てくる登場人物が皆葛藤や悩みも抱えつつ、それでも人と人との繋がりを大切にする、心が暖まるストーリー。物語の後半は前半の話を思い出すとまた涙が止まらなくなりましたが、ひとつの区切りをつけて一歩踏み出す主人公の姿に、今の自分もまだまだ成長できると感じさせてくれる、素晴らしい読後感のある作品です。
著者の方の別の作品もぜひ読んでみたいと感じました。
Posted by ブクログ
私の周りにいる人も、はたまた街で通り過がるだけの人も、私が見えている面だけでは計り知れないような背景が、ストーリーが、たくさんあるのだと思った。
この世界は人の感情でパンクしてしまうくらい、感情が行き交い、巡り巡っているんだなと。
そして自分の苦しさも誰かに共有したくなる本だった。
プラスに捉えることが難しい過去があっても、この本を読むと前向きになって救われる人もいるかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
子どもが成長する過程で親の影響が大きいことを改めて感じました。それどころか良くも悪くも大きく人生を変えてしまう。
時間はかかるかもしれないけれど、何歳になってもやり直せるし、成長できる。ただそれには周りの人の支えも必要だと感じます。そして、困難にぶつかった時に支えになってくれた人への感謝の気持ちは、一生忘れないものだなと改めて思います。
宙と二人の母親との関係が明らかになっていく話もそういうことかと最後に分かってよかったです。
謝ることが暴力になってしまう、難しいなと思いました。自分がどうしたいかではなく、相手の気持ちを考えるということだと思いますが、やはり難しい。
Posted by ブクログ
評価が良いだけあってさすがの内容です。ネタバレになるので詳細は書きませんが、様々な経験をすることで、何歳になっても人は成長していくし、より人間らしく生きれていけるのだと感じました。
人に勧めたい一冊です。
Posted by ブクログ
どんなことにも正解はないし、誤った選択をして生きていくかもしれないけれど、自分が感じた愛や人の温かさは忘れずに、そして返していきたいと思えた。
読み進めながら、じんわりと涙が出る、温かい作品だった。
Posted by ブクログ
納得の高評価
最初はカノさんの未熟さに宙が可哀想でイライラしたけど、人ってそんなに強くないないよなって思った。どんどん助けてもらう温かさに、別れの寂しさに、惹き込まれて、涙しながら読みました。
親子ではなく家族の形、そして周りに支えてもらいながら生きること。幼少期の描写も解像度が高くてずっと苦しくて、でもとても優しい気持ちになりました。
温かいものを食べて、自分を満たすこと。自分を満たして、周りに手を差し伸べること。
これって、当たり前感すごいのに見落としがちで、やっぱり非常に大切なことだと思うんです。
人として大切な成長ができた気持ちです。本当に出会えてよかった。
Posted by ブクログ
母と家族、育児、愛を捧ぐ事を色々と考えさせられ、何度も涙が出てきた。泣いてすっきりできた1日。誰かの為にごはんを作ることは、素敵。読んだあと、自分の為だけに美味しいごはんを作り、食べた。
Posted by ブクログ
育児は、一筋縄ではいかないというより、正解があるわけではないことがわかる。子はその子がその目で見て聞いて、判断していく。その過程でどのような人に関わり、互いに見つめ合えるか、また見つめ合わないか、それによって人の人生の色が変化していくのだろう。大好きな作品。
Posted by ブクログ
最初の方は、宙が全然こどもらしくなくて、こんなに子供の時からこどもらしい振る舞いができない環境で育ったら、後からめちゃ荒れるに違いない、なんて思っていたんですけど。これはファンタジーだな、なんて。後から廻の、本に関する考えが出てきたときに、それそれ、その感じわたしもこの本に待ってる!と思いました。でも、最後の最後まで宙はいい子でした。これだけなら「ふーん」で終わる話なんだけど、数々のエピソードに胸がふみつぶされそうになり、最後の方は声が漏れるほど泣きました。謝罪は時に自分のためのものになってしまう、なんと重い言葉なんだろう。覚えておかないといけないなと思いました。
あとテッタが普通にサラッと浮気しててひどいなと思いました笑。マリーちゃんにもう一回出てきて欲しかったなぁ。
Posted by ブクログ
複雑な環境で育った宙(そら)とそこに取り巻く人々のお話
それぞれが色々な辛い悲しみがあって、そこに寄り添ってくれる人がいて、美味しそうな食べ物がたくさん出てきて…
最後の花野さんの行動には、わたしはちょっと複雑な気持ちが…わたしならできないな
読み応えあります!
Posted by ブクログ
宙、花野、風海、マリ-、鉄太、鉄太の姉と家族関係の問題を抱えている登場人物が次々と登場し、気持ちが沈みそうになった。しかし、作品の中には入り込み易く、短時間で読んでしまった。人は誰かに見守られる事で変わっていけるという展開は予想通りだった。
Posted by ブクログ
町田さんの作品はいつも重い。
重いけど、生きていく強さを貰える気がする。
ひとはどうしても自分のフィルター越しに世界を見てしまうものだ。
他人の喜びや苦しみを共に分かち合うことで、次へのステップを踏み出すことができるのだろう。
贖罪との正しい向き合い方にも考えさせられた。
「ひとはきっと、いつでも変化の一歩を必死に踏んで生きていく。たくさんのものを抱えて、大切なものを失って、それでもなお。その一歩は自分だけの力じゃない。たくさんの大切なひととの思い出や繋がりが奇跡のような力となって、手助けしてくれるのだ」
やっちゃん直伝の魔法のパンケーキで心が癒された。
Posted by ブクログ
波乱万丈な人生で感情を保つのが大変そうだったが、美味しそうな料理描写で緩和されていたため読みやすかった。
いろいろあるけど、とりあえず美味しいもの食べて気持ちを吐き出しましょう。少しは楽になるから。
そう教えられたお話でした。
Posted by ブクログ
【登場人物】宙(娘)、ママ(育ての親)、カノさん(生みの親)、佐伯(花野さんの後輩でビストロ・佐伯のオーナーシェフ)
柘植(カノさんの愛人、既婚者)
第2章、
柘植が心筋梗塞で死亡。正気を失ったカノさんが柘植家族に反対されてにもかかわらず、通夜葬式に出席しようとする。
柘植の娘、桃子「あんたを絶対に許さない。母の夫を、私の父を奪った、あんたは絶対に許さない」
実は桃子の娘は、宙の同級生マリーだった。
まさかの伏線回収にびっくり。マリーは、画家を目指して挫折した桃子の期待を一身に背負わされて育ったが、絵が下手だった。
そして、桃子はマリーに関心を示さなくなる。
マリーも、そら同様、母の愛情に飢えて育った。
しかし、2人は強く、孤独と戦いあって生きてきた。
達観しているマリー「母親に期待したら失望や哀愁をうむ。生活を共にする一員である集団である、母ではなく単なる【家族】だと思えばいい。そう俯瞰してみると、桃子は十分職責を果たしている。」
第3話
宙、中学3年、彼氏(鉄太)。
佐伯のやっちゃんが、3歳の子を連れて家に出戻りしてきた鉄太の姉(佳澄)に、温かいスープを与えて、癒しと安堵を与えるストーリー。
第4章
風海(ママ)がシンガポールから帰ったら、全くの別人に思えた。萠いわく、もとから束縛の強い、精神年齢の低い親だったと。
え!?そんなわけないと、思っていたが、カノさんに当たり散らす態度を見ていると、自分の思い通りにならないと、ヒステリックになるようだ。
異父姉妹の2人には、それぞれ幼少期に育った環境が違いすぎた。とくにみんなから愛されて育ったはずの風海が、カノさんを疎ましく思ってた。しかし、それはカノさんが残されたものは借金と見栄の呪縛であり、それをあえて、風海に伝えてなかったのだと言う。
宙に関しては、まさかの鉄太の二股が発覚して、別れることに。
【人の気持ちを軽視したら、いつか自分が軽視される】ということか。。
第5章
佐伯のやっちゃんがバイク事故で死んでしまった。柘植が亡くなったときは、あんなに慟哭していたカノさんは、苦しみや辛さを押し殺すように気丈に振舞っている。
そんな姿に、家政婦の田本は「悲しみ方も変わる」という、「悲しみ方だけじゃない、喜び方に愛し方、気持ちの伝え方。ずっと試行錯誤して噛みしめて生きているの。」
Posted by ブクログ
ごはんってやっぱり偉大…。
心や体が壊れているときこそ、丁寧なごはんが必要なのに、壊れているときは自分ではそれがなかなかできなくて。手を差し伸べてくれる人に素直に頼ることすらできなくて。
頼ることができたとき、もう治りかけているのかもしれないなぁ。
ずっと前から気になっていたのに、本屋で何度も手に取ったのに、何となく読めずにいた一冊。
心身に余裕があった8月。某古本屋のセールにてようやく読めました。
読んでよかった…、本当に。
やっちゃんとごはんの思い出が、しゅわしゅわメレンゲのふわふわパンケーキのように儚くも力強い。始めのパンケーキの章があってこそなんだけれど、最後のパンケーキの章がとても好き。
Posted by ブクログ
人間物語で本当に引き込まれた。
宙にとって花野さんとの生活は普通とは程遠く、読んでいて、どうしてここまで自分が産んだ子供に無関心になれるのかと腹立たしくなった。
でも、自分が大人になった今、愛情を知らない大人がいること、どうしても自分が可愛くて仕方ない大人がいること、はたまた全ての愛情を子供に捧げてあげることができる大人がいること、子供は何があっても全力で守らなければいけないものだと知っている大人がいること、色んな大人がいて、大人でも沢山間違うことを知っている。
そして今回この小説を読んで大人でもまだまだ成長できるし、それは自分の力だけではなく、どんな人と関わるのかで人生は変えることができる事を知った。
この物語の全てにやっちゃんの存在が関係していて、本当に愛に溢れた人だった。やっちゃんが与えてくれた愛を花野さんと宙がまた繋いでいく姿が本当に感動的だった。
今どこかで辛い思いをしている子供、大人、全ての人の近くにやっちゃんが居てくれたら良いのにと思う....。
Posted by ブクログ
小学校に入学するタイミングで
実の母親と暮らし始めた「宙(そら)」
なにひとつ母親らしくないカノさんとの生活を
支えたのは、心のこもった食事を作ってくれる人たちの存在だった。
少女がどんどん冷静にしっかり育っていく半面、
大人たちのふがいなさ、その内面、抱えているもの。
ラストはこの作者らしくほっとする展開でした。
Posted by ブクログ
いいお話でした。
人間の複雑な感情をわかりやすく文章にされてて、町田さんの表現力の高さに尊敬します。
しかし、表紙の感じとタイトルからほっこりした物語を期待していたため、思ってた感じと違う、と思ってしまいました。
重い話の連続で、ほっこり待ちだった身からすると疲れてしまいました。
でも、最後のほうの、パンケーキの話はとても感動しました。
やっちゃんと宙のように、血縁関係など関係なく、大切な何かはちゃんと次の世代に伝わって、受け継がれていく様子に温かい気持ちなりました。
Posted by ブクログ
出だしから、私にはママが2人いる、えー!?じゃあ片方は偽物じゃん!生みの親が本当のママだから、もう1人のママは偽物だ〜変なの〜、的な話から始まって、うっ!典型的な母親のいない子供への無邪気ないじめ!
佐伯さんみたいな人がいるかいないかが本当に超重要だとしみじみ感じる。料理を作る、食べてもらう、という行為が、家族の絆を確認する手段にもなるということ。他の本で、無理に家族で食べなくても良いという話を読んだばかりだったので、そうゆうパターンもあれば、今作のように不器用な母などを相手に愛情を感じるために、料理が必要であるパターンもある。
救われない現実みもあって、気軽に何回も読みたくなる内容ではなかった。