【感想・ネタバレ】宙ごはんのレビュー

あらすじ

本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化!

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづける。
──きっと、この物語はあなたの人生を支えてくれる。
文庫化にあたり、単行本の初版カバーに掲載した掌編に加え、書き下ろし掌編を収録。
解説は、作家の寺地はるなさん。

※この作品は過去に単行本として配信されていた『宙ごはん』の文庫版となります。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

宙の人生譚を通して描かれる、読めば優しくなれる物語。

町田そのこさんはすごい。
人の琴線に触れる小説を書く天才。
第一話から泣かされました。

この物語、「ごはん」をタイトルに置きながら、食事が話のメインに据えられてないのもすごく良かった。食事はあくまで物語の添え物というか…
自分自身食べることは好きだけど、この本の魅力はそこではないと思うので。
52ヘルツ〜や星を掬うも大好きでしたが、一番良かったかも。今後も町田そのこさんの作品は読みたいと思いました。

特に共感したのは、宙の独白シーン。
p362多分、本の中に自分の探してる答えがあるかもしれないと思ってる、から。わたしが本を手にしている時はそういう無意識の願いが存在していた。ひとを思うとはどんなものか、家族を思い、関係を築くとはどういうことなのか。それらの答えがきっとどこかにあると願って、物語に潜っている。
風海との関係、花野との関係、親たちの関係。みんながうまくいくためにどうしたらいいのか。たくさんの物語のどこかに答えがあると思いたかった。

自分の生活や周りの人たちとの接し方などの答えを探して、本を読むって、自分が本を読んでる理由として、正にそうだと思いました。
気づかせてくれて嬉しい。

以下、各章ごとの気に入った文章や感想。
ーーーーーーーーーーーーーー
第一話
p69「例えば、何かしてもらったら『ありがとう』、悪いことをしたら『ごめんなさい』。嬉しい時は笑って、悲しい時は泣く。こういうの、生まれた時から知ってるような気がするだろう?だけど、それは、小さなころからたくさんの愛情をもって繰り返し教えてくれたから、身についたんだ。当たり前に体に染み付いたのは、繰り返し教えてくれる存在があったからなんだ。でも花野さんは、教えてもらってないんだよ。子供はどうして愛されるのか、どういう風に可愛がられるのか。おやすみのキスも、頑張ったねのハグも、宙は知ってるんじゃないか?」
→自分が愛されて育てられたことを、宙とともに自覚させられました。お母さんだって、当たり前に「お母さん」をしてくれているわけではないのに、お母さんには完璧な「お母さん」を求めてしまうのって何なんですかね。

第二話
p98以前の姿の方が好きなのに。そう思うけれど、きっと、口にしてはいけないことだろう。佐伯を悲しませてしまうような気がする。だけど、ときどきふっと寂しくなる。同じ夏は来ないように、ひともまた変化し、同じひとには戻らないのだ。
『盆栽よ、盆栽』
佐伯の変化に戸惑う宙にそう言ったのは、花野だった。
『野放図に枝葉広げて気持ちよく生きるのは楽に見えるかもしれないけどさ、大きくなってくるとなかなか大変なんだよ。枝が重くて折れちゃうこともあるし、栄養が足りなくなって枯れちゃうかもしれない。自分を守るために自分自身を剪定しなきゃいけないときって、あんのよ。でもそれは自分の芯、幹を守るためだから、幹は絶対失われないのよ。だから、大丈夫よ』
→人の変化って、いくつになってもあると思います。いろんな経験をして、自分や身の回りの人を守れるように変わっていくことを「盆栽」に見立てることがそうだよなーと納得させられました。

p152「ママは私の望んでいる、期待している『母親』じゃない。でも、あたしの『家族』としてきちんと義務を果たしてくれてる。あたしはきちんとした生活を送れているし、これから先の日々に不安もない。少しの嫌とか失望は、私が勝手に『母親』に期待していただけのこと。ママは『家族』として、きちんと責任を負ってくれてるんだ」
〜中略〜
「あたしも『家族』の一員としてできることをやろう、っていまは思ってるんだ。ママの『娘』に対する期待には応えられない分、ママに対して『母親』の期待もしない。だけど『家族』として、ママが生活しやすいようにあたしなりのフォローをしよう、って。『家族』としてできる限りの努力をしようって。この考えになってから、心がすごく軽くなった。肩の力が抜けたっていうのかな。相手に期待しないっていうとすごく薄情に聞こえちゃうかもしれないけど、でもそれでいいんだよ、きっと」
→小学生のマリーちゃん達観しています。
でもこれは単にませているのではなく、経験からくる理解なんですよね。大人になって気づくのではないところが、何とも哀しい気持ちにもなる反面、若くして強い気持ちを育んで生活をしているマリーちゃんと宙が本当に偉いと思う。

第四話
p337「だからね、宙。日坂さんのことを悪く思っちゃダメだよ。感情のままに哀しいことを言ったからって、それが本心とは限らない。本気で相手と向かい合ってるからこそ、疲れることもあるんだと、あたしは思うよ」
→その通りだと思う。けど、感情的になってしまうと中々そのように思えないこともあることもよく自覚します。でも、そういうこともあるんだって思っておくことが大事な気がします。

第五話
p350田本は「哀しみ方も変わるのよ」と言った。宙ちゃんだって、子供のときのように泣き喚いたりしなくなったでしょう?花野さんもそう。ひとは変化して、成長していくの。哀しみ方だけじゃない、喜び方に愛し方、気持ちの伝え方。ずっと試行錯誤してひとつひとつ噛み締めて生きるのよ。
→本当にそう。近くにいる人が変化しても戸惑わずに受け止めてあげる必要があることもある。

p443ひとはきっと、いつでも変化の一歩を必死に踏んで生きていく。たくさんのものを抱えて、大切なものを失って、それでもなお。そしてその一歩は自分だけの力じゃない。たくさんの大切なひととの思い出や、繋がりが奇跡のような力となって、手助けしてくれるのだ。
→いろいろな人の気持ちやこれまでの経験が折り重なりながら、ひとは生きていけるんだなって思いました。素敵な物語です。

解説 寺地はるな
p459必然性があるとかないとかいう理由で登場人物の生死が決まるなら、それは物語じゃなくて、ただの都合のいい作り話だ。
物語はほんとうにあったこととは違うけれども、都合のいい作り話であってはいけない。
町田さんの作品が読者の心を揺さぶるのは、登場人物がきまったプロットに沿って駒のように動くのではなく、確かに生きて、「そこにいる」と感じさせてくれるからだろう。生きてる人間はまちがう。わたしやあなたが、そうであるように。
→めちゃくちゃいい解説だなーと思いました。
本を読んで、心がきちんと揺り動かされるのがすごいんです。
全然関係ないけど、この文章を読んで、某海賊漫画のキャラたちが物語を進めるだけの駒でしかなく、キャラとして死んでいるんだよなって思い出しました。(蛇足)

1
2025年09月07日

Posted by ブクログ

悲しい出来事もたくさんありましたが、読み終わりはあたたかい気持ちになりました。

宙と花野親子の関係性が、少しずつしっくり合っていく様子が、読んでいて心地よかったです。
途中で喧嘩もありましたが、その度に本音が聞けて、お互いに成長しているのが伝わります。

やっちゃん素敵すぎます。町田その子さんの小説で出てきた人物で、一番好き。

そして、各章で出てくる料理のシーンも良かった。
食べることを大事にすることで、人は元気になると改めて感じました。

1
2025年09月07日

Posted by ブクログ

育児は、一筋縄ではいかないというより、正解があるわけではないことがわかる。子はその子がその目で見て聞いて、判断していく。その過程でどのような人に関わり、互いに見つめ合えるか、また見つめ合わないか、それによって人の人生の色が変化していくのだろう。大好きな作品。

0
2025年12月08日

Posted by ブクログ

ほんわかストーリーを想像してただけに衝撃が大きかった。大人の事情や家族の距離感、逃げ場のない現実が重く刺さる。苦しさと希望が同じ重さで混在してて読後感がなんとも言えない。すごくよかった。

0
2025年11月19日

Posted by ブクログ

何度も泣きそうになりながらあっという間に読み終えた。幼い子供時代から寂しさや不満を自分で解決しなきゃと奮闘する宙ちゃんが健気で愛おしい。佐伯の存在が本当に暖かくて、物語の中で常に希望の光として寄り添ってくれる。最終章は特に読んでいて辛かったけど、考え得る限り最高のエンディングでした。赦してもらおうと謝罪することは暴力になること、日頃から忘れないでいようと思っていることなので、この作品でまた深く刻んでもらった。あと、大切な人を亡くしてしまうと、不在の事実が大きすぎて胸を塞いでしまうけど、その人からもらったたくさんのものを忘れずに自分のこれからの糧にすることも大事だと思い出させてくれました。

0
2025年11月18日

Posted by ブクログ

優しいタイトルの響きに誘われるように読み進めると、そこは修羅の世界。愛情、憎悪、絶望、悲しみに幸福。人間の剥き出しの感情が迫ってきて、心をえぐられる。かと思えば、美味しい料理で温められ、自然と涙が溢れる。
『笑って生きる』が出来たら上等だと、胸に刻んで生きていきたい。
やっちゃんは本当にいい男。

0
2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

  人生の現実の姿をありのままに描く作品

○この作品を読んで
 この作品は、生きることについてさまざまなことを教えてくれる。自分がこの本から学んだ人生のことを書く。

①ごはんの力
 会社の打ち上げや歓送迎会、政治の食事の場、晩餐会、初デートの場。これら全てに共通するのが、「ご飯(食事や飲み物)」があること。当たり前だけど、食事の存在って人間になくてはならないもの。それは、体のエネルギーとして必要ということではなく、人のつながりを作る上で必要だと思う。その重要性が、「宙ごはん」に詰まっていると思う。
パンケーキで元気になる宙、育児などで元気の無くなっている人へのポタージュ、一歩を踏み出す力をくれるチャーハン。美味しい食事には、無限の可能性があるのかと感じさせる物語だった。

②人の死について
 人は、突然死ぬ。それを、この作品で再確認できた。今目の前にいる人も、いつ死んでもおかしくない世界を生きている。解説の寺地はるなさんも「現実には必然性があると感じられる死など存在しない」という。自分の理想は、愛する人に囲まれながら亡くなることができることだと思うが、そうでない死が大半だろう。事故死、自死、病気による死など。今が永遠に続くことはないが、そう思い込んでいる自分がいる。その考え方をいい意味で壊してくれるのが、この作品(瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」も)

③人は変化して生きていく
 人は成長している、変化している。今してしまった失敗は、これまでやこれからの自分を否定されるような感覚を覚える時がある。しかし、そんなことは考えなくていい。だって、「ひとはきっと、いつでも変化の一歩を必死に踏んで生きていく」から。周りの人に支えられながら、時には失敗して大事なものを失いながらも成長して生きていく。だから、自分も今の自分に悲観し過ぎることなく、失敗を経験として活かしていくことが大事。

④謝罪の罪について
 「謝罪って、時には自分のためのものになってしまうんだね」この言葉は衝撃的で、ハッとさせられるものだった。謝罪って、何かやらかしてしまった時に、真っ先に思いつくし、子供の頃から「謝ること」≒「解決、許してもらえる」ということを教えてもらってきている。しかし、それを相手が受け取れる状態なのか、それで納得できるのか。と言うことは考えないといけない。さもないと、謝罪が「暴力」になるかもしれない。

特に、佐伯の食事を通して人の胃袋のみならず、人の心や生きる力を支える姿には感動した。「思いがこもった料理は、ひとを生かしてくれる。目の前の光景が、宙にそう教えてくれていた」料理には無限の可能性がある。最高の一冊。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

暖かくて大好きなお話
言葉だけを切り取ってはいけないなと学べたかなぁ
誰かの為に暖かい料理用意するってこんなにも素敵なことなんだな

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

涙がぽろぽろ出てくる素敵なお話でした。

宙ちゃんには、2人のお母さんがいる。
産みの親 花野さん(おかあさん)
育ての親 風海さん(ママ)
そして宙ちゃんの周りには支えてくれる人たちで
溢れていることにとても感動した。

宙ちゃんの過去や花野さん、風海さんの関係性
宙ちゃんの友人関係などもきめ細かく書かれていて
作品に惹き込まれていました!

そして寺地はるなさんの解説も良かった…。

自分自身の周りにも支えてくれたり、
愛してくれる人がいるだけで
こんなにも人生は幸せでいられるんだなと
改めて実感させられました!

0
2025年10月16日

Posted by ブクログ

ごはんがみんなの心を救ってくれる!って簡単な話ではなく、人々が苦しんで悩み抜いて、その傍らにそっと寄り添ってくれるごはん、って感じが良かった(イメージで話してます←)

赦しを請うことがときに暴力にもなるんだと、気づくことができた
読んでよかった

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

幸せとは何でしょうか?
主人公の宙ちゃんは決して恵まれている環境とは言えず辛いことも多いけど、周りの人たちに愛されてすくすく育つ。

幸せの定義は人それぞれだけど、ごはんを美味しく一緒に食べてくれる人がいると、やっぱりいいよね。とわたしは思う

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

辛い、悲しい、寂しい、大変な思いをした経験がない人生はないと思う。最後まで、読みながら涙がこぼれてくるのは、自分に当てはまる部分な沢山あり読んでよかったと実感。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

何度も辛いことが作中で起こる。
ただ宙を含めこの作品の登場人物はその度にそれでもそこで終わりじゃない、やり直せるんだ、前を向けるんだと教えてくれた。
美味しいごはんを大切な人と一緒に食べたくもなる。
感情が忙しいなと思った時それだけこの作品にのめり込んでたことにも気づいた。他の作品も読んでみたい。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

決して恵まれない環境でも、笑顔になれない日々でも、それでも足掻いて絶望して共に過ごす。その生活中にも温かみを感じる。幸せ、愛とはなんなのか。世の中の正義が問われている気持ち。辛い内容もつい続きが気になってしまう。きっとこの温度感が僕は好き。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

読んでよかった。
様々な出来事を乗り越えて変化し続ける親子の関係性や、それぞれの心の成長、そして人との関わり合いの中で生まれる温かみ。
それらを強く感じて感動が止まらなかった。

人間は間違うこともどうにかなってしまいそうなこともあるが、それでも大丈夫なんだと思わせてくれる作品だった。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

「生きている人間はまちがう。わたしやあなたが、そうであるように。」
寺地はるなさんの解説が、とてもしっくりきた。

宙や花野さんが成長していく物語なんだけど、そこにリアルな人間らしさが感じられて、どれもこれもが当てはまるわけじゃないけど、きっとどこかは共感できる。
一話ごとに成長していくから、とても読みやすい。
次の話は何歳ぐらいかな?宙や花野ややっちゃんはどうなったかな?と読み進める手が止まらない。

心があたたまったり、痛かったり、悲しかったり忙しいけど、読んで良かった。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ


宙がいい子すぎる…
産んでくれたのは「お母さん」、育ててくれたのは「ママ」。
それぞれに弱さや欠けているところもあるけど、
どうしてそうなったのかにはちゃんと理由があって、それに気づかせてくれるのは宙や佐伯さんなんだよなあ…
宙がぐれずに素直に育ってくれてよかった。私だったらぐれるかも。笑
あたたかさと切なさが混ざった、心に残る一冊でした

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

大人たちが抱える呪縛。それは子供たちにも伝染していく。
そんななか、たくさんの人に支えられ成長してく宙は、様々な苦難に対して、守られる立場から守そうとする存在へ、どうしたらよいのだろうと苦難を受け止め悩みながらも向き合う。
そこには、やっちゃんとやっちゃんの料理の存在が大きい。
宙のまっすぐな姿勢は、周りをも幸せにしていく。

読後、様々な感情があふれて何をどう伝えたらよいかわからない。
次々とおとずれる苦難、これでもかと読みながらも心が削られ揺さぶられ、涙が止まらなかった。泣きながら読んだ。
読んでいて苦しいのに読むのをやめることができず、最後、明るい兆しが見えたことに本当に救われた。

読んで苦しいのに救われる、町田そのこさんのほかの作品を読み進めたい。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ごはんってやっぱり偉大…。
心や体が壊れているときこそ、丁寧なごはんが必要なのに、壊れているときは自分ではそれがなかなかできなくて。手を差し伸べてくれる人に素直に頼ることすらできなくて。
頼ることができたとき、もう治りかけているのかもしれないなぁ。

ずっと前から気になっていたのに、本屋で何度も手に取ったのに、何となく読めずにいた一冊。
心身に余裕があった8月。某古本屋のセールにてようやく読めました。
読んでよかった…、本当に。
やっちゃんとごはんの思い出が、しゅわしゅわメレンゲのふわふわパンケーキのように儚くも力強い。始めのパンケーキの章があってこそなんだけれど、最後のパンケーキの章がとても好き。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

本屋大賞をとっていた作品なのと、作者の他の作品を読んで面白かったので、なんとなく買ってみた。

母が2人ってどんな状況だろう?私には共感できることないかな?と思っていたけど、ストーリーも面白いし考え方に学べることがたくさんあった。

美味しいごはんが出てくるのも魅力的!残酷だけど温かい作品だった。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

どこか歪な親子の形。
それでもその2人を繋ぐのは温かい料理。

読んでいてとても面白い、最後には心温まるストーリーでした。

人生の節目や、出来事の節目には思い出となる料理があり、それが主人公を励ます。

自分も家族を持ったり子供を持ったりしたときに、自分が料理を作らないとしても、思い出となる料理は何かしら欲しいなと、思いました。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

町田その子さんらしい、人の心情や人間関係を丁寧に描いた話。宙の幼少期から大人になるまでが5編ほどの短編でまとめられている。
コンビニ兄弟みたいなさわやかな話ではない。ドロドロした人間関係の中にも、人の成長や愛情が書かれている感じ。
やっちゃん大好き。
終わり方は、個人的にはスッキリしない。無難に終わらせた感じがする…。

売る

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

複雑な家庭環境で結構、重い内容だったが、各章、前向きな気持ちになれる終わり方で良かった。各登場人物の気持ちや心の変化の描写が凄いと感じた。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもって、大人が思ってるよりも大人。
だからこそ、護られなきゃいけないし、「誰か」が、側にいないといけない。

物語には、純粋な子どもと、ちょっと身勝手な大人がたくさん出てくる。
その「ちょっと身勝手」な中で、子どもたちがどう大きくなっていくか、が描かれたおはなし。

宙が、いろーんな大変に向き合いながら、ちょっとずつ大きくなっていくなかで、終盤。
やっちゃんが死んだ時は、どうして殺しちゃったのー!って、町田さんを恨んだ。

でも、伝えたかったのはこれかな、とも思った。
赦しを乞うことは、時に暴力になる。

それぞれが乞うた、赦し。
でも、みんな、赦されなかった。
でも、それを背負って、生きていくしかない。

本ではハッピーエンドです、ちゃんちゃん。ってなるかもしれないけど。きっと、物語のなかの現実はそうじゃない。
いつか、ラストまでの空白の間の、それぞれの話が知りたいな。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

宙やまわりの人の成長、ごはんを通して心が救われる話。
ややこしい関係だったり、不幸や事件があったり、こんなに詰め込まなくても感はあった。
人生何が起こるかわからない。周りから諦められてるような人が変わることもあるし、めちゃいい人だって死ぬ。自分のフィルターを通して見るものがそのまま真実ではなく、全く違うこともある。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

登場人物たちの人生が「ごはん」によって照らされる物語だった。
主人公はもちろん、周りの人々もそれぞれの問題に向き合い、成長していく。
その姿を見て、成長するには時に周りの助けを借りることも大切だと感じた。そして、いくつになっても人は成長できるのだということを学んだ。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

文章から登場人物に寄り添うご飯が具体的に想像でき、それぞれの立場からの思いを感じながら悲しさや嬉しさ色んな味が浮かんできた。
言葉で表しにくいけれど、人情の物語の中にそっと寄り添うようなご飯がある。
決して綺麗ではない家庭の中で子供ながらに宙が成長していき、家族の形も考えさせられた。自分が当たり前にできることは、教えてくれた人たちがいるおかげであること。一方自分にとっての当たり前が、他人にとってはそうでないこと。
また私はまだ恋、愛がわからず、若い時は一緒に山を登る人が正しいのかもわからないからこそ、大好きな人と登る練習をすることが大切の部分が刺さった。一緒に登り同じ景色を同じ眼でみたいと思える人に出会いたいなと思った。
そして個人的にはやっちゃんの人に対する寄り添い方、声かけの優しさや料理で人をつなぐ、支える姿がとてもカッコよく大好きだった。また読みたい!

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

人間物語で本当に引き込まれた。

宙にとって花野さんとの生活は普通とは程遠く、読んでいて、どうしてここまで自分が産んだ子供に無関心になれるのかと腹立たしくなった。

でも、自分が大人になった今、愛情を知らない大人がいること、どうしても自分が可愛くて仕方ない大人がいること、はたまた全ての愛情を子供に捧げてあげることができる大人がいること、子供は何があっても全力で守らなければいけないものだと知っている大人がいること、色んな大人がいて、大人でも沢山間違うことを知っている。

そして今回この小説を読んで大人でもまだまだ成長できるし、それは自分の力だけではなく、どんな人と関わるのかで人生は変えることができる事を知った。

この物語の全てにやっちゃんの存在が関係していて、本当に愛に溢れた人だった。やっちゃんが与えてくれた愛を花野さんと宙がまた繋いでいく姿が本当に感動的だった。

今どこかで辛い思いをしている子供、大人、全ての人の近くにやっちゃんが居てくれたら良いのにと思う....。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ごはん は「生きる」力になる。
宙の成長を通してエピソードごとに力を与えるメニューが登場する。

この作家さんは訳ありな登場人物&家族を描くことが多いのかな?52ヘルツ〜もそうだった。

文体はとても読みやすくイメージしやすい。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

たくさんの人に助けてもらった、育ててもらった、というシーンが良かった。それって周りにいる人ときちんと関わっていけていないと無理だと思う。めんどくさがるとダメだ。
1人でなんでもしなくちゃいけない、と、助けてもらうのが苦手になるのはなんでなんだろう。

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2025年08月07日

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