国内小説 - 小学館の検索結果
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銀座「四宝堂」文房具店
いつまでも涙が止まらない――。 銀座のとある路地の先、円筒形のポストのすぐそばに佇む文房具店・四宝堂。創業は天保五年、地下には古い活版印刷機まであるという知る人ぞ知る名店だ。 店を一人で切り盛りするのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。 両親に代わり育ててくれた祖母へ感謝の気持ちを伝えられずにいる青年に、どうしても今日のうちに退職願を書かなければならないという女性など。 困りごとを抱えた人々の心が、思い出の文房具と店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。 いつまでも涙が止まらない、心あたたまる物語。 -
神様のカルテ
2011年8月27日、全国東宝系にて映画公開! 第十回 小学館 文庫小説賞受賞、2010年本屋大賞 第2位。 神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇蹟が起きる。 栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。 そんな一止に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった…。 日本中の書店員が感涙し、発売1年足らずで映画化が決まった大ヒット小説。映画では櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、初の夫婦役で競演! -
鴨川食堂
京都発! 思い出の「味」、捜します。 第一話 鍋焼きうどん―― 一番おいしかったものにもう一度出会うのは難しい。 窪山秀治は数年前に妻を亡くし、定年後に新たな伴侶と巡り会った。彼女は秀治の大好物だけうまく作れないという。 第二話 ビーフシチュー――プロポーズされたレストランが思い出せない!? 師走に入ると、京の都もせわしない。二人の老婦人が、55年の食を求めて看板もない食堂に入っていった。 第三話 鯖寿司――おいしさに勝るのは、思い出というスパイス。 総理大臣である岩倉友海が探しているのは、50年も前食べさせてもらったおやつがわりの品だった。 第四話 とんかつ――“おいしい”の一言を、忘れる料理人はいない。 大分でピアノ教師をしている広瀬須也子の元夫は、京都でとんかつ屋を開いていたが、余命三ヶ月だという。 第五話 ナポリタン――おいしいものを食べると、泣けてくる。 浜松に住む女子大生・美月明日香が探しているのは、祖父が旅行先で食べさせてくれた黄色いスパゲティだった。 第六話 肉じゃが――男のソウルフードは、おふくろの味。 六本木ヒルズ在住の実業家・伊達久彦は、亡き母が作ってくれた肉じゃがを食べてみたいという。 -
ほどなく、お別れです
この葬儀場では、奇蹟が起きる。 夫の五年にわたる闘病生活を支え、死別から二年の歳月をかけて書き上げた「3+1回泣ける」お葬式小説。 大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。 「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです」--本文より ※この作品は単行本版『ほどなく、お別れです』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
クラシック リバイバル 女人追憶 全14巻 合本版
待望の合本版!! 少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊。 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。 -
腐魚の海
夜の海で助けた男は「怪物」だった――。 この海はね、きれいだけど、腐っているの―― 都内の中堅商社をリストラされた垂水柊一郎は、妻の故郷である暮内町に移住し、漁師として働きはじめた。しかし、妻は義父とともに釣りに出掛けたまま帰らぬ人となってしまう。 二人の死に疑念を抱きつつも何もできず、喪失感を持て余しながら漁に出ていたある夜、柊一郎は海に漂っている男を見つける。「イルナム」と名乗る北朝鮮人のその男を助けたことで、柊一郎の運命は大きく歪んでいく――。 横行する密漁、失踪した漁協事務員、悪しき因習、そして妻と義父の死の謎……。 地方の港町で一体、何が起こっているのか!? 究極の社会派ミステリー!! -
アルプス席の母
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。 秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!? 補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。 -
それいけ! 平安部
ピュア度100%! ハートフル青春小説! いみじ! 新入生、部活つくったってよ 県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった平尾安以加から「平安時代に興味ない?」と牧原栞は声をかけられた。「平安部を作りたい」という安以加の熱意に入部を決めるが、新部を創設するには5人の部員が必要だった。あと3人(泣)!! クラスメートから上級生まで声をかけ、部員集めに奔走するが── 「平安部って、何やるの?」 《平安部員求む!》 わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか? ◎平尾安以加(ひらお・あいか) 1年5組 平安時代大好き。 ◎牧原 栞(まきはら・しおり) 1年5組 赤染衛門似 ◎大日向大貴(おおひなた・だいき) 1年2組 中学まではサッカー部 ◎明石すみれ(あかし・すみれ) 2年1組 元百人一首部の幽霊部員 ◎光吉幸太郎(みつよし・こうたろう) 2年3組 元物理部 イケメン -
みちひらきのおかげ犬
一匹の犬のお伊勢参りが、かたい心をほどく。 「この子は『おかげ犬』で、名前はシラタマです。人の言葉がわかるかしこい子です。どうか、お伊勢参りを手伝ってやってください。貴方にも御利益があると信じております」 飼い主の手紙を携えて、たった一匹で、お伊勢参りの旅を続ける白い犬、シラタマ。江戸時代、飼い主に代わってお伊勢参りをした「おかげ犬」という犬たちがいた。シラタマは、現代によみがえったおかげ犬なのだ。 恋人に置き去りにされた女性、死を覚悟した老夫婦、母を失った少女、行方不明の息子を捜す母親、そして――。 旅の途中でシラタマが出会うのは、それぞれに行き場のない思いを抱えた人たち。人なつこいこの白い犬とふれあううちに、固く閉ざした心が少しずつほどけ、誰もが「これが真実だ」と信じていたことの奥に、思いがけないもうひとつの真実が見えてくる。 飼い主とは、何者なのか。なぜ、この子をたった一匹で旅立たせたのか。 謎がほどける。心がほどける。涙こぼれる連作小説。 ――前に進んだ分、未来も変わる。 -
めしのせ食堂
ご飯が進む「めしのせ」が主役の小説です。 東京の東、葛西の住宅街にある「めしのせ食堂エコ」はカウンター5席の小さな店。デパートを定年退職し、自宅を改造して始めた女将の自慢のメニューは羽釜で炊いたご飯と味噌汁やスープなどの汁物、そして各地から取り寄せた「ご飯のおとも」の数々。そんな店にしたのは「めしのせの伝道師」こと長船クニヒコとの出会いがあったから。長船はバイヤーとして日本中を飛び回り、各地の名産や逸品、新商品を買い付けては店へ持ってきてくれる。醤油や味噌のコク、ニンニクやキムチ、カレーの風味などは食欲をそそり、オリーブオイルやラー油に漬けたものはパスタにも合う。営業時間は夜6時から深夜12時まで。出勤前のスナックのママや仕事を終えた会社員、工事現場の作業員、アルバイトの若者たちで、連日、賑わいを見せる。今宵も女将は「めしのせ」を薦めると、なんとはなしに語り出す客の身の上話に耳を傾けるのだったーー。『山口恵以子のめしのせ食堂』(小学館)から小説を大幅に加筆して待望の文庫化。小説家・山口恵以子の大人気文庫作品『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『ゆうれい居酒屋』に続く「食と酒」の新シリーズが誕生。 ※この作品はカラーが含まれます。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『山口恵以子のめしのせ食堂』 を加筆した文庫版となります。 -
ネコの手を借ります。
孤独な人生が、ネコとの出会いで大転換! 志望する国立大学に進学するも、人間関係につまずき中退し、引きこもりになってしまった今津宗也。気がつけば10年の時が経ち、家族との仲もどんどん悪くなっていった。 そんなある日、宗也は側溝に閉じ込められ助けを求め鳴き続ける子ネコの声に気づく。大雨の中、その声をどうしても放っておくことができずに、宗也は子ネコを救出し、マリンと名づけ育てることを決意する。そしてこの決断が、孤独な彼の人生に大きな変化をもたらすことになり――。 マイナス続きの人生が、ネコとの出会いで大転換! 『ひかりの魔女』『迷犬マジック』の著者が贈る、小さな奇跡の物語。 -
臨床の砦
小さな病院は命がけでコロナに立ち向った。 『神様のカルテ』著者、最新作! 感染症指定医療機関でコロナ禍の最前線に立ち続ける 現役医師が自らの経験を克明に綴った記録小説! 「対応が困難だから、患者を断りますか? 病棟が満床だから拒絶すべきですか? 残念ながら、現時点では当院以外に、コロナ患者を受け入れる準備が整っている病院はありません。筑摩野中央を除けば、この一帯にあるすべての病院が、コロナ患者と聞いただけで当院に送り込んでいるのが現実です。ここは、いくらでも代わりの病院がある大都市とは違うのです。当院が拒否すれば、患者に行き場はありません。それでも我々は拒否すべきだと思うのですか?」――本文より ※この作品は単行本版として配信されていた『臨床の砦』の文庫本版です。 (底本 2022年6月発行作品) -
犯罪前夜
破格の社会派エンターテインメント! 犯罪へのアプローチ、犯罪からのアプローチ。なるほど、そこを攻めるか! ―――今野敏氏 物語が進むごとに心拍数は上がり、予想外の展開に拳を強く握り締め、そして胸が熱くなる。これぞエンターテインメント! ―――薬丸岳氏 本当に面白くて一気読みでした! あらゆる人物の吐息が伝わる傑出した迫真力。混沌とする社会に打ちひしがれまいと戦う全ての人々のためのドラマだ。 ―――冲方丁氏 大阪市内で起きた強盗殺人事件。闇バイトによる犯行と思われるが、大阪府警本部捜査一課の高城が犯人グループを追って大阪港へ到達すると、観光帆船のシージャック事件へと発展してしまう。制圧のために海上保安庁特殊警備隊(SST)の岸本らが突入するが、船では思いもよらない事態が待ち受けていた――。 悲劇的な幕切れを迎えたシージャック事件には、多くの謎が残される。犯人たちはなぜ犯罪に手を染めることになったのか。シージャックされた船の中で、本当は何が起きていたのか。やがて高城と岸本が辿り着く衝撃の真相とは? 警察小説の名手が時代を切り取る、破格の社会派エンターテインメント! -
きずもの
5年ぶりの長編小説、新たなる代表作。 小説家・松川貢は、郷里の幼馴染みである田持猛とゆるやかにSNSで繋がり続けていた。 運動が得意だった猛は、貢にとって仰ぎ見る存在だったが、いまやその関係性は真逆のものになっていた。 某写真家のパーティーで貢と出会った遥は、ある出来事を機に、カナダ・バンクーバーで生活を続ける親友の万千花のルームシェア相手になる。 幼少期から互いを知る二組には、それぞれの時間が着実に流れていた。 執筆3年。 絶望と勇気が肩を組んでやってくるような、 直木賞受賞作「サラバ!」、がん治療ノンフィクション「くもをさがす」著者の新たなる代表作。 ※この作品はカラーが含まれます。 (底本 2026年9月発売作品) -
宙ごはん
本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化! 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だった。 宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。 代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづける。 ──きっと、この物語はあなたの人生を支えてくれる。 文庫化にあたり、単行本の初版カバーに掲載した掌編に加え、書き下ろし掌編を収録。 解説は、作家の寺地はるなさん。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『宙ごはん』の文庫版となります。 -
沈黙と爆弾
【第4回警察小説新人賞受賞作】 「書きぶりは堂に入っており、プロとしてやっていける風格をたたえていた」 東山彰良氏(選考委員) 「文章力が高く、スピード感もあり掴みは抜群」 柚月裕子氏(選考委員) 熊本県警本部警務部監察課の阿玉清治は非違事案の調査を命じられる。爆発事件に巻き込まれて意識不明となっている刑事の澤守が、暴行騒ぎを起こしていた疑いがあるというのだ。警察の威信に傷がつかない無難な着地を求められた。時を同じくして、熊本地震をきっかけに失声症を患っている小学生の息子が、動物殺しの疑いをかけられる。阿玉は妻や息子との関係に心を砕きながら、非違事案の調査を進めるが――。感涙の家族小説×超弩級の警察ミステリ。 -
星の集う場所
普通のサラリーマンが、南極に挑む! 重機メーカーに勤務する植野は、ある日、会社から南極観測隊への派遣を打診される。 一歩間違えれば死にかねない極地の過酷な環境を知り、一度は断ろうとする植野。しかし、南極で隕石を研究していた片瀬に一目惚れし、自分でもわけがわからないまま打診を承諾してしまう。 その後、数々の訓練を経て南極に向かう植野だったが、砕氷船で同室になった研究者の志村から「今年の調査計画には、何か裏がある」と聞かされる。 やがてその裏には、5年前、南極での隕石探査中に行方不明となった片瀬の婚約者・三島が関係していることが明らかになり――。 「日本ドラフト文学賞」発、絶賛のデビュー作。“普通”のサラリーマンが極地に挑み“隕石”を追う、新感覚・冒険ドラマ! -
森崎書店の日々
日本の小説作品として異例の大ヒット! 恋人から突然、「他の女性と結婚する」と告げられた貴子は、深く傷つき、ただ泣き暮らす毎日をおくることになった。 職場恋愛だったために会社も辞めることになり、貴子は恋人と仕事をいっぺんに失うことに。そんなとき叔父のサトルから貴子に電話が入る。叔父は妻の桃子に家出され、ひとり神保町で「森崎書店」という古書店を経営していた。 親類の間では変人として通っていた叔父からの連絡は、「店に住んで、仕事を手伝って欲しい」というもので――。 50の言語で翻訳オファーが殺到し、世界的大ヒットを遂げたヒーリング小説の傑作が新装版で遂に登場。巻末には書き下ろしの掌編、「午後の来訪者」も収録。 -
喫茶おじさん
それでも、コーヒーは今日もうまい。 松尾純一郎、57歳。 大手ゼネコンを早期退職して、現在無職。妻子はあるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、現在は別居中だ。 再就職のあてはないし、これといった趣味もない日々の中、ふらりと喫茶店に入る。コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。 趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。 東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都── 「おいしいなあ」 「この味、この味」 コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎には、苦い過去がある。妻の反対を押し切り、退職金を注ぎ込んで始めた喫茶店を半年で潰したのだ。 たくさんの問題を抱えながら、男は今日も喫茶店へ向かう。閉ざされた夢の扉は再び開かれるのか? 滋味深いグルメ×老後×働き方小説。 解説は、編集者の岡本仁氏。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『喫茶おじさん』 の文庫版となります。 -
病棟
「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…。 33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の“後悔”が聞こえてくるのだ。 「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」 聴診器の力を借りて、“もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!? ●dream――千木良小都子(33歳) 母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて… ●family――日向慶一(37歳) 俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。 ●marriage――雪村千登勢(76歳) 娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で… ●friend――八重樫光司(45歳) 中三の時の、爽子をめぐるあの“事件”。俺が罪をかぶるべきだった。 この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。 もしも、この歳で死ぬことを知っていたら… 家族、結婚、夢、友情。 女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!! -
ふくふく書房でお夜食を
元料理人の書店主が贈る心あたたまる物語。 古びた商店街にある小さな書店「ふくふく書房」。店を切り盛りするのは元料理人の夏郎とその娘の成、そして看板犬のフクコと猫の大福だ。書店の営業時間は夜八時までだが、閉店後ごくごくたまに、店前に灯りがつき食欲をそそるいい香りが漂い始める――。 同棲中の婚約者の浮気現場を目撃してしまった女性に、女手ひとつで育てあげた娘が巣立ち寂しさを覚える母親。 困りごとを抱える人々が訪れるのは、書店兼食事処という夜の小さな休憩場所。寡黙な店主が作る夜食と娘が作るデザートが、疲れた心を癒やし、明日への元気をくれる。心あたたまる感動の物語。 -
蜻蛉の夏
命を削り今を生きる「止観の道士」たち。 時に精神は現実を凌駕する―― 織田信長が天下統一へ向け着々と歩みを進めていた元亀元年(一五七〇年)、京の街でこれまで交わることのなかった「止観の道士」たちの運命が交錯する。 「水観」の円四郎、「炎観」の平助、「月観」の桂月。 現実と幻想の狭間で揺れる自己矛盾、その道士という生き方にあえぎながらも、厳しい修行の末に彼らが得た止観の力は、やがて到来した織田家との戦いに大きな影響を与えていく――。 歴史上一切語られることのなかった儚き者たち。 その生の輝きと熱情が、乱世の闇を鮮烈に切り裂く! 『ヒートアイランド』 『ワイルド・ソウル』 『室町無頼』に連なる 垣根ワールドのエンターテインメント最高到達点!! 「25年小説を書いてきて初めて、全てをエンタメに振り切った物語を書いた」(著者) -
GOAT meets
作家と出会う 作家も出会う。 大反響の「GOAT」に姉妹誌が誕生します。 その名も「GOAT meets」。読者が作家たちと出会う場として、そして作家自身が新たなテーマと出会う場として、2025年7月24日に船出します。 第一特集は、金原ひとみ氏、朝吹真理子氏による「韓国文学を旅する」――芥川賞作家が、イ・ラン氏ら韓国人クリエイター、チェ・ヘジン氏やペク・スリン氏ら韓国人作家と邂逅し、その取材体験を書き下ろし小説として発表する前代未聞の試みです。 ・女優・唐田えりか氏のインタビュー「表現者として必要なことは韓国から学んだ」、韓国の人気作家チョン・セラン氏、映画監督・山中瑶子氏による特別寄稿もお楽しみに! ジャンル横断にも積極的に取り組みます。漫画家今日マチ子氏には、名著『cocoon』から15年の節目として、戦後80年の沖縄を訪れ、その風景を描き下ろしてもらいます。そのほか気鋭のライター・ワクサカソウヘイ氏による「タンザニア巨大見聞録」、そして、闇文芸四天王(!)も登場するという噂。 ■執筆予定 小佐野彈、小田雅久仁、乙一、小泉綾子、櫻木みわ、愼允翼、白川優子、滝口悠生、中山祐次郎、乗代雄介、星野智幸、李琴峰……(敬称略) ※この作品は一部カラーが含まれます。 ※本電子書籍に掲載されている二次元バーコードは、端末の機種やアプリの仕様によっては読み取れない場合があります。その際はURLからアクセスしてください。 -
人質の法廷
法治国家の欺瞞を暴くリーガルサスペンス! 駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、突如、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件――遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。警察による自白強要が疑われた。 志鶴が刑事司法を志した背景には、高校時代の友人のバイク事故死がある。自動車運転過失致死と処理されたが、彼女は冤罪を疑っている。そんな過去を持つ志鶴は、依頼人の潔白を晴らすため奔走する。 そこに立ちはだかるのは起訴有罪率が99・9%という現実だった。逮捕イコール犯人という世間の目。「人質司法」とも称される長時間勾留で有利に捜査を進めようとする警察・検察。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、孤立無援の志鶴は依頼人を救い出すことはできるのか――? 構想・取材期間8年に及ぶ超弩級リーガルサスペンス。 -
恋とか愛とかやさしさなら
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。 カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。 信じるとは、許すとは、愛するとは。 男と女の欲望のブラックボックスに迫る、 著者新境地となる恋愛小説。 わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。 ――高瀬隼子(作家) 僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。 ――けんご(小説紹介クリエイター) 女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。 ――スケザネ(書評家) -
GOAT
【電子版限定特典 ゴートくんのデジタルアクリルスタンド付き!】 ジャンル、国境を越える豪華執筆陣の文芸誌。 紙を愛してやまない《ヤギ》にちなんで名づけた、《Greatest Of All Time(=かつてない)》文芸誌が誕生! ジャンルや国境を越えて豪華執筆陣が集結しています。 ○大特集「愛」 【小説】 西加奈子 小川哲 市川沙央 パク・ソルメ 島本理生 冲方丁 麻布競馬場 葉真中顕 芦沢央 チョン・ヨンス 長塚圭史 嶋津輝 戸田真琴 【短歌】 朝吹真理子 小佐野彈 高瀬隼子 スケザネ 【 詩 】 大崎清夏 小原晩 水沢なお 【哲学対話】 永井玲衣×『GOAT』編集部 【エッセイ】 アフロ(MOROHA) 塩谷舞 チョン・セラン 町田そのこ ワクサカソウヘイ 【インタビュー】 一穂ミチ ○『GOAT』×monogatary.com 文学賞 [選考委員長:加藤シゲアキ] 総応募数753作から大賞受賞作を誌上で発表! ○私の「GOAT本」 上白石萌音 けんご 斉藤壮馬 鳥飼茜 夏川草介 三宅香帆 ○出せなかった手紙 彩瀬まる 佐原ひかり ○短編小説 尾崎世界観 蝉谷めぐ実 安壇美緒 乗代雄介 八木詠美 大木亜希子 野崎まど その他、特大企画多数! ※電子版では、掲載されないページや、掲載順序が違うページなどがある場合がございます。 ※本書に掲載されている二次元バーコードは、デバイスの機種やアプリの仕様に よっては読み取れない場合もあります。その場合はURLからアクセスしてください。 ※この作品は一部カラーが含まれます。 (底本 2024年11月発売作品) -
ジェットマン
脚本を手がけた井上敏樹による書きおろし、雨宮慶太監督のイラストでおくる、戦隊ヒーローノベル待望の電子書籍化! バードニックウエイブを照射することで、人間の細胞を飛躍的に活性化させるジェットマン・プロジェクト。5人のジェットマンを誕生させるはずだった計画は、最初のひとり、天堂竜への照射直後、人類抹殺をもくろむバイラムの攻撃によって頓挫した。残りのバードニックウエイブは地表に散らばり、誰ともわからぬ素人4人がジェットマンになってしまったらしい。計画の立案者・小田切綾と竜は、4人を探し出し、ジェットマンとして戦うよう説得を試みるが…!? TVシリーズの脚本を手がけた井上敏樹が書きおろし、雨宮慶太監督による美麗イラストでおくる、愛憎渦巻く大人のヒーローノベル第1巻、待望の電子書籍化! ※この作品は一部カラーです。 -
偏差値70の自転車競技部
僕たちに行けない場所なんてない! 小学校四年生の康太郎は、教育熱心な両親の元、放課後に弁当持参で塾に通う日々を過ごしていた。成績は常に県内トップクラス。自宅の蔵書を読み漁り、読書好きな祖母に感想を話すことを楽しみにしていた。ある日、坂道を猛スピードで下りてくるマウンテンバイクとぶつかりそうになる。同級生のタツルだった。この出来事をきっかけにタツルと仲良くなった康太郎は、自転車の楽しさにのめりこんでいく。六年生へ進学する春休み、県内最難関校・海應中高の「自転車競技部」の練習を目撃する。「僕もロードレースの大会に出たい」それは康太郎にとって、はじめて意識した人生の進路だった。家族の問題を抱える中、迫りくる中学受験。果たしてその結果は?大ヒット作『偏差値70の野球部』著者による、圧巻の新シリーズが幕を開ける! -
がんフーフー日記
佐々木蔵之介×永作博美出演の映画原作! 長年の友人関係にあったふたりは、09年3月に入籍。川崎に新居を構えた。そして1か月後の4月に妊娠が発覚。どこにでもあるような新婚生活を過ごしていた。 ところが、体調不良を訴え続ける妻が検査を受けた同9月、腸に悪性の腫瘍があると、告げられる。リンパ節の転移もあり、第3期だった。そして妊娠9月目で、帝王切開で長男を1481グラムで出産。その後、妻の病状は、徐々に悪化し、抗がん剤治療などの副作用に苦しみ、実家の福島県いわき市に戻る。 友人たちのサプライズパーティーなどもあったが、10年7月に38年の生を閉じた。 「こんな闘病記があったのか」という読後感を思わず覚えてしまう、妻の最期を夫が描き取った「10か月の生の記録」。 -
あなただけに許す距離
満たされない恋と人生。珠玉の恋愛短篇集。 「きょう、いま、わたしは愛する人にやさしくされたいのだ」 満たされない恋とままならぬ人生を情感豊かに綴った、珠玉の恋愛短篇集。 はじめはただの推しだった。ファストフード店の飄々とした店員。非常識だけれど情緒はある男に、振り回されながらも、わたしは恋を愉しんでいる。愛されているかどうかってそんなに重要なんだろうか。自分が相手を好きかどうかよりも?(「パーソナルスペース-9.8cm」) 日菜は24年生きてきてはじめて知った。空白ができると好きと言いたくなること。セックス後の彼氏はセックス前の彼氏より百倍恰好よく見えること。なのに彼氏は言う。「俺の優先順位を、もう少し下げてくれない?」。なぜそんなことを言われなければならないのか。(「恋と厚顔」) あのとき彼と結婚していたら、もっと違う現在があったのだろうか。「そんな結婚、変」。5年前はそうとしか思えなかった。ふっと、彼の香りが蘇る。あの不思議な二人はいま、幸せに暮らしているだろうか。(「卵とキウイ、あるいは跨線橋」) -
処方箋のないクリニック
メスを入れるのは病気じゃなくて人間関係! 『感染』で第1回小学館文庫小説賞を受賞。医療ミステリーの第一人者仙川環が贈る新境地。 「こんな先生に診てもらいたい!」書店員さん絶賛の医療小説。 東京郊外にある古びた洋館。そこには先端科学では治せない患者と家族の「人生」を治療する名医がいる。凄腕、イケメンだけど、ちょっと変わり者の医師青島倫太郎。 目が悪くなったのに車の運転をやめない父。怪しげなサプリにはまる母。民間治療に心酔した妻……。そんな患者を持つ家族たちはどうしたらいいのか。スイーツと紅茶の香る古い洋館の診察室を訪れた患者と家族は、青島と話をするうちに、隠していた心の内を打ち明けてしまう……。 現代の赤ひげ先生が、鮮やかに患者と家族のトラブルを解決するハートウォーミングお医者さん小説。 ※この作品は単行本版『処方箋のないクリニック』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
官能文学電子選集 藍川京『修羅の舞い』
日舞の家元、弥之輔は、親友の日本画家・水越豊彩と共に美女をなぶることを至上の喜びにしていた。そんな弥之輔の前に美人姉妹が現れるのだが・・・・・・。 日舞の家元、東雲流三代目弥之輔は好色家としてつとに知られていた。めぼしい弟子に手をつけることなど朝飯前だ。そして、親友で日本画家の水越豊彩もまた変態として有名だった。共通の趣味は二人がかりで美女をなぶりものにすることだった。複雑な家庭に育った10代の弟子である矢霧を呼び出し、素っ裸にした上で豊彩がデッサンを描き、弥之輔が弄ぶのだ。その上でテレビ局の重役に処女を差しだして、流派を大きくしようと目論んでいた。 そんな弥之輔の前に二人の美人姉妹が現れた。姉は弥之輔に弟子入り志願してきた菅谷和歌子、妹は銀座のクラブ『絢』のママ、広瀬夏美であった。舌なめずりする弥之輔と豊彩。しかし、彼女たちは実母の復讐のために現れたのだ。彼女の実母はまだメジャーになっていない頃に弥之輔の求めに応じて、金の工面をして、身体をおもちゃにされながらも最後にはボロぞうきんのように捨てられていた。 入念に復讐の準備を進めてきた姉妹だが、ひょんなことから素性を知られてしまう。そして、逆に剃毛、アヌスなぶり、ワカメ酒、強制レズ・・・・・・と二人は弥之輔と豊彩のどす黒い欲望の餌食となり、転落の渦に飲み込まれていくのだった。 -
三浦綾子 電子全集 泥流地帯
誠実に生きる人間に自然は容赦なく襲いかかる。「苦難の意味」を真正面から問いかける感動の長編。 上富良野郊外で、開拓農民の祖父母や兄、姉、妹と暮らす耕作は、中学進学をあきらめ、小学校の代用教員として、一家の生活をわずかながら支えている。そこへ、長い間離れて暮らしていた母が帰ってくるという吉報が届く。そんなとき、十勝岳が突然大噴火、一帯を泥流が襲う……。1926(大正15)年5月に実際に起こった十勝岳大噴火を背景に、懸命に生きる人間の姿を描く感動の長編。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、十勝岳中腹に立つ著者写真等を収録! -
P+D BOOKS 残りの雪 上・下巻 合本版
待望の上・下巻合本版!! 古都鎌倉に美しく燃え上がる宿命的な愛。 夫は、なぜ失踪したのか? 理由なき別れに苦しみ、無為不安の日をおくる里子は、40代の会社社長で、骨董の目利きでもある男、坂西と出会う。妻子を捨てた夫と、年上の女との情事が日々うつろなものに変っていくのとは対照的に、二人の愛は古都鎌倉の四季の移ろいの中で、激しく美しく燃え上がった……。 日経新聞に連載され話題を呼んだ長編小説。男女の宿命的な愛を鮮烈に映すとともに鎌倉や京都を舞台に、和服や自然を通して日本の四季が美しく描写されており、作品の魅力に彩りを添えている。 -
羊の国の「イリヤ」
この男、絶体絶命! 悪夢のような小説。 食材偽装を告発し経営を刷新しようとした役員への協力を疑われ、子会社に左遷された50歳のサラリーマン、入矢悟。 食品加工工場の過酷な業務に耐えかねて本社への復帰を図ったが、冤罪での逮捕をきっかけに解雇され、家庭は崩壊する。 さらに悪徳プロダクションの罠にはまった大学生の娘に助けを求められるが、歌舞伎町のプロダクションを訪ねたその日、娘に渡そうとした最後の有り金を根こそぎ奪われる。 働き口を求めて、留置場で同房だった男に聞いた自動車修理会社に出向いてみると、今度は経営者が自殺を装って殺害される現場に遭遇してしまう。 入矢もその場で殺されそうになるが、娘を救い出したいと必死に命乞いをして、半年だけ命の猶予をもらう。 「きょうは十月十三日だ――あんたの寿命は、長くても来年の四月十三日までってことだ」 そこにいた殺し屋、四科田了は、あらゆる常識を超越した男だった。四科田の指示どおりに動く日々が始まった。 残された日々で娘の行方を突き止め、救出することはできるのか。そして、四科田から逃げのびることはできるのか。 中盤からの目くるめく展開は圧巻の一語に尽きる。一気読み必至のエンターテイメントだ! ※この作品は単行本版として配信されていた『羊の国のイリヤ』の文庫本版です。 -
口福のレシピ
隠し味のルーツをめぐる「食」の家族小説。 留季子の実家は、江戸時代から続く老舗の料理学校「品川料理学園」。いずれは継ぐものという周囲からの圧迫に耐えられず、大学卒業後はSEとして企業に就職した。しかし、食べることも料理をすることももともと大好きな留希子。SNSでレシピを発信しているうちに、料理研究家としての仕事も舞い込むようになる。アプリ開発会社と組み、大型連休に向けた簡単でおいしい献立レシピの企画を立ち上げるが、留季子の思いと、忙しい女性たちの現状はいつの間にか乖離し、アプリ制作は難航した。一方、昭和二年の品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜の白芹(セロリー)と格闘していた。どのように調理すれば美味しく食べてもらえるのか。しずえは、蕗と同じように小さく切って、少量の油で炒め、醤油と味醂、砂糖で炒りつけた。留希子としずえ、二人をつなぐ一皿の料理の隠し味をめぐる「食」の家族小説。巻末に、著者の原田ひ香さんと料理家・飛田和緒さんの対談を特別収録。 ※この作品は単行本版『口福のレシピ』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
トヨトミの世襲~小説・巨大自動車企業~
衝撃の巨大自動車企業小説、ついに完結! 「99%が真実」という噂で書店から本が消えた!? 気鋭の経済記者が「覆面作家」となって、初めて書くことができた「世界一の自動車メーカー」禁断の真実。あまりに詳しすぎる内部情報や関係者しか知らない極秘ネタを小説に偽装したノンフィクションではないか……そう噂され、発売と同時にベストセラーとなった超問題作『トヨトミの野望』と続編『トヨトミの逆襲』。その「完結作」がついに発売! 世界中を襲った未曾有のパンデミックのなか、巨大自動車会社トヨトミも待ったなしのEV(電気自動車)シフト転換を迫られていた。しかし、販売ディーラーの相次ぐ「不正事件」や持ち株比率たった2%の創業家の「世襲問題」など暗雲が垂れ込める。カギを握るのは“トヨトミの母”と呼ばれる元女優の謎の老女。彼女がひた隠す「豊臣家の秘密」とは──。 「本書の内容のどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか。これについて、巨大自動車企業に極めて近い経営者は99%が事実と私に言い切った」(夏野剛氏、『トヨトミの野望』文庫版解説より)綿密な取材をもとに描き、経済界を震撼させてきたトヨトミシリーズ。 その“衝撃のラスト”を見逃すな! -
トヨトミ
経済界を震撼させた超問題作奇跡の文庫化。 「本書の内容のどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか。 これについて、巨大自動車企業に極めて近い経営者は99%が事実と私に言い切った。一方で良識ある自動車業界担当の官僚は、まあ、半分くらいじゃないですかね、と口を濁す。名古屋界隈の書店から本書はすべて消えた、とか(中略)さまざまな噂が駆け巡るが、真実を知るものは本書の登場人物のモデルとされる人物だけだろうし、彼らが本書の真偽を語ることは絶対にないだろう。 本書は週刊誌ではないのだから、真偽のほどなどどうでもいい。フィクションと割り切って読むと、これほど面白い企業小説はない」(夏野剛氏による解説より) -
俺の恋バナを聞いてくれ
著者初!ポップでビターな恋愛エンタメ! 瓜生尊、29歳。必死に勉強して東京大学に入り外資系戦略コンサルに就職、最年少パートナーも目前で報酬設定は1時間4万円。いわゆる「ハイスぺ」だ。ある日、友人に無理やり参加させられた合コンに集まった女子は「量産型OL」で、尊は不機嫌になってしまう。後日、SNSに「久々に合コン行ってみたら、出てきたハイスぺ男が最悪だった話」というマンガがアップされた。どうやらあの時の尊がモデルらしいと知り、合コンで会った「黒髪ボブ女」ことミクにDMを送るが、返事は「別にあなたの話をしてませんけど」とけんもほろろ。マンガの続きが気になりSNSをチェックするようになった尊は、ミクの描いた1枚の絵にふと心を惹かれ――(「ハイスぺ」)。 シングルマザーの家に転がり込んだ游(「スカブラ」)、英国のカレッジで中国人の彼女と過ごす征爾(「スパダリ」)、妻に先立たれた医師・英樹(「イケオジ」)、彼女のアパートで朝を迎えた大学生の涼太(「ハングレ」)、パートナーと同棲中の人気漫画家・英二(「オレサマ」)。人生を豊かにする恋愛は、意外な形で現れる。不器用でどこか拗らせた男たちの、愚かで、でも心温まる珠玉の6作品を収録。 -
ほくほくおいも党
お父さんに家族との対話を要求します! 高校三年生の千秋は、父と兄との三人暮らし。左翼政党員の父は、勝てない選挙に出続けて六年。兄は父の出馬をきっかけにいじめられ、引きこもりになった。母は同じころ家を出た。政治と政党に没頭し話の噛み合わない父だが、千秋は対話をしたいと願う。 すれ違う三人の家族を中心に、左翼政党員を親にもち風変わりな名前の自助サークルに集う「活動家二世」たち、震災のボランティアをきっかけに政治活動に出合う青年、高校の生徒会長選挙のドキュメンタリーを撮ることで新たな視点を得る高校生──それぞれの姿を家族の物語とともに描く全六話。 わたし選挙権の話なんてしてないじゃん。話聞いてよ──「千秋と選挙」 母の言葉とわたしの言葉はちがうのに、わたしは母の言葉を借りてしまう──「佐和子とうそつき」 どっちもそのひとで、どっちも親子の本当じゃん──「和樹とファインダー」 ボランティアって素晴らしいと思ってん──「康太郎と雨」 親父は結局、子どものことなんて考えてないんです──「健二とインターネット」 話すことを諦めたら、わたしはお父さんを憎んで、憎んで憎んで、死んでほしいと思っちゃうかもしれない──「千秋と投票日」 -
きいろいゾウ
宮崎あおい×向井理主演映画化原作。 夫の名は無辜歩(むこ・あゆむ)、妻の名は妻利愛子(つまり・あいこ)。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会からやってきた若夫婦が、田舎暮らしを始める。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりゆっくりとその年の冬まで進んでいき、「ある出来事」を機にムコがツマを残して東京へ向かう。それは背中の大きな鳥に纏わる出来事に導かれてのものだった。 「いつかこの小説のツマを演じてみたいです」という帯コメントを寄せいただいた宮崎あおいさん、雑誌「ダ・ヴィンチ」でのオススメの一冊として紹介していただいた向井理さんの二人が主演となる映画化も決定(2013年公開)。 (底本 2008年3月発行作品) -
ぷくぷく
ひとつ屋根の下の「ふたり」、もどかしい愛。 あなたが辛い時はいつでもそばにいるよ・・・。 都内で暮らしている、恋に臆病なイズミ。引っ込み思案なのは誰にも明かせない心と体の「傷」があるから。そんな彼女をいつも見つめているユキ。ひとつ屋根の下に暮らしながら言葉を交わすことはないけれど、イズミへの思いは誰よりも強い。もどかしい関係の「ふたり」の間に、新たな男性の存在が。彼はイズミの凍った心を溶かせる相手なのか、それとも傷つけてしまう存在なのか・・・。ユキの気持ちは激しく揺れる。そして孤独な「ふたり」に起こる奇跡とは……。読み終わったあと愛おしさが溢れて止まらないハートウォーミング小説!解説は人気ブロガーで作家のみしょんさん。 ※この作品は単行本版として配信されていた『ぷくぷく』の文庫本版です。 -
満天のゴール
救いと慈愛に満ちあふれた、感涙医療小説。 奈緒(40歳)はシングルマザーの看護師として涼介と寄り添い生きてきた。その涼介も高校生、進路を考える年齢に。そんな折、大きな転機が訪れる。敬愛する医師三上の誘いもあり、思い切って東京の緩和ケア病棟で働くこととなる。死を間近に見つめる毎日の中、その瞬間まで幸せに生ききり希望を持てる最期を模索し続ける奈緒。一方、涼介は強く大きい夢を抱く。それは奈緒の夢でもある。母子の夢の行方、そして三上と奈緒のこれからは・・・・・・。 緩和ケア病棟を舞台に、綿密な取材と著者自身の看護師経験に基づく圧倒的リアリティ、温かな視線で人々の生き様、死に様を丁寧に紡ぐ。懸命に生きるすべての人々に送られる慈愛のエールに癒やしの涙は必至です。 -
新 謎解きはディナーのあとで2
シリーズ大ヒット!新章始動から3年ぶりの第2弾! 執事探偵×令嬢刑事コンビの国民的ユーモアミステリ、 新章スタートから3年ぶりの第2弾! 「お嬢様の素晴らしすぎるお考えは、 残念ながら『休むに似たり』でございます」 1 笠原邸の殺人 自宅にて、絞殺死体で発見された資産家の老人。 現場にはなぜ割れた大皿が散らばっていたのか。 2 灰色の血文字 アイドルの撮影中にスタジオで芸能事務所の社長が殺された。 ダイイング・メッセージらしき血文字“アキラ”の意味は? 3 浜辺のパラソルの問題 別荘のある島での婚約披露パーティに招かれた麗子と影山。 しかし、主役がビーチパラソルの下で死体となって見つかる。 4 服を脱がされた男 多摩川の河川敷で全裸の変死体が発見された。 犯人はなぜ被害者の衣服を奪ったのか。 5 四回殺された女 ワンルームで見つかった若い女の首吊り死体。 殴って絞めて刺して吊るして――前代未聞の殺し方の理由とは!? “迷”推理を繰り広げる風祭警部に、“空気読めない”後輩の愛里ちゃん。 2人に振り回されながら、麗子は影山と5つの難事件に挑む! (底本 2024年9月発行作品) -
サラバ 上・中・下巻 合本版
第152回直木賞受賞作、待望の電子化!『サラバ』上・中・下合本版!! 僕はこの世界に左足から登場した――。 圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。 そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。 -
ひみつ×戦士 ファントミラージュ!ヒロインずかん
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品は固定レイアウト版です。紙の本のレイアウトを忠実に再現しています。 ファントミラージュ!初めての本。 子どもたちを夢中にしている「ガールズ×戦士シリーズ」の第3弾 『ひみつ×戦士ファントミラージュ!』がいよいよ4月7日から放送スタート! 「ファントミラージュ」は、逆逆警察によって「イケナイヤー」にされてしまった人から、「イケない心」をちょーだいして、平和をとりもどす正義の怪盗です。 元気でかわいい戦士たちのひみつを、多くの写真とふりがな付きの文章で 紹介していますので、小さなお子さんでも楽しめます。(2019年4月発表作品) ☆番組公式サイト phantomirage.jp ※この作品はカラー版です。 -
ビッ友×戦士 キラメキパワーズ!ヒロインずかん
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 キラパワのキラッキラなひみつがいっぱい! 子どもたちに大人気の「ガールズ×戦士シリーズ」の第5弾 『ビッ友×戦士 キラメキパワーズ!』 「キラメキパワーズ」は、世界をマックラにしようとするマックラ帝国に立ち向かうガールズ戦士だよ! “キラパワサニー キラリ”、“キラパワムーン ユヅキ”、そして9月にキラパワとなる“キラパワファイン ホノカ”、“キラパワスノー コユキ”の4人についてくわしく紹介します! 戦士たちのキラッキラな写真をたくさん掲載! 決めポーズもイラストでわかりやすく紹介しています! 小さなお子さんでもくりかえし楽しめます。 ※この作品はカラーです。 (底本 2021年9月発行作品) -
ポリス×戦士ラブパトリーナ!ヒロインずかん
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ラブパトリーナの4人のひみつがわかる! 子どもたちに大人気の「ガールズ×戦士シリーズ」の第4弾 『ひみつ×戦士ラブパトリーナ!』 「ラブパトリーナ」は、ワルピョコ団によってラブをうばわれて「ラブゼーロ」にされてしまった人たちを「ラブタイホ」して、みんなの愛を守るポリス戦士です。 “ラブパトピンク ツバサ”、“ラブパトパープル サライ”、“ラブパトブルー コハナ”、そして10月に新しくラブパトに仲間入りする“ラブパトシャイン ソラ”の4人についてくわしく紹介します! 元気でかわいい戦士たちのひみつを、たくさんの写真とひらがな&カタカナの文章で掲載していますので、小さなお子さんでもくりかえし楽しめます。 ※この作品はカラー版です。 -
エゴイスト
「愛した彼は体を売って、生きていた」。 2023年初春、本作品の映画化が決定。出演は鈴木亮平、宮沢氷魚。文庫版には鈴木亮平の特別寄稿を収録。 「母が死んで、『死にたい』と思っていた僕の何かは死んだ」。14歳で母を亡くした浩輔は、同性愛者である本当の自分の姿を押し殺しながら過ごした思春期を経て、しがらみのない東京で開放感に満ちた日々を送っていた。30代半ばにさしかかったある日、癌に冒された母と寄り添って暮らすパーソナルトレーナー、龍太と出会う。彼らとの満たされた日々に、失われた実母への想いを重ねる浩輔。しかし、そこには残酷な運命が待っていた・・・。 龍太と母を救いたいという浩輔の思いは、彼らを傷つけ、追いつめていたのか? 僕たちは、出会わなければよかったのか? 愛とは、自らを救うためのエゴだったのか? 浩輔の心を後悔の津波が襲う。人は誰のために愛するのか。賛否両論渦巻く、愛のカタチ。 ※この作品は単行本版『エゴイスト』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
完全なる白銀
夢枕獏、恩田陸両氏推薦! 新たな山岳小説! 緑里はアラスカに向かっていた。旧友シーラと北米最高峰デナリに登るためだ。 シーラの幼馴染、リタ・ウルラクは新鋭の女性登山家として名を馳せていた。二人の故郷、サウニケは北極海の小さな島だが、地球温暖化の影響で海に浸食されている。このままでは島は海に沈む――故郷の危機を世界に知らしめるため、リタは登山家として有名になるべく冬季デナリ単独行を計画した。写真家としての先行きに悩んでいた緑里はリタの果敢な言葉や行動に励まされ、彼女がそれを成しえたら真っ先にポートレートを撮ることを約束した。だがデナリの下山中、リタは消息を絶ってしまう。山頂から“完全なる白銀”を見た――という言葉を残して。 リタの登頂を疑うマスコミは彼女を〈冬の女王〉ではなく〈詐称の女王〉と書き立てた。緑里とシーラは、デナリに挑み、リタの登頂を証明することを決意。しかし、世界最難関への登攀は一筋縄にはいかない。ブリザード、霧、荷物の遺失、高度障害……二人の信頼関係も揺らぐ。困難を乗り越え北米大陸で最も高い地へ手を伸ばす緑里。その先に見えたものとは。 極限の地だけでなく、社会でも闘う女性たちを描きだす、気鋭の著者の新境地。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『完全なる白銀』 の文庫版となります。 -
タイムマシンでは、行けない明日
時空を超えて必ず出会う運命だった。 光二は、ロケット発射台のある南の島で育った高校生。いつか自分もロケットの研究をしたいと勉強に勤しむ一方、密かに同級生の長谷川葵に思いを寄せていた。 平沼は、仙台の大学の時空間の研究室で教授をしていた。過去を一切語らない彼を、周囲は不思議に思う。33歳の平沼を教授に抜擢したのは、齢90近くと噂される井神前教授だ。二人の間には誰にも言えない秘密があった。 別の人生を生きていると思っていたあらゆる人物達が一本の線上に連なる。時空を超えても人は出会うべき人と出会うようにできている。運命を信じたくなる物語。 -
つめ
やられたらやり返せ!?涙腺決壊の結末が! 真野朱音は、2年ちょっと前に中学校の同級生だった勝裕と結婚した。勝裕の連れ子、小学五年生になる裕也との3人家族である。 朱音は、子ども会の担当として南郷不二美を訪ねた。近所の尾花公園に面した南郷宅の金網フェンスを覆ったイバラの棘で、子どもが怪我をしており、剪定をお願いするためだった。南郷は50代後半の一人暮らしの女性で、愛犬はドーベルマン。気むずかしいという評判だった。イバラの剪定については、「子どもの怪我なんか知るか。親の責任じゃ。あほっ」と吐き捨てられた。市役所が、公園にロープを張って注意喚起のプレートをかけてくれたが、その夜、寿司屋から特上にぎり8人前が届く。翌日には、ケーブルテレビが契約の確認をしたいと訪ねてきた。どちらも注文したのは自分ではない。やったのは、南郷だ。 同じ頃、裕也がまたいじめに会っていることがわかった。裕也は、「いじめられても平気な強い人間になる」という。 朱音は決心した。裕也に身をもって教えてやるべきだ。やられたら、やり返すべきだということを。いや、やらないとやられてしまうということを、だ。ご近所のモンスターとの壮絶なバトルが今、始まる――。 ※この作品は単行本版『つめ』として配信されていた作品の文庫版です。 -
たまゆら堂書店の本好き姉妹
あなたのお悩み、お聞かせください。 とある住宅街に佇む小さな書店「たまゆら堂」。一度は閉店したこの店を復活させたのは、おしとやかな姉・灯と、天真爛漫なギャルの妹・夏音の姉妹だ。 敬語禁止など夏音が作った独自のルールが異彩を放つ書店だが、一際目立つのは「あなたのお悩み、お聞かせください」と書かれた貼り紙。その貼り紙に引き寄せられるように、今日も店には悩みを抱えた人々がやってきて……。 仕事に誇りを持てず、むなしさを覚える女性や、娘の結婚を素直に喜べない父親など。困り事を抱えた人々へ本好き姉妹が人生を変える1冊を届ける。人生が好転する、ハートフル書店ストーリー。 -
タングル
ニッポン再生への道は切り拓かれるのか!? 「光量子コンピューターを開発する目的は、世界の電力供給不足を救うためだ」 現在のスーパーコンピューターは一機当たり原発一機分の電力を消費する。それに代わらんと研究開発が進められているのが省電力の光量子コンピューターだ。 光量子コンピューター研究の世界的第一人者である東都大学・早乙女教授は日本とシンガポール共同のビッグプロジェクトに参画。日本の熟練工を集め、若者を育てながらアジアのシリコンバレー構想を推進する。 最先端技術開発には国家間の思惑や世代間での衝突が生じて前途多難な日々が続くことに。そんな中、ニューヨークのファンドからあの男がやって来て……。果たして技術大国ニッポン再生への道は切り拓れるのか? 解説は早乙女教授のモデルとなった世界的研究者、古澤明・東京大学工学部教授にいただきました。併せてぜひお読みください! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『タングル』 の文庫版となります。 -
ナゾトキ・ジパング
ニッポン×ミステリ! 名探偵は留学生!! 精南大学の男子寮《獅子辰寮》の代表となった長瀬秀次は、四月から二回目の三年生。取得単位は絶望的だが、寮での人望は厚い。同室となるのは、アメリカ Los Angeles出身のケビン・マクリーガル。本来なら、一年生からの付き合いで気心の知れた平塚優作がルームメイトになるはずが、所属するゼミの雄島総一郎教授の一存で決まった。ギリギリの成績で教授に弱みを握られている秀次に拒否権はなかった。 桜満開の三月の終わり、大学の旧学生会館で死体が発見された。第一発見者の寮の後輩が、警察に連行され事情聴取を受けたという。後輩の無実を晴らすことはできるのか──? 「ミョーデス!」日本の文化が大好きなだけでなくすぐれた洞察力を持つケビンと、なにかと巻き込まれがちな秀次が、いつの間にか探偵コンビに!? SAKURA! FUJISAN! CHA! SUKIYAKI! KYOTO! 日本の名所名物を巡る数々の事件の謎を解く、キャッチーな本格ミステリ。 日本文化×ミステリ 新たな魅力の扉を この物語がひらく ──書評家・三宅香帆さん絶賛! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ナゾトキ・ジパング』 の文庫版となります。 -
愛国商売
気鋭の若手評論家の初小説! 南部照一は、孤独な自営業者だった。茨城県取手市在住。猫と車を愛する27歳の平坦な人生は、ネット上のとある出会いによって狂っていく。 ひょんなことから保守系言論人の勉強会に参加し、中堅警備会社「シュトケイ」の懸賞論文に応募するや、入選。一躍、保守論壇の新星に祭り上げられ、日本唯一の右派系テレビ局「よもぎチャンネル」レギュラー出演者への道が拓けていく。 順風満帆の照一だったが、彼が足を踏み入れたのは、野心と嫉妬が渦巻き、裏切りや出し抜きが横行する下劣な世界だった。論客同士のパイの奪い合いから、思いも寄らぬ襲撃事件が発生した――。 ◎気鋭の若手論客、古谷経衡氏による初小説。単行本発売時、ネット右翼を騒然とさせた話題作が早くも文庫化! 解説に元外務省主任分析官・佐藤優氏。 <小説の体裁を取っているが、右派の論壇人としてデビューした古谷経衡氏にしか書けない優れた社会人類学的作品だ。21世紀の日本で、愛国心を道具にして、排外主義的ナショナリズムが生成していく過程が見事に描かれている。>――解説/作家・佐藤優氏 -
有限会社さんず スーサイド・サポート・サービス
極限のどんでん返しが続く、劇薬ミステリ。 とある業者が誘う、「死にたい」という願望の先の、驚愕の結末。 極限のどんでん返しに翻弄される、息もつかせぬ“劇薬“ミステリー。 雇っていたバイトが自殺未遂し、周囲の態度と激務に苦悩するコンビニの雇われ店長。 愛する人のため、一刻も早く行方不明になりたいと言う女。 蝶のコレクションをふさわしい人に譲ってから、蝶の毒で死にたいマニアの男。 保険金がほしい元半グレの居酒屋店主。 赴任先の同僚から日常的に性暴力を受けるようになってしまった女性教師。 「死にきれないあなたのお手伝いをいたします」 死を望む者のもとにどこからともなく届けられる白いカードは、自称「自殺幇助業者」への連絡手段。 そこにある二次元コードは人々を、そして業者自身をも、思わぬ結末へと導いていく。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『さんず』 の文庫版となります。 -
ひなたストア
転職サラリーマンのV字復活物語! 早期退職勧奨を受けた青葉一成は、ちょうど転職先を決まったこともあり、応じることにした。新たな勤務先のグリップグループは、共同の仕入れなどを行う小規模スーパーが集まった会社だった。しかし、直前に社長の交代が行われて新社長が就任。前社長と対立していた社長は、前社長の方針で入社した青葉を快く思っていなかった。何とか開発課長という肩書で入社できたものの、当分は加盟しているスーパーの副店長で現場を担当することになった。 勤務先の「ひなたストア」は、品ぞろえも悪く、店員の活気もなく、くすんだ建物で客もがらがらだった。しかも、近くには大きなスーパーが2軒あって繁盛していた。前社長派の店長は、新社長が近くの大きなスーパーの店長をしていることから、一成を新社長派だと決めつけて全く心を開いてくれない。 自宅にいる妻と娘と離れてひとり暮らしを始めた一成。スタッフとの交流を通じて少しずつ現場の問題を解決しようとするのだが……。八方塞がりのなか、隣に住む老女が大きなヒントを与えてくれる事になる。 廃業必至の店を、どう復活させるのか!?温かな気持ちになれる物語。 『がんこスーパー』を改題しました。 -
三浦綾子 電子全集 続 氷点
人間にとっての「ゆるし」とは何かを問いかけるベストセラー『氷点』のその後。 自分が殺人犯の娘であると知った陽子は、睡眠薬自殺を図るが、一命を取り留める。意識が戻った陽子に、育ての親である啓造と夏枝は、陽子が殺人犯の娘ではなかったことを告げる。だが同時に、陽子は自分が不義によって生まれた子である事実を知るのだった。潔癖な陽子は、実母への憎しみを募らせていく。そんな陽子に特別な感情を抱く兄の徹は、陽子の実母に接近していき……。 1971年(昭和46年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、随筆「『続 氷点』を終って」を収録! -
開高 健 電子全集1 漂えど沈まず―闇三部作
開高文学の最高傑作『輝ける闇』『夏の闇』『花終る闇』は総称して《漂えど沈まず》と冠されるはずであった・・・ 朝日新聞の臨時海外特派員として訪れた戦時下のベトナムで、開高健は多くの死を目にし、心に無数の傷を負う。暁の広場で公開処刑されたベトコン少年の姿は一生涯その脳裏から離れることはなかった。1965年2月14日、ベトナム政府軍に従軍して侵攻したジャングルでベトコンに包囲され、激しい銃撃を浴びせられたときは死を覚悟した。以来、この日が“命日”になった。 九死に一生を得て帰国してから3年後の’68年、このときの体験をもとに書き下ろした『輝ける闇』(毎日出版文化賞受賞)を発表。その3年後の’71年には著者自らが“第二の処女作”と位置づけ、開高文学の最高傑作との評価も高い『夏の闇』を発表する。闇三部作の第三部『花終る闇』は冒頭に“漂えど沈まず”と書きつけたものの思うように筆が進まず、書き終えることができないまま開高健は58歳の若さでその人生を閉じてしまう(’89年)。翌90年、未完のまま『花終る闇』は出版される。 『輝ける闇』『夏の闇』『花終る闇』からなる闇三部作を総称して、開高健は《漂えど沈まず》と冠するつもりだった。 【収録数】小説:3作 付録:生原稿の写真や当時の編集担当者の思い出話など11点 -
サラバ!
ベストセラー!第152回直木賞受賞作! 僕はこの世界に左足から登場した――。 圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。 そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。 -
P+D BOOKS 鎌倉のおばさん
村松梢風の愛人・絹江の破天荒な半生を描く。 ──フィクションの衣をまとった絹江にとって、梢風は勝負しがいのあるしたたかな相手だったのだ。二十歳そこそこの絹江は、独特の勘で梢風のその凄味を嗅ぎ取ったのではなかろうか。── 二代目尾上菊之助の悲恋を描いた『残菊物語』、“東洋のマタ・ハリ”川島芳子にスポットを当てた『男装の麗人』等で知られる小説家・村松梢風。妻子ある身にもかかわらず放蕩の限りを尽くしていた梢風だが、正妻以上に厚く遇していたのは若い愛人・絹江だった。 絹江の話すことはことごとく真偽不明だが、梢風の孫である著者(村松友視)の目にはなぜか絹江が魅力的に映り、絹江との言葉のやりとりが、「こたえられぬほど楽し」く、「為体の知れぬ快感を感じ」たという。それは絹江と著者が、ある共通点を持っていたからだった──。 梢風の自伝的作品「梢風物語」や、梢風と近しかった小島政次郎の「女のさいころ」などを下敷きにしながら、村松家の人間模様を描いていく泉鏡花文学賞受賞作品。 -
かみがかり
髪型を変えれば、人生は前向きになる! 学校職員の須川沙紀は、気が弱くて後輩にも強いことがいえない性格で、仕事はできるのだが回りからなめられていた。しかも、ワンマン経営を行っている理事長の命令で、架空の議事録作成もさせられていた。これは、理事長の横領や背任を正当化することになっていた。思い切って髪形を変えようとした沙紀は、初めての理容店に行ってみる。睡魔に襲われて起きた沙紀の眉毛は、これまでと違ってきりっと細く吊り上がっていた。すると、周囲の人間の反応が変わってきた……(「眉の巻」)。 ひとり暮らしの岩瀬かえでは、帰宅したマンションで泥棒と鉢合わせしてしまう。恐怖の中で犯人は撃退したが、その日は会社の同僚の家に泊まった。翌日、自宅の錠を変えベランダに防犯対策を施したかえでは、髪形を変えることにした。雨に降られて雨宿りしたのが理容店だったため、そこで髪を切ったのだが、気持ちよく寝ているうちにオドロキの髪になっていた ……(「守の巻」)。 仕事で追い込まれている人も、私生活が冴えない人も、髪形を変えれば人生は前向きになる!ある町の女性理容師の店で始まる、胸のすくような6つの物語。『わらの人』を改題しました。 -
P+D BOOKS ある美人の一生
男性上位時代を気丈に生き抜いた女性の生涯。 ――わき子は、打ちのめされた。 良人(おっと)は、妾宅をかまえていたのである。……男というものは、狡猾で、不潔で、いやらしいケダモノだった。彼女は、良人が、一時に、遠い他人になって、身辺にいなくなったのを感じた。―― 美人で名高い疋田家の長女・わき子は、数々の縁談のなかから帝国大学出の医師と結婚する。夫の富太郎は美男の上に寛容、夫の家族もやさしくて、非の打ちどころのない結婚生活が始まった。やがて男の子が生まれるが、病気で亡くなってしまう。富太郎は妻を慰めるために、病院と家を新築。わき子は夫の気遣いのおかげで子を失った喪失感からようやく抜け出せると思った矢先、まじめ一本槍だと思っていた夫に愛人がいたことが明らかになる。はたして完璧だと思われた家庭は、このまま崩壊してしまうのか……。 明治から大正、昭和と、女性は黙って耐えるのが当たり前だった時代を、気丈に生き抜いた女性の生涯を描いた大河小説。 -
運命のひと
忘れ得ぬ人と映画の思い出を叙情豊かに描く。 岩瀬修は63歳。今は文具会社の経営陣に収まっている。彼には、昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。初めて観たのは中二のとき。すぐに高倉健のファンになった。映画を観たいがために稼業の飲み屋を手伝うようになり、周囲からはヤクザと煙たがられている中間のおっちゃんと仲良くなる。そして、心臓が悪い従姉妹の弥生が、近くの県立病院に入院してきた。学校に通えない弥生のために、修はプリントなどを届けに行くようになった。弥生は優秀で本好き、しかも絵を描くのが抜群に上手い。ケンカもしながら、親しくなっていく。任侠映画と二人との出会いを経て、修は大学進学のため東京へ――。人生の荒波に漕ぎ出し始めた。 任侠映画に、そして主人公達に夢中になった青春時代。たかが娯楽映画、でもそうではなかった。あの頃の出会いがあって、今の自分がいることを、切ないエピソードとともに感じるのだった。 ノスタルジックでハートウォーミングな、小説版『ニュー・シネマ・パラダイス』! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『銀幕の神々』 の文庫版となります。 -
ひろいもの
ものとの出会いで自分が変わる運命の物語。 対人関係に自信が持てないバイト店員、イベント司会ばかりの女優、喧嘩早い性格で転職を繰り返す元不良、いじめが原因で3年間引きこもる元高校生、恋人の死にうちひしがれる悲嘆の女性――。人生に躓いた人たちが、「ひろいもの」をすることで始める自己改革。セカンドバッグ、サングラス、警察手帳、ハンドグリップ、腕時計。思いが込められた道具を拾った人々に運命の転機が訪れる。 5つの物語をオムニバスで綴っていきながら、それぞれはリンクしていく。 『どろ』『かび』『とげ』の巻き込まれ型小説の名手として評価の高い著者が、あらたな手法で我々を魅了する、珠玉のハートウォームストーリー。 -
女人追憶
少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊。 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。 -
満天のゴール
人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説。 奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。 結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。 夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。 一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。 隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。 ※この作品は単行本版『満天のゴール』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
恋愛寫眞 もうひとつの物語
市川拓司のもうひとつの名作、待望の電子化! あの『いま、会いにゆきます』よりも好きだという人が数多くいます。堤幸彦氏の映画『恋愛寫眞』との競作として世に出、その後『ただ、君を愛してる』と題して再度映画化され、物語の完成度とともに、恋することの切なさや美しさをリリカルに描いた傑作恋愛小説として話題を呼んだ、市川拓司氏のもう一つの傑作です。物語のラストで語られる名セリフ、「別れはいつだって思いよりも先に来る。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかで、って。」の言葉の意味を、ぜひ味わってみてください。 -
小説王
小説をめぐる熱きドラマ、ついに文庫化。 大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束していたが、編集長の交代で、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は、社の経営状態から存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな逆境の最中、三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!? 小説の役割は終わったのか? 物語に生かされたことはあるか? 単行本刊行時、作家・編集者・書店員の方々など業界の内外をざわつかせた問題作が、ついに文庫化。 『イノセント・デイズ』で大注目の作家が放つ、小説をめぐる、男たちの熱きドラマ!! -
官能文学電子選集 丸茂ジュン『痴女伝説』
北海道の繁華街・ススキノに次々と男たちを路地などに連れ込んで犯す痴女が現れた。その痴女の正体を追う新聞記者の運命は・・・・・・。 「ススキノに痴女現る」という新聞記事が街中に大反響を呼んだ。記事を書いた記者・北見の行きつけの小料理屋でもその話で持ちきりだった。痴女といっても、電車の中で男の下半身を触るなどという単純なものではない。酔っ払った男を深夜、路地などに連れ込んでホルマリンをかがせて犯すという強烈なものだ。おまけに犯された男は何も覚えていないのだが、目を覚ますと下半身に生えている恥毛が1本残らずそり落とされているのだ。男たちは熱狂した。「自分も犯されてみたい」と・・・・・・。記事が反響を呼んだために、北見は特集を組むことを命じられる。取材を進めてみると、痴女は色白の美人で、サングラスをしている。年齢は30歳前後で襲われる男は決まって10代後半の若い男だ。北見は知り合いである特殊浴場勤務の女の情報を元に取材を進める。そして、ついに警察が動き始める。第5の被害者が持っていた現金を痴女に奪われたというのだ。しかし、その被害者は32歳ということに加え、恥毛も剃られていない。これまでとは違うパターンだ。狂言だったのだ。振り出しに戻ったわけだが、ある夜、北見は背後から声をかけられた。ハスキーな声だった。出た!と思った時には、もう意識がなかった。北見が発見された時、まわりには深夜とは思えないほど人垣ができていて、無残に剃りとられた恥毛の上に口紅が1本と使用済みコンドームが落ちていた。シャツをめくるとお腹には「これから冬眠。春まで待って!」と口紅で書かれていた。痴女は一帯誰なのか!? 表題作「痴女伝説」に加え、「とまどい」「ウエディングベルが鳴る前に」「夜の指」など9作からなる短編集。美人官能作家として時代の寵児となった著者の会心作である。 -
海街diary
大人気コミックの映画版を完全ノベライズ! 行方知れずだった父の葬式で、三姉妹は腹違いの妹に出会う。大人以上に気丈な異母妹―すずに、長女の幸は声をかける。「一緒に暮らさない?」 しっかり者の長女・幸。姉とぶつかることの多い次女・佳乃。マイペースな三女・千佳。そして、不倫の子であると負い目を抱えながらも鎌倉に来る決意をした四女、すず。四姉妹の生活が始まったが…。 鎌倉を舞台に、人の強さ、弱さ、優しさを温かい視点で描いた大ベストセラー・マンガ大賞2013受賞、「flowers」で連載中の大人気コミック『海街diary』を実写映画化、その完全ノベライズをお届け! 2015年6月13日公開。監督・脚本は是枝裕和、四姉妹キャストは綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。 -
三浦綾子 電子全集 塩狩峠
明治42年に実際に起こった鉄道事故を元にした人間のあり方と愛と信仰の物語。三浦綾子の代表作であり、多くのファンに愛される大ベストセラー作品! 東京で、父と厳格な祖母に育てられた信夫は、祖母の死後、キリスト教徒であったために家を出されていた母親とも暮らすようになる。母と妹、そして父までもが信じるキリスト教に違和感を抱きながらも、まっすぐに成長していく信夫。やがて、少年時代からの友人・吉川に誘われ北海道に渡り、鉄道会社で働くようになる。この地で信仰に目覚めた信夫は自らも洗礼を受け、吉川の妹・ふじ子との結婚を決意する。結納のために汽車で札幌に向かうが、塩狩峠の頂上にさしかかったとき、信夫の乗った客車が突然汽車から離れ、暴走を始めた……。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」などを収録! -
その手をにぎりたい
銀座鮨店に10年通ったバブル期OL物語。 80年代。都内で働いていた青子は、25歳で会社を辞め、栃木の実家へ帰る決意をする。その日、彼女は送別会をかね、上司に連れられて銀座の高級鮨店のカウンターに座っていた。彼女は、そのお店で衝撃を受ける。そこでは、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べるのだ。青子は、その味にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、 と一念発起。東京に残ることに決めた。 お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。 -
シナントロープ
話題のドラマを完全ノベライズ!! アニメ「オッドタクシー」の脚本でも知られる此元和津也氏が、原作・脚本としてオリジナルストーリーを書き下ろした超話題作を完全ノベライズ!! 街の小さなバーガーショップ「シナントロープ」では、8人の若者たちが働いている。大学生の都成剣之介は、同僚の水町ことみに想いを寄せていた。都成は今日も、いつもと変わらない穏やかな一日が始まると思っていた──オレンジ色の目出し帽をかぶった男が店内に座っているのを見つけるまでは。不可解な強盗事件が、店を非日常へ連れ込む。 何が本当で、何が嘘なのか。謎が謎を呼ぶ緻密な伏線と巧みな会話劇がクセになる、美しくエモーショナルな青春群像ミステリー。 -
官能文学電子選集 団鬼六『黒薔薇夫人』
「ああ、沙織は、一体、どうすればいいのっ」、誘拐、凌辱、緊縛……美しき社長夫人が禁断の悦びにすすり泣く。 不動産会社社長の南原耕作には、誰にも言えない悩みがあった。 30以上も歳の離れた後妻・沙織から、3か月ものあいだ寝室を共にすることを拒まれているのだ。 沙織がイタリーの富豪と不貞関係にあることを知り、嫉妬にかられた南原は、部下の津村に極秘の指令を下す。 ――沙織を誘拐、凌辱せよ。津村はサディスト仲間の田村が所有するマンションに沙織夫人を連れ込むが、彼女はイタリー人の愛人から手ほどきを受けた、本格的なマゾヒストだった。 縛り上げられ、2人の男にとことん嬲られながら、屈辱感と被虐性の揉み抜かれるような陶酔感に溺れてゆく沙織。 一方、日本人離れした肉体と、気品ある美貌を備えたマゾヒスト沙織に強い執着を覚えるようになった津村は……。 美しい令夫人への厳しい責めと、その転落を描き、谷ナオミ主演で映画化もされた団鬼六の代表作。 著者・団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。 -
三浦綾子 電子全集 氷点
北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。 三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。 そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。 「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録! -
官能文学電子選集 団鬼六『新・修羅の花道』
父の仇討ちの旅に出た城下一の美人姉妹だったが、本懐を目前にこともあろうに仇に捕まってしまう。そして陵辱の限りを受けるのだが・・・・・・。 江戸から明治に世の中が変わっていくところ、伊豆・長岡の荒れ寺に坊主のふりをして住み込んだ半次郎が、有料の世相講釈で、村人や山賊の人気を博していた。会津出身で、若松城が落ちてから流れてきたのだが、実は官軍との戦の中で、指揮官と主を仲間の甚八と共謀して殺害していた。勝てぬ戦を前にしてふたりの首を官軍に差し出し、褒美を得ようとしたのだ。が、主を裏切ったふたりは武士の風上にもおけないと官軍からも追われる。ケンカ別れのあと三島の女郎屋に身を潜めていた甚八から、久しぶりの連絡が入る。殺した主の妻の志乃とその妹美雪、指揮官の息子の梅三郎が仇討ちのために、近くまで来ているというのだ。志乃は会津白菊隊の隊長だった。討ち死にしたと思っていたが、生き延びていた。白菊隊の隊員だった美雪ともども、腕がたつ。そこで甚八たちは山賊に助っ人を求め、三人を待ち構えるのだった。ところが、本懐を前に、志乃、美雪らは半次郎たちに捕まってしまう。そして陵辱の日々が始まる。心では嫌悪しているものの、次第に身体は正直に反応していく。甚八に犯されながらも、志乃は熱病に冒されたように全身をぶるぶると震わせる。そして、甚八が鋭くうめいて射精する。志乃は熱い男の体液が激しい勢いで自分の体内に放出されたことを知覚すると大きくうなじをのけぞらせるのであった。 -
恋する母たち
夫がいても、息子がいても、恋はするわ。 名門高校に息子を通わせる縁で出会った3人の母たち。 浮気相手と失踪した夫を待つ杏、 不倫夫に悩むセレブ妻・まり、 専業主夫を持つバリキャリ妻・優子――三様の人生はやがて交錯し始める。 それぞれが夫に不満や諦め、怒りを抱え、 落第寸前の息子たちへの不安も募る。 これまで築き上げてきた人生、キャリア、そして家族―― 守るべき尊さと、何か物足りない虚しさを奥底に秘めた3人がふとした瞬間に向き合ったのは、「妻」でも「母」でもない、「女」としての自分だった。 平凡な毎日に突如現れた“恋”との出会いは、母たちの人生に何をもたらし、何を失わさせるのか。 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』などの代表作がある柴門ふみの同名漫画を原作に、『セカンドバージン』『大恋愛~僕を忘れる君と』など社会現象を巻き起こした名ドラマを世に送り出した大石静が脚本を執筆。 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗という豪華キャストが織りなす母たちの惑い、揺らぎ、エロスが話題となったドラマでは、心に響くセリフも多数。 読み返す度に、彼女たちの迷いに共感し、よろめきにトキメキ、強さに背中を押されるサプリメントのような一冊です。 -
異境
一匹狼の記者と孤立した女性刑事のコンビ! 一匹狼の新聞記者甲斐明人と孤立した女性刑事浅羽翔子が追う謎の失踪事件-。 本社社会部を追われた甲斐は横浜支局に着任早々、失踪した後輩の行方を追うことに。スクープをつかんでいたらしい彼の足跡を辿るうちに警察内部の腐敗した実情と謎の外国人犯罪集団の存在に行き着く。そして、その二つは繋がっていた……。 情報の鍵を握っているのは県警内で孤立している女性刑事翔子。 「俺は君の正義感を信じたい」「組織の人間としてじゃなくて君個人の正義感。正しいと思ったことをやるべきだと思う」 立場は違うが思いは同じ二人の孤独な戦いが始まった……。 ベストセラー作家・堂場瞬一が描く渾身の一冊。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『異境』 の文庫版となります。 -
小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 塩狩峠』
小学館電子全集ビッグバンキャンペーン特別限定版。 特別限定版(三浦綾子電子全集は他の電子全集と異なり、巻立て構成ではなく、作品ごとの単体構成です)。 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 氷点』 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 塩狩峠』 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦光世 電子選集 三浦綾子創作秘話』 三浦綾子の描く文学作品は力強く時代を超えていく普遍性を持った力作が多く、キリスト教に裏打ちされた、人間を深く見つめ切りとる洞察力は確かなもので、その洞察力が作品に色濃く反映されている。 とりわけ、代表作「氷点」「塩狩峠」には今も新しい読者がいまだ増え続け、創作に関わる北海道の大地を訪れる読者は後を絶たず、その感動はまた次の世代へと語り継がれている。 三浦文学に魅了される理由は、ひとえにその作品の力にあり、この特別限定版では、その代表的な2作品のお試し増量ページに、秘蔵写真、生原稿などが特別付録を収録。 また、夫であり、創作活動の欠かせぬパートナーでもあった三浦光世の著作も選集という形で加え、夫の側から見た三浦綾子像を知ることで、より一層深い理解が得られる構成になっている。この特別限定版では、三浦光世の作品の「三浦綾子創作秘話」の一部を収録、夫妻の秘蔵写真も見ることができる。 -
小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 氷点』
小学館電子全集ビッグバンキャンペーン特別限定版。 特別限定版(三浦綾子電子全集は他の電子全集と異なり、巻立て構成ではなく、作品ごとの単体構成です)。 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 氷点』 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦綾子 電子全集 塩狩峠』 ・小学館電子全集 特別限定無料版 『三浦光世 電子選集 三浦綾子創作秘話』 三浦綾子の描く文学作品は力強く時代を超えていく普遍性を持った力作が多く、キリスト教に裏打ちされた、人間を深く見つめ切りとる洞察力は確かなもので、その洞察力が作品に色濃く反映されている。 とりわけ、代表作「氷点」「塩狩峠」には今も新しい読者がいまだ増え続け、創作に関わる北海道の大地を訪れる読者は後を絶たず、その感動はまた次の世代へと語り継がれている。 三浦文学に魅了される理由は、ひとえにその作品の力にあり、この特別限定版では、その代表的な2作品のお試し増量ページに、秘蔵写真、生原稿などが特別付録を収録。 また、夫であり、創作活動の欠かせぬパートナーでもあった三浦光世の著作も選集という形で加え、夫の側から見た三浦綾子像を知ることで、より一層深い理解が得られる構成になっている。この特別限定版では、三浦光世の作品の「三浦綾子創作秘話」の一部を収録、夫妻の秘蔵写真も見ることができる。 -
哀愁の町に霧が降るのだ
青春小説の名作、ついに復刊! 「青春」が「絶滅危惧種」になってしまった今の時代だからこそ、読んでほしい。 東京・江戸川区小岩の中川放水路近くにあるアパート「克美荘」。 家賃はべらぼうに安いが、昼でも太陽の光が入ることのない暗く汚い六畳の部屋で、四人の男たちの共同貧乏生活がはじまった――。 アルバイトをしながら市ヶ谷の演劇学校に通う椎名誠、大学生の沢野ひとし、司法試験合格をめざし勉強中の木村晋介、親戚が経営する会社で働くサラリーマンのイサオ。 椎名誠と個性豊かな仲間たちが繰り広げる、大酒と食欲と友情と恋の日々。悲しくもバカバカしく、けれどひたむきな青春の姿を描いた傑作長編。 -
愛と勇気を、分けてくれないか
痛くて、熱い、「あの時代」青春小説。 あの日、燃え上がった青春の火は、これからも きっとずっと消えない。 ――秦 基博さん こんな過去はなかったはずなのに懐かしい。 「青春」ってきっとこうだったのだ。 ――西 加奈子さん 痛みも無力も知ってしまった今、進むしかない。 愛と勇気を分けるためさ、進め、進め。 ――永作博美さん いつまでたっても、自分に何かを問いかけてくる。 それが、故郷・広島。――湯崎英彦・広島県知事 そうか、あれが青春の正体だったんだ。 痛くて熱い、「あの時代」青春小説の誕生! 80年代後半、広島市民球場が、デビューしたばかりのユニコーンが、確かに息づいていたあの日。 ひとりの転校生が、美少女に心を射抜かれた瞬間、それは始まった。 賑やかで、残酷で、なす術もなく熱病に浮かされたようになりながら、それでも全力で立ち向かうしかなかったあの日々が--。 -
愛のむきだし
『ヒミズ』の園子温、快進撃の原点!! 高校生のユウは、ある日をさかいに、父親から懺悔を強要される。ユウは父の期待に応えるべく、毎日、「罪作り」に励むようになる。それは次第にエスカレートし、気付けば彼は“盗撮のカリスマ”になっていた。 運命の女性・ヨーコと出会ったユウは、生まれて初めて恋に落ちる。が、ヨーコには、謎のカルト教団の魔の手が近づいていた。ユウは必死でヨーコを救おうと試みるが、盗撮の件がばれて徹底的に拒まれる。やがて、ユウの真っ直ぐなヨーコへの愛情は、予想を裏切るクライマックスをたぐり寄せる……。 宗教、盗撮、監禁、そして――世界に向けて衝撃作を発表し続ける映画界の鬼才・園子温が実話をベースに挑んだ、無敵の純愛エンタテインメント作。 -
愛を積むひと
佐藤浩市主演映画ノベライズ。 北海道、美瑛。四季折々の彩り豊かな風景を見せてくれる美しい大自然のなかにたたずむ、赤い屋根のログハウス。第二の人生をこの素晴らしい景観のなかで過ごそうと、篤史と良子の夫婦は、長年住み慣れた東京から、この地にやってきた。 良子は篤史に家を囲む石塀作りを頼んだが、持病だった心臓の病を悪化させ、帰らぬ人となってしまう。失意の底に沈む篤史だったが、そんなある日、良子からの手紙を受け取る。そこには、石塀をぜひ完成させてほしい、と綴られていた。それからも、良子からの手紙は、次々と篤史のもとに届き続けた――。 -
あえてよかった
「今」を生きる子どもたちが教えてくれる光。 大地(58歳)は妻に突然先立たれ、自暴自棄の状態。愉しみは三日月の夜に現れる妻の気配と会話すること。そこで亡き妻から、彼女の切実な願いだった「子どもを育てること」の実践を頼まれてしまう。しぶしぶ学童保育所のバイトを発見し働き始める大地。ある程度働いたら、自分も妻の後を追うつもりだった。 そこで出逢う令和の子どもたちとのやりとりは想定外のことばかり。親の離婚、発達障害、愛着障害、不登校・・・子どもたちの悩みや心の傷、ピュアな思いにふれるうちに、知らず知らず大地にも大きな変化が訪れていく。子どもも、大人も、みんな「うまくいかない」何かを抱え、もがきながら生きている。 そんなある日、ある保護者から、大地は思いもかけない大きなギフトを受け取る。それは、亡き妻からの大切な思い--「生きる希望」。 そして、大地はある決心をするのだった。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『あえてよかった』 の文庫版となります。 -
青いリボン
ドラマ「ビターシュガー」原作者の名作小説 依子の両親は家庭内別居中。そこに父親の転勤や母親の長期出張が重なり、依子はいやおうもなく親友である梢の家に下宿することになった。大家族であり居候も多い梢の家は、依子の家とは違って、いつでも人の気配があった。依子が知った梢の淡い恋、そして彼女の家の大家族ならではの生活ぶり。ふだん学校で見る梢とは異なった一面を知ることになり、ふたりの友情はさらに強いものになっていく。そして賑やかな梢の家で過ごすうち、依子の両親への気持ちにも少しずつ変化が……。女子高生の友情と恋、そして家族とは何なのかを描いた名作青春小説。