配信予定・最新刊

作品一覧

  • あこがれ雲
    NEW
    -
    全1巻792円 (税込)
    貧乏士族の家に育った綾は、西洋文明、学問にあこがれ、むりをとおして仙台女学校に入学した。与えられる人生を拒み、新しい自由な生き方にもえる綾のあゆんだ道、その青春は……? 明治の時代を背景に少女のあこがれを追求した愛と夢の意欲作。
  • 今朝の秋・春までの祭
    -
    市井の人々の日常の機微を鮮やかに描き続け、数多くの名作ドラマを手掛けてきた山田太一氏の自選傑作集。 『今朝の秋』 1987年NHK放映。 ガンに冒された息子を前に老いた父に何ができるのか。 「八十をすぎても、子供にろくな言葉ひとついえん」 絆を失いバラバラになった家族が蓼科に集まり、最後のひとときを過ごす……感動を呼んだ表題作。 『なつかしい春が来た』 1988年フジテレビ放映。 浅草で食品サンプル製造を営む家族の元に、亡くなった祖父が姿を現す!? 「この世界は生きている人間たちだけのものではなく、いなくなってしまった人たちのものでもある」 小説『異人たちとの夏』の創作につながる正月ファンタジードラマ。 『表通りへぬける地図』 1988年テレビ朝日放映。 コンプレックスを抱え、お互いに羨望のまなざしを向け妬んでいた若い女性二人。 「みんな、バカだってなんだって可愛い子を選ぶのよ」 世間の評価に怒り諦め鬱屈していた二人の再生物語。 『あなたが大好き』 1988年TBS放映。 下町の江戸指物師の家の跡取り息子と山の手のお嬢様との結婚をめぐる物語。 「世田谷のね、重役のお嬢さんがね、こんな家へ来ようっていうのは、なんかあるわよ」 双方の親に反対される二人の恋の行方は…… 『春までの祭』 1989年フジテレビ放映。 夫に先立たれ義父と息子の三人で穏やかに暮らしていた未亡人が、野心的な実業家に求愛される。 家族と実業家の間で心が揺れる未亡人、亡き息子の嫁の新たな恋に戸惑い葛藤する義父。 季節とともに移ろいゆく嫁と義父の心を丹念に描いた秀作。
  • 早春スケッチブック
    -
    1983年にフジテレビで放映された異色のホームドラマ。 「ありきたりなことをいうな。お前らは、骨の髄までありきたりだ」 平和な一家を脅かす一人の男の声。 ホームドラマの到達点を示す長篇傑作。 ●(普通の生活者である男が)日々に追われ、ある夜は、左遷になった同僚をいたわって、バーで人生の哀歓などをしみじみと語り合ったりします。 ●その「しみじみ」の方は、よくテレビドラマになります。しかし、そうやって生きている人々に「なんてェ暮しをしてるんだ」と罵声を浴びせる人間が登場するドラマは皆無といっていいでしょう。 ●私を含めたいまの日本の生活者の多くは、そういう罵声を、あまりに自分に向けなさすぎるのではないでしょうか? 「いつかは」とニーチェがいっています。「自分自身をもはや軽蔑することのできないような、最も軽蔑すべき人間の時代が来るだろう」と。 (初版「あとがき」より)
  • 冬構え
    -
    市井の人々の日常の機微を鮮やかに描き続け、数多くの名作ドラマを手掛けてきた山田太一氏の自選傑作集。 『冬構え』 1985年NHK放映。 孤独な老人の[心の旅]を晩秋のみちのくの風景のなかに描いた表題作。 『教員室』 1984年NHK放映。NHK福岡製作。 福岡市の公立中学校教員室。不良生徒が教員室を襲うかもしれないという状況の中で展開する密室劇。 『最後の航海―ある甲板長の退職―』 1983年日本テレビ放映。札幌テレビ放送製作。 青函連絡船を舞台に、定年退職する甲板長一家の一日を描いた家庭ドラマ。 『ながらえば』 1982年NHK放映。NHK名古屋製作。 入院中の妻に会うために、富山から名古屋まで一人向かう老人。老夫婦の絆と愛を描いたドラマ。 『ちょっと愛して…』 1985年日本テレビ放映。 コンピューター結婚相談所の紹介で知り合ったモテない一組の中年の男女の物語。 『終りに見た街』 1982年テレビ朝日放映。 運命の悪戯から近所の一家族と共に、昭和19年の敗戦間近にタイムスリップしてしまった主人公一家。 一億総玉砕の風潮の中、敗戦日を知る彼らはそれまでを必死にしのごうと努力する。
  • それぞれの秋
    -
    1973年にTBSで放映された「木下恵介・人間の歌シリーズ」の最高峰ドラマがよみがえる! 「ただ、家族というものを、ぼくは新しい目で見はじめたように思う。それぞれが、何を考えているか、どんな事をしているか、お互いにちっとも知らない集りなのではないか、と」 家族の一人の実体が、普段なんとなくこういう人間だと思っていたのとは全然ちがうものだったという怖さ。 青春ドラマであり、ホームドラマであり、一人の若者の成長物語。 ホームドラマのなかに吸血鬼テーマを持ちこんだ記念碑的長編。
  • 岸辺のアルバム
    -
    1977年にTBSで放映されたホームドラマの歴史をぬりかえた傑作長編がよみがえる! 「奥さん、浮気の相手は何人ぐらいですか?」 一本の電話が幸福な家庭に小さな波紋を投げかける。 東京郊外、多摩川べりの一戸建て住宅に住む幸福な家庭の崩壊と再生の物語。 家庭を支える美しい母親の浮気、商社マンの父親の裏の仕事、優秀な大学生の娘の妊娠中絶、家族の秘密を一人抱える心優しい受験生の息子… 家庭内のリアルでシビアな現実を描いた「辛口ホームドラマ」というジャンルを確立した代表作です。
  • 終りに見た街 シナリオ集
    4.0
    2024年9月21日(土) 大泉洋主演でSPドラマ放送!(テレビ朝日系列) 山田太一の名作小説を宮藤官九郎が現代にドラマ化! 一つの物語から二つのドラマが生まれた! シナリオ界を代表する2人が白熱の競演! 令和の(昭和の)現在から、敗戦直前の戦時下にタイムスリップしてしまった主人公一家。 一億総玉砕の風潮のなか、過酷な日々を生き抜けるのか?
  • 終りに見た街/男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉
    -
    1巻2,851円 (税込)
    山田太一の戦争にまつわる珠玉シナリオを集成!(すべて初活字化) 戦時中にタイムスリップしてしまう家族を描く衝撃作『終りに見た街』(2005年リメイク版)、 今まで活字化を許可されていなかった 『男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉』、 その他映画のための未発表シナリオなど全4篇+掌篇・講演を収録。 『ふぞろいの林檎たちV/男たちの旅路〈オートバイ〉』に続く 山田太一未発表・未活字化シナリオ集第2弾。 *ある日突然、戦時中の昭和19年にタイムスリップしてしまう平凡な家族。彼らは敗戦間近の食糧不足・国家総動員そして大空襲の時代を生き残ることができるのか……衝撃的な結末が話題となった『終りに見た街』は1981年に小説として発表され、翌年ドラマ化、さらに2005年にリメイクするほど山田太一自身思い入れのある作品である。今回リメイク版を初の活字化。 *鶴田浩二主演の名作ドラマ『男たちの旅路』シリーズの掉尾を飾るスペシャル版〈戦場は遙かになりて〉は、今まで待望されながらも山田太一が活字化を許可していなかった。今回初の単行本収録となる。 *中国残留孤児問題を取り上げた映画シナリオ『唐津湾夕景』(1975年)、アラブ紛争地域に住む日本人を描く舞台作品『砂の上のダンス』の映画化シナリオ(2000年代)はともに未発表作品。 *附録として掌篇「叔父さんの下町」(単行本未収録)、戦争体験を語る貴重な講演(抜粋)を収録。 編・解説 頭木弘樹 はじめに(頭木弘樹) 叔父さんの下町 終りに見た街 男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉 砂の上のダンス 唐津湾夕景 少年期の飢餓体験ーー講演「テレビとわたしーーわたしの作品を通してーー」より 収録作品について(頭木弘樹)

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  • 想い出づくり
    -
    1981年にTBSで放映された愛と青春と友情の傑作ドラマがよみがえる! 「真面目な、真剣な、恋愛したい。すっごくいい想い出ほしい」 台詞のむこうから適齢期の三人の女性たちの息づかいが聞こえてくる、瑞々しい青春ドラマ。 当時の日本社会における女性の生き方や社会的役割を背景に、 「想い出づくり」に奮闘する女性三人の心の葛藤や成長が、多くの共感・感銘をよんだ名作シナリオです。
  • ふぞろいの林檎たち
    -
    1983年にTBSで放映された傑作青春群像劇がよみがえる! 生き生きしてますか? 「頭わるいんだな。結局、大学どんどん落ちて、いまンとこしか入れなかったんだ」 三人の「四流」大学生と彼らをめぐる娘たち、家族たち。 おちこぼれた若者たちの闘いを描いて支持と共感をよんだ傑作青春ドラマ!
  • 男たちの旅路1
    -
    1976年2月から1979年11月までNHKで放映された名作ドラマがよみがえる! 「俺はーー若い奴が嫌いだ」 警備会社を舞台に戦中派の中年と戦後生まれの若者たちの断絶と共感を描いた傑作シリーズ。 【第一部】 非常階段/路面電車/猟銃 【第二部】 廃車置場/冬の樹/釧路まで
  • 異人たちとの夏(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した……。静かすぎる都会のひと夏、異界の人々との交渉を、ファンタスティックに、鬼気迫る筆で描き出す、名脚本家山田太一の独自の小説世界。第一回山本周五郎賞受賞作品!(解説・田辺聖子)
  • 時は立ちどまらない~東日本大震災三部作
    4.5
    追悼 山田太一さん 「魂の話をしましょう。魂の話を!」 「キルトの家」 震災から1年。 旅先で震災に遭遇した若い男女と 独り暮らしの老人たちの物語。 「時は立ちどまらない」 3年後。 津波で被害を受けなかった一家と 家族を失った一家の鎮魂の物語。 「五年目のひとり」 五年後、 震災の記憶を引きずる男が 亡き娘の面影を追うファンタジー あの大震災を前にフィクションに何ができるか? を考え続けた著者の、最晩年の傑作三作品を収録。 【著者紹介】 山田太一(やまだ・たいち) 1934年東京浅草生まれ。脚本家・作家。 早稲田大学を卒業後、松竹大船撮影所入社。木下惠介監督に師事。1965年脚本家として独立し、テレビドラマの世界で数多くの名作を書く。 1983年「ながらえば」「終りに見た街」などで第33回芸術選奨文部科学大臣賞、同年「日本の面影」で第2回向田邦子賞、1985年第33回菊池寛賞、1988年『異人たちとの夏』で第1回山本周五郎賞、1992年第34回毎日芸術賞、2014年『月日の残像』で第13回小林秀雄賞、同年朝日賞などを受賞。 2023年11月29日永眠。
  • ふぞろいの林檎たちⅤ/男たちの旅路〈オートバイ〉
    5.0
    誰も見ることのできなかった、幻のテレビドラマがついに! 名作ドラマシリーズ『ふぞろいの林檎たち』幻の第5部、新発見の『男たちの旅路』の未発表回、未映像化の2時間サスペンスドラマなど貴重なシナリオを一挙収録。『ふぞろいの林檎たち』放送40周年記念。 編・解説=頭木弘樹 *1983年より始まった青春群像ドラマの傑作シリーズ『ふぞろいの林檎たち』。パート4(97年)で完結とされていたが、なんと幻のパート5が存在していた! パート1〈落ちこぼれ大学生篇〉パート2〈社会人奮闘篇〉パート3〈人生の転機篇〉パート4〈若者たちとの邂逅篇〉につづく、四十代の葛藤を描く完全未発表作『ふぞろいの林檎たちⅤ 』前・後篇(2002-03年頃)。 *鶴田浩二・水谷豊主演の名作ドラマ『男たちの旅路』シリーズ(76-82年)、その第4部の2話から登場しなくなる水谷豊がなんと出演し続けるバージョンがあった! 新発見の完全未発表エピソード〈オートバイ〉(79年)。 *山田太一がなんと2時間サスペンスドラマを書いていた!――平凡な夫婦がまきこまれる奇妙な犯罪譚『今は港にいる二人』(82年) *附録として、山田太一が初めて書いたシナリオ『殺人者を求む』(58年)を収録。 *「ふぞろいの林檎たち」「男たちの旅路」全エピソードあらすじ付き *山田太一エッセイ「ボツ」収録

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  • P+D BOOKS 岸辺のアルバム
    5.0
    1巻990円 (税込)
    昭和ホームドラマの金字塔、その原作小説。 1977年夏にTBS系列で放送され、「辛口ホームドラマ」として放送史に燦然と輝く名作。その原作小説は1976~77年にかけて東京新聞ほかで連載された。 高度成長期の大企業に勤めるモーレツサラリーマンの夫・田島謙作。傍目には恵まれた貞淑な妻・則子。才気煥発な女子大生の娘・律子と気弱な高校三年生の息子・繁。一見すると、郊外の戸建て住宅に暮らす幸福そうな一家が、ある1本の電話から破綻に向かって走り出す。主婦の浮気、レイプなど当時は斬新なテーマを意欲的に描いた、脚本家・山田太一の代表作。
  • 夕暮れの時間に
    4.5
    1巻858円 (税込)
    十一歳で敗戦をむかえ、名作ドラマの数々を世に届けた脚本家は現在の日本で何を見、何を思っているのか。エッセイの名手でもある山田太一がおくる、心に沁みる最新エッセイ集。語り下ろしインタビュー付。
  • 山田太一、小此木啓吾、「家族」を語る。
    4.0
    1巻1,400円 (税込)
    新潟少女監禁事件以来、「ひきこもり」の問題に強い関心が集まっている。さらに、アダルト・チルドレン、お受験、幼児虐待、パラサイト・シングル、熟年離婚……「家族」に関する話題がメディアに登場しない日はない。本書は、『モラトリアム人間の時代』『「困った人」たちの精神分析』などの著書を持ち、日本の精神分析の第一人者として今なお活躍中の小此木啓吾氏と、「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など、数々の名作ドラマを生み出してきた人気脚本家、山田太一氏が、日本の家族の「これから」を存分に語り合った一書である。「“老年期”こそ夫婦は輝く」「いじめを見て見ぬふりするのも、親の『やさしさ』(山田)、「セックスがなくても別れない日本の夫婦」「インターネットで家族ができる!?」(小此木)……家族のことで迷うすべての人へ贈る、暖かいメッセージの数々。心が軽くなる、家族のための「幸福論」。
  • 光と影を映す だからドラマはおもしろい
    3.5
    映画会社・松竹での助監督時代を経て、木下惠介氏と共にテレビドラマの世界へと進んだ山田太一氏。山田氏は、50年以上にわたってドラマ・舞台の脚本を書き続けてきましたが、事件や殺人などは基本的に扱わずに、家族や現代社会の有り様を鋭く温かく描ききっています。本書は、NHK BSプレミアムで放送された番組「100年インタビュー/山田太一」(2013年2月11日放送)の内容をもとに構成し、単行本化したものの電子書籍版です。「時代のたましい」を描き続けてきた山田氏が、脚本家人生を振り返りながら、ドラマ哲学とドラマの中の心に残るフレーズを紹介しています。全体は次の7章から構成されています。 第1章:映画人からテレビの世界へ 第2章:メッセージを伝える 第3章:家族を描く 第4章:プライドをもって胸を晴れ 第5章:古きよい日本を見直す 第6章:老いと向き合う 第7章:いま、テレビにできること。

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  • 月日の残像
    4.5
    1巻605円 (税込)
    記憶の片隅から、忘れえぬ情景や深い感情がよみがえる――浅草での幼い日々、父母や早世した四人の兄、大学時代に出会った寺山修司、木下恵介の助監督を務めた松竹大船撮影所の思い出、愛読する書物の数々……。「岸辺のアルバム」「想い出づくり」「ふぞろいの林檎たち」など名作ドラマを世に送り出した著者が、苦く切ない記憶とともに自身を静かに回想する。小林秀雄賞受賞。
  • 読んでいない絵本
    3.5
    1巻715円 (税込)
    読む愉しみが溢れる〈物語の世界〉。 1950年代と現在の東京を往還し幻想的な物語が展開する「あの街は消えた」と「読んでいない絵本」、さらに老人の白昼夢のような時間を描いた「少し早めのランチへ」(以上短篇小説)、ビジネスマンの一日に流れ込む一瞬の幸福と死を切り取った二篇のショート・ショート。全国でロングラン、好評を博した俳優座の名舞台、家族の再生を描いた傑作戯曲「黄金色の夕暮」、芸術祭優秀賞、菊島隆三賞を受賞したテレビドラマのシナリオ「本当と嘘とテキーラ」。多彩な作品を一冊にまとめた魅惑の山田太一ワールド。
  • ナイフの行方
    3.0
    1巻1,222円 (税込)
    2014年12月に放送されたNHKドラマ「ナイフの行方」を書籍化。山田太一の最新書き下ろしドラマ(前後編計146分)で、制作統括は「男たちの旅路」(1976年~放送)の近藤晋プロデューサー。 ナイフで無差別殺人を犯そうとした若者(今井翼)を、剛腕の老人(松本幸四郎)が取り押さえて自宅に連れ帰る(前編)。後編で意外かつ衝撃的な展開が待っている本作は、放送当日から山田太一ファンが騒然とした「異色作にして傑作」。「人間は変わらない」「みんなが人間を信じすぎている」というセリフには作者の心情があらわれ、現代社会へのメッセージに富む骨太の物語です。 本書は、ドラマ前後編のシナリオを完全収録するほか、山田太一本人による1万字解説「正義がどこにあるのか、分からない時代に」、そして近藤晋プロデューサーによる5000字解説「回想シーンがまったくない“傑作”」を収録。1960~70年代から良質なテレビドラマを探求し続けてきた2人の巨匠の言葉は、本作の解説を超え「ドラマとは何か」「人は何に救われるのか」を示唆するテキストとなっています。 山田太一のドラマシナリオ集としては18年ぶりの刊行。81歳を迎え、ますます鋭く世を人を見つめる山田太一の視線を、シナリオとロング解説でたっぷり味わえます。 <NHK特集ドラマ「ナイフの行方」放送概要> 放送:2014年12月22日(月)22.00、23日(火)22.00 ※NHKオンデマンドで2015年11月30日まで配信 作:山田太一 演出:吉村芳之 出演:松本幸四郎、今井翼、相武紗季、石橋凌、松坂慶子、津川雅彦 ほか
  • 空也上人がいた
    完結
    4.3
    全1巻759円 (税込)
    81歳、孤独な老人。46歳独身、介護職の女。27歳、特別養護老人ホームを「ある事情」でやめた青年。ぬぐい去れない痛みを抱えた3人の奇妙な恋が始まる――――。脚本家・小説家山田太一の小説『空也上人がいた』(朝日新聞出版)を、『THE WORLD IS MINE』『キーチ』の鬼才・新井英樹が漫画化!! 巻末に新井英樹×山田太一録りおろし対談を収録!!
  • 新版 親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと
    4.3
    子どもとの距離感に悩んだら――「ふぞろいの林檎たち」「岸辺のアルバム」……家族を見つめ続けた脚本家が語る親子論。わが子も他者であり、親の思いどおりにいくものではない。個々の魅力に気づき、その違いを財産だと思って喜ぶべきではないかと著者はいう。大事なのは「時代の基準」ではなく「その子の現実」。「親が子供にしてやれることの基準」は、「他ならぬその子」にしかないのだということ。「一般的基準を忘れて愛する」「言葉より深いものを子供は読みとる」「人生の意味」……子供が教えてくれる大切なこと。それは親をも育んでくれる。子供は親の成熟する場所だった――。私たちは弱い存在で、なまの真実には耐えられないところがある、などと思うことがあります。(中略)私は子供の「?」を、大切にしてあげたいと思う親でした。本当のことだけをいうように教育するなんてことはできないという思いがありました。(本文より)

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  • 終りに見た街
    4.0
    1巻726円 (税込)
    戦時下にタイムスリップしてしまった家族。 東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。
  • 飛ぶ夢をしばらく見ない
    3.8
    1巻671円 (税込)
    時間を逆行し生きる女性と中年男の愛の日々。 数ある山田太一の小説作品の中でも、初期の最高傑作。骨折で入院中の主人公・田浦の病室に列車事故にあった患者が運び込まれる。衝立ごしに出会った女性患者・睦子との不思議な一夜から、信じられない物語が始まる。主人公が再会した彼女は「若返って」いたのだ。老女から少女、そして幼女へ、さらには……。彼女は自らの若返りを止める術を持たない。二人はいつか訪れる関係の終焉を予感しつつも、互いを愛おしみ、逢瀬を重ねる。
  • 冬の蜃気楼
    3.3
    1巻671円 (税込)
    美少女と中年男に弄ばれる甘美で残酷な青春。 1958年、東京郊外にある映画撮影所(著者が助監督として活動した松竹大船撮影所がモデル)から物語は始まる。主人公は大学を卒業したばかりの22歳の助監督。映画界は最盛期を過ぎたとはいえまだまだ活気に満ちている。新人女優として突然主人公の目の前に現れた16歳の美少女と大根役者の中年男をめぐってストーリーは展開する。ほとんどは、巨匠が監督する映画「一葉」の撮影現場である。当時の映画製作の現場が微細に生き生きと描写される(著者がこれほど詳細に映画製作の現場を描いたことはない)。最終の第12章のみ33年後という設定である。甘美な青春の日々とほのかなエロティシズム――、青春の苦さを見事に描いた傑作長篇小説。
  • 空也上人がいた
    3.9
    1巻1,300円 (税込)
    山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作。

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  • 岸辺のアルバム(1)
    完結
    4.0
    全2巻594円 (税込)
    誰もがうらやむ川べりの家に暮らす田島(たじま)家。何不自由なく平和に暮らしていたが、ある日、日常は、もろくも崩れ始めた。人生初の不倫にはまっていく妻・則子(のりこ)。会社の不祥事で神経をすりへらす夫・謙作(けんさく)。家族に無関心を装う長女・律子(りつこ)……。誰もが自分のことしか考えていないことに気づく長男・繁(しげる)は、母の不倫現場を目撃して!? '70年代伝説のドラマが現代版コミックに蘇る!!

ユーザーレビュー

  • 異人たちとの夏(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    思っていたのとはちょっと違ったけど、さすが山田太一、第一回山本周五郎賞の名に恥じぬ名作。とにかく筋書きが面白く、導入部での主人公の離婚の顛末から一気に引き込まれる。作者と同じく脚本家である設定も効いていて「なるほど、脚本家というものはこういう風に日常をドラマとして捉えてしまったりもするものなのか」と変に感心させられたりもする。
    古典的な幽霊譚の構造を踏襲しながらも、現代人の心に直に訴える魅力を絶妙に加えて素晴らしい出来栄えでした。

    0
    2025年11月22日
  • 異人たちとの夏(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    非常に読みやすく、面白かった。
    ページ数が少なく物語もコンパクトなため、自分のような読書初心者におすすめだと思う。
    主人公と亡くなったはずの両親が浅草で会う場面が出てくる度にノスタルジックな気分になり、良かった。
    次は夏に読みたい。




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    2025年10月16日
  • 終りに見た街

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦後の昭和に生活していた一家が、戦時中に家ごとタイムスリップしてしまった話。
    かなり前の本なのでネタバレといってもみなさま読まれてるとは思いますが、やはり最後のオチが秀逸。さらに戦時中の日本の閉鎖的なところや貧困、生活がリアル。。(作者が戦争を体験しているので。。)

    家族がタイムスリップしたのは果たして過去だったのか、はたまた未来だったのか。戦争が起こればこんな日々になってしまいますよ、というメッセージを感じました。なんだろう、、異世界転生とか時間が巻き戻る系が流行ってますが、実際はこの本みたいに起こりうる未来を知っていてもなんとかならないし、何なら馬鹿にされるんだなと思いました。いや、あれ

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    2025年07月28日
  • 新版 親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

    Posted by ブクログ

     子供が、自ら選んだハードルの高い高校に入学し、毎日かなりの無理をしながら頑張っている姿を見ていて、親にも何かしてあげられることはないかと気を揉み、この本を思い出し手に取りました。

     そう、本当は内容を読まずとも、ある程度は頭ではわかっているのです。親ができるのは、ほんの少しばかりの事しかないということは。ですので、できることを知りたいというよりは、余計なことをしてしまっている気がしたので、しない方が良いことを知りたいような気持ちで手に取りました。
     
     内容はとてもためになりました。「人間は、ある程度のいい加減さが必要である」という考えが核になっているようでした。30年ほど前に書かれたもの

    0
    2025年05月15日
  • 終りに見た街 シナリオ集

    Posted by ブクログ

    続いて読んだシナリオ集、何と宮藤官九郎のシナリオと山田太一自身が書いたシナリオが載せられている。
    とても珍しいものだと思いながら読み進める。
    原作を読んだ直後なのでシナリオ化にあたってどんな工夫がされたのかがよくわかる。それぞれに素晴らしい作品だった。

    0
    2025年04月05日

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