最近よく出ているコメンテーター古谷 経衡氏、
何者なのかと思ってこの新書を読む。
学生時代にチャンネル桜でデビューした、「元右翼」らしい。
ただ、右翼仲間?の言説があまりにレベルが低く、他の人が言うことをうのみに
しているだけというのに嫌気がさして、抜け出して今日がある、ということのようだ
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つまり彼は自分で考える頭がある。
シニア右翼にはそれがない、ということもあってか、シニア右翼を分析しつくしたの
がこの新書。
そもそも右翼、保守ってなに、という話から始まる。
皇室を愚弄するような発言を繰り返す右翼がいるが、それはありえない。エセ右翼。
親米保守。アメリカのぽちになって何が右翼、保守なものか。
そういう出発点がある。
しかしなぜシニアがここまで簡単に「右傾化」するか。
古谷はその背景に、スマホの普及を見る。
1990年代、カップラーでネットにつないでいた世代はネットのいい加減さを
知っている。うかつに信じない。
しかし、それを知らず、スマホで簡単にネットにつながった世代はそうではない。
それが今のシニアなのでは、という仮説だ。
アメリカのネトウヨ、Qアノンは若い人。日本と明らかに違う。
単純にネットの情報を信じたシニア。
日本は戦後きちんと戦争を清算しなかった。
中曽根などは旧陸軍でそれなりの地位を占めていた。
そんな彼が自己否定をせず、戦争責任を曖昧にした。
歴史の授業で近現代がないのはそのせい、、、
古谷の意見にほとんど合意する。
過去をきちんと見つめないから、歴史修正主義がはびこる。
反知性主義でいられる。
しかも今、シニアは無駄に元気だ。なかなか死なない。
ものの考えを変える一番いい方法は、世代が変わることだ、と読んだ。
まさに今そんな時代なのだろう。