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極論を目にすることが増えた。政界、教育現場、論壇、職場、メディア……あらゆる場所で左右も保革も関係なく、ちょっと冷静になれば明らかに変だとわかることを声高に主張し、他人を糾弾する「極端な人たち」が目立つ。それはかつての連合赤軍やオウム真理教を想起させる存在だ。「バブル賛歌」「TPP亡国論」「地方消滅」「憲法九条無殺生論」等々、はびこる極論の奇怪さを嗤い、その背景を考察する。
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Posted by ブクログ
確かに「極論」は、多い。極端すぎる主張で他者を糾弾する、一方的な考えをおしつける、それが全てであるかのような考え方、それに縛られる生き方。哀しい人たちだな。多様性を認めてこそ、の人間なのに。多角的な考えと学びの重要性を再認識させられた。
およそ「極論」が掲題となる社会は閉鎖的である。「極」とは単なる取決めに過ぎないにも拘わらず、譲ることのできない「際」のような扱いをすることで、無用の分断が生じる。一度生まれた分断は、「無用」の一言では容易に片付かず、時間と共にさも当初からそうであったかのような様相を形作る。一方、物理的でない分断は、...続きを読む際の外から見ればなきに等しく、時に「よそ者」によって一瞬で瓦解する。日本を蝕む「極論」を瓦解させるのは、世代交代か、移民か、技術か。いずれにせよ、戦争に踏み出した「極論」の時代に戻る愚行は避けねばならない。
一章一章のテーマが、とてもその文章量で論ずることができない種類のものを「極論」という縦軸のみで乱暴に扱ってしまった。当然粗が目立ち、ムラができ、落ち着かない。あえてだろうが「なのだ、である」調や、漢字の無理な多用など、言ってみれば「ちょっと背伸びしたかわいい評論」で終わってしまっている。ワイドショー...続きを読むなどでの言説はときに視点のオリジナリティーを感じさせてくれるので、テーマをまとめより深く面白く語ってくれることに期待したい。
「極論」は極小さい仲間内でしか通じない言説ということらしい。したがって論理的に考えれば日本を蝕むことはないはず。 まあこの本の内容も極論に近いかも。
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日本を蝕む「極論」の正体(新潮新書)
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