古谷経衡のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いかに今の日本の政治や社会に陰謀論が食いこんで来ているのかが分かる良本でした。
現状に警鐘を鳴らす役割を担ってくれるような一冊であり、衆院選に向けて読まれてほしい内容です。
山崎リュウキチさんの陰謀論・排外主義コミュニティやその運動を推し活・チャーチマーケティングの視点で読み解く章は、朝井リョウさんの話題作「イン・ザ・メガチャーチ」と通ずる話で読んでいて興味深く、とても面白かったです。(昨今の排外主義の蔓延や政治の極右化が深刻すぎて「面白かった〜」だけで済ませられない話ではあるんですけど…。)
また恥ずかしながらQアノンや反ワクチン、三浦春馬運動あたりのことをあまり知らなかったので、ここ数年 -
Posted by ブクログ
「万事見にゃわからん」
司馬遼太郎作品での坂本龍馬の言葉で私の好きな言葉のひとつであるが、まさに本作はそれを体現している。
フィリピン、サイパン、グアム、そしてインパール。平和の本質を考えるうえでも現地を見ることは今この情報社会において、特に意味を持つように思う。
表面的な情報は今世界中どこにいても、世界中の情報が手に入る。
しかし、自分の五感で感じることをせずにどこまで本質に近づけるか。
特に本書の中でのインパールの話は印象的だった。
当時作戦を指揮した牟田口中将は、なんとリーダーでありながらインパールや前線を一度も見ていないという。
改めてAI時代だからこそ現地を訪れて自分の目で確か -
Posted by ブクログ
陰謀論が排外主義と結びつくことの恐ろしさを改めて感じた。サブカル界隈から飛び出した陰謀論が排外主義を帯びて政治化し、各種の「解体デモ」などの形で実社会に多大な影響を及ぼすようになった。
本書では複数の「陰謀論ウォッチャー」が寄稿しており、どれも興味深い。
とくに、陰謀論を推し活の観点から分析した山崎リュウキチ氏の論考は、とても鋭いものだった。陰謀論者にとってみれば、陰謀論は現実社会の二次創作だというのである。だとすれば、「それは間違っている」と指摘しても効果がないのは当然である。
また、藤倉喜郎氏によれば今の陰謀論は陰謀論ですらなく、単なるデマや差別であるという。「意見や立場の違い」では -
Posted by ブクログ
暗澹たる気持ちになるが、「日本社会の現在地点」を知る上で、良書である。
「新しい戦前」とも言われる現在。
わたしが恐怖を感じているのは、無謀なアジア・太平洋戦争時において、国民の99.9%が、戦争に賛同、もしくは追随していたという事実だ。
戦争反対の声を上げた人々の記録は、限りなくゼロに近い。
彼ら、彼女らは、近隣から虐められ、職場から追放され、家族から見放されたであろう。
そして、警察にしょっ引かれ、女性にいたっては署内でレイプされたりしている。
冷静な判断で、正しい行動を行った、彼ら、彼女らこそ、現代のわたしたちが、感謝し尊敬すべき対象である。
そして、その「心の強さ」を学ばなければ -
-
-
Posted by ブクログ
最近よく出ているコメンテーター古谷 経衡氏、
何者なのかと思ってこの新書を読む。
学生時代にチャンネル桜でデビューした、「元右翼」らしい。
ただ、右翼仲間?の言説があまりにレベルが低く、他の人が言うことをうのみに
しているだけというのに嫌気がさして、抜け出して今日がある、ということのようだ
つまり彼は自分で考える頭がある。
シニア右翼にはそれがない、ということもあってか、シニア右翼を分析しつくしたの
がこの新書。
そもそも右翼、保守ってなに、という話から始まる。
皇室を愚弄するような発言を繰り返す右翼がいるが、それはありえない。エセ右翼。
親米保守。アメリカのぽちになっ -
Posted by ブクログ
ネトウヨはほぼほぼシニアである。と言われて一番なるほどと思ったのは、ネットでの彼らの相手に対する口の利き方だ。言ってる内容云々はともかく、最初から言葉使いが尊大で失礼な人が多いという印象がある。ネットの論戦相手は自分よりずっと年長者かも知れないのに、まるでそんな可能性などないかのように確信的にタメ口なのだ。それは若者がマナーに疎いからというのよりも、自分がシニアだから相手はたぶん年下のつもりで話しているという人が多いからと思うと腑に落ちる。なぜならそのぞんざいな態度にあまり悪意を感じない、無礼だけど悪気はない、という場合が多いからだ。社会経験が薄弱でネットリテラシーが低く、下品で反知性的な物言
-
Posted by ブクログ
今までやけに肩に力が入ってからぶっていたり、露悪的になったりして不興を買っていたように思うが、初めて面白く、フラットに落ち着いて読めたように思う。
女政治家というくくりは少々炎上商法狙いというか、ポリコレ話題に乗っかった感があった。しかし、このくくり方をした理由も目的もとても腑に落ちたのだ。
単なる人物評を面白おかしく綴るだけでも一定のエンタメはキープできただろうに、あえて人物から派生する問題や歴史観、その思想の分析などに広げている点が実に時事批評として面白い。かつその論評は毎度の持ち芸の肩に力の入った、ある時は偏りも含めての持論を展開する。もちろんそれがおもしろいわけで、一般的な位置づけを語 -
Posted by ブクログ
「意識高い系」と「意識が高い」は違うと常々思っていたが、本書はその答えの一つを提示している。
要するに意識高い系は欲望(主に承認欲求)を隠しているのだ。
しかもその隠し方が雑で透けて見えるから不快なのだろう。
抽象的な大義を掲げ、本心を偽装し、中身のない言動を繰り返す人間はそこかしこで見かける。
なぜそんなことをするのか理解不能だったのだが、あれらも意識高い系と考えればしっくりくる。
本書では地元でいい思いをし土着した人々をリア充と定義している。
真のリア充は観測不能であるというのは面白いと思った。
自分たちが充実しているのは自明なので、やたらめったら自分たちの行動をSNSにアップしない。
-
Posted by ブクログ
読んでみて、と頂いた本。
極左なのではと身構えていたけど、思いの外読みやすく、陰謀論コミュニティの成り立ちが理解できた。
私が普段よく目にしていた勝手に流れてくる切り抜き動画は、かいつまんで説明されていわかりやすいなと思っていたけど、あれこそが陰謀論インフルエンサーなのかとハッとした。
事実かわからないけど、陰謀論信者は読書習慣がなく、情報源はネット動画が多く、政治・社会・自然科学についての最低限度のリテラシーが欠如しているという。
自分で調べもせずに頭のいい人の発信をただ受け取っていたことを反省。
根拠のないデマだということや排外主義の抱える矛盾を知らずにSNSで若者が取り込まれていく流れ -
Posted by ブクログ
ネタバレ・「真実」への欲望とアイデンティティ
陰謀論は、複雑な世界を「善と悪」の単純な構図で説明しようとする。既存のメディアや権威を信じられない人々にとって、隠された真実を「発見」することは、知的優越感や承認欲求を満たす手段となっている。
・ネット空間とエコーチェンバー
アルゴリズムによる情報の偏りが、同質的なコミュニティを形成する。そこでは異論が排除され、極端な言説が再生産される。SNSは感情を増幅させ、排外的なナショナリズムと親和性を持つ。
・歴史修正主義と排外主義の接続
かつての差別意識が、歴史的文脈を書き換えることで正当化されている。「自分たちが不当に搾取されている」という被害者意識が、特 -
-
Posted by ブクログ
「反ワクチン、外国人特権」などの陰謀論が政治にからみつき、ついに議席数や首長の座を取り始める現在を現場で取材する7人の記者がレポート
参政党の議席数躍進など何が起こっているのか戸惑う人の為の一冊
そもそも陰謀論というものの内容は何か、どういう経緯でそれは広まっていったのかを実例をあげて説明
現場報告は目がチカチカしますが現代史の俯瞰から見た考察もあります
2025年現在の報告で事態が流動的である為この後未来がどう動くかわからないものの過去と現在が克明に報告されているので「今」どこの立ち位置に自分達がいるのかを示唆してくれる一冊かもしれないです