古谷経衡のレビュー一覧
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要するにネット右翼=情報リテラシーがない人びと
いろいろ勉強になった。著者はよく勉強してゐる。
要するにネット右翼といふのは、端的にいへば、情報リテラシーがない人であり、これはもう永存するのだらう。あと著者が、見識のある革新やリベラル・移民に、可能性を見出してゐるのは意外だった。
コラム1「宗教保守とは何か」にて、旧統一教会の出自が反共であり、反共同士でつながりあって存続できたとは知らなかった。コラム3「保守と右翼」も、私じしん保守と右翼を同一視してゐたので、なるほどと思った。ネット右翼が、主に戦争未体験の中産階級といふのも目新しい。あと、右派や保守は自民党を支持するが、自民党のなかでも特に清和会を支持するとあり、現在の首相がネット右翼に評判が悪いのは、宏池会だからかと思った。
3章は一種のネット史になってゐる。ネット右翼とネット普及とが比例関係にあるのはいちおう筋は通ってゐるが、相関関係であって因果関係とまでは言ひがたい。それを補強するのが4章だ。
しかし、この4章はすこし怪しい。よく勉強してゐるといっても、はたして社会学者なのかどうか怪しい宮台真司や、天皇制支持のなんリベ右翼の片山杜秀を引用するのはどうか。両者はうさんくさいのである。同様に、片山の未完のファシズム論も納得しかねる。国家システムが分権的であることがどうして欠陥なのか。
些細なことだが、文章中に何度も「瀰漫」が出てくるのも気になった。著者の癖である。 -
Posted by ブクログ
・割と不評でウケる
・考え方としては普通に面白かったし、一気読みした(賛同はしないけど)。
・なんで楽しめたかというと、インデックス投資ではなくFXに走ったり、なぞに地元外の学校に進学したりした同級生の心情を推測しながら読んでいたからかもしれない。まあ持論はとっくにあるけど。
・単純に努力アピールしているだけではウケが悪いので、「意識高い系」と言われているだけなんだろうなとしか。
・「リア充は状態ではなく社会階層」。恋人がいても非リアは成り立つが、資産家の息子が非リアは成り立たない。
・東京は田舎モンしかいないというのはウソ
・ゴキブリをコックローチって書いていた
・具体的なものは抽象的なものよりグロイ -
Posted by ブクログ
戦争を知らない世代の書いた戦史として屈指の出来栄え。実際に戦地を訪れるという信念も素晴らしい。
何より筆者の年齢に驚かされた。耳学問で良くぞここまでとの感。一方的な日本軍の害悪論でなく、真摯に戦った指揮官を描いている。
インパール作戦の佐藤幸徳、宮崎繁三郎。沖縄決戦の八原博通、特攻拒否の美濃部正。
筆者で何より評価したいのは実際に戦地を訪れる姿勢。『失敗の本質』を座右の書に挙げる政治家は多いが実際にインパールを訪問する人はいないだろう。政治家に限らずガダルカナル硫黄島のような激戦地を訪れる作家はいても、インパールを訪れた作家は寡聞にして筆者でしかしらない。現代の交通機関の発達を持ってしても僻地であるという。本書は第一部インパールだけでも屈指のものであるといえる。
また本書はコラムが充実しており戦争を知らない世代でも歴史的背景を知ることができる。
ただし最近の戦史全般に言えることだが、何かと現代に結びつける姿勢は個人的にはいただけない。それはあくまで読者が判断するものであると思う。
その部分を割り引いても良くできた作品です。 -
Posted by ブクログ
絶縁する?
どんな方法で、と疑問に思い購入しようとしたら、在庫切れで他店より取り寄せるとのこと。
親との縁が切れる時、どちらかがこの世から消える時、天命を全う。殺すか殺される。絶縁の具体的手段はお読みいただくとして。
私は消極的な縁切りを選んだ、親の老衰による自然死まで待つ。
読み始めると著者の父親は私と同い年、そのワタシが「長男だから」の枕詞。
土地も資産もない「下級」公務員が親の価値観を私は押し付けられた。
「長男だから、長女だから」を口にしなくなった親世代はいつ頃なのか。
教育現場では、学力で高校進学を割り振られ、大学受験も本人の意思とは無関係に国立一期校、二期校、公立医学校......。有名私学校より国立、公立。
本書では、教育現場の教師の姿勢の説明が殆ど無く (それだけ重症者)物足りなさを感じた。
中学生の頃、鶏を飼ったことがある。すると必ず一羽がイジメに会い、頭を突かれ骨が見えるまでになる。人も、似たようなモンかな、と。
その一羽を別の小屋に移すと、代わりにイジメに会う一羽が出現する。
教育とはある意味、鶏の「餌」と考えれば似たようなもの。餌に群がりイジメが出現する。
虐待した父親の教育現場を知らなすぎる。復員した教師は軍隊でやられたそのマンマ学生に暴力を振るった。
革靴を切ったスリッパもどきのその靴底でビンタ。
石炭ストーブのジュウノウで叩く。
今でも、教育現場では軍隊の訓練に名を借りた、イジメ、暴力を振るった伝統が続いている。
学生も卒業式まで我慢して式の終了後、目には目を。で、暴力沙汰になったもの。警察官の要請までになった学校もあったのだから。
筆者の第二第三に期待したい。 -
Posted by ブクログ
自分よりも10歳年下の作者さんの体験本。私の配偶者も、この作者さんと似たような体験をしているので理解できますが(それでも、この作者さんの環境はひどすぎます)、子どもが大人になっても生きづらさを抱えていることが気の毒でなりません。
この作者さんも結婚を通して自分の親と向き合う決意をしたそうですが、そのあたりの経過やきょうだいとのことが全く触れられていないので、私としてはその点が物足りませんでした。
ただ、作者さんも最後に触れていますが、親からの心の傷は、忘れようと努力するよりも向き合った方が、修復は早いと私も思っています。ただ、それは、当人にとってとても辛すぎる作業だとも思いますが。
絶縁意思の公正証書にも触れていましたが(私も、そこまでやろうとは思いつきませんでしたが)、法的な効力はないのが残念ですよね。親と心の底から絶縁したいと思っている子どももいるということを心から理解できる人たちが、少しずつ増えてきている(そういう意味では良い世の中になってきている)と思いたいです。