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Posted by ブクログ
本当に求めているものが何か分からない、〝成長、繁栄、拡大〟ばかりを追い求める•••
誰しもが感じたことがあるけど口に出すことはないモヤモヤを、すっきりと言語化してくれている。
会社などの共同体において、そこまで能力がないのに〝やる気がありそう〟なだけでチャンスをもらえたり評価が上がることがある。
数字で見える成果なんてほとんど無いのになぜ評価されるんだろう?と気になっていたけれど、〝共同体の成長と拡大に貢献してくれそうな人材だから〟だったんだと腑に落ちた。
この〝共同体の成長と拡大に貢献してくれそう〟=良いこと というのが生殖の視点から語られていて面白かったし、明確な答えはないけれど非常に考えさせられる本だった。
この本の主人公はどこか朝井さん本人に似ていて、きっと朝井さん自身が同じような葛藤を抱えたことがあったのだろう。
独特な目線から話してるなあ、人間のことを「ヒト」と読んだり〇個体とカウントしたり、、、新鮮で面白くて次々読んでいったらいつの間にか最後のページに。フレンドリーな口調が読みやすかったのかも。
人間は成長とか変化しないことを恐れていて絶対今にとどまろうとしないし、後戻りなんてもってのほか、、、ほんとそうだよねぇ、と思いながら読んだ。脳が発展していて身の回りがある程度満たされているから、暇なときに「生きてる意味ってなんだろう」みたいなことを考え始めるの、すっごく人間らしいよねぇ、とも。
ある事象に対する人々の見方や風潮の変化についての描写が興味深かった。
Posted by ブクログ
ところどころ語り手の主人公に対する評し方や意見や、主人公の他人に対する興味のなさ具合にクスッと笑えるシーンが多々あった。テーマが性的少数者を扱う重たいテーマであるが、それとは裏腹に文体は軽妙で読んでいて昏い心地はしないのが個人的に本書の良い点と思えた。「同性愛者を扱うよ!でも憐憫や同情なんか抱かず軽い気持ちで読んでねー」というような意図を感じた。
この小説で改めて気付かされたのは、「この機能いつ使うねん」と思う家電とか「何が変わったの?カメラの高画質とかそんな求めてねーよ。それより値段安くしろ」と思える最新版のスマホなど、わざわざ拵える必要あるか?と思える商品を続々と出す企業は「成長」という一社員の欲を満たすための副産物に過ぎないんだなぁという事だ。社会に必要、不必要なんて極論どうでもいい。心のどこかで薄々気づいていたかもしれないが、改めて言語化されると身に染みる。そしてこうした無意味な営みを真正面から突き詰めると、残るのは虚無だけだ。とても虚しい。
性的少数者を題材にしているが、サイコパスやソシオパスのような他人と同調できない社会的少数派な人にも当てはまるので、社会に馴染めないといった方にはおすすめ。
視点の鋭利さ、思考の深奥さに毎度脱帽です。
Posted by ブクログ
なかなか 文体に馴染めずに ゆっくりゆっくり読んだ
相手の心の奥を 素手でぐうっと握りながら もう片方の手は その背をやさしくさすってあげる みたいな本
苦しくなるけど 救われる 不思議な気持ち
こんな伝え方 よく思いつくなぁ
作者の発想とセンスに脱帽
主人公が 幸せそうなラストで良かった
何かが解決したわけではないし そもそも 問題なんて最初からあったのかどうかすら 分からないくらい
ただ
気持ちいいなぁ楽しみだなぁ
と 歩く主人公の姿を 嬉しいと思えた
この本の語り手が「よかったね 」 と声をかけたように
そうだね
よかったね
私も そう言ってあげたい
いつか そう言われたい
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