尾崎世界観の作品一覧
「尾崎世界観」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします!
-
作者をフォローする
- フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
値引き作品コーナー
ユーザーレビュー
-
今目の前にある肉体は有限だった。
きれいと言っても良かった。
この先老いて、潤いをなくしていくだろう男の肌や髪を想像しては、残念なような、ほっとしたような感傷的な気分になった。
あたしにとってのきれいは、最後の景色なのだと思った。
Posted by ブクログ
-
ここ最近尾崎さんの小説を読んでいるが、全部ずっと良い。わたしが言葉にできない何かを代弁してくれているような、わたしが感じていたことはこういう風に言葉にできるのか、とか納得以上のものを与えてくれる、そんな居心地のよい空間。
exあやっち、誰なのかとても気になってネットで調べてみたがあるライブでこの
...続きを読むことを話してたという情報しか得られなかった(わたしもそのライブに立ち会いたかった)し、途中で野暮ったいような気がして調べるのを辞めた。音楽には演奏している本人にも聴くわたしたちにもそれぞれの物語があって、それを文字に通して知られたのはなんだか嬉しかった。
アパートでの暮らし、住民で共有の洗濯機。その情景が見事に浮かんだ。柔軟剤をたんまり洗濯に利用しているが、日々疲れ果てたソレにわたし自身も使いたくなった。
Posted by ブクログ
-
尾崎世界観さんの2作目にして、芥川賞候補作に選ばれた作品。
前作『祐介』とは作風も文体も全く違う。そうなるのは主人公が小学生なので必然だが、それを書き切る表現力が凄まじい。
———あらすじ———
小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。
「ここ、あるんでしょ?」「あり
...続きを読むますよ」
電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。
カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。
母は、ご飯を作る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしている――。
少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ)を鋭く見つめる、鮮烈な中編。
第164回芥川賞候補作。
行き場のない少女は、カーテン越しに世界に触れる。
デビュー作『祐介』以来、4年半ぶり初の純文学作品。
———感想———
小学校低学年の主人公「私」の見る世界と心情を、丁寧に描写する文章が秀逸。主人公の純粋さがダイレクトに伝わってきて、面白くも、心苦しくもあった。
いけないことをしてそう、だとはわかっていても、具体的に何をしているのかはわからない世界を、大人になってこんな解像度で書くのがすごい。僕は小学校低学年当時の感覚や感性なんて忘れてしまっている。
Posted by ブクログ
-
クリープハイプ・尾崎世界観さんの、まさにエピソード・ゼロ。
何をやってもうまくいかなかった頃の物語を、五感フルマックスで、緻密に綴っている。
エッセイではないので全て事実というわけでないけれど、退廃的で強烈な出来事ばかり。
———あらすじ(公式より)———
「俺は、俺を殴ってやろうと思ったけれど
...続きを読む、どう殴っていいのかがわからない。」
スーパーでアルバイトをしながら、いつの日かスポットライトを浴びる夢を見る売れないバンドマン。ライブをしても客は数名、メンバーの結束もバラバラ。恋をした相手はピンサロ嬢。
どうでもいいセックスや些細な暴力。逆走の果てにみつけた物は……。
人気ロックバンド・クリープハイプの尾崎世界観による、「祐介」が「世界観」になるまでを描いた渾身の初小説。
たったひとりのあなたを救う物語。
———感想———
面白いというより、ヤバいという言葉の方がしっくりくる。
めちゃくちゃヤバい。強烈。
祐介のセリフ、行動には全く理解できないものもあるし、筋が通っているわけではないけれど、なぜかしっくりくる。どこか哀愁もある。
共感より、そんな感情もあるのか、そんな行動をとるのか、と気づきの方が遥かに多かった。
僕は共感より発見を求めているし、未だ味わったことのないものに出会いたいタイプなので、かなり刺さった。
アルバイトの日々、バンドメンバーとの確執、認めてもらえないことへの怒り、夜行バスと京都でのクライマックス、どれも強烈で印象的で、頭の中に一度描いた映像がずっと消えずに鮮やかに思い出せる。静かな怒りをずっと感じながら読んだ。
文庫版にだけ収められている『字慰』もヤバい。
タイトルからは物語が想像できず、読んですぐ意味がわかった。
ラストシーンはかなり笑ってしまった。
Posted by ブクログ
-
付箋を貼りたくなるシーン、表現の連続だった。小学生の少女には母がカーテンの向こうでやってることが何かいけない事なんだとわかっている。そんな母に対する感情に折り合いをつけ愛情を求めるようとする少女の健気さが読んでいて辛かった。
Posted by ブクログ
尾崎世界観のレビューをもっと見る