母影(新潮文庫)

母影(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。「ここ、あるんでしょ?」「ありますよ」電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。母は、ご飯を作る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしている――。少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪(いびつ)を鋭く見つめる、鮮烈な中編。芥川賞候補作品。(解説・又吉直樹)

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母影(新潮文庫) のユーザーレビュー

3.7
Rated 3.7 stars out of 5
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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    子供ならではの独特な表現が、大人になってからは得られない感性でありとても美しく感じた。
    大人とは未知の生物だと感じていた幼少期の気持ちを少し思い出すことが出来た。

    1
    2025年01月10日

    Posted by ブクログ

    自分の知らない母親の顔、例えば母は働いているが、職場にいる母は想像しにくいし、満員電車に揺られてる母もイメージできない。子供の頃自分の知らない親の顔があるのが恐かった。
    その逆で、授業参観だとでよそ行きの顔をしている自分を親に見られるのも嫌だった。

    この小説は自分の子供の頃の思考を忠実に蘇らせてく

    0
    2024年12月11日

    Posted by ブクログ

    小学生ならではの文体
    風景とかのふとした日常から感じた小さい頃特有の語彙は、私の過去を思い出させるものがあった
    なんでお客さんはすぐ死ぬハムスターくれたんだろう
    って思ってたけど、そういうことだったんだな
    解説読んでやっとわかった
    お金持ちの女の子のお父さんがあの人って普通に読んでて気づけるんかな、

    0
    2024年04月28日

    Posted by ブクログ

    尾崎世界観さんの2作目にして、芥川賞候補作に選ばれた作品。
    前作『祐介』とは作風も文体も全く違う。そうなるのは主人公が小学生なので必然だが、それを書き切る表現力が凄まじい。

    ———あらすじ———

    小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。
    「ここ、あるんでしょ?」「あり

    0
    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    付箋を貼りたくなるシーン、表現の連続だった。小学生の少女には母がカーテンの向こうでやってることが何かいけない事なんだとわかっている。そんな母に対する感情に折り合いをつけ愛情を求めるようとする少女の健気さが読んでいて辛かった。

    0
    2023年11月29日

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