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Posted by ブクログ
『タダイマノトビラ』 村田沙耶香
これですよ、これ。私が求めていたものは!!
沢山の本を片っ端から漁って読んでいても、ブルブル震えて口角があがるあの高揚感を得られる本は中々に少ない。 出会えないことの方が多い。
しかし、村田沙耶香さんの本は私の期待を裏切らない。
平日の忙しい合間を縫ってあっという間に読み切ってしまった。
私の語彙力に限界があるのでネタバレをせずに、感想を書くのならば…
月並みな表現ではあるがカフカの『変身』を彷彿させた、と言ってもいいだろうか。
結末の気持ち悪さに思わず寒気がした、とんでもない小説にまた出会ってしまった。
Posted by ブクログ
私たちはみんなシルバニアファミリーの世界でごっこ遊びをしているという感覚があったけど、それが見事に表現されていた
大体の人には生まれた時から初期搭載されてる無料パックとして家族システムがあって、そのパッケージが導入されていると、いわゆる家族が行う営みを行うようになる。シルバニアのお家で複数の生物が集まって家族としての振る舞いのパターンをなぞるような初期搭載がある。さらに家族パッケージを更新するためには恋愛という麻酔をかけてオペをする必要がある、と。麻酔という表現はかなり言い得ている。
カゾクヨクという概念は今まで考えたことがなかったが、それは生物学的にもともと備わっているものなのか、それとも家族という概念パッケージを購入した際に否応なしに付随してついてくる付録みたいなものなのか。消滅世界では、恋愛対象が市場で売り出されているから恋や性欲が生み出されている気がする、というセリフがあった気が。それと同様のことがカゾクヨクにも言えないか。カゾクという概念に自分を当てはめるなかで発生させられた欲が、パターン実行により解消されていく、それがカゾクするという営み。どうしても付きまとう欲を自慰行為で解消しているに過ぎないのに、家族というものが本来性のある自然の形だと思っているのが実に滑稽で、みんな人形みたいで怖い。
村田沙耶香さんの本は、シルバニアファミリーに閉じ込められて自分が人形になりつつあることにすら気づかず過ごしている人たちを、その世界から解放し野に放とうとしていて、本当に読んでいて気持ちがいい
私の悩み、違和感を理解して欲しい、と思える相手がいたら、この本を差し出す。ドンピシャ
ただ村田さんの本の登場人物のように、構造や枠組みを取っ払って野生に帰ることなんてできないので、狂気と知りながら宗教的な箱庭で周りと同じように狂って相対的に正常になることで適応を図るにとどまる。
だがこの違和感を傾聴してもらえている感覚が癒し
Posted by ブクログ
家族に甘えたい頼りたいみたいな欲求?をカゾクヨナニーと称して行う主人公絵奈。彼女は家族の絆が薄いためそうして欲求を満たしていたが、友達や恋人との関わりを通して家族のあり方について考えるようになる。
最後は只の生命体になったみたいだけどよく分からない
大学で家族心理学の授業を受けたことがあります。教授曰く「家族とは今や意識的に維持しないと成り立たない」らしいのです。かつては家業や地域の祭事を行うために自然と家族は人間社会の最小単位として機能していたそうです。しかし現代ではそういった行事が必要ないですから、家族は家族らしい関わりを意識的にすることで維持するものらしいです。
じゃあもう家族なんて要らねーじゃん!って言いたいところですが、家族のあたたかさや安心感も捨てがたいという葛藤を描いた作品だと思います。
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