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極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。アニメの魔法使いみたいに杖をひと振り、押入れの暗闇に銀の星がきらめき、無数の目玉が少女を秘密の快楽へ誘う。クラスメイトにステッキが汚され、有里が憎しみの化け物と化すまでは……。少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。
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Posted by ブクログ
人間は他者との関係の中でしか自己を定義できない側面が強いから、母親の役割を担わない純粋無垢な存在は最早概念に近いのかも。主人公は過剰適応の状態に近くて、慢性的な緊張だったり自己抑圧を強いられている。母親が肯定されなかったことで主人公の胸が躍る場面が印象的だった。ひかりが迫ってくることで高まる閉塞感...続きを読むは、太陽をじかに見た時の目の奥の鈍痛のよう 恐怖を宥めようとする時の手の平の湿り気や指のもつれ、迫る焦燥感の描写がリアルで読んでてしんど楽しい(ひかりのあしおと) なかなか感情移入しづらい主人公だったけれど根本にある、誰かに認められたい、求められたい、という欲求自体は純粋で誰にでもあるものだし、だからこそ一歩違えば自分もこうだったかもしれないという恐怖が掻き立てられた。 生きづらさの言語化がすごい 周囲との不調和を感じる人間の内面を繊細に丁寧に描いているから主人公の狂気がじわじわ自分に浸食していくのを感じた。でももし主人公の生きる世界で実際に私が主人公に会ったとしてきっと彼女は印象にも残らないんだろうなとも思うから、今私が生きる現実の世界ですれ違う他者にも一人称視点の人生があること、それが分からないことが改めて改めて改めて!怖くなった 誰にでもその人自身の閉じられた世界があって、ひとりよがりに踠いては蹲って生きているんだなあ 多くの人が白を切る部分に対して忠実すぎた主人公が様々な道具に縋って自分の居場所を模索し続けるその一貫性に惹かれる部分もあった。(ギンイロノウタ)
村田さんの作品を読むのは2回目ですが、こちらも気味が悪いほどのリアリティのある表現が巧みで凄く個性的で良かったです。病んでいる感じが自分にも共感できるところがあるので、表現しにくいドロドロしたものも描かれていて流石だと思いました。
村田沙耶香さんの小説に出てくる登場人物って確かに狂ってるけどなんかほんのちょっとのキッカケでそっち側に転がって行ってしまいそうな感覚が理解できてしまうのが怖い。 特に思春期の自分なんか今思い出すとあの頃の自分て狂ってたなぁって思うもんね。 誰でも抱えてる心の闇とか病的な部分を表現するのが上手いんだと...続きを読む思う。
衝撃。 土壌によって、常識も倫理観も全く異なって成熟する。 この本の主人公たちの常識も、実際成り立ち得るだろう。 解像度の高さがすごい。
少しずつ滲み出し現実となっていく少女の狂気。 その狂気を醸成していった学校や家、バイト先での日常の出来事の一つ一つが身に覚えのあるものがあり、心が苦しかった。 銀色の扉を開いた彼女はどこに行ってしまったのだろうか。
中編2作品収録 2作品とも著者の独特の世界を感じさせる内容でした 主人公はいずれも女性 ひとことで言ってきもこわ系な感じでしょうか 他にない世界観が好きです
2作品はどちらも未完成感はあるものの、やはり村田沙耶香は面白い。 ギンイロノウタは最後はちょっとついていけなくなったが、性欲の描き方がリアルに感じた。
ここまで怖いと思った作品はありませんでした。 ホラー的な怖さではなくて、人間の狂気の部分が ここまで、生々しく描かれていることに恐怖を感じる自分もいれば、どこか、自分と重なる所もあるなと感じました。「コンビニ人間」にも通ずる部分も あると感じました。藤田香織さんの解説も素晴らしかったです。
今回の村田沙耶香ワールドは、男女ではなく親子 どうしてそうなっちゃうの的な主人公の行動の後ろには歪んだ母親がいて、その歪みを助長したり作ったりする父親 お母さんがアカオさんになる描写が自分のようで恐ろしい 異常殺人犯の心理ってこういうことなのかと理解したくもないのに同情してしまうのが悔しい
今まで読んできた著者の作品の中でも癖の強い2作が収録されている。 思春期の未成熟な心と体のバランスにもがく少女たちの葛藤を狂気とも感じ取れるほど繊細に描かれていて怖いのに文字を追わずにはいられなかった。 少女たちが見つけた自身を脅かす正体から安息する術は傍から見ると歪で理解し難い。 しかし、他者...続きを読むからの理解より自身が内に秘めた自身と共存できた時に少女から大人へと変化していくのかも知れないと思った。
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ギンイロノウタ(新潮文庫)
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