ハコブネ

ハコブネ

495円 (税込)

2pt

十九歳の里帆は男性とのセックスが辛い。自分の性に自信が持てない彼女は、第二次性徴をやり直そうと、男装をして知り合いの少なそうな自習室に通い始める。そこで出会ったのは、女であることに固執する三十一歳の椿と、生身の男性と寝ても実感が持てない知佳子だった。それぞれに悩みを抱える三人は、衝突しあいながらも、自らの性と生き方を模索していく。芥川賞作家が赤裸々に紡いだ話題作。

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ハコブネ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年09月17日

    この本を手に取ったきっかけは、村田さんの作品が好きで、ハコブネは読んだことがなかったので、読んでみたいなと思ったのと、村田さんがジェンダーに関してどう書くのだろうと気になったのがキッカケ。

    ないものねだりだが、子供の頃から女性という性で生きて、それを全うしてきた椿視点のエピソードも読んでみたいなと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月27日

    3人のうちの2人の女性についてのお話でした
    それぞれに性についての思いや悩みがありながら
    生きてる女性の物語でした
    著者独特の世界観で性についてのお話が展開していった
    その世界になぜかよく引き込まれます

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    Posted by ブクログ 2023年07月23日

    ジェンダーの問題は、性自認のカテゴライズを細分化すればするほど本質が見えづらくなるという構造的な矛盾があることを作者は本能的に知っているし、それを言葉にして強く発信する力も持っている。本書は希望だと思う。

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    Posted by ブクログ 2023年06月26日

    村田沙耶香さんの他の作品と通底するものがあります。特にガマズミ航路(星が吸う水)。
    登場人物3人とも全然違う性への向き合い方。私はまたその3人とも別の向き合い方。
    面白かったです。
    性を茶化したり神聖なものとしたり卑下したりしない、村田沙耶香さんの書き方が好きです。
    あと伊勢崎さんみたいな人が好きな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月09日

    それぞれに性の悩みを抱える10代の里帆と、30代の椿、知佳子。たまたま申し込んだ有料の自習室で会い、交流を重ねるが。

    芥川賞受賞前の作品。さすがです。ぶっ飛んでていいですね。巨大な「おままごと」の世界。みんなで「やーめた」と言いましょう。

    村田ワールドがいかんなく発揮された作品。常識?ふつう?〜...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月05日


     ジェンダーと多様性と東洋的思想の融合みたいな。


     何者かであろうとして藻掻き苦しむ十九才。

     一方、恋に落ちて何者でもないことを辞めようとする三十一歳。


     救いを求める箱舟は、しかしその実、何処にも行けず誰にも乗れない。


     変な女じゃなくて、妙好人。
     これこそまさに無為自然。

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    Posted by ブクログ 2022年12月20日

    世界は点と線で出来ていてそこに「意味」という絵の具が幾層にも塗り重ねられているという認識は非常にうつ病的認識で、そんな世界に生きながらも「おままごと」を追い求める人間というのは大きな嘘だなと感じた。 物質の世界には何一つ意味がなく、だからおままごとに対する欲求も生じえないはずだ。 知佳子、里帆、椿は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月26日

    主に3人のどこにでもいる普通の人間の心情が、2人の視点から描かれている。
    村田沙耶香さんは、奇妙だ奇妙だと言われがちですが、皆の"普通"を論理的にかつ感情的に言語化がものすごく上手いなと思います。
    今作品もそのような作品の一つです。
    3人のセンシティブでかつ普通な感情の揺れ動きに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月11日

    最初、里帆に感情移入して読んでたけれど、だんだんアレ?違うぞ?ってなった。
    逆に知佳子になんだこの人は?って読んでたけれど、なんだかわかるになった。

    第二次性徴のやり直し、なんだか響きが良いというか、誇らしい何かに思えたけれど、そんなもんじゃなかった。
    もっとぐちゃぐちゃでわけのわからない感情。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月11日

    自分より一回り小さな彫刻刀で彫られたみたいに、繊細なつくりをしている。顎の骨も、鎖骨も、首筋も、誰かが丁寧にヤスリをかけたように滑らかに整っていた。

    誰も乗らないノアの箱舟。誰も後ろについてこないハーメルンの笛吹きね。

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