【感想・ネタバレ】ハコブネのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月17日

この本を手に取ったきっかけは、村田さんの作品が好きで、ハコブネは読んだことがなかったので、読んでみたいなと思ったのと、村田さんがジェンダーに関してどう書くのだろうと気になったのがキッカケ。

ないものねだりだが、子供の頃から女性という性で生きて、それを全うしてきた椿視点のエピソードも読んでみたいなと...続きを読む思った。


性の対象が大きすぎるといろんな苦しみや悩みがちっぽけに感じるのかな〜とか、ハコブネからはジェンダーに関して色んなことを考えるきっかけを与えてくた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月28日

違う悩みを持った2人の視点から描く世界。

ノンセクシャルという分類で、人と性の捉え方が違い、自分が当てはまるセクシャリティーは何なのか分からず葛藤していた少し前の自分に似ていたので里帆には共感できた。

知佳子のような考え方は新鮮で未知でとても興味深かった。描写が繊細で、その感覚を想像しながら読む...続きを読むのがとても楽しかったです。

世界には人の数だけ考え方、性格、性があり、無理に分類することはない、自分は自分でいいのだということを教えてくれるとても学びの深い本です。

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

3人のうちの2人の女性についてのお話でした
それぞれに性についての思いや悩みがありながら
生きてる女性の物語でした
著者独特の世界観で性についてのお話が展開していった
その世界になぜかよく引き込まれます

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Posted by ブクログ 2023年07月23日

ジェンダーの問題は、性自認のカテゴライズを細分化すればするほど本質が見えづらくなるという構造的な矛盾があることを作者は本能的に知っているし、それを言葉にして強く発信する力も持っている。本書は希望だと思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月26日

村田沙耶香さんの他の作品と通底するものがあります。特にガマズミ航路(星が吸う水)。
登場人物3人とも全然違う性への向き合い方。私はまたその3人とも別の向き合い方。
面白かったです。
性を茶化したり神聖なものとしたり卑下したりしない、村田沙耶香さんの書き方が好きです。
あと伊勢崎さんみたいな人が好きな...続きを読むので実写で見てみたいと思いました。

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Posted by ブクログ 2023年06月09日

それぞれに性の悩みを抱える10代の里帆と、30代の椿、知佳子。たまたま申し込んだ有料の自習室で会い、交流を重ねるが。

芥川賞受賞前の作品。さすがです。ぶっ飛んでていいですね。巨大な「おままごと」の世界。みんなで「やーめた」と言いましょう。

村田ワールドがいかんなく発揮された作品。常識?ふつう?〜...続きを読むらしさ?そんなものはすべて幻想。

この物語は全編、性を語っているが、それは単に読者に伝わりやすいからだと思う。本質的には「生」の話です。椿の話はもう少し読みたかったなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年05月05日


 ジェンダーと多様性と東洋的思想の融合みたいな。


 何者かであろうとして藻掻き苦しむ十九才。

 一方、恋に落ちて何者でもないことを辞めようとする三十一歳。


 救いを求める箱舟は、しかしその実、何処にも行けず誰にも乗れない。


 変な女じゃなくて、妙好人。
 これこそまさに無為自然。

...続きを読む
 

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Posted by ブクログ 2022年12月20日

世界は点と線で出来ていてそこに「意味」という絵の具が幾層にも塗り重ねられているという認識は非常にうつ病的認識で、そんな世界に生きながらも「おままごと」を追い求める人間というのは大きな嘘だなと感じた。 物質の世界には何一つ意味がなく、だからおままごとに対する欲求も生じえないはずだ。 知佳子、里帆、椿は...続きを読む一見して対照的な人物に見えるけれど、本質的には、みな物質であるという本質から目をそらしおままごとに救いを求めようとしている同じ穴の狢なのだと思う。 人間が本当に地球の欠片になれるのは、きっと死んでからだろう。

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Posted by ブクログ 2022年11月01日

普通ってなんだろう、とつくづく思う村田さんの本です。
主要な登場人物のなかでは、椿が「普通」で、知佳子が対極の「普通でない」のだろうけど、だんだん知佳子でなく椿のことがわからなくなっていきました。
里帆が枠に囚われてしまっているのはそう思います。自分で自分を苦しめてるんだろうな…だけどそれも若気の至...続きを読むりのような気がします。真面目なんだろうな。
知佳子のおままごとも、「灰色の突起」も良かったです。知佳子さんの目で世界を見てみたい。村田さんの感覚なんだろうか…。。

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Posted by ブクログ 2022年10月26日

主に3人のどこにでもいる普通の人間の心情が、2人の視点から描かれている。
村田沙耶香さんは、奇妙だ奇妙だと言われがちですが、皆の"普通"を論理的にかつ感情的に言語化がものすごく上手いなと思います。
今作品もそのような作品の一つです。
3人のセンシティブでかつ普通な感情の揺れ動きに...続きを読むは、とても親近感が湧きました。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

最初、里帆に感情移入して読んでたけれど、だんだんアレ?違うぞ?ってなった。
逆に知佳子になんだこの人は?って読んでたけれど、なんだかわかるになった。

第二次性徴のやり直し、なんだか響きが良いというか、誇らしい何かに思えたけれど、そんなもんじゃなかった。
もっとぐちゃぐちゃでわけのわからない感情。
...続きを読むでも、よくある感情。
若い頃の何かになりたくて、その何かがわからないあの感情を思い出した。

ソルという言葉に驚いたけれど、その生き方の美しさが素敵だった。
私がよく通る道やよく行く建物と重ねながら読み進めていたけれど、その見方が一気に変わって、なんだかつやつやしたものに見えた。
不思議な感覚。

セックスってなんだったっけ?
と立ち止まってしまう作品だった。
結局答えはよくわからない、それが答えなのだと思う。

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Posted by ブクログ 2021年05月11日

自分より一回り小さな彫刻刀で彫られたみたいに、繊細なつくりをしている。顎の骨も、鎖骨も、首筋も、誰かが丁寧にヤスリをかけたように滑らかに整っていた。

誰も乗らないノアの箱舟。誰も後ろについてこないハーメルンの笛吹きね。

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Posted by ブクログ 2019年12月07日

よくわからないお話。
ハコブネに何かしらの救いを求めて訪れる3人と1人は交わり合わないんだけど、誰一人として下手に迎合しないのが良いんじゃないでしょうか…
女の人ってこんなこと考えて生きてるのかな、自分にはよくわからない。ジェンダーは鎧のように重いの?本能のままにセックスするのはそんなに難しいの?
...続きを読む登場人物に共感を得られなかったのは自分が男のせいか、それとも単細胞だからなのか。
ただ、村田沙耶香という人は、人類は全員変人だしそれは何も問題無いよと言ってる気がする。正しく読めたかどうかはわからないけど。

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Posted by ブクログ 2019年10月10日

3人の性の意識や感覚、心の動きに面白さを感じた。行動や言葉一つ一つに「はぁなるほど」とは思った。が、読み終わったあとに残った衝撃や余韻は『コンビニ人間』や『タダイマトビラ』に比べると薄かったかもしれない。

里帆パートは、「今まで読んできた村田作品(とはいっても2作だけ)に比べるとアクがないな~」と...続きを読む思ったが、知佳子パートになったら突然の村田沙耶香節!
「人である以前に星の欠片である感覚が強い知佳子は、こうしたさまざまな常識やルールを知るのがすきだった。」
等々、自分とは全く違う感覚を持っている知佳子の語りを読むのが好きだった。

「大変なのはきっと自分だけだ」と悲劇のヒロインになってもがいている里帆は、子どもっぽくてたまに痛がゆく感じたけれど、自分の性と向き合って、前向きに実験していく姿が好きだった。
「性別を脱ぐどころか、無性を着込んではいないか?」という問いかけには、里帆と一緒になってハッとした。

椿は、歳下の里帆にまっすぐな言葉を投げるのがかっこよかった。「女」に固執して里帆も型にはめようとしてくるのが辛かったけれども。彼女の過去や婚約相手云々の話等、彼女も彼女なりに性と向き合ってもがいるだなと思う。

1番好きになった登場人物は伊勢崎さん。
p204伊勢崎さんの言葉に私自身が救われて、「なんていい人と出会えたの…」と感動した…のだけど知佳子のお相手はやっぱりアース!!まぁ、ですよね~

里帆に感情移入しやすかったぶん、物語に入り込みやすくスラスラ読めた。
それぞれが行き着いた結論に希望を感じたし、「一人ひとり違っていて良いのだ」という暖かいメッセージを感じた。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

地球と交わろうとする話で、朝井リョウさんの正欲のことを思い出した。三人の女性が登場するが、そのうち二人の視点で展開されていく。残された椿の視点が描かれていないためか、最初は好印象だったのがだんだん嫌な人間に見えてきてしまった。

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Posted by ブクログ 2024年01月26日

雨の中の公園のベンチで傘をさしたまま飲むお酒、あてのない電車の旅、夜の屋上で食べる夕食、忍び込んだ自習室で過ごす夜。こうして並べてみるとなんだか青春っぽくて、生々しい描写も多いのに全てが水のようでサラッとしていて、不思議なアンバランスが面白い。

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Posted by ブクログ 2023年10月08日

性別に違和感を抱く女性を描いた作品。
著者の村田紗耶香さんがデビュー作から女性の性に関して、
様々書いてきていますが、今作は、発表当時(2010年)よりも
今(2023年)のほうが議論されることが多い、LGBTQを取り上げている
作品である。

主だった女性は3人だが、視点としては、2人の視点から交...続きを読む互に
物語は進んでいくのだが、最後はどうも読解力がかなり必要な感じがして、
理解するのは難しかった。

1人目の視点は、19歳のフリーターの里帆。
里帆は、セックスをした際の嫌悪感によって、自分は男性なのか、
それとも・・・と言う葛藤が始まる。
2人目の視点は、31歳の社会人の知佳子。
知佳子は、何とも理解が難しいので、読んで確認してほしい。

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Posted by ブクログ 2023年06月18日

19歳の里帆はセックスが辛くなってきた。自分は女にのだろうか?一度、無の状態となって自問自答する日々。出会った31歳の椿と千佳子の三人は性の悩みを抱えながら生き方を模索しているのが大変であると思う。

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Posted by ブクログ 2023年05月09日

性で悩み「第二次性徴のやり直し」をする19歳女と31歳女2人。
女性3人の衝突と模索を書いた作品。

いくつか読んだ中で1番共感できなかった。
私の身体の中にこの作品の要素がなかった。

ただ理解はできた気がする。
他人が他人として生きていくための第一歩。
型にはめたいし、仲間を作りたいから多少無理...続きを読むしてでも合わせてしまうけれども、1番自分が心地よい範囲内でグラデーションの中をゆらゆらしながら生きていきたい。
真面目と素直の間を行ったり来たりしたい。

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Posted by ブクログ 2023年03月21日

三人の女性達の女性という不確実な性別への懐疑的な思いをのせたハコブネ。
19歳の里帆は、女性である事に自信がない、あるいは懐疑的。今一度、自分の性別について考えようとする。31歳の椿は、女性としての自分磨きを怠らない。同じ31歳の友人の知佳子は、性の対象が宇宙的。彼女らは、有料自習室で出会い、お互い...続きを読むの性に関する認識とその対応を模索する。
ヒトが生きていく上で、性別という区分が必要か否かというところが主題なのかなと思う。肉体と精神の不一致を考えるとしても、性別のどちらかに統一するのではなく、全て自由で良いのではと前向きに終結する感じ。
男女という性別に悩むのは、ヒトのみなのかな。動物の雄雌という範疇から外れる事で、自由な生き方を得る?それは自由そうだけど、滅亡しそうかなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

『丸の内魔法少女ミラクリーナ』以来の村田沙耶香san。

無性別を求める里帆、女であることに固執する椿、物体として生きることを選んだ知佳子。三人が乗った見えない「ハコブネ」とはー。

自分のセクシャリティーに疑問を持つ里帆から始まる物語。正直、よくある展開かな と思っていたら、第2章では知佳子からの...続きを読む視点に変わり、世の中の皆が壮大な「おままごと」をしているみたい という捉え方がとても新鮮でした。私も少し解るから。

また、随所に私の好きなフレーズが散りばめられていました。
・声の温度が低くなったような気がして
・痛みを慈しむように、服の上から心臓を撫でた などなど。

誰かがいつか「やーめた」と言ったら、本当にいまの世界が消えてなくなり、皆、ただの星の欠片に戻っていくのかもしれません。それぞれのハコブネに乗って。

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Posted by ブクログ 2022年12月29日

里帆と千佳子、2人の視点から描かれる描写はすごく複雑で、その複雑さがそれぞれの悩みの大きさなのかと思った。

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Posted by ブクログ 2022年11月06日

千佳子と里帆の心情、一生懸命説明してくれてるけど結局よく分かってあげられなかった。
人の気持ちを汲み取るのが上手いと自負してたけど
こんだけ説明されて分からないのに少し知っただけでその人全部を分かった気になるなよと言われた気がした。

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Posted by ブクログ 2022年10月07日

たぶん椿がいちばん「普通」の女性
だけど、椿がいちばん自分には理解できない存在だった不思議

村田先生の作品は4冊目くらいですがどれも「普通」の枠を考えさせられる
「普通」の枠の飛び出し方がすごい
惑星を相手にする知佳子の見ているものはすごい

自分にも人と違う、変わってる、みんなが普通にすることが...続きを読むできないとか不自由なところを持ってて、マイナスに感じることもあるのだけど、村田先生の作品を読むと、殻のぶち破り方のレベルがとんでもなく、なんだか漠然と元気が出てしまってすきです

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Posted by ブクログ 2021年12月07日

フリーターの里帆は性やセックスに違和感を抱き自分の本当を探している.会社員の知佳子は地球との交流をセックスに準えている.知佳子の友人椿を加えて三人の自習室での会合,屋上での会話が本音を言い合って驚くほどあからさまだ.誰にも共感できないが,こんな人ももしかしているかもしれない,普通というものが崩れてい...続きを読むく.

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Posted by ブクログ 2021年10月13日

三者三様の性の捉え方。いやもう性ですらない千佳子のターンが好み。読んできた作品の中では穏やかな方に分類されるでしょうか。
何がノーマルで何がアブノーマルなのかの境界線が、そろそろ怪しくなってきた...、なんてことはありません(笑)

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Posted by ブクログ 2021年03月13日

女性3人の日常の話だけど、性別って何だろうと考える。知佳子は不思議な世界観を持っているとはいえ、普通って何だろうとも思う。

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Posted by ブクログ 2019年09月17日

性って自分の中では当たり前のものだったけど、こんな風に捉えることもできるんだ、と思った。

コンビニ人間を読んで気になった作者だったけど、今回はちょっとついていけなかったかな。


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Posted by ブクログ 2019年06月24日

『星吸う水』という作品があることから、この人にとって「星」と「水」って大切なキーワードなのかなと思った。あと「アースとのセックス」も。
性別を脱いでセックスする、ってところで大森靖子氏の『死神』に出てくる「いつか男とか女とか関係なくなるくらいに愛し合おうよ」という歌詞を思い出す。しかし、本書で描かれ...続きを読むているのは性であって愛ではなかった。
愛と性は深く関係があるのにぜんぜん違う。生と性はとても近いのに。

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Posted by ブクログ 2019年04月15日

「星が吸う水」と同じく「地球とのセックス」が登場するが、あちらよりは丁寧に話に組み込まれている。
が、やはり読後好きかどうか問われたら、うーんいまひとつ。
共感しあえない3人を描いているくらいだから、誰にも共感できなかったという感想を下すのは避けたい。
よくわからない人物を描く小説で面白いものはたく...続きを読むさんあるし、本作ではむしろしっかり説明できている。
というか説明過多で観念的なのかな。
この人たちの頭ん中はセクシャリティのことばっかりなのかよ、とか、
人の日常生活を離れて観察する不思議ちゃんかよ、あんたも一員だよ、とか、
無粋な感想をどうしても持ってしまう。
これが少年や少女が語り手なら少し違うかもしれないが。
こういう話を書きたいがためにこういう人物設定(おじいちゃんがソルとかアースとか言っていたのを真に受ける)にした、話の道具にしかなっていない、という感じが、話の内容以前に息苦しい。

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