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Posted by ブクログ 2010年05月20日
私はあんまり作家によって作風が女性的だとか男性的だとか思わないんですけど、この本に限っては本当に女性でないと描けない世界だなと思いました。
本当に繊細で心の裏側まで透け出るような奇妙な透明感があります。
個人的に好きだったのは二篇目の「揺れる髪」です。
すべてが砂糖の砦の上でのできごとかのように、...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月19日
久しぶりに、本当の小説らしい本をよめた。
高樹のぶ子のえがく…清冽な女性の描写が、
今どきにはない新しさをかんじさせる。
ストイックなことは結構みだらさを含んでいて、今のように性におおっぴらな時代にかえって妖しいものを見せてくれる。
フランスの哲学的な小説を思い出させられるのは自分だけかもしれないけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
外見的には取り立ててとりえがないけど、知性があってかつ温厚な父親と家庭的な母親に包まれて幸福に暮らす主人公。
彼女の同級生である、アル中の母を抱えて貧しい中生きている、美人で早熟な松尾。その二人の友情物語。
こういう、間に男性登場人物を介在しない、「女の友情モノ」って、意外と見たことないですね。距離...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月20日
タイトルにひかれて手に取った。
表題作「光抱く友よ」は優等生の涼子と不良の松尾、全然違うタイプの出会いと別れ。ずっと涼子のほうが追いかけてたし好きって言ってるし恋愛でなくとも二人の関係は特別。でもハッピーエンドにはならない。そこがよかった。
全体的に昭和ノスタルジックだが、本筋はそれを気にせず読める...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月09日
今は離れてしまった郷里防府の地が舞台だ。作中、郷里の情景描写が巧みで味わいがあった。
そして女の友情の物語、作者は二人の女子高生に限りない優しさをもって描いている。大学教授を父に持つ相馬涼子は早熟の不良少女松尾勝美に言う。「うちは、なんで松尾さんみたいな皆がよく言わんひとに近づいたのか自分でもわから...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年11月12日
全体的に昭和のノスタルジーを感じました。木造校舎のにおいがしそう。
『光抱く友よ』おとなしめの優等生涼子と出席日数不足で一年遅れの不良少女松尾の女子高生の友情物語。心理描写が細やかで繊細にていねいに書かれていて、でもくどくないところがいいですね。ハッピーエンディングではないけどしんしんと切なさが染み...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月08日
1983年下半期芥川賞受賞作。小説に描かれている時期はいつ頃だろうか。筆者自身の体験がもとになっているとすれば、1960年代半ばの山口県防府市ということになろうか。今でこそ普通の共学になったようだが、かつて山口県内の公立高校は長らく男女別学(校内に男子棟と女子棟がある)だった。そこでの相馬涼子と松尾...続きを読む
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