光抱く友よ

光抱く友よ

407円 (税込)

2pt

大学教授を父親に持つ、引っ込み思案の優等生・相馬涼子。アル中の母親をかかえ、早熟で、すでに女の倦怠感すら漂わせる不良少女・松尾勝美。17歳の二人の女子高生の出会いと別れを通して、初めて人生の「闇」に触れた少女の揺れ動く心を清冽に描く芥川受賞作。他に、母と娘の間に新しい信頼関係が育まれていく様を、娘の長すぎる髪を切るまでの日々のスケッチで綴る「揺れる髪」等2編。

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光抱く友よ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作。少しでも不純なものを見つけたら、たちまち全てが嫌になってしまう、その時期にある葛藤を思い出した。人間の根底にある1つのドラマを見ているようだった。

    0
    2012年03月22日

    Posted by ブクログ

    私はあんまり作家によって作風が女性的だとか男性的だとか思わないんですけど、この本に限っては本当に女性でないと描けない世界だなと思いました。
    本当に繊細で心の裏側まで透け出るような奇妙な透明感があります。

    個人的に好きだったのは二篇目の「揺れる髪」です。
    すべてが砂糖の砦の上でのできごとかのように、

    0
    2010年05月20日

    Posted by ブクログ

    道徳的な問題が善悪の判断とすれば、表題作含む三作はどれも決定不能なものに対する主体的な判断があり、倫理的次元における少女の葛藤が、若者の青春という親しみやすさ、または俗っぽさとは一線を引いて語られ、そのエモーショナルな雰囲気に誘惑されていると、どっちつかずのような問題ではない、その判断で幸か不幸が待

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    昔の人の貞操感はかなり古臭いという感じがしなくもないけど、今の時代も人との繋がりが難しいという中、実は今の時代の若者にもこれくらいの意識を持つ人が一杯いるんかもしれない。いやもちろん全く同じじゃないだろうけど、経験がないまま年を取れば一緒だろうし。
    何が言いたいんだと聞かれれば昭和の本だけど令和にな

    0
    2025年09月15日

    Posted by ブクログ

    初・高樹のぶ子。読んでもいないのに私の中で「女性向けの作家」という思い込みがあって手を出していませんでした。
    芥川賞作品を受賞した表題作の他に「揺れる髪」「春まだ浅く」の2編。
    「光抱く友よ」は良いですね。
    大学教授のひとり娘である主人公・涼子とアルコール依存症の母親を抱え、水商売のかたわらに高校に

    0
    2024年05月23日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに、本当の小説らしい本をよめた。
    高樹のぶ子のえがく…清冽な女性の描写が、
    今どきにはない新しさをかんじさせる。
    ストイックなことは結構みだらさを含んでいて、今のように性におおっぴらな時代にかえって妖しいものを見せてくれる。
    フランスの哲学的な小説を思い出させられるのは自分だけかもしれないけ

    0
    2020年11月19日

    Posted by ブクログ

    書かれた年代が随分昔ではあるけれども、毒親の内容・・・。描き方がとても丁寧で、その時代の家の感じなどを想像しながら読み進めました。
    女同士の友情が描かれています。
    感情面は特に描かれていないのですが、切なさがとても伝わってきました。いい作品ですね。

    0
    2016年11月28日

    Posted by ブクログ

    09/8/05〜09/8/16    ゆっくり読んだ。「光抱く友よ」が一番鮮烈な印象。(読んでいて、灰谷さんの、『少女の器』を思い出した) でも好きなのは、「揺れる髪」。

    0
    2009年10月12日

    Posted by ブクログ

    外見的には取り立ててとりえがないけど、知性があってかつ温厚な父親と家庭的な母親に包まれて幸福に暮らす主人公。
    彼女の同級生である、アル中の母を抱えて貧しい中生きている、美人で早熟な松尾。その二人の友情物語。
    こういう、間に男性登場人物を介在しない、「女の友情モノ」って、意外と見たことないですね。距離

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    タイトルにひかれて手に取った。
    表題作「光抱く友よ」は優等生の涼子と不良の松尾、全然違うタイプの出会いと別れ。ずっと涼子のほうが追いかけてたし好きって言ってるし恋愛でなくとも二人の関係は特別。でもハッピーエンドにはならない。そこがよかった。
    全体的に昭和ノスタルジックだが、本筋はそれを気にせず読める

    0
    2023年01月20日

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