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Posted by ブクログ
アジアを題材にした短編集。
これはかなり好みが分かれる様だ。私は結構好きだった。特に「トモスイ」は初っ端からかなり癖の強い (文体はかなりあっさりなのだが) 作品なので、ここで分かれそう。こちらは第三の性に寛容なタイからインスピレーションされた作品。トモスイの描写はちょっと気持ち悪い感じはある、なんだか第三の性というかもう融合性ですよね。トモスイというのは筆者の作り上げた空想の生き物だが、明らかに性的。
他作品も非常に個性的。前半は常に「水」がキーになっている。また刹那を思わせる作品のように感じた。後半は「存在のしない者」と幻想・夢のような世界観。なんとなく仮想の世界観が宮沢賢治っぽいとも思った。
Posted by ブクログ
『作家、髙樹のぶ子が九州大学アジア総合政策センターの特認教授として、五年の歳月をかけアジアの十カ国を訪ね歩いて各国の作家や市井の人々と交流し、その成果を様々なメディアを通じて発信するというプロジェクトSIA(Soaked in Asia)の記録』、『アジアに浸る』からできた短編集、『トモスイ』。
『アジアに浸る』はどうも中途半端な印象をうけて、あまり好きではなかったのだけれど、SIA(Soaked in Asia)の活動からうまれたこの作品は、まったく違うものとなっている。
全体的に、死のイメージがつきまとう。
現実と虚構。
現在と過去。
死者と生者。
相対立するふたつの存在が1つの短編の中で融合する。
作者が感じたアジアとは、そういうものなのだろうか。
Posted by ブクログ
年間で10カ国を訪ねるたびに書かれた短編集。 どの短篇も予想通りアジアンな熱気や湿度を醸し出す。 喪失感や孤独感を書いているものもあるけど、どれも前向きな力があって暗くはない。女性の持つたくましさ、しぶとさが見え隠れする。 とはいえ、お話のテイストはさまざまだ。 予想通り、短篇「トモスイ」は川上弘美に近い。 とらえどころのない漂うおかしみって好きだ。 旅情や思慕が立ち込める「ジャスミンホテル」、「芳香日記」は円熟した女性の書き手らしい話だ。 静から動への意外な結末の「投」もいい。 土砂降りの台風の映像が浮かんで印象的なのが「天の穴」。この本の中での私のベスト。福岡の話だしね。 あ、今気づいたけど、これ、九大のプロジェクトから生まれた企画だから、サービスで大学界隈を書いてくださったのかしら。
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