尾崎世界観のレビュー一覧

  • 犬も食わない(新潮文庫)
    今目の前にある肉体は有限だった。
    きれいと言っても良かった。
    この先老いて、潤いをなくしていくだろう男の肌や髪を想像しては、残念なような、ほっとしたような感傷的な気分になった。
    あたしにとってのきれいは、最後の景色なのだと思った。
  • 泣きたくなるほど嬉しい日々に
     ここ最近尾崎さんの小説を読んでいるが、全部ずっと良い。わたしが言葉にできない何かを代弁してくれているような、わたしが感じていたことはこういう風に言葉にできるのか、とか納得以上のものを与えてくれる、そんな居心地のよい空間。
     exあやっち、誰なのかとても気になってネットで調べてみたがあるライブでこの...続きを読む
  • 母影(新潮文庫)
    尾崎世界観さんの2作目にして、芥川賞候補作に選ばれた作品。
    前作『祐介』とは作風も文体も全く違う。そうなるのは主人公が小学生なので必然だが、それを書き切る表現力が凄まじい。

    ———あらすじ———

    小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。
    「ここ、あるんでしょ?」「あり...続きを読む
  • 祐介・字慰
    クリープハイプ・尾崎世界観さんの、まさにエピソード・ゼロ。
    何をやってもうまくいかなかった頃の物語を、五感フルマックスで、緻密に綴っている。
    エッセイではないので全て事実というわけでないけれど、退廃的で強烈な出来事ばかり。

    ———あらすじ(公式より)———

    「俺は、俺を殴ってやろうと思ったけれど...続きを読む
  • 母影(新潮文庫)
    付箋を貼りたくなるシーン、表現の連続だった。小学生の少女には母がカーテンの向こうでやってることが何かいけない事なんだとわかっている。そんな母に対する感情に折り合いをつけ愛情を求めるようとする少女の健気さが読んでいて辛かった。
  • 犬も食わない(新潮文庫)
    "いい男は過去の女の努力の賜物"
    こうやって言葉にされると心に刺さる。
    ふたりの作家さんの共同で作られた作品を読むのが初めてで、不思議な感覚だったし、主人公たちが付き合ったシーンが描かれてなかったり、各々の捉え方とか感じ方とかあって、言葉にするって本当に大切なんだなと思った。
  • ご本、出しときますね?
    本の内容はもちろん面白かった。
    それ以上に読んだことがない作家さんをたくさん知ることができたし、紹介されており本の中に読んでみたいものもたくさんあった。

    たまには意識的に新しい作家さんを開拓しないと読むものが偏っちゃうから。
  • 犬も食わない(新潮文庫)

    いやー、THE日常なんだけど、楽しい読書時間だった

    初めて共著というものを読んだけど、
    確かにMCバトルみは合ったし、最後の対談のやり取りは考えが存分に詰まってて、一生対談し続けてほしいと思ってしまった
  • ご本、出しときますね?
    小説家の方々の独特な頭の中がとても面白い。聞き手の若林さんの面白さと相まってテレビ観といたら良かったー!と悔しい気持ちでいっぱい。またやってくれたらいいのに。
  • 母影(新潮文庫)
    うまいなあ
    カーテン越しの音でしか母を知ることができない
    子供の限られた語彙で伝える惨状
    よくわからないことは救いなのかどうか
  • ご本、出しときますね?
    オードリー若林さんと作家さんの対談のような感じで進むテレビ番組の書籍化。 作家さんってなかなか面白い人がたくさんいるものだなと感じられるし、心の中はちょっと黒い人が多いのかなと。 そして、意外と作家さん同士って交流あるものなんだなと。
  • 犬も食わない(新潮文庫)
    尾崎世界観さんと千早茜さんの恋愛小説の文庫版。時間が掛かってしまったのは、なかなか読む時間が取れなかっただけで、内容はすごく読みやすく面白かった。
    最後の対談にもあったが、あるよね。恋愛ってこういうこと。きれいな事ばかりじゃなくて安心する。などの感想があったというが、その通り。
    そして、最後の対談読...続きを読む
  • 泣きたくなるほど嬉しい日々に
    こっから高3の読書記録(春休み)
    めっちゃよかった。
    クリープはなんか独特やからちょっと身を引いてたけど、読んでからすごい聞いてる
    一瞬で読める面白さやったけど、そんな簡単に終わらせたくなくて必死に引き伸ばしながら読んだ
  • ご本、出しときますね?
    同名のテレビ番組の書籍版。対談番組なので普通の対談本として読める。内容は若林×小説家2人の対談。読んだことない人も多かったけどどの人も面白くてみんな読んでみたくなったし、小説家の皆さんのとがり方は自分とは違くて自分はやっぱ作家ではないな、とも思った。
  • ご本、出しときますね?
    面白すぎてあっという間に完読。
    物書きの皆さんは日々何を考えてるんだろうって気になって仕方なかったので、得にしかならない!と鼻息荒めで読んだ。
    勉強になったのは、森鴎外の行き着いた哲学が
    【諦め】ということ。
    対談されていた作家さんの本や、処方された本など読みたい本が増えたので何を読んだらいいかわか...続きを読む
  • 苦汁100% 濃縮還元
    人間味に溢れていて、親しみやすいとは言えないけど、知れば知るほど好きになる。そんな人が書いた日記。
    現実よりも文学的であり文学よりも現実的な文体が、ただの日記とは違って一人の表現者としての魅力を感じる。
    弱い自分との葛藤の中で、それを許すような諦めとはまた違った感覚。ネガティブな感情に対して人...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    読んだことのない作家も出てくるけど、それでも面白い。もちろん読んだことのある作家ならなおさら。コンビニ人間の村田沙耶香さんって変わった人。ある意味コンビニ人間の主人公みたい。
  • 苦汁200% ストロング
    「世界観」なる名前を初めてラジオで聴いた時。YouTubeのオススメで、FM802の春キャンソング「栞」を知った時。そして「苦渋200%」を読み終えた今。自分が描く「尾崎世界観」像が変わり続ける。良いよ。
  • 苦汁200% ストロング
    今回書き下ろしの「芥川賞候補ウッキウ記」。
    情熱大陸以上の密着で (いや本人が書いてるから!)
    読んだ後に情熱大陸を観たらもっと楽しめた。
    過ぎた日のことだけど本気で心配したり辛くなったし
    また母影を読みたいと思った。母影は本当に何度も読みたい。

    苦汁の本編に出てきた出版社の方の名前が
    選考会当...続きを読む
  • 苦汁100% 濃縮還元
    嬉しいけど苦しい、やるせない。
    そんなタイミングでクスッと笑える表現が出てきたり、
    と思えばほろほろ泣けてきたり。

    愛おしいバンドの愛おしいボーカルの愛おしい日々。
    苦みも旨みもギュッと濃縮されていた。