柴崎友香の一覧
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ユーザーレビュー
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お二人とも、文章から血の匂いや生暖かい(生ぬるい)空気がまとわりついてくるような気がするエッセイ。
楽しいことだけでなく、辛いこと、苦しいこと、綺麗事ではない、鬱屈とした読後感。けど、人の色々な重みと考えたら、悪くはないと思う。また、ハッと気付かされることもいろいろあった。
さらに年を重ねて読ん
...続きを読むで見たら、また気持ちは変化するのか興味がある。
あっけらかんとした「大阪のおばちゃん」のノリな一冊では決してない。
Posted by ブクログ
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再読。
街の風景をモノクロ写真で切り取ったような、淡々とした短編が続く。当初はさほど感じなかったけど、読み進めていくうちにだんだん「この世界は今日もどこかで人と人が繋がっている」という安心感みたいなものがじわじわと胸に沸いてくる。
自分の本棚でこの本をみかけるとなんだかほっとする、という不思議な存在
...続きを読む感をもつ1冊になった。お気に入りの本。
Posted by ブクログ
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再読。やっぱりしみじみいい。15年以上前の本だけど全然古びてない。
柴崎さんが描く物語は、夢が叶ってめでたしめでたしでもなく、思ってたのと違う無理ゲーだ、でもない。ほとんどの人が歩むその「どっちでもない人生」を、とてもていねいに、たくさんの花束を添えて、ほめたたえてくれる。
Posted by ブクログ
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ある試験の問題で一部分だけを読んで、ぐっと惹かれた小説。
都会の団地に関わる人たちの過去と現在が行き来して、ちょっと気を抜くと、これは誰のいつの話なんだっけ?と思ってしまう緊張感がたまらない。特に何か大きな事件が起こる訳でもないけど、日常ってそんなものだよな、とか、子供の頃はクラスの半分近くが団地に
...続きを読む住んでいたけど、あの子たち、今はどうしているんだろう、などと思いを馳せながら読んだ。
Posted by ブクログ
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この本は読みやすそうだと思ったこと、また、新神戸オリエンタルホテルのロビーで起こった宅見若頭射殺事件(228P)のことまで書いている男気溢れるエッセイだと思い購入しました。この事件、近くに座っていた歯科医師の方も流れ弾に当たり亡くなっています。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
私自身、昭和63年
...続きを読む4月~平成4年3月まで、大阪と奈良の境の奈良県王寺町という所に住んでいたため、大阪には買い物やアルバイトなどで頻繁に出かけていました。その当時を思い出しながら読みました。特に柴崎さんは私より4歳下のため、難波などで出会っている可能性もあると思いました。
懐かしいのはナンバブックセンターです。(141P)私が難波のプランタンデパートでバイトをしていたため、その帰りにはナンバブックセンターに寄り、本を読んでいました。細長い本屋だったイメージがあります。
私が感銘を受けたのは、部落解放運動の活動家のYさんの優しさです。タイ人の中学生の娘さんが平仮名も書けないほど日本語が出来ず不登校となっているのを見かねて自宅で日本語を教え、その結果公立学校に合格したという話を聞いて涙が出そうになりました。このようなことを地道に地味に地に足をつけて活動している人に敬意を表したいと思いました。(125P)
柴崎さんは言います。「今になって振り返ってみると、あんなふうに、ミニシアターが次々できて、小劇団が注目され、百貨店でも美術館並みの展覧会をよくやっていたこと、地上波のテレビで深夜に外国やミニシアター系の映画をやっていたこと、三角公園でただしゃべってるだけでお金がなくても楽しく過ごせたこと、そのこと自体が、好景気の時代で、世の中の豊かさだった、と強く思う。」(151P)私も同感です。
岸さんは言います。「大阪も90年代は、学生が週に3日もベースを弾けば、それで何とか飯を食うことができた、そういう街だった、しかしいまはもう、その大阪は、どこにもない。あのとき私たちが酒を飲んだり、音楽を演奏したり、付き合ったりフラれたりした大阪は、いまでも変わりなく同じ場所にあるけど、あの大阪はもう、どこにも存在しない。」(182P)
柴崎さんは言います。「東京に初めて来たとき、驚いたのは木の大きさだった
表参道の立派な欅並木を見て、道端にこんな巨木が生えているなんて、と感動した。」(191P)私も6年7ヶ月、東京都杉並区高井戸に住んでいたのですが、人見街道沿いに大きなけやきの木があり、とても嬉しかったことを思い出します。
柴崎さんは言います。「雲一つない青空で、数年ぶりに乗った近鉄奈良線の生駒へ上る車両からは大阪の街が一望できた。この風景は死ぬほど好きだ」(251P)
私も時折、近鉄奈良線を利用していたのですが、電車から見える大阪の夜景は特に美しかったです。
この本は大阪に住んでいる方、住んでいた方、そして大阪に全く縁のない方も楽しめる本です。
私にとって一生、大切に持っておきたい本となりました。
素晴らしい本を出版してくれた岸政彦さん、柴崎友香さん及び河出書房新社様に深く感謝いたします。ありがとうございました。
生かされていることに感謝して。
Posted by ブクログ
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