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作家・柴崎友香が俳優・東出昌大をイメージし純文学小説を執筆。
さらに、<物語>に合わせ写真家・市橋織江がその世界観を撮り下ろし。
作家、俳優、写真家。各界で第一線を走るクリエイター3者が集結し、<一冊>を作り上げた、“新しい純文学”。
◎内容紹介
「わたしのほうが幽霊である、と気づいたのは、
早い時期であったように思う。」
かつての住み家であったのであろう、“この家”を彷徨い続ける“わたし”。
その理由がわからないままに時は移り変わり、家には次々と新しい住人たちがやってくる。
彼らの光景を見守り続ける“わたし”は、ここで、いったい何を、誰を待っているのか――。
ラスト、あなたはその<結末>に、きっと涙する。
あなたは、大切だったあの人の“顔”を、覚えていますか?
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Posted by ブクログ
『幽霊が現れたり消えたりするように、わたしにもほかの人間が見えたり見えなかったりする。人々だけでなく、世界の全体が遠のいて、虚空に投げ出されたような心地になる』
夢十夜の第一夜を彷彿とさせるような味わい。柴崎友香が踏み出した新しい境地を伺う思いがする。如何にも主人公の男性であるような男優の写真が少しうるさいような気にもなるけれど、写真が伝えるものは文章が描き出そうとするものを邪魔する訳ではない。一瞬でもなく永遠でもない。そんなふうに写真のフレームに封じ込められたものは、短篇小説の言葉の世界と良く共鳴している。
デビュー以来、作家自身と同じような世代の等身大の主人公を描くことの多かった作家が描いた怪奇譚という種はこんなふうに開花するのか。あるいはアイオワの地で受けた刺激が作家のパレットの色味を広げたのか。百年待った訳ではないけれど、その花の放つ淡い色の力がしんしんと伝わって来る。香りではない。薄い蒼の滲んた白の持つ力。輪郭も曖昧なその色と周囲の空気との交わり。ただただ拡散してゆくだけのこと。そんな小説を柴崎友香はいつの間にか書くようになっていたのだなと、苔の上に座っていた男のように気付く。傑作。
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小説・文芸
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