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人を思う気持ちはいつだって距離を越える。離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。「だって、わたしはどこでも行けるから」─遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。
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Posted by ブクログ
また読みたくなったので文庫本で購入。「ショートカット」が好き。私もよくワープしてる。想いさえあればどこにだって行ける。サーって流れていく。
東京と大阪、2つの場所の距離感をどう考えるか。何かイベントがないと行き交うことがない距離か。いや、思い立った瞬間行くことができる距離だ。それは海外であっても同じ。 やりたいと思ったら即行動、やんな。 あとちょいちょい出てくるなかちゃんの人柄に惹かれる。
この人の描く日常と異性同士の係わり合いがとっても好きです。 普段も素敵な人間関係気付いてるのかなぁと考えてしまう。 遠距離恋愛がテーマの連作短編集です。
柴崎さんの世界観をまざまざと見ることができる小説。 色彩豊かで確かに目の前にある風景を克明に描写しており、それは主人公の心情を、時に微かに、時に大胆に揺さぶる。 自分自身の恋を機に「恋愛小説」と言える小説を久々に読んだが、やはり人の色恋というものは特有の感情の動き、心の揺れを見ることができて非常に...続きを読む興味深い。 それぞれの登場人物が抱える相手への想いや恋愛の考え方などの大部分は違うが、同じと思えるところもあって、それを読者がどれほどの距離感で読むかによって小説の評価も人によって大きく変わるだろう。 文学作品としても非常に優れている。 時間を引き延ばしたり逆に吹っ飛ばしたり、空間を拡張したり逆にギュッと縮小したり、それらの時空の中に入り込んだり逆に俯瞰してみたり…。 時間空間論をこの小説に見たとき、風景にフォーカスを当てることを得意とする著者の特長と時空は絶妙にマッチしている。 小説全体にキラキラ光る星のように示唆が散りばめられながら、草木がサラサラと揺れるような確かな空間体験を読者に与え、その読書世界に風のように流れる時間を感じさせる。 都市論や身体論的にも考察の余地が多くありそうで、再読した際にぜひ注目して読んでみたい。 「物語世界に没入しながらも読者自身の世界へも立ち返らせる。」 解説の方も述べているが、こういう新鮮な読書体験ができる小説は、やはり秀でているとしか言いようがないだろう。
・「美しい、なんか普段使わんやろ。でもおれは使うもんね、今ここで、表参道のために」(15:ショートカット) ・わたしは、自転車を押す片野くんと、真夜中の人の通らない道を二人で歩いている。それが自分が確かめられることの全部だと思った。(65:やさしさ)
【本の内容】 人を思う気持ちはいつだって距離を越える。 離れた場所や時間でも、会いたいと思えば会える。 「だって、わたしはどこにでも行けるから」―遠い隔たりを“ショートカット”する恋人たちのささやかな日常の奇跡を描いた、せつなく心に響く連作小説集。 [ 目次 ] [ POP ] 遠距離恋愛...続きを読むをしていたとき、100万円くらい払ってもいいから(払えないけど)「どこでもドア」が欲しいと毎日思っていた。 それが駄目なら「取り寄せバッグ」でもいいと思っていた。 ドラえもんが頼りにならないならこの際エスパー魔美にでもなるから、とにかくこの状況をどうにかしてくれ、枕を濡らしていたのを思い出した。 距離っていうのは気持ちとか想いとかでなんとかなるものでは決してないのだが、でも気分としてはなんとかできるものであってほしい。 この小説はそれを本当にライトに書きあげていて、とても心が軽くなる。 本当にすっきりとして気持ちがいい。 ショートカットという響きが心にしんと澄み渡る、とても素敵な小説です。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
大阪弁が自然で、登場人物が真っ直ぐで、柴崎氏の目線に気負いがなくて、とにかく大阪を離れて単身赴任の寂しさを癒してくれる作品でした。 大阪で読む以上に効果的だと思う。
午後と夕方の中間ぐらいの時間、品川の港南口で、ミーティングが終わり、少々時間が空いたので、品川埠頭の方に向かって歩いてみた。東京新聞の配送センターを通り過ぎ、旧海岸通りを抜けて、吉田修一の東京湾景にも出てくる御楯橋を超えて歩いた。途中、サラリーマンや作業着の人にまじって、インド人の主婦が数人子どもを...続きを読むつれて歩いていた。 その日は、風が弱く、春めいていたが、海に近いせいか、少し肌寒さを感じた。東京海洋大学のキャンパスを右に見ながら、人どおりの少ない道がゆるやかに蛇行し、海岸通りに合流するように歩き続けた。海岸通り沿いに歩くと、頭上にはモノレールが走っている。モノレールの姿は、歩行者には直接には見えにくいが、道沿いのビルに列車の影が映り、ごうごうという通過音だけが定期的に続いた。 芝浦運河を左に見ながら、倉庫街をしばらく歩いた。汚泥処理場を横に見ながら、五色橋を渡りかけていると、左の風景の左上の方からモノレールが少々陽の翳ってきた青空を斜めに切るように通り抜けて、運河沿いの建物の中に消えていった。しばらく、その風景に見とれてしまった。無機的な背景の中を、無機的な機械が走り抜けていく風景に、東京というものを感じた。 こんな場所を平日の午後に、目的もなく歩く人などはなく、1時間近く散歩したが、すれ違う歩行者も少なかった。倉庫街のトラックの運転席から聞こえる、70年代のディスコサウンドが、奇妙にその場の空気にフィットしていた。 デジタルカメラでも持ってくるんだったなあと本当に思った。 東京という空間のいまを、言葉で、しっかりと囲い込んでみたいと思う。 その思いは、東京というものが、描かれている小説や映画への尋常じゃないぼくの執着の原因でもあるようだ。 柴崎友香という若い(といっても30代だが)大阪の作家がいる。保坂和志がその小説論でほめていたので、読み始めた。映画化された「きょうのできごと」や「ショートカット」や「フルタイムライフ」などで、大学生からOLになっていく、女性の普通の生活空間を精緻に描いている。できごとらしいできごとが起こるよりは、主人公たちが触れる、人々との繊細なコミュニケーションの仕草や、空間の描写につかるのがとても気持ちの良い小説だ。 台本が透けて見えて、それに向かって、猛然と読み飛ばしていける小説ではない。細部につっかりながら読むことになるので、本の厚さのわりには読むの時間がかかる。 彼女の「ショートカット」という遠距離恋愛についての短編集を読んだ。関西にいる女の子が、東京にいる男の子に会いたいと思う話が中心だ。 そんな関西人の柴崎さんが、東京の原宿を描写している。東京に住んでいる、土地勘のある作家なら、その近辺のビルの名前や、店の名前という固有名詞に逃げ込んでしまうところでも、土地勘のない作者、そして土地勘のない主人公の目にうつる原宿は、そういった使い古しの固有名詞に汚されていない分、読みにくいが、新鮮だった。 《「表参道、行きたいな」 全然動かない祐次くんに向かって、そう言ってみた。自分の言葉が聞こえた瞬間に、わたしは表参道に行ける、と思った。 急に目の前が開けて、夏休みの原宿駅前のすごく沢山の人にたじろぎそうになった。だけど、わたしはどっちに向かって歩けばいいのか、はっきりわかっていた。なかちゃんの説明を覚えていたから。 四時半を少し過ぎたところで、傾いた太陽はまだまだ勢いがあって、これ以上ないくらいの都会の真夏の暑さだった。右を向いてまっすぐ歩くとすぐに広い道に出たので、左に曲がった。何斜線もあるまっすぐな道路がのびていて、それが表参道だとわかった。道はしばらく下り坂で、その先に見える交差点の向こうからまた上り坂になるようで、人の頭がびっしりと道を埋め尽くしているのを一目で見渡すことができた。歩道には、なかちゃんの言っていた大阪では見ることのない大きさの街路樹が、一定の間隔で並んでいた。空気が緑色、と言っていたなかちゃんの言葉は本当だと思った。街路樹から伸びた緑の枝葉が、遥かに高いところでわたしたちの頭の上を覆っていて、緑色の影をその下に作っていた。・・・ わたしの歩いていく方向の信号は赤で、大勢の人が立ち止まって信号を待っていた。右側を見ると信号は青で、数え切れない人が横断歩道を渡っていて、そのぞろぞろした足の動きはみんなで二人三脚をしているみたいに、楽しそうに見えた。わたしの周りで立ち止まっている人も、これからどこに行くかなにを買うかそれから今日あったことなんかをそれぞれに話していて、とてもにぎやかだった。》 良い小説というのは、紋切り型のストーリーや固有名詞に逃げ込むことなく、登場人物をとりまく空間と、彼らの関係性や、登場人物たちのコミュニケーションの繊細さをいまいちどそこに現出させているものなのだろうと思う。でもそういった小説は、難解な言葉を使っていなくても、読み飛ばせないものが多い。 彼の小説よりも、小説論の方が面白い保坂和志の影響をいま受けているぼくはそんなことを思って、自分が歩いている周りを観察している。
つまりワープ。 遠いとかなかなか行けないと思っている場所でも。案外近いもんで、お金とちょっとした時間があれば行けてしまう。 ここに出てくる人達はみんなそんな感じで、行きたいと思ったら、行けばいいみたいな。 思ったときにしか行けないっていうかできない。 やろうと思ったときしかできないこともあ...続きを読むる。 そういう勢いとかタイミングは大事。 きっとそう思ったときが一番やりたくてあとは薄れていくだけだから。
関西弁の文章はあまり得意ではないのだけれどこの小説は問題なくというよりも むしろ親しみを感じて読めた。関西弁を使う人物はやけにハイテンションなキャラに されがちだけれど、この小説に出る人はみんな淡々としゃべるせいかもしれない。 たまにはしゃいでも「大人も許される範囲の」はしゃぎ方だから不自然さもない...続きを読む。 特にはっとする斬新な表現もなければ、テーマもありふれたものだけれど この会話文のうまさで飽きることなく読み進められる。 4作に共通するのは「距離」で基本的にそれは壁になるけれど、扱われ方は微妙に違う。 大阪と東京。行けないこともないのだけれど、なんだか腰が重い中途半端な遠さと思い。 どの主人公も、誰かに会いたいと思うのと同じくらいにどうでもいいと感じていて その足が地に着いていないところが、ショートカットの場面を印象的にしている。 今までのぼんやりしていた景色が、そこを境にふっとクリアに切り替わる。 本当にワープをしてしまったような気持ちよさがある。 そして、なかちゃん。彼は本当にいい味を出しているなぁ。 4作全てに登場するのにずっとサブキャラクターの割に情報もほとんどなくて もっと知りたいと思わせるあたりが絶妙だ。
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