星のしるし

星のしるし

小説・文芸
1,017円 (税込)

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世界はしるしに満ちていて、もろく、美しい――。『春の庭』で第151回(2014年上期)芥川賞を受賞した柴崎友香の傑作!
30歳を目前にした会社員・果絵と、その恋人、友人、同僚、居候らが大阪の街を舞台に織りなすゆったりとしたドラマ。祖父の死、占い、ヒーリング、UFO、宇宙人……。日常の中にごくあたりまえにあるいくつもの見えない「しるし」が、最後に果絵にひとつの啓示をもたらす。繊細で緻密な描写力によって、世界全体を小説に包みこむ方法を模索してきた、純文学の世界で最も注目される作家の集大成的作品です。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春e-book
  • タイトル
    :
    星のしるし
  • タイトルID
    :
    274735
  • ページ数
    :
    168ページ
  • 電子版発売日
    :
    2014年07月30日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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星のしるし のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「なんにもないことが悩み、などと言ったら、きりちゃんに笑われるやろうなと、ふと思った。なに言うてんの、って。なに言うてんの。なにもないって、不幸や深刻な問題がほしいわけじゃないねん。わたしは、頭の中できりちゃんの声に向かって説明した。そういうものじゃなくて、もっと、自分が確かだと思えるような、基準みたいな、理由みたいなもの。なんでもあって、なんでもしていいから、さあ選びなさいって言われて、これでいいって思えるような、なにか。」

    柴崎友香の小説を読んでいると、まるで写真集を眺めているかのような気分になってくる。その写真はどれも一見、見慣れたような街の風景写真のようにも思えるのだが、どこかに小さな違和感を生む種が埋め込まれてもいる。もともと柴崎友香が風景を巧みに切り取る作家であることを認識してもいるし、その描写のなかにいつの間にか心情が織り込まれているのに気付くのが常でもあるけれど、恐らくこれまでもいつもどこかで少しだけ違和感を感じてもいて、その疑問符の答えが知りたくて、どうしても駆け足で読んでしまいそうになる。そんなバランスのあやうさも込みで、やっぱりこの作家のことをとても気に入っている。

    柴崎友香の小説は、写真集のようではあるけれど、そして一般的な意味では日常以外に何か特別なことがある訳ではないけれど、読み終わると何か深々とした余韻が残るような文章に満ちていて、すぐれて小説的であると思う。小説的と言っているのは、何も大きな物語にはらはらしたり、どこかへ引き摺られていったり、するどい刺激に翻弄されたりするようなことがなくても、作家が切り取ろうとしたものを通して、作家の内部で起こった化学反応を読むものの中に自然に発生させている、というような意味である。そしてあざとさがないところがよい。もちろん、保坂和志に強く感化された意見である。

    一つの特徴として、柴崎友香の切り取る風景にはその風景に染み付いている筈の匂いが余りしない。多分それは、その風景に対して作家が何かを感じつつも、彼女自身の中にあるはずの何かをどう投影してよいのか測りかねているからなんじゃないかなあ、と漠然と思ったりする。何かを強く意識すれば、写真には撮影者のその意識が色濃く写ってしまうものなのに、柴崎友香の景色は写したものの意識が乗り移っていないように見える。逆説的にはその断定しない潔さのような立ち位置が柴崎友香の魅力の一つでもあるのだけれど、根源的には、その中庸な感じが小さな違和感の元にもなっている。人ってやはり理由を知りたがる生き物であるから。

    しかしよく見てみればその風景の中には小さく写り込んだ人物が居るのだ。その女性はいつもどこか一箇所をじっと見つめているように佇んでいる。そうやって景色を見つめていることだけで幸せであると、彼女を見ているものが直ぐに気付いてしまうような姿でそこに写っている。同時に、彼女は被写体として「問われている」。何か、どう答えてよいのかさえ解らないことを、彼女を見るものから問われている。この「星のしるし」の中で、柴崎友香は珍しくその問われている立ち位置の不安定さについて、主人公に語らせている。

    しかし相変わらず、柴崎友香は性急に答えを出すことをしない。風景を切り取り続ける。その文章となった景色を読み取り続けると、頭の中では風景が再構築されるのではなく、その景色を切り取った作家の意識が小さな波のように再現され始める。それは一見何も生み出さないようでいて、とても力強く一つの勇気を読むものに与えてくれる。柴崎友香は、誰も彼もが好きになる作家ではないかも知れないが、自分にとってなくてはならない作家なんだなあ、と納得する。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    このオチのない感じが好き。今回もそんな感じ。
    人と人との距離とか、癒しとか、仕事とか現在の自分のすぐそばにあることが出てくるかんじ。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    神様は信じてるけどサンタさんは最初から信じてなかったし、神様は場合によっちゃとても胡散臭くて、だから、神様を信じてます、神様のようにあなたをお慕いしております、といった時にもっとかっちりくる言葉があると思ってた。
    「もしかして神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれないと、思った。どこかで、自分を見ていてくれたらいいのにって思うような、そういうの。」
    こういうのを集めてたら見つかるかな。

    0
    2015年04月18日

    Posted by ブクログ

    「また会う日まで」より面白かった。何を書きたいかがはっきりしていたと思う。分かりやすかったというか。しかし、雰囲気がホントに浅野いにおの作品とそっくり。アタマの中で、登場人物は浅野いにおの絵になっていました。

    0
    2011年07月18日

    Posted by ブクログ

    30歳になる女性・野村果絵の揺れる心。
    日常の何気ないことを観察している冷静な視点。
    恋人はいるが結婚の予定はない。
    職場の先輩の薦めで、ライフカウンセリングの先生の所に行くと、ヒーリングでマイナスエネルギーを調和して貰ったらしく、熟睡して肩こりが軽くなるが、1万5千円するのでそれ以上通う気にはなれない。
    とくに不幸でもないが、すごく幸福というのでもない、どうしてもと思う指針やこだわりもない…
    友達と占いに行ってみたりしながら、何となく過ぎる日常。
    淡々としている中で、それぞれの生きているちょっと奇妙で少しだけ必死な感じがじわっと来ます。
    著者は1973年生まれ。2008年10月発行。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    30目前のOLとその彼氏と友達たちの何げない毎日。コレと言って何かが起こるわけではなくて。だけど何も起こらないわけでもなくて。このままで自分はいいのだろうか と思ったりするけど、だからって何か変えようと思うほど今に不満があるわけでもない。そんな毎日をとても丁寧に書いている。うん こういうの好きだな。何かが変わる直前ってもしかするとこんな風にじわじわと予感のような温度の変化のようなモノがあるのかもしれないな。「もっと、自分が確かだと思えるような、基準みたいな、理由みたいなもの。なんでもあって、なんでもしていいから、さあ選びなさいって言われて、これでいいって思えるような、なにか」を探しているんだよ、きっと、みんなさ。

    0
    2011年08月01日

    Posted by ブクログ

    焦り。
    答えのないことへの焦り。問い自体がなんなのかわからない焦り。
    得体の知れないものへの期待と不安。

    勝手な解釈をさせてもらえば、ことごとく分業化、効率化され、生の実感、生の充実を感じられないことからくる焦燥が見えないものへの期待感を高めるのだと思う。
    もっと自然に、もっと土に、もっと原始に近づいていかなければいけないのだと思う。

    そういういろいろな部分で感じる独身30の不安定さ寄る辺のない孤独をみせつけられる。
    個人的には怖い作品のような気もする。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    大阪在住の独身女性果絵。彼あり、友人夫婦あり、実家あり、仕事あり。彼の家で仲間達と集まるシーンなどはリアリティーあり。

    0
    2023年01月26日

    Posted by ブクログ

    ・わたしは祖父が死んだ実感がないままだったが、火葬場で職員が枦の扉を閉めた時やっと、わたしのおじいちゃんを燃やさんといてよ、と思った。(25)
    ・ほんで死んで会われへんようになっても、それまでとなにも変わらへんし、かえって考えるようになったから、おるときはおらへんかったのに、おらんようになったらおるっていうか。(120)

    0
    2021年12月28日

    Posted by ブクログ

    柴崎友香の小説はいつものことながら会話がとてもよい。
    日常的過ぎて意識をするっと透過してしまいそうなんだけど、ふとした瞬間にこの本のエピソードを思い出しそう。

    0
    2015年08月04日

星のしるし の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春e-book
  • タイトル
    :
    星のしるし
  • タイトルID
    :
    274735
  • ページ数
    :
    168ページ
  • 電子版発売日
    :
    2014年07月30日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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