千の扉

千の扉

858円 (税込)

4pt

3.8

築四十年、三千戸を超す都営住宅の一室で、夫・一俊と暮らし始めた千歳。その部屋の主である一俊の祖父に頼まれ、千歳は「高橋さん」という人物を探し始めるが……。存在も定かでない「高橋さん」を探すうち、ここで暮らす人々の記憶と、戦後から七十年の土地の記憶が緩やかにひもとかれていく。〈解説〉岸政彦

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千の扉 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ある試験の問題で一部分だけを読んで、ぐっと惹かれた小説。
    都会の団地に関わる人たちの過去と現在が行き来して、ちょっと気を抜くと、これは誰のいつの話なんだっけ?と思ってしまう緊張感がたまらない。特に何か大きな事件が起こる訳でもないけど、日常ってそんなものだよな、とか、子供の頃はクラスの半分近くが団地に

    0
    2021年12月16日

    Posted by ブクログ

    大きな事件は無いが、謎はある。戦後の日本が歩んだ大きな流れは、そこに生きた人々の小さくも確かな営みによって作られたのだと思い知る。読み終えた今もまだ続いている感じの読後感。良かった。

    0
    2025年07月08日

    Posted by ブクログ

    この人の本、好きだ。

    今この瞬間にも、
    時間や空間を超えて、無数の人生がある、あった、ありうること。
    小さく結びついたり袖触れ合う程度だったり、ずっと交わらなかったり。
    その中にあるひとつとしての、誰かの人生。

    0
    2024年09月16日

    Posted by ブクログ

    淡々と過ぎ行く群像劇ではあるが、275~288ページにかけての12章が出色。就職氷河期世代(著者もその一人だし私もその一人)のバブル世代に対する反発と少しの妬みが見事に現されていると思う。

    昭和の団地ライフにノスタルジーを感じる人にオススメ。

    ジュンク堂書店上本町店にて購入。

    0
    2020年11月12日

    Posted by ブクログ

    築四十年、巨大な都営住宅で暮し始めた千歳は、ある人探しを頼まれるが……。人々の記憶と戦後七十年間の土地の記憶が交錯する傑作長篇。
    「中央公論社」より

    なんだか人生そのもの、という感じ.
    いろんな人のいろんな回想が次々と現れて、時々絡まってときどきほつれて、時が進んでいく感じ.
    ああ、こうやって人生

    0
    2022年07月18日

    Posted by ブクログ

    団地かぁ、時代を感じる。
    懐かしいような……。
    いまや、どこも高齢化なのかもしれないけれど。うまく再生できると懐かしさを保ちつつ維持できそうなのになぁ。

    0
    2022年01月31日

    Posted by ブクログ

    団地の雰囲気とか都市伝説とか伝わるものは多かったが、時系列がとんだりするのでやや混乱する。
    回想シーンでは主人公がわからなくなる。読解力の低さなのか。

    0
    2021年01月07日

    Posted by ブクログ

    戸山ハイツの話なんだが、情景がとてもよかった。最後のところとか。都市伝説がうまい具合にひょいと出てきて、でも今の話。世代が近い登場人物がいないとちょっと入りにくいかな。私には上と下になってしまっていて。

    0
    2020年12月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「その街の今は」や「わたしがいなかった街で」の次は「マンモス団地小説」だった。
    戸山ハイツ、箱根山、がモデルなんだとか。
    ド田舎出身ゆえ、35棟、3000の部屋、7000人近く住んでいるというスケールを想像しづらいが、大友克洋「童夢」を思い出しながら読んだ。

    また、たまたま連続する団地の部屋という

    0
    2021年06月03日

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