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Posted by ブクログ
映画を鑑賞してからの原作。
主人公の周辺の描かれ方が全然違ってた。原作のがいいところもあれば映画のがいいところもそれぞれあり。
小説は完全にあさちゃん視点の世界、あさちゃんのセリフで構成されているので、映画で狂気に見えるあさちゃんの言動も小説の方ではすっと腑に落ちる。
普通に仕事して、職場のおばさんに気を遣い、ブランド物の洋服を試着して自分の似合う服を探し出す。結局ユニクロで服を買っちゃうことも。ある種普通の20代の女の子なんだ。
しかし映画でのあさちゃんは、そのようなセリフも少なくあまり私生活的なところは見えてこない。単純に二人の似た男に揺れ動いているサイコパス女のように見えるので、酷評する人も多いのでは。
小説の麦の方が自然で、広島で新幹線を下りて引き返すという選択が、あさちゃんの主体性をより感じさせる。帰ったら亮平が他の女の子と一緒に居たというのと、亮平をいたずらに「いい人」とはしないので、自然。そういう意味でも、映画では狙ったのかもしれないが、あさちゃんの狂気と可哀想な亮平という明確な構図ができており、原作との違和感は否めない。
結末についてもあさちゃん視点で描くという特性上、さらっと流されて終わる。だからこそ今後のあさちゃんと亮平の不穏な様子がリアルに想像されるラストになっている。
Posted by ブクログ
増補新版で再読しました。
面白かったです。とてももやもやします。
旧版→映画→増補新版と接してきたのですが、ずっとヒリヒリしました。
運命だ、と思った相手がふたり。同じ顔で。
登場人物たちのあれこれと共に風景が執拗とも言えるほどに描かれていて、人は視覚で生きている、ということを感じました。
朝子が一目惚れするシーンも、麦のときも亮平のときも一度に全身を見ているし。
でも朝子の友人の春代は、麦と亮平は同じ系統だけどそんなに似ていない、と言ってるので、好きだから似て見えるのかなと思ったりします。
消えていた麦が朝子の前に現れてからはもう怖かったです。そっちに行ってはダメだ、と思いながらも、でもきちんとお別れも出来ず、ずっと会いたかった人が迎えに来たら行ってしまうことあるのかも…と思いました。
わたしは朝子は責められないです。責められるほど、健全な恋愛はしてないです。
亮平はいいやつだ…朝子と亮平、溝を抱えたままふたりで生きていくんだろうなと思いました。
増補新版で増えた部分はよくわからなかったです。。
人を好きになるのは、端から見るとこんなに訳がわからないことなのだ、と思います。
朝子は心に正直に行動してますが、理解されることではないです…怖いけれどリアルでした。
映画を観てからなので、春代は完全に伊藤沙莉さんでした。ぴったり過ぎです。
東出昌大さんは、麦と亮平だったら麦だと思います。亮平の空気ではありません。
朝子の唐田えりかさんはこちらで初めて拝見したのですが、どこか得体の知れないところが朝子でした。でも、あれから他の作品で見ても、彼女は深いところでは何を考えてるんだろう?と思います。
映画はすごく風景が綺麗で好きでした。また観たいです。
Posted by ブクログ
映画を観て、唐田さんの、演技なのか素なのかわからない何も考えてなさそうなポカンとした表情と、だけど大胆なことをやってしまいそうな不安定さが役にすごくマッチしててやられてしまったのだけど、原作は未読のままでした。
たまたま見かけたので。柴崎友香さん初読み。
いやいやなかなか手強かったです。あらすじはシンプルなのですが、主人公の朝子が見たものをそのまま全部淡々と書き綴ったような文書で、情報量が膨大。その間に、たぶん見えてないものや、明らかに見てはいないものも描写されていて、それらの意味なんか考え出すと途端に前に進めなくなります。300ページ強の小説ですが、やたらと時間がかかりました。映画が流れるように、理解が追いつこうと追いつくまいと、雰囲気だけ捉えてどんどん読み進めるのが良いのかもしれません。
恋愛小説なんでしょうけど、なかなか怖い恋愛小説です。小説には大量の情報が溢れているのに、朝子の感情が読み解けない。なぜ朝子は麦にそこまで執着したのか?麦のどこが良かったのか?(麦は実際ひどい奴だし。)
朝子がこだわっているのは顔?顔に惚れた?身長が多少違っても、同じ顔がついていれば代わりの人でも問題ない?
「恋愛なんてそんなもんだよな。理屈じゃねぇよな」で済ませてもよいのですが、おとなしそうで、何も考えてなさそうで、だけど大胆なことを平気でやっちゃう朝子を体現していた唐田えりかには「こういう人っているよね」と思わせる何かがあったなぁと、、映画の感想になっちゃいましたけど、おもしろかったです。
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小説・文芸
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