春の庭

春の庭

702円 (税込)

3pt

第151回芥川賞受賞作。「春の庭」
書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化!

東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。
彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。
街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとは――
第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、
作家の揺るぎない才能を示した小説集。

二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」)

通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」)

アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」)

電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」)

何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。

解説・堀江敏幸

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春の庭 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ良かった......。このところ問題提起的な鋭い小説ばかり読んでいて心がささくれていたので、ちょっとぼけっとした人間の、物事の捉え方の機微が描かれているところにほっとした。初めて読む著者だったけど文体がとても好みで、気に入った表現がいくつもあった。あと酒が美味そう。毎日暑くてうんざりして

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    そっと秘密にしておきたい作品。水滴が一面につくクモの巣に見惚れるように、見つけた人だけが心にとどめる。

    0
    2019年11月27日

    Posted by ブクログ

    『ソーセージマフィンは、予期したとおりの味だった。ハッシュポテトもミルクも、過剰でもなく不足でもなく、それは快適ということだと、わたしは思った』―『出かける準備』

    柴崎友香の作品で一番好きな作品はやはり「きょうのできごと」ということになるのだけれど、これはジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネ

    0
    2025年09月05日

    Posted by ブクログ

    たくさんの人が来ては去って行く都市部の片隅で、建物とそこに住む人の刹那を描いた本作。

    そこに誰がいてどんな暮らしがあったのかなんて長い歴史の中では取るに足らないことだが、何かのカケラは残るのかもしれない。

    主人公は終始淡々としていて、周囲もまた淡々と変わっていくが、それこそが土地の変遷を物語って

    0
    2024年07月05日

    Posted by ブクログ

    ⚫︎感想
    一件家、アパート、空き家、庭など、さまざまな種類の住まいを通して、1人の人間が生きるとは?に思いを馳せることができた。生活をする中で、一つ一つの出来事は些細なんだけれども、その些細なことの積み重ねで生活ができあがる。その些細なことのなかには、偶然がもたらす人間関係だったり、自分ではコントロ

    0
    2024年07月01日

    Posted by ブクログ

    主人公が観察した西さんが観察した青い家が主人公。青い家を中心として過去と現在をまたぎつつ、場所が持つ力みたいな、場所も生きてるんだよ、、、みたいなことを描こうとしてたのかなぁ。

    なんか主人公が主人公っぽくないな、と思いながら読んでたけど、途中で姉に視点を切り替えたりして、敢えて主観性をなるべく固定

    0
    2024年03月29日

    Posted by ブクログ

    L字型のアパートに住んでいる主人公(30代男)とそのアパートの住人2人の女性と3人の話と、そのアパートから見える水色の家。水色の家は昔アーティストが住んでいて、それが"春の庭"という写真集にもなっている。それを高校時代に読んだ1人がその家の人と仲良くなり、家の中を見せてもらい、ど

    0
    2022年08月28日

    Posted by ブクログ

    映画で時々見かけるドリーのような手法とでも言うのか、あるいは今風のドローン撮影のような感じと言う方が良いのか、視点が緩やかに変わっていくのに感覚的について行けず一寸苦労しましたが、巻き戻して(言い方が昭和…)再度読み直すなどすると慣れました。内容はともかく、豆腐への収斂がとても面白く印象的でした。

    0
    2019年03月05日

    Posted by ブクログ

     難解な作品だな、というのが感想。
     途中までは何も起こらない、だけど何も起こらない故の面白さみたいなものが感じられて、スイスイと読み進められたのだが、作品の終盤近く、視点が三人称から「太郎」という登場人物の姉に唐突に変わってからは、作品の様相がガラリと変わってしまったように感じられた。
     視点

    0
    2018年01月04日

    Posted by ブクログ

    何か特別な結末が待っているわけでもないありふれた日常を書いた1冊。
    何も起こらない隣人とのごくごく普通なやり取りだからこそ没入できる。
    近所の居酒屋で2人で話すシーンが生活感を感じられてよかった。

    0
    2025年08月01日

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