中村文則の作品一覧
「中村文則」の「教団X」「身体を記す」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「中村文則」の「教団X」「身体を記す」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
福島大学行政社会学部応用社会学科卒。2002年『銃』で第34回新潮新人賞を受賞しデビュー。『遮光』で第26回野間文芸新人賞、『土の中の子供』で第133回芥川龍之介賞を受賞。その他作品に『掏摸<スリ>』、『悪意の手記』、『何もかも憂鬱な夜に 』などがある。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
天才スリ師の生き様を描いたノワール小説。めちゃくちゃ面白かった。
両利きのスリ師すげえ。
主人公が一人称「僕」なので、主人公が知り得た情報しか読者にも知らされないのがとても効果的でスリリングな読み心地を与えてくれた。何を書くかより、何を書かないかが徹底されていて、そのまま話が進むので主人公の不幸な境遇がそのまま体に入ってくる。極悪人の木島にスリを強要され、何を盗めば良いかわかっても、それがどう使われるのか全くわからない。木崎はとんでもないことをしているのは間違いないのだが「知ろうとするな」と一蹴されるのが痛快だった。クズと悪党しか出てこないアンダーグラウンドすぎる1作。
あらすじ。
主人公は東京でスリをして暮らしている。その手捌きは凄まじく、金持ちそうな男を見つけては尾行して財布をスっている。スった財布は指紋を消してポストに入れると、身分証などから落とした本人の元へ届くのだという。
主人公は過去にスリではなく強盗にも関わったことがある。犯罪で繋がった石川、立花という仲間と共に、資産家の爺さんの家の金庫を盗むミッション。金庫にある金は脱税したものであるため、警察沙汰にはならない。3人に与えられたのは爺さんの愛人の女性が大声を出さないように縛ること。強盗自体は同行した名前も知らない男たちが実行し、報酬の500万円を受け取って別れた。
命令したのが悪の親玉である木崎だった。木崎は明かしていない主人公の名前や過去を全て知っていた。この男と関わったらいけない、そう思い東京を出た主人公だったが、やっぱりスリをするなら東京だと考えを改め、戻ってくる。そして財布をスった相手がなんと木崎だった。
主人公は、東京での暮らしの中、ある親子と出会っていた。その母は子どもにスーパーで万引きをさせていた。主人公は万引きG面にバレていることを見抜き、捕まえられる前にやめろと言う。それから子どもがなつき、絆が生まれていく。
主人公は木崎にほぼ無理ゲーな、新しいミッションを与えられる。失敗したら、その親子二人を殺すと言う。脅迫を受けた主人公は無謀なスリへ身を投じていく。さて逃れられない運命にどう抗うのか——
Posted by ブクログ
文庫版発売後すぐに購入したのだけど、大切に大切に読んでいたので気付いたら読み始めてから2年経っていた。びっくり。
ゲラゲラ笑って笑い疲れて本を閉じる日もあったし、唸るほど考えて本を閉じて、それでもまだ考え続けるような日もあった。
P.280
小説には大抵、主人公がいる。
僕達は主人公に同化し、時に客観視しながら小説を 読むけど、「個人」に着目して読んでいることに変わりない。
テレビなどでは人間を「 外側」から見るけど、小説の多くは「内面」から見ることになる。
人間の内面描写に最も適しているメディアは、小説であると僕は思っている。
そして、小説を読む、つまり個人の内面を見、それに寄り添う習慣を持っている人は、排外主義者や、差別主義者などにはなり得ない。人を外側から一方的に見るのではなく、個人の内面に寄り添う想像力が、小説を読む人には養われていることが多いからだ。
という言葉に救われた。
そうだったらいいな。そんな人間になれていたら、いいな。