あらすじ
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は――。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
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Posted by ブクログ
ミステリー初心者なのでめっちゃ衝撃的で面白かったです こんなの映像化出来ないだろと思っていたところ、映画化されてるみたいなので観てみようと思います
Posted by ブクログ
「あなたが殺したのは間違いない⋯⋯そうですね?」
殺人犯「木原坂」を取材する「僕」。
冒頭で、木原坂が人を殺したんだなってことが分かる。その後も、姉への手紙、僕の取材記録、何者かと木原坂の文通を通じて、姉の存在、友人や人形師の存在、写真家としての木原坂、火事の話⋯少しずつ情報が小出しにされる。その塩梅が実に絶妙。
姉も僕も木原坂もなんか危うい。言動も行動もどうにもおかしい。ミステリアス?いやもう、出てくる人全員変人です。
全編を通じて温度はなく、湿度を感じる。明るさはないが不思議と視界はクリア。なんかひんやりした地下室みたいな話でした。
オチは⋯なるほどそういうことか⋯と納得。こんな薄い本に、良くこれだけの仕掛けをしたなあ。
すごい。
Posted by ブクログ
短いからってのもありますが中だるみ感一切無し。最初から最後までミステリーの緊張感をもって読み続けられます。二人の女性を殺害した犯人とその姉を含む関係者ににライターの「僕」が取材する。関係者全員どこか歪んだ異様な雰囲気を持っていて…あることをきっかけに事件は一気に真相へと向かっていくのだが…
この小説、読みやすさと面白さで個人的にだいぶおすすめです
Posted by ブクログ
狂った復讐劇!!
登場人物のほとんど狂ってる。ただそれが良い。
読みながら視点がどんどん変わるから
え?だれ?ってなるけどそれが引き込まれる。
このじわじわ真実に迫り、新しく伏線にも
気づいていく感じがすごくよかった!
印象的なセリフが
「誰かを愛するということは…(中略)自分の中に、静かな狂気じみたものを感じてしまう」
これが全てだと思いました!
Posted by ブクログ
どう言葉にしていいか分からないんですけど、徐々に高まっていく気持ち悪さがラストに少しだけ浄化されるんですよね。
それが忘れられなくて、この本は本当に好きです。
この本から中村先生の作品を読むようになりました。
Posted by ブクログ
作者の描く狂気と、ミステリーの相性が良くとても面白かった。
ただ、中村文則らしさ、みたいな陰鬱とした雰囲気は個人的にはそんなに感じず、少し物足りない感はあったものの、作品としては物凄く面白かった。
独特の雰囲気に呑み込まれ一気読みできる作品。
個人的には、内容も良かったですが、何よりもタイトルが洒落ていて、言葉のセンスが素晴らしいなと思いました。
Posted by ブクログ
死刑判決を受けたカメラマンの取材のお話
以下、公式のあらすじ
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「僕はあなたについての本を書くと決めたのです」
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。事件の全貌及び被告の素顔をあぶり出し、ノンフィクション作品として刊行することを出版社から依頼されたからだ。
被告の職業はカメラマン。その才能は海外からも高く評価されるほどのものだが、被写体への異常なまでの執着が乗り移ったかのような彼の写真は、見る物の心をざわつかせた。
彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けている。だが、何かがおかしい。調べを進めるほど、事件への違和感は強まる。そして、関係者たちの精神的な歪みが「僕」をのみ込んでいく。
彼は一体なぜ、女たちを殺したのか? それは本当に殺人だったのか?
何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、事件は混迷の度合いを深めていく。
事件の真相に分け入った時に見えてきたもの、それは――?
日本のみならず世界がその動向に注目する中村文則氏、渾身の書き下ろし小説!
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芥川賞作家が書くミステリだけあって、何と言うか文章に人の愚かさや繊細さや狂気など様々な業を感じる
まぁ、登場人物の殆どが狂気じみた人達ばかりなんだけどね
所々でミステリ特有の違和感があって、終盤で一気に明かされる
ただ、終盤の怒涛の種明かしはもうちょっと工夫ができたのではと思う
本自体の「仕掛け」はあとがきまで読んで改めてなるほどと思った
気づかないものですねぇ
普段は献辞ってあまり気にせずに読んでしまうなぁ
あと、映像化しているけど、どうやって?という疑問
多分、完全に同じようには映像化できないので、改変されてるのでしょうねぇ
Posted by ブクログ
4.0/5.0
事件の真相が解き明かされていくミステリー的な要素の面白さはもちろん、
何より登場人物たちの狂気に満ちた心情表現や動機が純文学的で引き込まれた。
Posted by ブクログ
以前、中村文則さんの作品を読んだ時は暗くて何が言いたいのかわからなくて読むのが苦痛だったけれど、これは面白かったです。
ボリュームはないけれども読み応えがありました。
もしかしたら他の作品も気にいるものがあるかも知れないのでチャレンジしようかな、と思います。
Posted by ブクログ
このページ数で自分こんなに楽しんじゃっていいんすか…?となる、狂愛の行方とトリックが素晴らしい。どこか狂気を孕んだ登場人物たちと理性を失うほどの愛…とても好きです。触れたら今にも崩れてしまいそうな心の危うさが羅列された文章もとてもとても好みで、読み進めるのが非常に勿体なく感じ、ちまちま読んだりもした。また読み直したいな。
Posted by ブクログ
中盤あたりまでは謎っぽい展開でややホラーな方向に進んでいるのかと思ったけど、最終的にはどんでん返しだった。
さてなぁ、でもこの展開だとページが少なかったり描写が足りなかったりで思い入れが少なく、なんか、最後の方はスゴイんだろうけどピンと来なくてね。策士策に溺れる、みたいな。
いや、単に自分がドロドロしたムードが好きで、そのまま進んで欲しかっただけかも。
Posted by ブクログ
中村文則さん、2作目。
ずっと気になっていた作品を読めました。
ため息。
人間の本能と狂気。
190ページと短いけれど、何度も驚かされた。
題名もとても素敵。
中村文則さんはゆっくりでもいいから、読んでいきたい作家さんです。
Posted by ブクログ
映画だけ見たことがあったので本も気になって買って見ました。映画の内容をうろ覚えの状態で読み始めたので何度も???となってページを戻ったりしました。映画のホームページを見たりしてなんとか理解できました。映画と完全に切り離して読んだ方が正解だったかもです、、
洋館で起こる殺人ミステリー的な不気味さがとても好きでした。
地獄変好きな方は読みましょう。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
あまりミステリーは読まないので細部まで楽しめた自信はないが、面白く読めた。
一人一人の登場人物がぶっとんでるのがわかる感じが良かった。
Posted by ブクログ
ずっと薄気味悪くてみんな狂っててだけど全部愛から始まっている。愛の扱いは難しい。ボリュームはあまりないのにこんなに登場人物に心が持っていかれるなんてすごいなぁと思いました。大きい話の流れとしてのラストはすごすぎて笑っちゃう!!
Posted by ブクログ
登場人物たちの自己分析というか内省していく描写がリアルで繊細でとても好きだった
登場人物はみんな狂気的で歪んだ思考を持ち合わせているんだけど、共感できてしまう部分もあり
自分の中にも狂気が眠っているんじゃないか、何かのきっかけで目覚めてしまうこともあるんじゃないかとか、ただ自覚しないふりをして生きてるだけなんじゃないかと思ってしまった。
ほとんどの人は自分自身のことを本当には理解してなくて、自分を知ることは大事なことみたいに言われる事もあるけど、自分にとっての都合のいい自分だけを抽出してアイデンティティにしようとしてるだけなのかもしれない。でもそれくらいが丁度良くて本気の自己分析なんてしない方がいいのかもしれないなと思った。
Posted by ブクログ
薄いし内容も好みで読み終わるまであっという間だった。
登場人物も多く、内容も雑多(というのかな?)、とにかく多く出てくる情報を整理しながら読み進めるのが楽しくて仕方なかった。
中盤まで「こういうことかなー?」と推理しながら読むも終盤で「え!そういうこと!?」と驚きの連続で、序盤にこれはどういうことなのか…とひっかかっていた箇所もきちんと回収されるし叙述トリックっておもしろい!
2周するときっと新たな気づきも出てきそう。
こういう、小説そのものが物語内で存在する成果物、みたいなのすきだなー
去年の冬、きみと別れ
という一説が出てきたあたりから鳥肌止まらんでした
いい作品じゃ…(しみじみ)
人間の狂気というのは気持ち悪く気味悪いのに活字で触れると小気味いい
映画化するの…
残り1/3くらいからかな、色んなものが繋がって「あぁ、そうだったんだ」ってなります。
だから、そこからはもうノンストップで読み終わらずにはいられませんでした。
映画化されるということで読みましたが、あのキャスティングでいいのか…
映画は見ないと思います。
Posted by ブクログ
ほんまに中村文則ってやばい。
完全に人生を間違えてしまった我々のことも思い出して欲しい。> <
最初からオチが読めたりはしないけど分かりやすい
教団Xみたいな完璧で美しい狂人みたいな人は意外と出てこなかった、。
Posted by ブクログ
読書からてんで離れていたから、比較的文庫本が薄くすぐに読めるんじゃないかと思い手に取ってみた。
全く分からなかった。
静かな環境で読んでいないということもあり、最後の方が集中できてなかったのも一理あると思う。
Posted by ブクログ
狂気と化け物たちの物語…そんな印象を受ける作品でした、初めて中村文則作品を読ませてもらいましたが登場人物と語り手の視点が複数あるコトに後半気付かされ、気付いたところから大きく展開が変わっていく流れは引き込まれてしまいます。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
あれこの人誰だっけ?が多くて、登場人物メモを見ながら聴きました。
ストーリーは普通に面白い。が、特別感はなかったかな。
一番の恩恵は、芥川龍之介の「地獄変」を読むきっかけになったこと。地獄変がとても良かったので、この本に出会わせてくれてありがとう、と感謝。
Posted by ブクログ
薄暗い気持ち悪さとともに徐々に事件の真相がわかってくると思いきや、急に今まで自分の隣にいた人が幽霊だったかのようなひやっとする感覚にさせられる、真夏の怪談のような一冊だった。
物語の中心であった人物が本当は違って、事件の概要が180度回転するようなストーリーは衝撃が大きくすごいと思った。
単にどんでん返しをオチとして用意したいのではなく、それによってある人間が狂っていった過程を追体験させたいかのような印象を受けた。
残念だと思ったのは、本当の中心人物含め怪しげにかかれていた登場人物がいったい何者でどんな人なのかが中途半端に終わってしまうところ。
全てを書かずに謎のままで終わる楽しみはあるが、K2というサークルや人形師など、消化不良を感じる部分はあった。
Posted by ブクログ
物語の外側にずっと置いてかれてるような感じで、なかなか読みづらかった。
それも当たり前で登場人物が狂気的すぎて、あくまでノーマルな自分には入り込む隙間がなかった。
すっきりしないミステリーだけどつまらないわけではない。
Posted by ブクログ
嫌いではないが気持ち悪い。心がざらつく。6年前読んだ時は嫌悪感しかなかったので、再読で印象が変わった作品ではある。様々な登場人物の倒錯した愛情と狂気が凄まじい。「きみは誰だ?」でもう1人の存在に気づいてから、面白さが増していく。一体何を読まされているんだと思っていたが、献辞を読んで納得した。カポーティの『冷血』読んでみたい。そして結局K2って何だったのか。
Posted by ブクログ
結構叙述トリック的な要素が多く含まれていて、話し手もコロコロ変わるので中盤までは読みづらい、よく分からないと感じてしまうかも。
後半にかけて少しずつ種明かしがされていき、最後に文字通り全ての点と点が繋がってスッキリする時が来るので、根気強く読んでほしい。一章一章短めなので、できれば一気に読むのがオススメです。
とはいえ、鬱々としていて救いがなく、好みのタイプのミステリーではなかったかな…
Posted by ブクログ
面白かった。
トリックには最後までまったく気づかなかったけど、後半になるにつれて先が気になって気になって。
ラストまで読んでまたあたまから読み直しました。
木原坂の死刑が確定してから本をおくる計画。
実行されるところまで描かれないところが想像力に任されていて、恐ろしい想像をする自分が鏡のように恐ろしい。
Posted by ブクログ
今までに読んだことの無いような作品でワクワク読むことが出来たが、オチがイマイチで理解できないところがあった。ブグログの解説を見てやっと理解できた。
面白かったけど…
面白かったけど…理解するために何度も読んだ。最初と最後のイニシャルに書かれた人の立場になって読み返してみました。きっとフィクションと言うつもりで偽名での木原坂と吉本亜希子だが… 「この小説では偽名だが、お前のことだ!」と伝えるためのイニシャルなんでしょうか?
弁護士は朱里に何されたかわからないけど…朱里と言う人物は、一応お話に出る小説の主人公(編集者の小林)に酷いとい言う言葉だけじゃ足りないくらいの憎悪を生み出すほどの事を…主人公が去年の冬、君と別れて化け物になると思うほどの憎悪を生み出すほど酷い事をした女性なのだから…
弁護士もきっと 自殺をはかるほどに、朱里を殺したい化け物になって復讐したいと思うほどの事をされたのかなぁと、想像をしました。
面白かったけど…理解できない、わからないところが多くて、映画を見たり、解説を調べたりして自分なりに納得してみて このような感想にたどり着いたら、スッキリしたような気がしました。
わからない
私の理解力がとぼしいのか……最後がよくわからずネットでどういうことか調べてしまった。
何度も読まないと面白さがわからない作品なのかなと思った。
わかりやすい作品が好きなので星は2つにさせていただきました。