掏摸

掏摸

550円 (税込)

2pt

東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」――運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。その男、悪を超えた悪――絶対悪VS天才スリ師の戦いが、いま、始まる!!

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掏摸 のユーザーレビュー

「掏摸」という言葉は、「獏」の文字に似ているからか、まるで動物の名前のように見える。この小説は、生活のための掏摸ではなく、掏摸という行為そのものに生きる男の話だ。無意識に取り、変装資金のために取り、愛する人が死んだ悲しさで手当り次第に取る。これはいわば「掏摸」という動物ではないか。
まず興味を惹かれるのは、華麗なる掏摸の技術の数々。標的探しから証拠隠滅まで、ルポルタージュのように闇の世界が描かれる。一般市民は身近に潜む危険にぞっとし、思わず財布の所在を確認してしまうだろう。
また、感情を排除した淡々とした描写が、読者を物語の深みへ引きずり込んでいく。財布を抜き取る手先の微細な緊張まで伝わってきて、その手を相手につかまれた瞬間は本当に身の毛がよだった。主人公の行いは、善か悪かで言えば間違いなく悪である。それでも読み進めるうち、彼のミッションの成功を我がことのように手に汗握って祈るようになってしまう。もちろん、自分の財布は鞄の底へ押し込みながらだけれど。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とにかく読みやすい。情景が浮かび掏摸の緊迫した様子が浮かぶ。淡白な文が続くが闇社会を表現するにはちょうどいい気もする。中村文則作品を初めて読んで他の作品も気になった。

    0
    2025年10月23日

    Posted by ブクログ

    天才スリ師である主人公の事を書いた一作。
    どう感想を書けば良いのか分からないので、作中に出てくる塔について、少し話そうと思う。
    彼がスリに失敗する度に見えていた塔。
    未熟な時には見えていたその塔は、いつしか見えなくなっていたらしい。なぜか?失敗しないからだろう。失敗すれば、その塔に見られる。成功すれ

    0
    2025年06月29日

    Posted by ブクログ

    大きな物語の途中からの話を読んでいるようだった。しきりに女の人の名前(忘れちゃった)のことを思い浮かべながら自分の現在の言動について向き合ってる描写があった。あとがきにあったように16章が物語の中核になっていたみたい。あの「塔」の存在は大人になってからはその女の人と照らし合わせていたのかな。「光が目

    0
    2025年11月15日

    Posted by ブクログ

    スリをしながら生きる主人公が、過去に、ある男達の強盗の補助をする 
    その時の元締め木崎に3つの仕事をするよう脅される

    孤独な主人公が行くつく先はー破滅か

    主人公にとって生きている世界は硬く強固で、縛りのあるもののようで、他人の物を盗む行為だけが周囲を流れるあらゆるものから自由になれる、暖かで確か

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    テスカトリポカを読んだ時も感じたけど、残虐な行いの背景に「神」だとか「運命」だとか書かれていると、不思議と神秘的な思いにとらわれ、善悪の境界があいまいになる。
    今回も木崎のセリフでそのように思った。
    スリは犯罪と重々承知だが、スリの技法の部分がとてもスリルがあって楽しかった。
    失敗するかもしれない時

    0
    2025年10月25日

    Posted by ブクログ

    「銃」に続いて中村文則
    これも一気読み

    やはり好きな文体ではあるので、もう少し他の作品にも手を出さざるを得なくなった

    主人公の過去はもう少し掘り下げて欲しかった
    貴族と運命、のあたりは既読感があった
    点をマイナスして星4つ

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    掏摸か…漢字読めんかったけど(^◇^;)

    ほぼ両利きとは、掏摸の為に生まれたような…
    しかし…
    そんな世界にずっと生きてきて、なにを思うんやろうな…
    それも、モロに一匹狼みたいな。
    仲間いた時代もあるにせよ。
    どこにも、属さないのは、どこからも、左右されないことで、自由なんかなぁ…

    でも、属さな

    0
    2025年06月15日

    Posted by ブクログ

    何だったんだろう。
    最近読んだ本も。
    終わりがあんまり好きじゃない
    死んだかどうかも不明。
    モヤモヤしますね。
    ただ、途中途中はスリルがあって良かった。     

    追記:読んでからだいぶ経って、ふと思い出すとやっぱり怖い。最後が特に。

    0
    2025年05月01日

    Posted by ブクログ

    192ページというコンパクトな分量ながら、長編を読んだかのような重厚感のあるストーリーだった。スリ師の話で犯罪に関わっている人たちしかほとんど出てこないため、終始ダークな雰囲気が醸し出されている。主人公は世間からはみ出てしまって自分の人生に希望も持てずにいて、ある日最悪な男と再会して犯罪に加担してい

    0
    2025年04月30日

    Posted by ブクログ

    主人公の心の動きや内面の世界。光がいやなら、光が当たらないところにいくしかないという考えが面白かった。この筆者の心理描写が大好きです。

    0
    2025年04月17日

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