男の子をもつ父と母。特に何にも事件があるわけじゃなく(あっても完全なる傍観者)、悩みや困難や痛みがあるわけじゃなく(あっても日々の雑事)、将来への希望や不安があるわけじゃなく(あってもやっぱり日々の雑事)、つまり、どこにでもある日常の生活の繰り返しをただ切り取って描いているだけなのに、
長嶋先生の手
...続きを読むにかかると小説になる。
ほのぼのとも違うし、まったり、という言葉とも一味違う。この大きなマンションの隣ではなく違う棟に私も住んで時々これからもこのご家族と世間話をしたい気になる。
「あらぁコースケちゃん、今度小学校なのね〜」
『舟』こちらも普通の女子高生の何でもない日常。
なのに、この短編小説も長嶋先生らしさに満たされている。言葉の選び方やつまらない(?)面白さをみつけるのが絶妙!
図らずも自分自身の高校生時代に逆戻りして、友人の日記帳を見ちゃた感じ。そこに世代間のジェネレーションは感じるが(笑)