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人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
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Posted by ブクログ
短編集、どれもたいへんよろしく、読んでるうちはそれが一番おもしろいと思ってたのに、最終的にはぜんぶおもしろい。 自由気ままに生きているような人をたくさんかいておいて、「なんでもかんでも自分の意志で選んで生きてこられたわけがないでしょう」って言うの、お前がゆうなやって怒りたくなるくらい大事な一冊になっ...続きを読むた。
タイトル、ぐっときます。長嶋有の小説に出てくる女の子は、ぼんやりしてるようで、しゅっとしてて、かわいい。
随所に、ああ、とか、そうそう、っていう場面が現れてどんどん読めます。そういう何気ないことを書くのが極めて上手いですよね~ 大好きな作家さんです。
うまいしおもしろい。 長嶋有という作者は強烈なインパクトのある話を書くわけではないけれど、なんかあの作家すきなんだよね、と私の頭に必ず浮かぶ。 この短篇集はそんな作者の長所が盛り込まれている。 まず、説明が少ないところが好き。 情景描写だったり登場人物たちの輪郭からじわじわと話の核を攻めて...続きを読むくる。 そして最終的に読者に不明瞭な点を残さない。 2人の姉と引きこもりの弟の奇妙な話を描いた『夜のあぐら』では特に、そう思った。話の組み立て方のうまさが際立っている。 また、人間の描き方がとてもリアルで、急に気が変わったりする。このキャラクターはこういう人だから、とかそういうセセコマシサがない。キャラクタではなく、まぎれもなく人間。 あとは単純に言葉の選び方が好き。 タンノイのエジンバラを題名にもってくるあたり、相当いい。何度も声にだしたし、現物もネットで調べた。誉めすぎか? 幼少時の些細な記憶とか 思い出した。とくに姉、というキーワードが私にはよかったのかな。 長嶋有をみんなに知ってもらいたいと思う反面 だれも知らなくていいとも思う。
『三十歳』がいちばん好き。トランスワールドは実在するのかどうか気になってしまった。著者とは年代が近いので、様々な固有名詞がツボに入る。「今の若い人達はSMAPの森くんとか知らないだろうなぁ」などと考えては悦に入ってみたりする。
好きな作家・長嶋有さんの作品、久々に読んだことのない作品を…と手に取った本作。 いやぁぁぁーーー、この作品めっちゃ素敵ですねーーー( ̄∇ ̄) 長嶋有さんは何作か読みましたけど、一番最初に読んだ「猛スピードで母は」を読んだときの衝動を思い出させてもらった気がしました… そうそう、長嶋有さんの良さは...続きを読むコレだよなぁ…と。 一言で表すと「もう空気感最高過ぎ」なのかなと…(´∀`) 個人的には「エモ写実主義」ってワードが浮かびました、けっこう気に入ったんだけどどうだろう…(笑) 潔い装飾しすぎない文章、密度が濃すぎず作品全体に漂う程良いヌケ感、けっして現実を美化し過ぎない(自分はそこがとても写実的だなと感じる、現実っちゃこんなもんよねのラインを逸脱しない)、でもそれでいて希望を忘れない前向きな物語…言葉にするとそんなところが好きなのかなぁと。 上記の良さがあるので、短編とはとても相性が良いんではないかな…とも思ったりもしました。 猛スピード…に続く代表作にして良いんじゃないかなと。 最近アウトドア本ばっかりでサボっていたので、読書熱を復活させてくれた長嶋有さんに感謝( ´ ▽ ` )笑 <印象に残った言葉> ・こういうシチュエーションの映画があるな。孤独な男と女の子が旅するような。比べれば現実はいつも垢抜けない。(P29) ・トレイから瀬奈の忘れていったCDが出てきた。ビールを飲みながら改めて聴いてみた。夢は信じるだけじゃ駄目、とかなんとか、聞いたふうなことを歌っていた。(P38) ・あぐらをかく姉をみるのは初めてのように思う。忍び込む姉も金庫やぶりをする姉も初めてなのに、私が感じ入ったのはあぐらだった。(P45) ・弟は階段の途中で立ち止まった。振り向くと今度はジャンパーのポケットから蜜柑を取り出した。弟はその場で皮を剥き、三つに分けると、姉に二つ手渡した。姉は振り向いて私に一つくれた。(P104) ・「そうか」とあっさり納得した。僕に軽く微笑みかけるとまたすぐに目を閉じた。僕は二つ並んだ横顔を横目に、成田までをついに眠らずに過ごした。(P144) ・それから、自分でも信じられないほどの大きな声で叫んだ。声が出尽くすと、また息を吸った、金切り声をだした。声を振り絞ると体がびりびりと震えるのが分かった。手をにぎられて、目と耳が熱くなった瞬間に似ていると思った。はずみで目から涙がぽろぽろと出てきたが、気にせずに叫んだ。悲しいのだから、涙は出てもいいのだ、と秋子は思った。(P216) <内容(「BOOK」データベースより)> 人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
エリザベス女王が亡くなって頻繁にエジンバラというフレーズを聞いてたタイミングで、あ そうやと思って読んだ。タンノイのエジンバラってそういうこと〜?って表題作読んでなった。四作とも題名が出てくるタイミングが絶妙〜と思った。と同時にそこを題名にするんやおもしろいという感覚にも。
長嶋有さんの作品、久々に読んだ。 一番印象的だったのは夜のあぐら。 大人になってからのほどほど距離感のある兄弟関係。父の体調悪化で、実家に来て初めて知る新たな父の愛人など、場面に入り込んでしまう描き方が素敵だ。 最後の三十歳も面白い。ピアノと関係のない仕事がいいと選んだパチンコ屋。そこでの出会い。 ...続きを読むひとつ一つの判断、エピソードが、そう考えることあるなあと思う。淡々としたかきぶりだけど、心地よく読み終わった。
「タンノイのエジンバラ」「夜のあぐら」「バルセロナの印象」「三十歳」の4編収録した短編集。 大傑作、とはいかないまでもいずれも秀作揃い。 個人的には「三十歳」が一番好き。 長嶋有の小説は、情景が在り在りと目に浮かぶところがいい。 しかもその情景は何の変哲もない平凡な街だったり建物だったり部屋だった...続きを読むりする。 風景が人の生活や人生と結びつき、情景となる。 「三十歳」に、パチンコ屋の屋上のシーンがあります。 これがいい。 「パラレル」にも屋上の場面があったけど、ビルの屋上という場所は、世間から疎外されているようで離れきれない、むしろ世間を俯瞰して眺めてしまったりする、独特の雰囲気をもった空間で、それが小説の雰囲気とばっちり合っています。 もう一つの特徴は、「家族」が描かれていること。 家族、中でも親子や兄弟姉妹といった、子供のころからひとつ屋根の下暮らしてきて、大人になるにつれ何時の間にか「ずれ」が生じてしまったような、微妙な心理的距離を描くのがとても巧いと思います。
「夜のあぐら」の中に”定見が無い”という言葉が出てきます。なるほど、どの作品の主人公も定見が無く、周りに流されていく人々です。同じように”定見が無い”人を良く描く作家として川上弘美さんが居ます。 しかし、この二人の雰囲気は随分違います。川上さんの主人公達は行く先不明のボートに乗っているものの、周り...続きを読むはゆったりとした流れで、波に揺られて暖かくて居心地はなかなか良さそうです。一方、長嶋さんの主人公は、周りの岩にゴツゴツぶつかりながら流されています。なんだか迷惑そうなのですが、かといって必死に抵抗をすることも無く流されているようです。 どうも、川上さんの世界の方が好きですね。 ただ、この長嶋さんも悪くない。もう少し読んで見ましょうかね。
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