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Posted by ブクログ
長嶋有▶佐渡の三人(講談社文庫)2015
自分はエッセイスト、おばあちゃんの指示で隣のおばちゃんのお骨を佐渡の墓に納骨する珍道中。弟とお父さんの三人旅。弟は引きこもりで祖父母の家に住み、祖父母はL 字形に寝たきりになっている。
納骨の話が短編で4話で一冊。テーマというか、納骨があるから読者は登場人物を順次知ることができる。納骨には葬式もつきものだから焼香する日常の人、非日常に突如登場する人。人々の人柄や行動、セリフがおかしい。全くのナンセンスでもない。
そもそも最初から喋り続ける「自分」が男か女かさえわからなかった。僕が知ったのは、…思い出せない。今更、いつ女と知ったか、調べるためにだけ読み返せない。男女をこだわらない風潮が世を支配している(様に見えるのは僕だけ?)が、こんなことにこだわる自分を古いと感じ、公の場で口にするのは無知としなければならないのかと、思った自分がまたあほらしい。
わけのわからない話が続く。いつもなら、すぐにきっぱり読むのをやめるのだけど、やめられない。このままわけもなく浸かっていたい温泉に入ってしまったような。と思う頃、もう薄い文庫本は終わってしまっていた。
長嶋有という作者はけったいな温泉の露天風呂でいつの間にか一緒に浸かっており、視線を合わすこともなく過ごしたような男。聞いてみるとこの温泉は彼の幻想であるらしい。ならば会釈ぐらいしたものを。
Posted by ブクログ
初めての文体。
軽快だ!トカ、リズム感がイイ!トカいうのではない。
優しく働きかけてくる感じ。
"働きかけ"だから、頭も使わないと。
そこがお気に入りかも。
家族の在りかたは、その渦中にいる人でないとわからない。
多かれ少なかれ、どの一家にも抱えているものはある。
ただ、そこに共感できたりできなかったりはある。
佐渡の三人を取り巻く一族にも"何か"は確実にある。
でも、この一族の在り方には共感できるところもある。ある意味羨ましい部分も。
人は前を向いて歩いて行かなければならない。
苦境だろうが、逆境だろうが、間違っていようが、不安でたまらなかろうが…
すごくほっこりさせてもらえる作品。
Posted by ブクログ
祖父と祖母、その隣に住む大叔父と大叔母が相次いで亡くなり、孫の道子と家族、親族たちが、それぞれの遺骨をお墓のある佐渡まで納骨に行くというだけの話。
たったそれだけ、3度の納骨という出来事だけでこれだけの作品が描けるのが本当にすごい。
「焦らずたゆまずな」が口癖の祖母・みつこも、ヒネている時期が長かったから友達と会話する自分を「よかったよかった」みたいな目で見られるのが鬱陶しくて平坦を装うひきこもりの弟も、通夜の席で道子たちに「ドストエフスキーは・・・」と文学論をさんざん説諭したあと「・・・なんつって」と締めくくり皆を脱力させるブンガク老人の大叔父も、みんな可愛くて、優しくて、愛おしい。
「坊主の前でBOSEはね~」の箇所では声を上げて笑い、「金銀パールプレゼント~♬」は歌を口ずさみ、トキコが朱鷺子だと気づいたところではじんわり。。
家族の死というともすれば重く、深刻になりがちなテーマを、これほどまで「不謹慎に」笑いに変えて描き、それでいて、人がいなくなるということ、残された者が生きていくことをしみじみと考えさせてくれる作品でした。その後の道子と弟と父の話を是非とも読んでみたいものです。
Posted by ブクログ
これは割とつまらんぞな。次元大介の言葉を借りるなら、つまらんものを読んでしまった、ってやつだ。五衛門先生か。
まぁ何がつまらんって、盛り上がりにかけるというか、なんかこう、もっとあるあろう、と。なんもないところにも煙を立たせる、みたいなみのもんた的な煽りが欲しかったわけですよ。
とは言えこの話の中のいろんな人の生き方は共感できるというか、こんな風に生きたい、というか死に様というか、だいたい墓に骨を埋める話ばっかりなんで、ゆるゆると死後の雑事をこなしていくのが、イイネ!つける感じだけど、それを語られてもつまらんのよ。
まぁそれとこれとは別って話なわけね。
Posted by ブクログ
数年間に3度にわたる先祖の土地・佐渡への納骨の旅を描いた作品。
納骨といえば哀しみや厳粛なイメージですが、そんな感じは全く無く。
どこか世間からズレた家族が、何となく世間の風習を無視できずに、適当に、でもそれなりに真面目に納骨します。そこが何ともオカシクて。
どうも半私小説という雰囲気です。身の回りに起こったことを淡々と丁寧に描いて行く。何故「半」かと言えば、この作品では主人公が女性に変わって居たりして、若干脚色が入るので。
読みながら『ジャージの二人』を思い出しました。ダラダラとした気怠い雰囲気が良く似てます。ま、タイトルも続きみたいなものだし。。。
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小説・文芸
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