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Posted by ブクログ 2023年01月23日
とある古アパートの一室の、歴代住人たちの日常を切り取った短編集。
って書くとめちゃくちゃありきたりなんだけど、同じ章の中でも時代が目まぐるしく前後して、歴代住人たちのエピソードが入り組みながら、パズルのピースのように少しずつ展開されていく。
読み味は軽いのに、全体像は緻密に組み立てられているという...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月07日
谷崎賞受賞作ってことで。そこまで文学文学してなくて、マルチ目線形式ってのも自分好み。しかも、同時代的横の繋がりじゃなく、時代を超越した縦の繋がりで描かれるのも、ちょっと斬新で良い感じ。マンションの同居人を色んな目線で書いた物語とか、家族三代にわたる物語とか、そういうのはちょくちょく目にするけど、本作...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月01日
『三の隣は五号室』長嶋 有
こういう小説もアリなのか。純文学って本当に面白い。
ある人の何気ない暮らしが全く知らない別の人の暮らしに少しのドラマを与える。これを読んでいると、自分のマンションの『前の人』はここでどんなことを考えたんだろうとか、どこにベットを置いてどんなテレビを見てたんだろうとか分かる...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月04日
第一藤岡荘の5号室を舞台に、同室に居住した合計13代の住人が織りなす物語。方法論としては「問いのない答え」と同様、多くの人々・出来事が連想ゲームのようにつながっていくというところなのだろうが、「問いのない答え」よりもさらに研ぎ澄まされているように感じる。何しろ、場所は同じ五号室でも、時間を前後してい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月30日
古いだけで一見なんの変哲もない2Kの木造アパート。だが住み始めると、その間取りが少し変わっていることに気づく。
そんなおかしなアパートの一室、5号室を舞台に、そこに暮らした代々の住人たちを描く群像劇。
第52回谷崎潤一郎賞受賞作品。
◇
「変な間取りだ」
1982年、...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月01日
定点観測な連作集。
こういうのって「ひとり1話」みたいな
構成になっているものが多いと思うのですが
これは少し変わっている。
第一藤岡荘というアパートの一室に住んだ
歴代の住人たちの人生を書き留めるのに
「場所」や「もの」で章わけされているのです。
たとえば『雨と風邪』の章なら
部屋に響く雨音を風...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月05日
NHKの72時間というドキュメンタリーを思い出した。ある場所を3日間定点観測する番組だが、この小説の場合はあるアパートの一室を数十年にわたって観察している。
この部屋にやってきて、数年住み、去っていった、年齢も性別も経歴も異なる人たち。後から住む人たちは、前の住人たちとは全く関係はないのだけれど、な...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月07日
★星4.4
初めての作家さん。
第一藤岡荘五号室に、1966年~2016年の間に入居した13人(世帯)の住人の、それぞれの物語。
物語は、時系列ではなくランダムにそれぞれの住人にスポットが当たるってのがテンポ良くて好き。
最終章は、何かあるんじゃないか!って思わせるようなフラグがありちょっとハラハラ...続きを読む
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