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Posted by ブクログ
単純に装丁買いで。
うまく説明できないんだけど、今年1番のヒット。
地の文の投げやりな丁寧さに惹きつけられてしまった。
散らされた鍵括弧が、波紋みたいに、地の文に余韻を広げてる。
長嶋さんの小説ってこんな感じだったろうか。
あんまり、比較とかはしちゃいけないんだろうけど、少し大崎さんの小説の空気に似ていて、逆に相違が際立って、勝手に世界が広がっていく感じがした。
わたしは多分、こういう主人公が好きだし、こういう女性の描かれ方が好きだし、螺旋階段や繰り返されるモチーフが好きだ。
このくらいの軽さも、このくらいの深さも。
*
あとあれです、解説がすげーよかった。
Posted by ブクログ
妻に浮気され離婚したゲームデザイナーの七郎は、9月のはじめに津田の同僚の大輔の結婚式に呼ばれる。結婚式後にキャバクラで津田のお気に入りのサオリと同僚のゲームマニアの娘に気に入られる。ゲーム制作から離れた七郎は、気に入っていた過去の会社と妻への愛着から離れられないが…。
長嶋有のぼんやりした話で、9月からの日々と津田と妻との思い出とを交錯しつつ語る長編。津田のパラレルで平行に進む女性関係を描きつつ、七郎の妻や津田、サオリとの交わりかけては交わらない人間関係など、ダブル、トリプルミーニングのタイトルに繋がっていく。
数年前なら「掴みどころがないぼんやりした作品」とレビューしていただろうが、さすがに慣れてきたな。むしろ平行にどこにも収束しない話は、リアリティを感じる不思議な感覚である。
ぼんやりした七郎、ドライで全くこだわりのない女性陣、ボケというか全方向に全力で誰の意見も聞いていない津田など、取り立ててものすごいでもないキャラクターもうまく使い分けられているため、混乱も少ない。
ストーリーの起伏の弱さは素人向けではない部分も多い作品ではある。芥川賞的な作品なので、流れをそのまま素直に読むべき作品である。
Posted by ブクログ
時系列をぐちゃぐちゃにして、「パラで走る」2人の男の友情物語。
長嶋さんの小説はスルメのようで、だらだらくちゃくちゃいつまでも噛んでいられる。
でも一気に全部食べよう(読もう)とすると、アゴがつかれるし、お腹も痛くなる。
なので、ちょっとずつ、読んだ。
いつでも、どこにいても、本をひらけばスッと世界に入っていけるのは
まちがいなく「世界」のある小説の証だろう。
「世界」を構成するのに重要な登場人物たちのセリフがすごく上手。
いかにも「この人なら言いそう!」って言葉がバシバシきまる。
そのセリフの中に金言になりそうなのもあったりして、油断ならない(笑)
登場人物だれひとり、さほど好きな人間はいないのに、
「世界」に生きているその人達のいきざまをついつい見たくなって
最後まで読んだ。
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小説・文芸
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