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いつまでも涙が止まらない――。
銀座のとある路地の先、円筒形のポストのすぐそばに佇む文房具店・四宝堂。創業は天保五年、地下には古い活版印刷機まであるという知る人ぞ知る名店だ。
店を一人で切り盛りするのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。
両親に代わり育ててくれた祖母へ感謝の気持ちを伝えられずにいる青年に、どうしても今日のうちに退職願を書かなければならないという女性など。
困りごとを抱えた人々の心が、思い出の文房具と店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。
いつまでも涙が止まらない、心あたたまる物語。
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Posted by ブクログ
銀座の文房具屋さんのお話。
店長さんの人柄がめちゃめちゃ良くて気転が効くみたいな感じなんだと思うけど、ここの店長さんは単なる鏡で、人格を感じさせない。そこが器が広くて良い点でもあるのだろうけれど、単なる聞き役というか記号みたいな感じもして物足りない。
初任給では、大切な誰かに物を贈るといいよという先輩のアドバイスを受け、銀座にやってきた凛だったが、歩き回っても何を贈ればいいのかよくわからない。お茶屋さんに引っ張り込まれ、美味しかったので新茶を祖母の夏子さんに贈ることにしたが、手紙を添えるべきだと文具店の四宝堂を紹介される。
「クラブふみ」で10年に渡って働いているユリさんは、本当にお世話になった文ママに、どうやって退職を切り出そうか悩んでいた。退職願を書くべきか?お休み中の四宝堂を営業させてまで、便箋などを選んでいたが、支配人の宝田さんに顔を見て話すべきだと諭される。最初はしぶっていた宝田さんだが、結局は便箋などを用意してくれた。
弓道部を引退した副将の七海は、主将だった拓海に恋をしていた。拓海と七海の共同で作った弓道部練習記録ノートを見ながら、もう引退なんだなぁと考えている。
別れた妻に葬式の弔辞を頼まれた。妻とはシンガポールで出会った。妻の売店の休憩時間にランチを一緒にとる。日本に帰国して週一回絵葉書を送った。そのうち妻の父にディナーに招待される。別れてくれと言われたが駆け落ちした。が離婚した。その後二回結婚して離婚した。
寿司職人の札銀は、新しいお店の開店準備をほぼやり終えた。お知らせを送り終えたら、ほぼ完了だが、若い時にお世話になった大将へ知らせていいものかどうか躊躇している。
Posted by ブクログ
また新たなお気に入りのシリーズが増えてしまった。
モンブランの万年筆
ファイロファックスのシステム手帳
コクヨのキャンパスノート
観光名所の絵葉書
ロディアのメモパッド
文房具にある程度関心のある人なら誰でもピンとくる定番の商品たち。
文房具好きとしてはそれらが作中で一役も二役もかってるというだけで嬉しい。
だけど、もちろんそれだけじゃなく登場人物みんながまっすぐに生きてて、背筋が伸びる思いだった。
(実際、自分も一緒にアドバイスを受けてるような気分になって、その度に何度も姿勢正して読んだ。)
文具屋店主がナビゲーターみたいな役割なのだけど、最初の登場の描写から、あまり主張せずひっそり佇むようなキャラクターなのかと思ったら、意外と人間味があって親しみやすく、今後の店主の変化も楽しみ。
自分もまっすぐ前を向いて頑張ろうと、励まされるような物語だった。
海外では最近日本の本が癒されて泣ける、と人気が高いそうですが、この本はまさにそのキーワードにぴったりの、暖かさと優しさの詰まった作品でした。最近ではめっきり使うことがなくなった文房具ですが、今一度、ペンを手にとって紙に一文字一文字何かを大切に書きたい、そう思わせてくれるエピソードばかり。こんな文房具屋さんがあったら行ってみたいです。
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