あらすじ
いつまでも涙が止まらない――。
銀座のとある路地の先、円筒形のポストのすぐそばに佇む文房具店・四宝堂。創業は天保五年、地下には古い活版印刷機まであるという知る人ぞ知る名店だ。
店を一人で切り盛りするのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。
両親に代わり育ててくれた祖母へ感謝の気持ちを伝えられずにいる青年に、どうしても今日のうちに退職願を書かなければならないという女性など。
困りごとを抱えた人々の心が、思い出の文房具と店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。
いつまでも涙が止まらない、心あたたまる物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文具店店主宝田硯(けん)さんと来客との心温まるやりとりがオムニバスで繰り広げられる。古本が主人公的な役割を果たすビブリア古書堂とは違って、登場する文房具はあくまで脇役であり、固有名詞も出てこないものの、文房具を愛して大切に使っていることが描写からも読み取れる。スペック好きが多い文具の世界であるが、文具がつなぐ人間模様も愛せるようになりたい。
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とても好きな物語に出会えました!
どの短編もとてもよく、店主の人柄、アドバイスすべてが刺さりました。
泣けた!
文房具好きなので、各話に出てくる文房具たちもついつい気になってしまいました。
モンブランの万年筆気になるー!
高級品だけど!
Posted by ブクログ
四宝堂を訪れるお客様のエピソードを読み進めるうちに、情景が思い浮かび、私も万年筆やノート、絵葉書、メモパッド、システム手帳を大切に愛用したい、そして、硯さんのような店主さんがいる文具店に行ってみたいと思うすてきな本でした。続編もあるようなので、ぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
久々に優しい気持ちになれる素敵な本に出会った気がします。
老舗文具屋と色んな事情を抱えたお客さんを巡る物語。主人公の人柄が良いし、「ああ、こんな文房具屋さんがあったらな」と文具好きには堪らない話でした。
売り場の2階がイベントスペースになっており、イベントが無い時はそこで購入した文具で手紙を書いたりも出来るとのこと。そこに主人公の宝田硯が茶やお菓子を持ってきてくれます。
これは宝田さん狙いの女性客とかも通っていそう。早く良子さんと一緒になって!!笑
文房具店の話ということもあり、実在の文具が文中でたくさん出てきます。
話に出てきたロディアのメモ帳は、前職の接客業で使っていた人が居たなとふと思い出しました。
続編も読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ
万年筆、新社会人が初任給で育ててくれた祖母へ祖母からもらったモンブランの万年筆で手紙を書く
システム手帳、地方出身の学生が銀座のホステスとしてバイトしてママに仕込まれて成長して独立
大学ノート、高校の弓道部の部長と副部長が部活ノートを一年間書き続け
絵葉書、バツ3の男性が最初のカミさんに弔辞を読む?お棺に絵葉書を入れる、大大号泣
メモパッド、仕事も住まいもない若者が洋食屋の大将に出会い遠回りはするが店を持つ、ロディアのメモ
それぞれの成長や出会い、別れに文房具が後押ししてくれる、
まずはロディア買いに行こう
海外では最近日本の本が癒されて泣ける、と人気が高いそうですが、この本はまさにそのキーワードにぴったりの、暖かさと優しさの詰まった作品でした。最近ではめっきり使うことがなくなった文房具ですが、今一度、ペンを手にとって紙に一文字一文字何かを大切に書きたい、そう思わせてくれるエピソードばかり。こんな文房具屋さんがあったら行ってみたいです。
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素敵なお話!!!!
節がしっかりあって読みやすいのに
登場人物としては他のお話とも関係があるというのが、もっと読みたい!に繋がる。
誰が話したか書かれていない話し言葉も
誰が言っているのか分かってしまうのも不思議
実際の文房具を絡めることで知っている物が出てくると
うわあああというなんとも言えない気持ちでいっぱいになる。
手元に残しておきたいと思うほど
好きを感じられる作品でした⸜
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文房具、それもいいものが欲しくなった。メモをとる事の大切さとかいいもの使うことの意味とか小説なのにビジネス書籍の様。
そして硯さんの人柄とお店の雰囲気も素敵で銀座行きたいなぁと思ってしまいました。続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
私の好きな文具店という設定もワクワクしたし、短編だけど繋がりもあって、一気に読みました。
こんな文具店に行ってみたい。温かい心を持つ人、丁寧な仕事をする人、人を大切に思う人のところに、同じような人が集まるんですね。
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すごい素敵だった〜
人の成長のそばには文房具があって、その文房具が成長を助けてくれるんだなぁ
勉強するにも、メモを取るにも、文房具が必要で、
そこにこだわるからこそ大切な思いがそのまんま相手に伝わる。
続きも読みたいー!
Posted by ブクログ
各話とても良くって、1話目「万年筆」の手紙から泣けてきました。硯さんの出しゃばりすぎない佇まいもいい。文房具ってついつい買ってしまうのだけれど、素敵な使い方の1つとしての参考書みたいで、最終話の「メモパッド」は、他のメモ術の本より、私には実行したい欲がわきました。
Posted by ブクログ
全5編の短編集。
銀座にある文房具店に訪れる人は皆悩みを抱えていて、その悩みには必ず文房具が絡んでいる。
本屋に行くと文房具も割と目に付く機会が多いし、本好きは文房具も好き?なのかもしれない。
とりあえず検索かけてみると、あぁ、これかと!
文房具好きな人と感動したい人は是非。
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なんとなく銀座の小道を歩いていたら、こんな郵便ポストとお店があるんじゃないかしら?と思っちゃうようなお話。文房具好きにはたまらない内容で、ほっこり心が温まる小説。
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銀座の文具店にて、人と人の繋がりや人生の温もりが明らかになってくる、というか思い出を語らずにいられなくなる、そこに色々な文房具が結びついてくる温かくて優しいお話でした。
わかっているけど泣かされてしまう。
文ママと最後の大将が素敵でした。
硯さんも若いながらに見習うべきお人柄、良子さんとの今後も楽しみで、6まで早く追いつきたい。
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文房具も連作短編集も好き。それぞれの登場人物も、しっかり背景が描かれていてとても気持ちよく読めた。
ただ、「ああ、◯◯は・・・」と通常は書かれると思われるところを何故か「ああっ、◯◯は・・・」と表現されることが多く、何度もびっくりしてしまった。
Posted by ブクログ
文房具店って学生じゃあるまいし大人になってから行かなくなったというより、文房具店自体が無い。ロフトとかハンズとか100均で用足りるし。昔ながらの文房具店、商品知識だけでなく、こうゆうサービス付きの専門店、文房具だけじゃなくて少なくなった営業スタイルで、だからこそのあったかストーリー、読み続け決定。
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四宝堂という文房具店を舞台にした暖かいお話。
最近はこういう本に心が癒されます。
文房具が好きなので、尚更楽しく読めました。
中でも文ママの言葉や生き方が素敵でした。
続きも読みます!
Posted by ブクログ
以前に読んだ『テッパン』という小説が面白く、かつ現役のサラリーマンの方が書かれてるとのことで、もう1冊くらい読まないと…と手に取ってみた。こちらはシリーズ化されている。(現在では4作品)
銀座の路地に佇む老舗文房具店の四宝堂において店主の宝田硯(たからだ・けん)が店を訪れるお客の様々な悩みを解決してゆく。
銀座の文房具屋と言えば思い浮かぶのは伊東屋に鳩居堂のような老舗でもチェーン化しているような店。
この四宝堂は天保の時代からの老舗とあるが、そこの店主が何故に青年なのか。
万年筆、システム手帳、大学ノート、絵葉書…文房具の名前がそれぞれお話になっている。
ホロッとくるようなエピソードも…
続編も順番に読んでみるかな。
Posted by ブクログ
ハートウォーミングな短編集。文房具屋という空間を介して、伝えることの大切さを投げかける。
主人公の宝田硯さんの人間性に惹かれ、行動することでストーリが結実する展開ゆえ、安心して読み進めることができる。
一定の感動ストーリを展開してくれるだけでなく、タイトルにある「文房具屋」にもスポットライトをあてられるか?という観点で、続編が気になる。
硯さんと良子さんとが、どういう展開で進展するか?と合わせて、続編を手にしてみたい。
Posted by ブクログ
とても読みやすい5つの短編の物語。
文房具店「四宝堂」店主の硯ちゃんとのやりとりの中で、登場人物の心の悩みやモヤモヤが解きほぐされていくお話。自分は4話目の絵葉書がじーんと心に響きました。どのお話もキーとなる文房具、どれも欲しくなってググってしまいました。文房具を使いこなせる素敵な大人になりたい。まずはロディアのメモ帳買います!
Posted by ブクログ
毎回泣けるよこのシリーズと友人に薦められ読んでみた。
確かに泣けるというか、わかっているのに泣かされるのは著者のチカラ?
この展開みえてるんだけどね 笑
しかし、あたたかい空気がほっこりする。
心を文字にすること、それを紙と筆記用具を使って表すこと、久しぶりに手紙を書きたくなった。
LINEでなく、メールでなく。
Posted by ブクログ
文房具そのものが主体になった物語かと思いきや、文房具はあくまで小道具、いや重要な脇役というところか。
5つの短編集で5つの文房具、5つのストーリーが語られる。感動的といえばそうだがちょっと作り過ぎな感も。5つの話の主人公たちがほとんど繋がっていないのも残念。これから繋がるところもあるようだが。
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文房具×温かいショートストーリー。
こんなにも心が温かくて、普段使っている文房具をとても恋しく思った。
祖母の隠された思いが明かされる『万年筆』。
クラブのママに育てられ、愛情をかけてもらったユリ。そんなママは“一流のもの”にこだわりユリを育てた。『システム手帳』
高校弓道部の主将と副主将として、大学ノートに練習日記をつけてきた七海と拓海。引退と同時に日記は終了してしまうが、七海には拓海に伝えたい思いがあった。『大学ノート』
事業には成功したものの、3度の結婚に失敗した正太郎。彼は1人目の妻藤子のお葬式の弔辞を作成するにあたり、「四宝堂」の店主硯の元を訪れるが…『絵葉書』
寿司屋の開店にあたり案内状を出すことにした銀。彼には1人案内状を出すか悩んでいる人物がいた…『メモパッド』
どれも温かくて、言葉がすぅーっと染み込んでくる。
その言葉とともに綴られる文房具たちも、とても生き生きとしていて、ますます文房具が好きになった。
次作も楽しみ♪
匿名
読んで良かった。
本当に優しいお話です。
みんなみんな優しくて レビューの感想そのまんまです。
優しい人には優しい人が集まってくるのかな?
本当に読んで良かった。
Posted by ブクログ
文房具は100均で充分!?
私は文房具専門店なんて行ったことないけど、どこで買うか、誰から買うかって大事なのかも。
手書きの方が気持ちは伝わるし、メモをとることは大切。相手を想って文房具も選ぶべきなんだな
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よかったです。
弓道部の女の子の話がときめきました。
最近、手紙とかメモを取るとかしなくなって、そもそも手書きの物に触れることが滅多にないな〜と気づいて、たまには何か紙に書いたりするのもいいなと思いました。
万年筆とか革の手帳とか、手に取ってみたくなる作品でした。
Posted by ブクログ
人間模様と文房具が交差する心温かな短編集です。
全部いい話で、いつの間にか涙が溢れてきてた。
温かくて優しさが胸に染みる物語。
物語を読んで、様々な文房具があることを知った。
文房具が必ず登場するたびに、ネットで調べてみたりすることも楽しかった。
Posted by ブクログ
可愛いカバーの本だなと手に取った作品。
文具屋の店主と少しのきっかけが欲しい人たちの短編集。
すごく背中を押してくれるというよりは、自分の中である程度決まってて後一押し…の一押しをしてくれる店主。
この作品を読んで一言日記をつけ始めた。
いつまで続くか分からないけど、文字にする事で自分の想いを自分にしっかり伝える事をしてみたいと思った。
Posted by ブクログ
ほっこりキチンとたんたんと...な人たち。
自分の現実に向き合う元気がない時に
ストーリーの人達の人生を覗かせてもらって
こころを落ち着ける感覚。
私は『万年筆』と『絵葉書』が
気に入りました。
Posted by ブクログ
文房具愛に溢れている、するっと読めて人の情を感じる一冊。
今や文具は、100均で買うものとなってしまった私にとって「文房具店」の響きがとても懐かしく感じました。
老舗文房具店の青年店主、宝田硯。この店主、普通の店主とは違います。客の話を親身に聞いてくれるばかりでなく、的確なアドバイスもしてくれ、お茶、時にはお菓子も出してくれるのです。何という至れり尽くせり!
ふらっと立ち寄れて気持ちを受けとめてくれる文房具店、近くにあるといいな。でもそれは、現実的には無理なので、昔よく行った銀座の伊東屋さんに行きたくなりました。万年筆の性能についての記述、勉強になりました。(万年筆は毛細血管現象を用いた筆記用具。墨を吸った筆に近い。)日常的に使うのに知らなかった!
【登場する文房具】
万年筆・システム手帳・大学ノート・絵葉書・メモパッド
【印象に残ったセリフ】
『技術なんてやつは、いくらでも教えてやれる。けど、それ以外のところは本人次第だ。どんなに腕があっても、性根が腐っちまった奴に美味しい料理は作れない。逆に、未熟な腕前だったとしても素直さと向上心があれば大丈夫だ』
このセリフ、料理の技術に限らず全てのことに通ずる真理だと思いました。