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メディアで大反響を呼んだ、猟犬フチと羆を追う孤高のハンターの物語!「必涙。」―― an・an・NHK週刊ブックレビュー・週刊文春・週刊新潮・週刊朝日・北海道新聞・日経新聞・ソトコト ほか多数これほどまでに迫真に満ちたハンティングの記録があったでしょうか。著者の久保俊治はいまも北海道・知床半島で羆を追う孤高のハンター。20代の頃より羆専門のハンターとして活躍、猟歴40年以上を誇ります。アイヌ語で火の女神を意味する「フチ」と名付けた北海道犬を相棒に小樽から知床半島まで羆を追い駆けめぐります。さらにはアメリカにハンター留学もしてさまざまな体験をします。初著作とは思えぬ卓越した筆力で壮絶な猟の一部始終を活写しています。ワクワクするような冒険譚に加え、大自然の春夏秋冬を繊細に描写。そして心を打つ「フチ」との悲しい別れのシーン。つまり著者は言葉を持ったハンターなのです。端的に評せば戸川幸夫氏+北方謙三氏。質の高い新たな動物文学の書き手が誕生しました。
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Posted by ブクログ
日本で唯一の羆ハンターである著者の自叙伝。北海道に住み、大学を卒業してから40年間、最初は一人で、数年後からは猟犬「フチ」とともに羆、鹿をはじめとする動物と闘う日々を過ごす。また、狩猟の本場アメリカにも修行に出かけ高い評価を受けている。若い時の著者は専業プロハンターのため、自然動物に近い繊細な感性を持っている。その著者が表現する北海道の大自然の風景、気象状況、動物の動きの描写は絶妙で、犬とともに雪をかき分け羆を追いかける風景がありありと浮かんでくる。マタギと同じく、斃した動物たちに感謝し、皮、肉、内臓に至まで、そのほとんどすべてを無駄にすることなく活用するといった自然とのつきあい方にも感銘を受けた。一般社会と距離をおき生活する人間の生き様を知る感動の一冊である。
Posted by ブクログ
北海道でプロの猟師だった著者の半生が書かれた本。
狩猟生活について、作者のの実体験がとても興味深くて新鮮だった。
探し追いつめていく過程、研ぎすまされていく感覚におどろく。
その鋭さを持っての観察力と予測はほんとうに見事で感動する。
大自然を深く知る作者の経験からあふれ出てくるような自然の描写がとても良い。誰かの書評で森の中にいるようだと言っていたそうだけれど、とてもよくわかる。
そして五感を働かせひたすら目標に向かっていく猟をする作者がうらやましいような憧れるような気持ちになった。
羆は多くの人にとってはあまり縁がないが、おそるべき自然の驚異だと思う。
土饅頭のくだりは本当に怖かった。
作者は狩猟をするにあたり、獲物の命に対して敬意をもっている。
芯の通った誠実さを感じた。
そして忘れられない、猟犬フチとの生活を書いた何章かについて、うまく言葉にできない。一生のうちで出会えた奇跡ともいえるフチ。
気持ちが入り込んでしまった。
自分もフチのことが愛しい。
猟犬としての賢さ、優秀さが嬉しい。
そして命あるもの、別れから逃れられないことがただただ悲しい。
最後は涙なしには読めないのであった。
Posted by ブクログ
小さな頃から父に連れられて猟に出ていた私は
成人を迎えてすぐに銃のライセンスを取り
大学卒業後は故郷の北海道でプロの猟師になった。
雪の中にテントを構えビバークを繰り返しながら
何日もかけて羆やシカたちを追う。
猟師になって2年後に猟の方法を掴んだ私は
猟犬を育てるという夢を実現するため犬探しをし
生れたばかりの雌の北海道犬、フチと出会った。
賢く忍耐強いフチはすぐに追い鳴き、止め鳴きを覚え
頼もしいパートナーとして成長する。
次にもうひとつの夢、ハンティングの本場アメリカで
腕試しをするためにプロハンター養成学校への留学を決意する。
フチを置いていかなければならなかったが
5週間に及ぶ集中講義が行われて見事17/19科目に
エクセレント印をもらう。
その後インストラクターやガイドの仕事を得てアメリカに滞在するが
ビザの期限が切れるため日本に戻り再びフチと共に猟に出る。
夢はさらに膨らみ、牧場経営もしたいしフチの子供も欲しい。
しかしフチの鼻に悪性のポリープが見つかってしまう。
装画:松尾たいこ 装丁:高柳雅人
日本唯一の羆ハンターである著者と猟犬フチの物語。
最初はどうして羆を殺して生活しようと思ったのかわかりませんでした。
フィクションでよく出てくるような
獲物を的としか思っていないようなハンターのイメージが強かったからか
あまりいい印象を持たずに読み始めました。のですが。
ありきたりな表現ですが命と向き合う真剣さに胸を打たれます。
「ナイフを取り出しシカの腹を裂いた。その腹腔に凍えてかじかんだ両手をもぐりこませて温める。シカの最後のぬくもりが、痛いほどの熱さで両手に染み込んでくる。私はそのまましばしの間じっとしていた。最後の温もり、生命の温もりの全部を両手にもらった。」
こんな凄い文章経験してなければ絶対に書けません。
そして中盤からはフチの健気さがとても愛しい。
ペットとしての犬には可愛さしか求めていませんが
猟犬となると賢さや従順さ、忍耐強さなどが必要となり相性も大切です。
「アイヌ語で「火の女神」という意味を持つ「アペ・フチ・カムイ」から取って「フチ」と名づけた。この名前なら冬の凍えた唇でも呟ける。」
この文で泣きました。
苦境を共に乗り越えるためのパートナーとしてフチを選んだのだということが
ひしひしと伝わってきます。
「大草原の少女みゆきちゃん」という家族ドキュメンタリーもあるそうなので
見てみたいのですが86年度文化庁芸術作品賞受賞って
今でも見る機会あるのかしら。
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