あらすじ
小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することになる小六の女の子。発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。
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Posted by ブクログ
全5章の物語。
過疎化が進んで田舎の町の廃校になる小学校が共通の舞台。
そしてそこで昔から暮らすそれぞれの家族の物語。
同じ出来事もそれぞれの立場から見えていたもの、なんとなく違っていたり、事情があったり。
そして廃校が決まった町上げての最後の小学校のお祭り。
世代が代わって、この町で結婚して子育てをしている人。
町を出て行って、生活をしている人。
この年で読むからこそ、色んなことが分かって、それぞれの事情が分かって…
苦い嫌な思い出も良い思い出も全てがあったからこそ、今、ここに辿り着けている!!
そこに深く、深く共感しました。
そうそう今でも実家に帰ると季節に合わせてドヴォルザークの音楽が町内に流れたら、小学生は帰る時間だな。。。
と知らせてくれています。
そんな日本の風情を懐かしく思いました。
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何とまぁ、今の私にど真ん中に届いてしまった。燻って諦めて誤魔化して、でも忘れ去れない思いがある。夕焼けに染まりながら、流れるドヴォルザークと学校の教室。それぞれの忘れられない思い出と過去からずっと地続きで繋がっている「私」。
短編小説だと思っていたら、実は全てが全部繋がっていました。
折に触れて、読み返したい物語でした。
Posted by ブクログ
選ぶ本が、いつも、どうしても偏ってしまうので、書店で目にした“おしゃれなタイトルの本”を買ってみよう!と決め、内容も把握せずゲットしたのがこの本でした。
結果は大満足!
廃校が決まった小学校の最後の秋祭りに集う人々、それぞれの視点から語られる5編の物語は本当に心に染みました。一人一人に人生の物語があるんですね。今さらながらそれがわかりました。この本に出会えて良かったです。
Posted by ブクログ
「しあわせは誰かの手から貰うんじゃなんて、自分の手で掴んで離さない」
うわー、そうだよね、そうなのよー
小学校の学区内の小さな世界の中で、それぞれが思い悩むことがある
狭い世界だからこそ、我慢することも
でも、うーんと伸びをして、幸せを掴みに行こう
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連作5話
類が小学6年生に体験したところから物語が始まる
どこにでもある、日常中で古い価値観や地域性がじわじわ現れる…
そしてそこから自由になりたい
類はどうするのか…
最後まで気の抜けない展開でした
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我慢して諦めて生きていかなくてもいい。
幸せは誰の手からもらうものではなく、自分の手で掴みそして離さずにいなくてはいけないもの。
主体的に生きることの大切さを、再認識させてくれる本でした。
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小さな町の小学校が廃校になるため、最後のお祭りが開かれ、そこに様々な人が集う。
その中で、今はママになった元小学生の女性たちのそれぞれの心の動きが良かった。
過去と現在が交錯する奇跡の1日。
ドヴォルザークの『落日』が流れ、1日が終わるとき、何を思うのだろう。
読み進める中で、メモしておきたいくらいいいフレーズがいくつもあった。
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ドヴォルザークの『家路』
「遠き山に日は落ちて」の原曲。曲を流しながら読んでみたらよりノスタルジック味が増した。夕暮れ時の何とも寂しい感じ、懐かしい感覚。
閉校する小学校の話だったよなと本を開くと、最初の一文からなかなかの衝撃。心の準備ができてなくてちょっと引いた。
第3話が一番良かった。
デリケートな悩みだけど、すごく大事なこと。
分かってもらえて、「我慢して、諦めて生きんでええ」って言ってもらえて、佳代子は救われたね。
ここが一番泣けたー。
Posted by ブクログ
田舎に暮らす登場人物たちの閉塞感を描いた作品なのかなと思いながら1話を読み、2話3話と読み進めると、それだけではない希望というには大袈裟な小さな光がそれぞれの話にはあった。
秋祭りの日を起点としており何度も同じシーンが描かれるが、人物によってその時々の感情が異なるため視点を変えて1日を楽しめた。
ドヴォルザークの家路が印象的。みんなそれぞれ戻るべき場所に帰って行くのだろう。
Posted by ブクログ
廃校になる小学校の最後のお祭りに集まった
過去の生徒から現在の生徒たち。
登場人物たちの、他人から見た印象と
その人自身の抱えた事情があまりにも
かけ離れていて、
何度も前の章を読み直して、同じ人だよねと
名前を確認したほど。
それぞれ人には見せないけどつらい事情が
あることに驚いた。
幸せは人にもらうものではなく
自分で掴んで離さないようにすることと
という夏海の話が印象的だった。
Posted by ブクログ
作品の随所で、ドヴォルザークの「家路」が象徴的に挿入されていることから改めて聴いてみると、耳馴染みがある一方で、どこか懐かしく儚く感じた。「家路」の旋律が作品全体を優しく、時に鋭く包み込んでいる。
第1話:ドヴォルザークの檻より
冒頭、いきなり衝撃的なシーンに胸を突かれる。小学6年生の類が、静まり返った夏休みの校舎で目撃したのは、担任の女性の先生と旅の途中で学校に立ち寄っていた画家の淫らな姿だった。そのあまりに強烈な展開に、私の想像が追いつかない。
場面は変わって、類は母校の閉校イベントに携わる大人になっていた。そのような中、再会したのは、あの夏の衝撃的な光景を一緒に目にした香坂玄。再会した二人の会話は、蓋をしていたあの日の記憶へと向かっていく。揺れ動く二人の心は、時を超えてあの頃と繋がってしまう。「家路」が流れるラストシーンに、二人の行く末の不穏な状況を想像せずにはいられなかった。
第2話:いつかのあの子
東京で暮らす千沙は、同棲相手の翔琉の過去に複雑な想いを抱いていた。人は誰しも過去を持っている。それを全て知ることはできないからこそ、ふとしたきっかけで不安や切なさが込み上げるのだろうな。
千沙が訪れた先は、前話の舞台となった町だった。そこで明かされる、前話で登場した類の夫の悟志と千沙の過去。あまりに複雑な人間関係に驚かされるが、再会した悟志からの謝罪を受けるなかで、千沙の心は激しい揺れから凪へと変わっていく。記憶の中で美化されていた思いに区切りをつけ、自分を大切にするために一歩踏み出す千沙の姿が印象的。
第3話:クロコンドルの集落で
物語は閉校イベント前日の活気へと繋がる。佳代子は、息子のいじめや夫とのセックスレスという一人で抱え込むには重すぎる悩みに息苦しさを感じていた。
そんな佳代子に光をくれたのは、認知症を患う義母だった。かつて教師として輝いていた義母が放つ「自分の人生を生きることの大切さ」という言葉。それは佳代子だけでなく、私の心にも真っ直ぐに突き刺さった。
第4話:サンクチュアリの終わりの日
閉校式当日、6年生の麦は練習を積んできた合唱での失敗を悔やんでいた。家庭環境に翻弄され、転校を余儀なくされた麦のやるせなさは、胸がしめつけられるほど。
親友の美冬に転校を言い出せずにいた麦だったが、二人きりになったとき、美冬からも意外な告白を受ける。子供であっても、それぞれが誰にも見せない事情を抱え、必死に自分の在り方を考えている。その姿は痛々しくも、どこかかっこいい。イベントラスト、校庭のカラオケ大会で校歌を歌うシーンの盛り上がりのシーンでは、麦が自分の人生を力強く歩んでいけるよう願わずにいられなかった。
第5話:わたしたちの祭り
最終話では、発達障害の息子を育てる三好の視点から、物語が収束していく。かつての担任、群先生の失踪の真相、そして類と玄の再会に立ち会う場面。ここで玄が語る本心はあまりに自己本位で、三好や夏海とともに私も動揺を隠せなかった。
しかし、そこへ現れた類の夫の悟志の、不器用ながらも堂々とした愛情表現が空気を変える。悟志が抱える後ろめたさゆえに饒舌になる姿には、可笑しみと人間味が溢れていた。
本作は、閉校という一つの節目を軸に、人々の過去と現在が丁寧に描写されている。物語に登場する魅力的な人物たちの生き様をとおして、「人の数だけ人生がある」と改めて感じさせられた。それだけに、私たちが目にする他人の表情は、その人のほんの一部でしかないと強く感じた。背景にある計り知れない思いに想像を巡らせること、それが、人との繋がりを豊かにするのかもしれない。町田そのこさんの世界観を存分に堪能できた。幸せな気持ちになる読書体験だった。
Posted by ブクログ
廃校が決まった柳垣小学校の秋祭りでの5人の女性の物語。廃校を迎えようとする小学校で、いろんな想いをかかえて生きているなかで、かつての学び舎に想いを馳せながらそれぞれの自分のなかの本音に気付いていく様がとてもよかった。
個人的には第2話の千紗の話と第3話の田中さん親子の話が心に刺さるものがありました。
みんな本音を隠しながら生きているけど、頑張ろうと思える作品でした。
Posted by ブクログ
小説を読むと、人って表面に見えているものは本当にごく一部なんだなと気づかされる。
そして、その一部すら見ている人のフィルター越しであって、その人の真実かどうかは分からない。
それなのに、見えたものに振り回されて嫉妬したり、自分を貶めたり。
読んでいると「もっと本音で話せたら、楽になれるのに」と分かるけど、実際に生活しているとこういうことってたくさんあって。
自分の本音を出すことって、簡単なのにすごく難しい。
先生だった義母さんの話がとても痛快で、やっぱり女性って強いなと思った。
Posted by ブクログ
来春に閉校が決まっている、田舎の小学校の秋祭りが舞台の5つの物語。小学校時代に現場を目撃してしまった類、類の夫の悟志と浮気の末、中絶した過去を持つ千紗、夫が自分を「女」としてみない事に苦しむ佳代子、離婚した母の元で暮らす事になる小学生の麦とシングルマザーの三好…そして帰っては来なかったけど、群先生。町田さん独特の目線で「女性」を描いた作品。
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廃校になる小学校で行われたお祭りを舞台に、5人の参加者の物語。
2話目の40代で綺麗、仕事もバリバリしてる女性の話と、4話目の旦那さんとセックスレスの女性の義母の話がとても良かった。
自分を大切に、自分を大好きな自分になれるように、私自身も過ごしていこう。
町田さんの本は、合う・合わないがあるけど、今回はとても良かった!
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「どんな事情があっても、黙って逃げちゃだめなんだよ。そうしてしまえば、逃げた側が絶対的に悪くなる。相手に言い訳の理由を与えて、被害者の顔をさせてしまう。彼らは自分がしたことを反省しなくて、むしろ、逃げたやつが悪いって恨む。群ちゃんの苦しみや哀しみは、伝えるべきひとたちにきちんと伝わらなくなってしまったんだよ。そんなの、もったいないよ」
「でもさ、それよりももっと……一番大事なのは、死ぬほど苦しんだ自分を、自分自身がリセットしてしまうなよってこと。自分のお墓に、誰かにとって都合のいい言葉を彫られてしまうようなもんなんだよ。そんなのだめでしょ。だから自分だけは、自分のために最後まで足掻くべきだ。ひとは、どれだけ辛くても、自分のために闘うことを放棄しちゃだめだ」
「しあわせは誰かの手から貰うんじゃなくて、自分の手で掴んで離さないでいるしかないんだよ」
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廃校となる小学校が舞台。タイトルとぴったり。
町田さんのこのスタイルの作品はやはり好きです。
大人だけでなく子ども視点の話もよかった。
一話目で思い描いた類の人物像が、それ以降の話ではだいぶ変わりました。
ラスト、「香坂玄」の本性(?)が残念だったので★4つですが。
Posted by ブクログ
5話でそれぞれ主人公は変わるものの、登場人物は繋がっていて、同じ人物なのに話によって印象がだいぶ異なるのが面白かった。
女性だったら、一度はシンデレラに憧れたことがあるのではないかと思うけど、人から与えられる幸福は、相手次第で簡単に失われる幸せなのかもしれない。
「しあわせは誰かの手から貰うんじゃなくて、自分の手で摑んで離さないでいるしかない」うーん、名言!
Posted by ブクログ
Audibleにて拝聴
こどもの頃、夕方に流れる音楽を聴いて家に帰った情景が思い出された。あの曲がドヴォルザークの『家路』だったんだ。
様々な登場人物視点で語られる、自分の心情と他人への勝手な決めつけが交錯しており、なんとも言えない気持ちになった。誰にも感情移入できなかったが、だれもがそうやって、ドヴォルザークに染まる夕焼けの街並みに、自分の影を見送るのかなぁと切なくなった。
Posted by ブクログ
田舎で暮らす人たちの、あの狭いコミュニティの感じをまざまざと見せつけられた感じ
性の描写が多くてちょっと好みではなかった...!
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どんな事情があっても、黙って逃げちゃだめなんだよ。そうしてしまえば、逃げた側が絶対的に悪くなる。相手に言い訳の理由を与えて、被害者の顔をさせてしまう。彼らは自分がしたことを反省しなくて、むしろ、逃げたやつが悪いって恨む。群ちゃんの苦しみや哀しみは、伝えるべきひとたちにきちんと伝わらなくなってしまったんだよ。そんなの、もったいないよ(p.260-)
Posted by ブクログ
廃校が決まった田舎の小学校
式典を行う事になり卒業生が集う事が多くなる
それぞれの思い出と現在を繋ぐ短編連作
その思い出はドヴォルザークの...
男性の僕にはやはり時代は女性だなと感じた
これも女性蔑視?失礼しました
Posted by ブクログ
町田そのこさんの『ドヴォルザークに染まるころ』を読んだ。女性だから同じ女性の気持ちを細かく描けるのは分かるけど男心まで繊細に描写できてしまう筆力に驚く。まぁ、男は単純だが…
『クロコンドルの集落で』が本当に好きで何度も読み直したい。この作品で救われたり前を向ける女性が少なからずいるのでは?
Posted by ブクログ
3.5くらい。
町田そのこさんの小説は好きだったけど、これはちょっと私の好きからは離れてたような。最後に人物が繋がって、面白かった所もあるし、この人物の話しは良いって所もあったけど、全体的に暗いというか、、。読んだ後に、あぁ面白かったって言う明るい気持ちになる感じではなかった。あくまでも個人的にだけど。
Posted by ブクログ
隣の芝生は青い。
狭い町で、それぞれが悩みを抱えているんだなーと言う話。
出てくる男性が漏れなく良くない。
胸糞とスカッとするところの割合が9:1くらいなので、読んでて気持ちいのいいものではなかった。
Posted by ブクログ
人口の少ない村の小学校が廃校になるため、最後のお祭りを村人総出で開催している。その1日を何人かの目線で書かれている、連作短編集。
村から出たことのない主婦、東京でバツイチの男性と同居している看護師、セックスレスの悩みを持つ管理栄養士、お父さんと離婚したお母さんが迎えに来る6年生の女の子、それぞれの心理描写が丁寧で面白かった。
Posted by ブクログ
私自身は田舎を出てしまったけど、田舎特有の閉塞感は想像できるので、息苦しくなりながら読んだ。
周りから見えている部分なんてその人の一面でしかないよな、と思う。忘れがちだけど。
あと町田そのこは、クソ男の描き方が上手すぎる。読んでて本当にイライラする笑