あらすじ
小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することになる小六の女の子。発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。
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Posted by ブクログ
「しあわせは誰かの手から貰うんじゃなんて、自分の手で掴んで離さない」
うわー、そうだよね、そうなのよー
小学校の学区内の小さな世界の中で、それぞれが思い悩むことがある
狭い世界だからこそ、我慢することも
でも、うーんと伸びをして、幸せを掴みに行こう
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九州の片田舎の閉鎖的な町「かなた町」
そこの柳垣小学校は廃校が決まり最後のお祭り「柳垣秋祭り」の日を迎える
その舞台で起こった閉鎖的な町の女たちの5つの短いお話
第1話 ドヴォルザーク檻より
第2話 いつかのあの子
第3話 クロコンドルの集落で
第4話 サンクチュアリの終わりの日
第5話 私たちの祭り
ただ5つのお話はそれぞれで完結すること無く
複雑に交錯し様々な出来事を様々な面から捉えて
納得感がある形で染み込んでくる
そして夕日がきれいな校庭に
「遠き山に日は落ちて。。。♪」
ドボルザークの家路が流れて全ての伏線が回収される
とっても読みやすく面白かったです
Posted by ブクログ
出だしの衝撃がすごい。でも、最後、ああ、自分の幸せを人に託してはいけないんだ、自分の手で掴みにいかなきゃいけないんだ、しみじみと感じた。田中先生の話が好き。
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物語の随所で、ドヴォルザークの「家路」が象徴的に挿入されていることから、改めて「家路」を聴いてみると、耳馴染みがある一方で、どこか懐かしく儚く感じた。「家路」の旋律が物語全体を優しく、時に鋭く包み込んでいる。
第1話:ドヴォルザークの檻より
冒頭、いきなり衝撃的なシーンに胸を突かれる。小学6年生の類が、静まり返った夏休みの校舎で目撃したのは、担任の女性の先生と旅の途中で学校に立ち寄っていた画家の淫らな姿だった。そのあまりに強烈な展開に、私の想像が追いつかない。
場面は変わって、類は母校の閉校イベントに携わる大人になっていた。そのような中、再会したのは、あの夏の衝撃的な光景を一緒に目にした香坂玄。再会した二人の会話は、蓋をしていたあの日の記憶へと向かっていく。揺れ動く二人の心は、時を超えてあの頃と繋がってしまう。「家路」が流れるラストシーンに、二人の行く末の不穏な状況を想像せずにはいられなかった。
第2話:いつかのあの子
東京で暮らす千沙は、同棲相手の翔琉の過去に複雑な想いを抱いていた。人は誰しも過去を持っている。それを全て知ることはできないからこそ、ふとしたきっかけで不安や切なさが込み上げるのだろうな。
千沙が訪れた先は、前話の舞台となった町だった。そこで明かされる、前話で登場した類の夫の悟志と千沙の過去。あまりに複雑な人間関係に驚かされるが、再会した悟志からの謝罪を受けるなかで、千沙の心は激しい揺れから凪へと変わっていく。記憶の中で美化されていた思いに区切りをつけ、自分を大切にするために一歩踏み出す千沙の姿が印象的。
第3話:クロコンドルの集落で
物語は閉校イベント前日の活気へと繋がる。佳代子は、息子のいじめや夫とのセックスレスという一人で抱え込むには重すぎる悩みに息苦しさを感じていた。
そんな佳代子に光をくれたのは、認知症を患う義母だった。かつて教師として輝いていた義母が放つ「自分の人生を生きることの大切さ」という言葉。それは佳代子だけでなく、私の心にも真っ直ぐに突き刺さった。
第4話:サンクチュアリの終わりの日
閉校式当日、6年生の麦は練習を積んできた合唱での失敗を悔やんでいた。家庭環境に翻弄され、転校を余儀なくされた麦のやるせなさは、胸がしめつけられるほど。
親友の美冬に転校を言い出せずにいた麦だったが、二人きりになったとき、美冬からも意外な告白を受ける。子供であっても、それぞれが誰にも見せない事情を抱え、必死に自分の在り方を考えている。その姿は痛々しくも、どこかかっこいい。イベントラスト、校庭のカラオケ大会で校歌を歌うシーンの盛り上がりのシーンでは、麦が自分の人生を力強く歩んでいけるよう願わずにいられなかった。
第5話:わたしたちの祭り
最終話では、発達障害の息子を育てる三好の視点から、物語が収束していく。かつての担任、群先生の失踪の真相、そして類と玄の再会に立ち会う場面。ここで玄が語る本心はあまりに自己本位で、三好や夏海とともに私も動揺を隠せなかった。
しかし、そこへ現れた類の夫の悟志の、不器用ながらも堂々とした愛情表現が空気を変える。悟志が抱える後ろめたさゆえに饒舌になる姿には、可笑しみと人間味が溢れていた。
本作は、閉校という一つの節目を軸に、人々の過去と現在が丁寧に描写されている。物語に登場する魅力的な人物たちの生き様をとおして、「人の数だけ人生がある」と改めて感じさせられた。それだけに、私たちが目にする他人の表情は、その人のほんの一部でしかないと強く感じた。背景にある計り知れない思いに想像を巡らせること、それが、人との繋がりを豊かにするのかもしれない。町田そのこさんの世界観を存分に堪能できた。幸せな気持ちになる読書体験だった。
Posted by ブクログ
廃校が決まった柳垣小学校の秋祭りでの5人の女性の物語。廃校を迎えようとする小学校で、いろんな想いをかかえて生きているなかで、かつての学び舎に想いを馳せながらそれぞれの自分のなかの本音に気付いていく様がとてもよかった。
個人的には第2話の千紗の話と第3話の田中さん親子の話が心に刺さるものがありました。
みんな本音を隠しながら生きているけど、頑張ろうと思える作品でした。
Posted by ブクログ
小説を読むと、人って表面に見えているものは本当にごく一部なんだなと気づかされる。
そして、その一部すら見ている人のフィルター越しであって、その人の真実かどうかは分からない。
それなのに、見えたものに振り回されて嫉妬したり、自分を貶めたり。
読んでいると「もっと本音で話せたら、楽になれるのに」と分かるけど、実際に生活しているとこういうことってたくさんあって。
自分の本音を出すことって、簡単なのにすごく難しい。
先生だった義母さんの話がとても痛快で、やっぱり女性って強いなと思った。
Posted by ブクログ
来春に閉校が決まっている、田舎の小学校の秋祭りが舞台の5つの物語。小学校時代に現場を目撃してしまった類、類の夫の悟志と浮気の末、中絶した過去を持つ千紗、夫が自分を「女」としてみない事に苦しむ佳代子、離婚した母の元で暮らす事になる小学生の麦とシングルマザーの三好…そして帰っては来なかったけど、群先生。町田さん独特の目線で「女性」を描いた作品。
Posted by ブクログ
廃校になる小学校で行われたお祭りを舞台に、5人の参加者の物語。
2話目の40代で綺麗、仕事もバリバリしてる女性の話と、4話目の旦那さんとセックスレスの女性の義母の話がとても良かった。
自分を大切に、自分を大好きな自分になれるように、私自身も過ごしていこう。
町田さんの本は、合う・合わないがあるけど、今回はとても良かった!
Posted by ブクログ
「どんな事情があっても、黙って逃げちゃだめなんだよ。そうしてしまえば、逃げた側が絶対的に悪くなる。相手に言い訳の理由を与えて、被害者の顔をさせてしまう。彼らは自分がしたことを反省しなくて、むしろ、逃げたやつが悪いって恨む。群ちゃんの苦しみや哀しみは、伝えるべきひとたちにきちんと伝わらなくなってしまったんだよ。そんなの、もったいないよ」
「でもさ、それよりももっと……一番大事なのは、死ぬほど苦しんだ自分を、自分自身がリセットしてしまうなよってこと。自分のお墓に、誰かにとって都合のいい言葉を彫られてしまうようなもんなんだよ。そんなのだめでしょ。だから自分だけは、自分のために最後まで足掻くべきだ。ひとは、どれだけ辛くても、自分のために闘うことを放棄しちゃだめだ」
「しあわせは誰かの手から貰うんじゃなくて、自分の手で掴んで離さないでいるしかないんだよ」
Posted by ブクログ
廃校となる小学校が舞台。タイトルとぴったり。
町田さんのこのスタイルの作品はやはり好きです。
大人だけでなく子ども視点の話もよかった。
一話目で思い描いた類の人物像が、それ以降の話ではだいぶ変わりました。
ラスト、「香坂玄」の本性(?)が残念だったので★4つですが。
Posted by ブクログ
学校って、特に6年間通った小学校ってこんなにも色んな思いが詰まった場所なんだなと改めて思いました。
今子供が小学生。きっと今色んな感情を学んで、経験して、大人になる準備をしてるんだなとしみじみ感じました。
特に3話目クロコンドルの集落で
4話目サンクチュアリの終わりの日
この2つが好きでした。
Posted by ブクログ
どんなひとでも、人生で、1つや2つ澱のようなものを抱えている。(その澱は、人それぞれであって、独特なものである)実社会では、そのような経験はひた隠しにしながら生きていくものであり、他人の人生の澱に触れる事はなかなかにない。そういう意味では、他人のそれに触れることができる作品でありました。
特にこの作品では、女性、それもある程度大人になった女性を主人公にした5つの短編で構成されているため、男性として読むと、近しいその年代の女性(私で言うと、妻)が腹のうちに抱える毒のようなものを見させられ感じ入ることで、相手に対して思いやれる気持ちが形成された。
ただクジラたちでもそうであったが、ファンタジー要素も強く、そこは読者の受け入れ方や思考で賛否が分かれるところでありそうだ。
Posted by ブクログ
小さな町の廃校が決まった小学校。
最後の秋祭りに集まった人たちの連作短編集。
結構好きでした!!
それぞれの登場人物たちにはあまり惹かれなかったのだけど、校舎やそれにまつわる過去の思い出、ドヴォルザークの「家路」。
そんな小説全体の空気感が好き。
自分も夕方、校舎の窓から秋祭りの風景を眺めながら「家路」を聞いているように心持ちになりました。
ただ、登場人物の区別がつきづらい。
話数が進むたびに、前話でどんな風に見られている人だったかを読み返す必要がありました。
一番癖が強くてイラッとさせられる杏奈視点の話も読んでみたかった。
しかし終始魅力的に描かれていたこうちゃんが、最終話であんなことになるとは!!
予想もしていなかった!
Posted by ブクログ
女として、仕事人として母として、一番惑う事があるのが40だいくらいなのかなあ。
振り返ると、愛おしい幼い自分が沢山いて
大人になった自分の中で抱きしめている様な気がする。自分で選んだ人生のはずなのに、時々さみしかったりして。
いくつになっても、幸せを見つける為に闘わなくてはね。
自分で自分を抱きしめて!
Posted by ブクログ
廃校が決まった小学校、子供時代を振り返るとそれぞれにいろんな想いが⋯家族、両親との問題、子供ながらに感じていた苦痛や痛み。担任の先生が突然いなくなってしまったことは大人になった今でも心に傷を残していた。自分の才能で幸せを掴む。我慢せず後悔しないように生きていきたい。そう思える作品だった。
Posted by ブクログ
もうすぐ廃校になる小学校を舞台に、それぞれの年の卒業生や先生、在校生達の心の苦しさを、ギュッと押し詰めた一冊でした。
幸せそうに見えても、本当は本人しか分からない苦しみがある。誰もがそれを人に隠して戦っているんだなぁと感じました。
いろいろな登場人物とそれぞれの繋がりも面白かったです。
Posted by ブクログ
廃校が決まった小学校の最後に計画された秋祭り
在校生や過去の卒業生のそれぞれが
描写される
小学校時代に起きた教師の駆け落ち
事件
その地域を出ることなく同級生同士で
結婚した夫婦
同級生の父親と不倫している母親の
成長期の子どもの感情
義理の親との関係
息苦しい環境から出たい願望
でもそこには安心安定がある
声に出して
変化を求める勇気が必要
自分が必要とする物は自分の力で
手に入れる
そう生きようとすると嫌な事いっぱい
あるけど
ある母親の言葉
印象的だった
Posted by ブクログ
地元の小学校の閉校。それに集う人達。小さな町で人間関係に縛られながら生きていく人たちの話。
町田そのこのメタ認知強めの人が出てくる話www。心情の表現が多い印象。いつも通り?色々な登場人物の視点で書かれている。ちょっと暗めの話な気もするから、読んでてハッピーな感じの話ではないかもしれない。
Posted by ブクログ
廃校になる小学校の最後の秋祭りでの様々な女の人、女の子のお話。
それぞれ皆んなが色んなもの抱えてる、切なくなる話も最後は前向きになっていくのが、よかった。
主人公になる人の目線で同じ場面の話もこんなにも変わるんだと思った。私の感情も同情的になったり、同情する事なかったと思ったり色んな感情で最後まで楽しめた。
Posted by ブクログ
隣の芝生は青い。
狭い町で、それぞれが悩みを抱えているんだなーと言う話。
出てくる男性が漏れなく良くない。
胸糞とスカッとするところの割合が9:1くらいなので、読んでて気持ちいのいいものではなかった。
Posted by ブクログ
人口の少ない村の小学校が廃校になるため、最後のお祭りを村人総出で開催している。その1日を何人かの目線で書かれている、連作短編集。
村から出たことのない主婦、東京でバツイチの男性と同居している看護師、セックスレスの悩みを持つ管理栄養士、お父さんと離婚したお母さんが迎えに来る6年生の女の子、それぞれの心理描写が丁寧で面白かった。
Posted by ブクログ
私自身は田舎を出てしまったけど、田舎特有の閉塞感は想像できるので、息苦しくなりながら読んだ。
周りから見えている部分なんてその人の一面でしかないよな、と思う。忘れがちだけど。
あと町田そのこは、クソ男の描き方が上手すぎる。読んでて本当にイライラする笑
Posted by ブクログ
"田舎で暮らしていると情報が筒抜けで、近所の人たちに詮索されているようで居心地が悪いから抜け出したい"みたいなことは他の本でも読んだことがある
実際に閉鎖的な田舎で暮らしたことがないからわからないけど、現実もこんな感じなのだろうか
同じ時間を子供や違う親の視点で見てみると、
この人視点の時はただの冷たい人間だなと感じた人が
違う視点で読んでみるとまるで別人のように感じられたのがおもしろかった
色んな角度から物事をみることって大事なんだな
今は結婚生活に夢を見ているけれど、
難しくて辛いことがたくさんあるんだって現実を突きつけられた気がする
結末が、安心とかスカッとしたように感じられたけど
なんだかドロドロした感じが抜けきれなかった
Posted by ブクログ
この方の本は暗いイメージなんだが、今作も見事だ。みんな悩んでいるんだなぁ。友達とか知り合いとか、必要ないって思ってしまう。でも家族はそうはいかない。もっとたちが悪い。結局は自分が進みたい方向を自分が理解して行動を起こすしかない。そんな気がする。
お話の作りは好き。さすが作家先生って言いたい。
Posted by ブクログ
子どもから大人へと成長し故郷、ここでは小学校に焦点を当てて話が進められていく。純粋に思っていた気持ちが複雑になっていくのが大人になるということ。それを受け入れるのも大切な作業。色んな世代にも愛される作品だと思いました。
Posted by ブクログ
・ドヴォルザークの檻より
こんなトラウマになってしまいそうな出だしなんて、と思って読み始めたが、主人公ふたりとも檻から出られないふたりだった。続きはないけれど、幸せになってほしい、と願ってしまう。
・いつかのあの子
自分と重ねてしまった。
捩れてしまったこころ。タイミングの良すぎることに、所詮物語、とも思わなくもないが、千沙があまりにも自分をいじめすぎていて苦しくなる。一歩進めたであろう描写に、ホッとする。
最終的にはまぁるく収まるところに収まった。
そんな印象。
最初の二つの話が強かった分、残りは軽く読めた。最後の話は、収めるために書かれたのだろうか。
Posted by ブクログ
ザ •九州って感じ。男をたてる感じとか
閉鎖的な感じが(偏見かも)
それがイライラしたのと、苗字で読んだり下の名前で読んだりするから、登場人物と家庭の事情がごっちゃになった
Posted by ブクログ
町田さんの話を読むたびに読まなくても良かったなあと思うのだが、また読んでしまった。今回もクソ男のオンパレードで私もそう思われてるかも知れない(誰に?)、そいつらに不愉快になる。ただ、同じ時間軸をこういう連作でまとめるうまさは凄いわ。最後にまとめてるしね!